四半期報告書-第136期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 16:51
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し、社会・経済活動が大きく制限され停滞するなど、極めて厳しい状況となりましたが、経済活動の再開や経済対策に伴い緩やかな回復基調となっております。しかしながら、米国や欧州を中心に同感染症の拡大が続いているなど依然終息の目処が見られず予断を許さない状況が続いております。わが国経済におきましても、緊急事態宣言解除後の経済活動の再開に伴い、個人消費や企業収益に持ち直しの兆しも見られましたが、昨年末からは同感染症の流行が再拡大するなど、先行き不透明な状況です。 このような状況のなか、当社グループの主要な取引先であります自動車業界では、世界的な需要の減速により、工場の操業停止や生産調整が相次ぎ、自動車生産台数は減少いたしました。もう一つの柱であります鉄鋼業界においても、鋼材需要の後退を受け減産となるなど、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況で推移いたしました。
売上高は696億94百万円(前年同期比21.5%減)となりました。依然厳しい状況に変わりはありませんが、第1四半期連結会計期間207億93百万円、第2四半期連結会計期間235億24百万円、当第3四半期連結会計期間253億76百万円と回復基調で推移いたしました。事業の種類別セグメント毎の売上高は、前年同期に比べ薬品事業が16.1%減、装置事業が34.5%減、加工事業が20.0%減、その他が28.2%減といずれも減収で推移しております。また、地域別セグメントは、国内が18.1%減、アジアが28.4%減、欧米が19.1%減といずれも減収で推移しております。
営業利益は68億48百万円(前年同期比36.6%減)と、当第3四半期連結会計期間は売上高の回復に伴い改善が見られました。経常利益は88億68百万円(前年同期比32.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は58億54百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の総資産経常利益率(ROA)は4.1%(年換算5.5%)と前年同期と比べ1.9ポイント減少いたしました。また、自己資本利益率(ROE)は4.0%(年換算5.3%)と前年同期と比べ1.8ポイント減少いたしました。
海外業績の換算による損益計算書に与える影響額は、売上高で8億5百万円程度の減収、営業利益で46百万円程度の減益となっています。
第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業区分を一部変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
セグメント情報ごとの業績は、次のとおりであります。
①薬品事業
売上高は291億94百万円(前年同期比16.1%減)となり、営業利益は44億95百万円(前年同期比22.3%減)となりました。当事業部門は、金属などの表面に耐食性、耐摩耗性、潤滑性など機能性向上を目的とする化成皮膜を施し、素材の付加価値を高める薬剤などを中心に製造・販売しております。新型コロナウイルス感染症の影響により、国内では鉄鋼・自動車業界などの取引先で減産調整が行われ、海外においても政府要請による工場シャットダウンを余儀なくされるなど、厳しい状況で推移しました。当第3四半期連結会計期間は、鉄鋼・自動車業界などの取引先において生産好転がみられましたが、減収減益で推移しました。
②装置事業
売上高は107億54百万円(前年同期比34.5%減)となり、営業利益は32百万円(前年同期比86.9%減)となりました。当事業部門は、輸送機器業界を中心に前処理設備、塗装設備及び粉体塗装設備などを製造・販売しております。大型案件の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、現場行程の遅れや受注案件においても顧客の設備投資見直しにより売上計上時期の遅れや為替変動による収益性の悪化が見込まれております。
③加工事業
売上高は276億71百万円(前年同期比20.0%減)となり、営業利益32億81百万円(前年同期比43.5%減)となりました。当事業部門は、熱処理加工、防錆加工、めっき処理などの表面処理の加工サービスを提供しております。国内の一部工場での一時休業の実施や、海外では政府要請による工場シャットダウンなどにより、生産活動が制限されたことにより減収減益で推移しました。当第3四半期連結会計期間は、国内では主要取引先である自動車部品メーカーの生産好転により回復傾向にありますが、タイや米国など海外では収益面での回復が遅れております。
④その他
売上高は20億74百万円(前年同期比28.2%減)となり、営業利益は1億8百万円(前年同期比106.3%増)となりました。当事業部門は、為替の影響を受けない国内を中心に、ビルメンテナンス事業、太陽光発電事業などを営んでおります。また、ライフサイエンス事業として、一般消費者向けに抗菌剤Pal-feelの販売を開始しました。併せて、医療機器への参入を進めており、自社開発のコーティング技術により、組織付着を低減した電気メス部品を上市し、2020年“超”モノづくり部品大賞「健康福祉・バイオ・医療機器部品賞」を受賞しました。
(2) 財政状態の状況
(資産の部)
資産合計は、前連結会計年度末と比較し13億64百万円減少し2,154億9百万円となりました。流動資産は43億49百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が12億29百万円、受取手形及び売掛金が26億43百万円それぞれ減少いたしました。固定資産は29億85百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産が23億63百万円減少した一方で、投資その他の資産が投資有価証券の時価上昇などにより53億90百万円増加いたしました。
(負債の部)
負債合計は、前連結会計年度末と比較し25億94百万円減少し432億31百万円となりました。流動負債は39億97百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金が31億94百万円減少いたしました。固定負債は14億3百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券の時価上昇に伴い繰延税金負債が16億円増加いたしました。
(純資産の部)
純資産合計は、前連結会計年度末と比較し12億30百万円増加し1,721億77百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が28億95百万円、自己株式が13億63百万円、その他有価証券評価差額金が45億93百万円それぞれ増加した一方で、為替換算調整勘定が19億57百万円、非支配株主持分が30億80百万円それぞれ減少いたしました。
以上の結果、自己資本比率は68.5%と前連結会計年度末と比較し2.4ポイント増加するとともに、1株当たり純資産は1,254円39銭と51円5銭増加いたしました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、14億75百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数
① 連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はありません。
なお、従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人数であります。
② 提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
なお、従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人数であります。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(7) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。