有価証券報告書-第133期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 13:32
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その適用においては、過去の実績などを勘案して将来の見積りを計上することが必要とされる場合があります。特に連結財務諸表に重要な影響を与える見積りを必要とする項目は以下のとおりであります。
①貸倒引当金
売掛金、貸付金その他これらに準ずる債権を適正に評価するため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、債権の相手先の財務状況が悪化して支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
②有形固定資産
償却資産に関しては、一般に公正妥当と認められる減価償却方法に基づき実施しております。また、固定資産の減損に係る会計基準に従い、減損損失の認識と測定を実施しておりますが、資産の市場価格の見積りや将来キャッシュ・フローの見積りは、合理的な仮定や予測に基づいて算出するため、当社グループによる見積りより悪化した場合、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
③投資有価証券
当社グループは金融機関及び販売、仕入に係る取引先等の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損損失を計上しております。なお、将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収が不能となる状況が発生した場合、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
④退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件には、割引率、期待収益率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。当社及び一部の国内連結子会社が加入する年金制度においては、割引率は安全性の高い長期債券をもとに算出しています。期待収益率は、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針及び市場の動向等を勘案し計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来の費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(2)経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国の政策動向や東アジアの地政学的リスクの影響が懸念されるなど依然として先行き不透明な状況が続いたものの、引き続き堅調な米国経済に加え、中国をはじめとするアジア経済の持ち直しにより総じて堅調に推移いたしました。また国内経済は、好調な企業収益を背景に雇用環境の改善が見られるなど緩やかな回復基調が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境は、主要な供給先であります自動車業界では、国内の自動車生産は引き続き回復基調にあり、海外を含め総じて堅調に推移いたしました。もう一つの柱である鉄鋼業界では、需給環境等の改善を背景に海外鉄鋼需要は堅調に推移し、国内においても自動車向けや建築・土木向けなどを中心に堅調に推移いたしました。
このような状況において当社グループでは、当連結会計年度を2年目とする第2次中期経営計画のもと、「あらゆる素材の表面改質の分野で市場における技術的な優位性を維持し、表面改質分野に於けるグローバル・リーディング・カンパニーを目指す」をスローガンに、「事業基盤の強化・拡大」、「技術立社」、「企業体質の基盤強化」を重点課題としてグループ一丸となって取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、次のとおりとなり、売上高、営業利益、経常利益、親会社に帰属する当期純利益いずれも過去最高となりました。
売上高は114,840百万円と前連結会計年度(以下、前期)に比べ5,271百万円(4.8%)の増収となりました。海外の薬品事業及び国内外の加工事業が堅調に推移いたしました。事業の種類別セグメント毎の売上高は、前期に比べ薬品事業が5.2%、加工事業が10.8%、その他が6.0%の増収となる一方、装置事業が△7.3%の減収となりました。所在地別セグメント毎の売上高は、国内が1.0%、アジア地域が12.1%、欧米地域が5.9%の増収となりました。この結果、総売上高に占める海外売上高は42.4%と前期に比べ2.3ポイント増加いたしました。
営業利益は17,984百万円と前期に比べ1,049百万円(6.2%)の増益となりました。売上総利益は43,197百万円と前期に比べ1,922百万円(4.7%)の増益となりましたが、販売費及び一般管理費は25,213百万円と前期に比べ872百万円(3.6%)の増加に留まりました。その内訳は人件費が4.8%、経費が1.9%それぞれ増加いたしました。
経常利益は20,750百万円と前期に比べ1,970百万円(10.5%)の増益となりました。営業外収益から費用を差し引いた営業外の収支は、前期は661百万円計上された為替差損が当連結会計年度は20百万円に減少したことなどにより2,765百万円の収入となり、前期に比べ920百万円(49.9%)増加いたしました。この結果、総資産経常利益率(ROA)は9.9%と前期に比べ0.2ポイント増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益は12,721百万円と前期に比べ493百万円(4.0%)の増益となりました。1株当たりの純利益は104.85円と5.71円(5.8%)増加いたしました。この結果、当連結会計年度の自己資本利益率(ROE)は9.7%と前期に比べ0.5ポイント減少いたしました。
なお、当連結会計年度の為替換算レートは、概ね前期に比べ円安に推移いたしました。この影響により売上高で1,727百万円程度の増収、営業利益で283百万円程度の増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
薬品事業
外部顧客に対する売上高は45,599百万円と前期に比べ2,251百万円(5.2%)の増収となり、営業利益は9,465百万円と492百万円(5.5%)の増益となりました。当事業部門は、金属などの表面に耐食性、耐摩耗性、潤滑性など機能性向上を目的とする表面改質を施し、素材の付加価値を高める薬剤などを中心に製造・販売しております。国内では期後半において原材料価格高騰の影響もあり収益性が低下いたしましたが、タイ、インド、中国をはじめ海外では需要が拡大し、全体として増収増益となりました。
装置事業
外部顧客に対する売上高は20,292百万円と前期に比べ△1,587百万円(△7.3%)の減収となり、営業利益は856百万円と△723百万円(△45.8%)の減益となりました。当事業部門は、輸送機器業界を中心に前処理設備、塗装設備、粉体塗装設備などを製造・販売しております。中国において自動車メーカーの設備需要が伸びたものの、国内の減収幅が大きく全体では減収となりました。収益面でも、受注獲得のための競争が厳しさを増しており、営業利益は減益となりました。
加工事業
外部顧客に対する売上高は44,536百万円と前期に比べ4,357百万円(10.8%)の増収となり、営業利益は8,682百万円と1,347百万円(18.4%)の増益となりました。当事業部門は、熱処理加工、防錆加工、めっき処理などの表面処理の加工サービスを提供しております。国内では自動車部品における加工処理の需要回復により、熱処理加工を中心に順調に推移いたしました。海外では、タイや中国で大幅な増収となりました。また、メキシコにおいても期後半より新工場の本格稼動が開始したことから、全体として増収増益となりました。
その他
外部顧客に対する売上高は4,411百万円と前期に比べ249百万円(6.0%)の増収となり、営業利益は188百万円と△99百万円(△34.5%)の減益となりました。当事業部門は、為替の影響を受けない国内を中心に、ビルメンテナンス事業、運送事業、太陽光発電事業などを営んでおります。ビルメンテナンス事業が低調に推移いたしました。
目標とする経営指標の達成状況は、次のとおりであります。
当社グループは、製品の付加価値向上と差別化技術の開発を柱に、総資産経常利益率(ROA)8%以上を維持しながら、連結売上高を毎年3%以上拡大させていくことを目標としており、中長期的に企業価値の向上を目指す企業でありたいと考えております。また、長期的な業績拡大を目指し、海外売上高比率50%を目標としております。このため、上記を重要な指標と位置づけております。
当連結会計年度におけるROAは9.9%、増収率4.8%、海外売上高比率42.4%であり、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
薬品事業金属表面処理剤30,8713.1
圧延油1,293△3.9
防錆油4,645△0.4
めっき液3,9037.6
その他7539.2
小計41,4662.9
装置事業前処理装置及び塗装機器19,2648.7
小計19,2648.7
加工事業防錆加工18,47813.7
熱処理加工25,3717.5
小計43,85010.0
報告セグメント 計104,5816.9
その他テストピース2788.2
小計2788.2
合計104,8596.9

(注) 1 金額は販売価格にて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 上記の他に外注生産され、連結会社で製品として受け入れたものは次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
薬品事業金属表面処理剤7672.6
圧延油1,30616.5
防錆油57△25.5
その他16△2.9
小計2,1489.4
装置事業前処理装置及び塗装機器268△77.6
その他2,335△33.7
小計2,603△44.8
合計4,752△28.9

(注) 1 金額は販売価格にて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
装置事業前処理装置及び塗装機器23,39639.617,72553.0
その他3,72441.81,530224.8
小計27,12139.919,25559.7
加工事業防錆加工18,45613.514913.8
熱処理加工26,1169.12119.6
小計44,57310.936011.3
報告セグメント 計71,69420.319,61558.5
その他構造物メンテナンス1,085△9.2750△3.8
小計1,085△9.2750△3.8
合計72,77919.820,36554.8

(注) 1 金額は販売価格にて表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 薬品事業については受注見込みによる生産方式をとっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
薬品事業金属表面処理剤29,2664.8
圧延油2,3448.6
防錆油3,721△4.1
工業用洗浄剤1,016△4.9
めっき液3,7487.2
その他5,50314.4
小計45,5995.2
装置事業前処理装置及び塗装機器17,626△5.1
その他2,665△19.5
小計20,292△7.3
加工事業防錆加工18,43813.4
熱処理加工26,0989.1
小計44,53610.8
報告セグメント 計110,4284.8
その他構造物メンテナンス1,115△43.5
その他3,29650.7
小計4,4116.0
合計114,8404.8

(注) 1 金額には消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

(2) 財政状態
(資産の部)
総資産合計は前期末に比べ23,625百万円増加し220,886百万円となりました。流動資産は14,309百万円増加し111,331百万円となりました。主な増減といたしましては、現金及び預金が10,273百万円、売上高の増加に伴い受取手形及び売掛金が4,100百万円それぞれ増加いたしました。固定資産は9,315百万円増加し109,554百万円となりました。主な増減といたしましては、有形固定資産が4,105百万円、投資有価証券の時価の上昇などにより投資その他の資産が5,005百万円それぞれ増加いたしました。
(負債の部)
負債合計は前期末に比べ6,872百万円増加し57,630百万円となりました。流動負債は6,334百万円増加し39,896百万円となりました。主な増減といたしましては、支払手形及び買掛金が3,384百万円、前受金などにより流動負債その他が2,824百万円増加いたしました。固定負債は537百万円増加し17,733百万円となりました。主な増減といたしましては、長期借入金が772百万円減少した一方、退職給付に係る負債が383百万円、その他有価証券評価差額金などに係る繰延税金負債が1,391百万円それぞれ増加いたしました。
(純資産の部)
非支配株主持分を含めた純資産合計は前期末に比べ16,753百万円増加し163,255百万円となりました。
株主資本は前期末に比べ10,471百万円増加し123,762百万円となりました。主な増減といたしましては、利益剰余金が10,247百万円増加いたしました。また、その他の包括利益累計額は4,583百万円、非支配株主持分は1,698百万円それぞれ増加いたしました。
以上の結果、自己資本比率は62.6%と前期末から0.1ポイント増加いたしました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
薬品事業
総資産合計は前期末に比べ8,352百万円増加し59,437百万円となりました。流動資産は5,398百万円増加し42,131百万円となりました。有形固定資産は3,256百万円増加し13,891百万円となりました。無形固定資産は50百万円増加し560百万円となりました。投資その他の資産は352百万円減少し2,853百万円となりました。
装置事業
総資産合計は前期末に比べ2,188百万円増加し19,956百万円となりました。流動資産は2,123百万円増加し18,309百万円となりました。有形固定資産は34百万円増加し805百万円となりました。無形固定資産は2百万円減少し22百万円となりました。投資その他の資産は32百万円増加し818百万円となりました。
加工事業
総資産合計は前期末に比べ4,411百万円増加し72,434百万円となりました。流動資産は4,426百万円増加し33,392百万円となりました。有形固定資産は603百万円増加し30,996百万円となりました。無形固定資産は2百万円減少し557百万円となりました。投資その他の資産は615百万円減少し7,487百万円となりました。
その他
総資産合計は前期末に比べ308百万円増加し4,246百万円となりました。流動資産は167百万円増加し2,783百万円となりました。有形固定資産は130百万円減少し1,023百万円となりました。無形固定資産は大きな増減はなく10百万円となりました。投資その他の資産は270百万円増加し429百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、期首と比較し10,865百万円増加し、53,149百万円となりました。なお、当連結会計年度では、現金及び現金同等物に係る換算差額により407百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前期に比べ3,187百万円収入が増加し19,238百万円の収入となりました。税金等調整前当期純利益は20,740百万円であり、主な調整は減価償却費5,381百万円、売上債権の増加額△3,073百万円、仕入債務の増加額2,647百万円、前受金の増加額1,486百万円、法人税等の支払額△5,903百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
前期に比べ262百万円支出が減少し4,739百万円の支出となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による支出8,154百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
前期に比べ2,345百万円支出が減少し4,041百万円の支出となりました。主な支出は、配当金の支払額2,472百万円であります。
(キャッシュ・フロー関連指標)
前連結会計年度
(平成29年3月31日)
当連結会計年度
(平成30年3月31日)
自己資本比率62.5%62.6%
時価ベースの自己資本比率84.6%95.5%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率25.3%19.3%
インタレスト・カバレッジ・レシオ283.9倍425.0倍

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、加工処理費用、商品の仕入、販売費及び一般管理費、法人税等の支払、配当金の支払、運転資金及び設備投資資金などであります。
当連結会計年度は、有形固定資産の取得で8,154百万円、法人税等の支払額で5,903百万円、配当金の支払で2,472百万円などの資金需要がありました。また、現金及び預金同等物の期末残高は、期首に比べ10,865百万円増加いたしました。有利子負債は当連結会計年度は339百万円減少しております。
基本的に運転資金については、期限が一年以内の短期借入金で、通常各々の会社で運転資金として使用する現地の通貨で調達しております。設備投資資金については、原則として資本金、内部留保といった自己資金を利用しておりますが、一部では借入金によるものがあります。

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