有価証券報告書-第153期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および製品の販売価格改定に取り組んでまいりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円の計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円の計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円の計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。
今後のわが国の経済については、緩やかな回復基調が継続すると見込んでおります。一方で、米国の政策動向による経済への下振れリスクに対する警戒感が強まっており、また、物価高の長期化による消費マインド自体の低下や、不安定な国際情勢等の継続による当社グループの業績への影響が不透明であるため、引き続き市況を注視しつつ、持続的成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円)

「経営成績の四半期推移」 (百万円)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、2023年3月期の期首より全社費用の区分を見直しております。それに伴い、各事業のセグメント利益または損失(△)については2022年3月期からの数値を記載しております。

(インキ事業)
(単位:百万円)
インキ事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めることで利益確保に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、引き続き、重要顧客への販売強化を行った結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。
グラビアインキは、安定した食品パッケージ市場において、印刷物に各種機能を付与する機能性製品の拡販を中心に、利益改善に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果および機能性製品が伸長したことに加え、第3四半期より株式会社T&K TOKAから承継した製品の販売が本格化した結果、前年度に比べ売上高は増加し、利益は改善いたしました。なお、株式会社T&K TOKAからのグラビアインキ関連事業の承継は計画通り、2025年3月31日付にて完了いたしました。
インクジェットインクは、産業用途市場が堅調に推移する中、受託製品と自社製品の両輪により利益拡大に努めてまいりました。海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品が堅調に推移した結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、インキ事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益になりました。
今後のインキ事業につきまして、オフセットインキ市場の縮小が継続することが考えられますので、より一層の選択と集中により、事業構造の改革を進めてまいります。グラビアインキおよびインクジェットインク市場は堅調に推移することが見込まれますので、利益拡大に向けた製品開発および販売活動強化に努めてまいります。事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷低減もしくは社会貢献に寄与する製品(以下、サステナブル対応製品)の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

(化成品事業)
(単位:百万円)
化成品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
化成品事業は、プラスチック用着色剤・機能性付与剤であるマスターバッチおよび樹脂コンパウンドを中心に事業を展開し、利益改善に努めてまいりました。
自社製品は、国内自動車生産台数の減少影響が継続する中、自動車用途向け製品の販売活動を強化した結果、前年度に比べ増加いたしました。また、プラスチック製消耗材市場の縮小が継続する中、市況が大きく落ち込んだ前年度に比べ、フィルムおよび容器用途製品等が増加した結果、売上高は増加いたしました。
受託製品は、前年度に比べ、受注数量が増加したことに加え、引き続き光学用途製品が好調に推移した結果、売上高は増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、化成品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこともあり、前年度に比べ増収増益になりました。
今後の化成品事業につきまして、国内におけるプラスチック製消耗材市場縮小の継続が考えられます。そのため、国内の事業領域を周辺領域まで拡げることに加え、ASEAN地域の成長に合わせた海外事業拡大により、利益改善に努めてまいります。また持続可能な社会の実現に向け、プラスチックリサイクルに貢献できるサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

(加工品事業)
(単位:百万円)
加工品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
幅広い分野にプラスチック製品を提供している加工品事業は、回転異形成形技術を駆使したネトロン®、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材を中心に利益拡大に努めてまいりました。
ネトロン®の売上高は、製品販売価格改定効果があったものの、第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故の影響に加え、顧客におけるBCP対策による受注減等の影響により、前年度に比べ減少いたしました。また、利益は売上高の減少に加え、生産体制の再構築に伴う一時的な経費増加も影響し、減少いたしました。
一軸延伸フィルムの売上高は、産業用途フィルムの増加および製品販売価格改定効果等により、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は在庫の受払調整の影響等により減少いたしました。
土木資材の売上高は、引き続き、当社主軸製品であるジオセル各工法が防災・減災用途および基礎地盤用途等で需要が高まり、前年度に比べ増加したものの、一般土木資材が低調であった影響が大きく、減少いたしました。一方、利益は高付加価値品が伸長した影響等により、増加いたしました。
農業資材の売上高は、燃油使用量削減に寄与する保温資材等の高機能製品が減少したものの、一般農業資材が増加したことにより、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は前年度並みとなりました。
この結果、上記の表に記載のとおり、加工品事業の当連結会計年度の業績は、ネトロン®の影響が大きく、前年度に比べ減収減益になりました。
今後の加工品事業につきまして、ネトロン®は、市場成長が期待できる水処理用資材を中心に業績の改善に努めてまいります。一軸延伸フィルムは、食品包装用途と産業用途を中心に利益の向上を目指してまいります。土木資材は、引き続き国が推進している「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途製品を中心に更なる成長を目指してまいります。農業資材は、保温資材等の高機能製品の製品開発・拡販により、利益の向上を目指してまいります。また、事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向けたサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、前年度並みとなりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

②財政状態の状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形の減少3億6千万円、売掛金の増加1億6千9百万円、債権流動化実施に伴う影響等による電子記録債権の減少11億6千4百万円、棚卸資産の減少3億2千1百万円、有形固定資産の増加7億1千7百万円および政策保有株式縮減に伴う影響等による投資有価証券の減少5億円等によるものです。
負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少13億2千7百万円、債権流動化実施に伴う資金調達等による短期借入金の減少9億3千万円、1年内返済長期借入金の増加2億5千4百万円、未払法人税等の増加2億1千9百万円および繰延税金負債の減少1億8千万円等によるものです。
純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加8億6千1百万円、自己株式の取得による自己株式の増加2億1千8百万円、政策保有株式縮減に伴うその他有価証券評価差額金の減少等によるその他の包括利益累計額の減少2億1千9百万円等によるものです。
なお、当社は、資本効率の向上を意識した機動的な株主還元策の一環として、株主利益の向上を図るため、2025年2月7日開催の取締役会において、自己株式の取得を決議いたしました。本決議に基づき、取得する株式の総数を15万株(上限)、取得価額の総額を5億円(上限)とし、2025年2月10日より株式会社東京証券取引所における市場買付けにより自己株式の取得を開始しております。当連結会計年度末時点における、当該決議に基づき取得した自己株式の取得価額の総額累計は、2億1千7百万円となります。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億8千万円の収入となりました(前連結会計年度は19億8千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益15億7千9百万円、減価償却費14億8千3百万円が計上され、売上債権の減少13億4千9百万円、棚卸資産の減少3億4千7百万円、仕入債務の減少13億3千5百万円、退職給付に係る資産の増加5億4千4百万円、投資有価証券売却益8億3千3百万円、出資金運用損8億円、役員退職慰労引当金の減少2億6百万円、法人税等の支払額の増加1億8千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11億7千8百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億8千1百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千3百万円、無形固定資産の取得による支出2億1千1百万円、投資有価証券の売却による収入9億8千9百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億5千4百万円の支出となりました(前連結会計年度は3億9千8百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億3千万円、長期借入による純増額2億8千4百万円、自己株式の取得による支出2億1千8百万円、配当金の支払額3億1千7百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆資産の部
(単位:百万円)
セグメント資産の状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末の負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆負債の部
(単位:百万円)
純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆純資産の部
(単位:百万円)
ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。
各事業セグメント別につきまして、インキ事業では、オフセットインキが産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めたことによる一定の売上確保、グラビアインキが機能性製品の拡販と株式会社T&K TOKAから承継した製品販売の本格化、インクジェットインクが海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したこと等により増収増益となっております。
化成品事業では、物価高に伴う消費意欲低下および環境対応の影響が継続する中、自社製品が自動車用途向け製品の販売活動の強化、フィルムおよび容器用途製品の売上回復、受託製品が光学用途製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したことに加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこと等により、増収増益となっております。
加工品事業では、各製品セグメントにおける製品販売価格改定の一定程度進捗、土木資材の防災・減災用途に使用されるジオセル工法の需要増加があったものの、ネトロン®の工業材料である水処理用資材が第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故および顧客におけるBCP対策による受注減等の影響等により、減収減益となっております。
原材料価格とエネルギーコストは不安定な国際情勢の影響により先行きが不透明でありますので、それらの動向を注視し、適宜製品販売価格への反映を継続することが課題であると認識しております。
また、中長期の市場環境として、デジタル技術の急速な進展によるライフスタイルの変化、商業・出版印刷市場のデジタル化へのシフト、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れ等、当社グループ製品の需要動向全体に影響を及ぼす市場環境変化が加速していることも当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因と認識しております。
ハ.中期経営計画「TOKYOink 2024」総括
中期経営計画「TOKYOink 2024」は2つの経営方針、5つの基本戦略を基に取り組みを進め、2025年3月期に最終年度を迎えました。
a.経営方針
・市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
・低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
b.5つの基本戦略と実施内容
・ESG経営の推進
環境(E):
・TCFD提言対応や使用済プラスチック再資源化の取り組みへの参画を実施
・温室効果ガス排出量削減目標設定:2030年度△50%(2013年度比 Scope1、2)
・サステナブル対応製品の定義付けと売上高比率目標設定:2030年度売上高比率50%
社会(S):
[社内]人事制度の整備やBCP計画策定等の社内的な取り組み
[地域貢献]本社地区での小学生を対象とした職業体験等
ガバナンス(G):
・より実効性を高める目的でのコーポレート・ガバナンス体制の刷新
・新製品開発・新規事業探索
・材料のバイオマス度向上により環境負荷低減につながる製品や最終製品に機能を付与することで食品ロス低減等社会に貢献できる製品であるサステナブル対応製品の開発への取り組みを継続
・高効率運営の実現
・RPA活用による自動化、労務・勤怠管理システム導入等による業務効率化を推進
・生産ラインの自動化に向けたモデルライン構築の推進
・成長投資
・成長事業として位置付けている加工品事業での生産性向上・開発投資(ネトロン®・土木資材)
・各事業での生産性向上投資(化成品・自動化モデルライン等)
・資本効率・株主還元
・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、2024年5月に新たな目標を策定
2031年3月期ROE8.0%以上
配当性向40%以上またはDOE1.0%以上
c.経営目標達成状況および事業別概況
中期経営計画「TOKYOink 2024」策定当初の2025年3月期経営目標は連結営業利益20億円、ROE5.0%以上に設定しておりました。目標達成に向け、様々な取り組みを実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により人々の生活様式が変化し、プラスチック製消耗材の需要が低迷したことにより、当社グループの主要市場である包装資材の業績が悪化した等、計画策定当初に比べ、当社グループを取り巻く環境は想定以上に変化したことが影響し、目標達成は困難となったことから、2024年3月期の決算発表時に2025年3月期経営目標を連結営業利益12億円に修正いたしました。直近では製品販売価格改定の進捗や高付加価値製品の伸長等により、業績は回復傾向にあり、営業利益に関して、当初計画は達成できなかったものの、修正計画は達成いたしました。
事業別セグメント利益の当初計画、実績および概況は以下のとおりとなります
(単位:百万円)
インキ事業 化成品事業 加工品事業 (単位:百万円)

ニ.長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の実現に向けた中期経営計画「TOKYOink 2027」始動
当社グループは2030年に目指す姿として、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定・公表しております。また、東京証券取引所の要請に基づき、「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」も策定・公表しております。この度、長期ビジョンの実現に向けた、2028年3月期までの中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定し、下記の経営目標達成に向け、2025年4月より始動しております。
・2028年3月期目標:営業利益20億円、ROE5.5%以上
・2031年3月期目標:営業利益28億円、ROE8.0%以上
各資料の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、ご覧ください。
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/
「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/ir_library/management_plan/
中期経営計画「TOKYOink 2027」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/
中期経営計画「TOKYOink 2027」の概要につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 および (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。
この資金の減少の要因は、政策保有株式の縮減や債権流動化の実施により創出した資金の有効活用により、親会社の有利子負債圧縮を行った結果によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)
(単位:百万円)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の減少、棚卸資産の減少および仕入債務の減少等により、22億8千万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、11億7千8百万円の支出になったため、フリー・キャッシュ・フローは、11億2百万円の収入となりました(前連結会計年度は7億8百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
(単位:百万円)
b.資本政策の基本的な方針
当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。
当社は、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、これらが承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と比較し、12.9ポイント上昇しております。
自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
c.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。
当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施
・強固な財務基盤の確保 ……… 借入金融資枠の増枠、調達余力の確保
・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローンの取り組み(極度設定額20億円)を引き続き実施し、手許流動性の確保に努めました。
なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。
同年度末の借入実行残高は15億5千万円、借入未実行残高は34億5千万円であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。
2025年3月31日現在の自己資本比率は58.3%と前連結会計年度末と比較し、2.6ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。

2025年3月31日現在のD/Eレシオは0.23倍、ネットD/Eレシオは0.11倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。
なお、中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、目標とする経営指標として、D/Eレシオ0.3倍以下を現時点で達成いたしました。今後は有利子負債の水準を適正にコントロールしつつ、成長戦略に基づく投資計画実行のため、資本構成の最適化を進めてまいります。
2025年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は69億2千2百万円となっております。
(契約債務)
2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 43,922 | 46,806 | 2,884 | 6.6% |
| 営業利益 | 768 | 1,309 | 540 | 70.3% |
| 経常利益 | 986 | 705 | △281 | △28.5% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 881 | 1,180 | 298 | 33.9% |
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、米国の政権交代による政策動向の変化が各国の政治、経済に及ぼす影響は現時点では不透明であり、為替相場の変動や不安定な国際情勢の継続等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および製品の販売価格改定に取り組んでまいりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円の計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円の計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円の計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。
今後のわが国の経済については、緩やかな回復基調が継続すると見込んでおります。一方で、米国の政策動向による経済への下振れリスクに対する警戒感が強まっており、また、物価高の長期化による消費マインド自体の低下や、不安定な国際情勢等の継続による当社グループの業績への影響が不透明であるため、引き続き市況を注視しつつ、持続的成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益(損失△)年度別推移」 (百万円)

「経営成績の四半期推移」 (百万円)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当連結会計年度の売上高とセグメント利益の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
なお、2023年3月期の期首より全社費用の区分を見直しております。それに伴い、各事業のセグメント利益または損失(△)については2022年3月期からの数値を記載しております。

(インキ事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 14,529 | 16,341 | 1,811 | 12.5% |
| セグメント利益 | 288 | 563 | 274 | 95.3% |
インキ事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めることで利益確保に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、引き続き、重要顧客への販売強化を行った結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。
グラビアインキは、安定した食品パッケージ市場において、印刷物に各種機能を付与する機能性製品の拡販を中心に、利益改善に努めてまいりました。前年度に実施した製品販売価格改定効果および機能性製品が伸長したことに加え、第3四半期より株式会社T&K TOKAから承継した製品の販売が本格化した結果、前年度に比べ売上高は増加し、利益は改善いたしました。なお、株式会社T&K TOKAからのグラビアインキ関連事業の承継は計画通り、2025年3月31日付にて完了いたしました。
インクジェットインクは、産業用途市場が堅調に推移する中、受託製品と自社製品の両輪により利益拡大に努めてまいりました。海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品が堅調に推移した結果、売上高・利益ともに前年度に比べ増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、インキ事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益になりました。
今後のインキ事業につきまして、オフセットインキ市場の縮小が継続することが考えられますので、より一層の選択と集中により、事業構造の改革を進めてまいります。グラビアインキおよびインクジェットインク市場は堅調に推移することが見込まれますので、利益拡大に向けた製品開発および販売活動強化に努めてまいります。事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷低減もしくは社会貢献に寄与する製品(以下、サステナブル対応製品)の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

(化成品事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 21,350 | 22,549 | 1,199 | 5.6% |
| セグメント利益 | 190 | 605 | 415 | 217.7% |
化成品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
化成品事業は、プラスチック用着色剤・機能性付与剤であるマスターバッチおよび樹脂コンパウンドを中心に事業を展開し、利益改善に努めてまいりました。
自社製品は、国内自動車生産台数の減少影響が継続する中、自動車用途向け製品の販売活動を強化した結果、前年度に比べ増加いたしました。また、プラスチック製消耗材市場の縮小が継続する中、市況が大きく落ち込んだ前年度に比べ、フィルムおよび容器用途製品等が増加した結果、売上高は増加いたしました。
受託製品は、前年度に比べ、受注数量が増加したことに加え、引き続き光学用途製品が好調に推移した結果、売上高は増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、化成品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に実施した製品販売価格改定効果に加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこともあり、前年度に比べ増収増益になりました。
今後の化成品事業につきまして、国内におけるプラスチック製消耗材市場縮小の継続が考えられます。そのため、国内の事業領域を周辺領域まで拡げることに加え、ASEAN地域の成長に合わせた海外事業拡大により、利益改善に努めてまいります。また持続可能な社会の実現に向け、プラスチックリサイクルに貢献できるサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

(加工品事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 7,953 | 7,825 | △127 | △1.6% |
| セグメント利益 | 516 | 335 | △181 | △35.1% |
加工品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
幅広い分野にプラスチック製品を提供している加工品事業は、回転異形成形技術を駆使したネトロン®、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材を中心に利益拡大に努めてまいりました。
ネトロン®の売上高は、製品販売価格改定効果があったものの、第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故の影響に加え、顧客におけるBCP対策による受注減等の影響により、前年度に比べ減少いたしました。また、利益は売上高の減少に加え、生産体制の再構築に伴う一時的な経費増加も影響し、減少いたしました。
一軸延伸フィルムの売上高は、産業用途フィルムの増加および製品販売価格改定効果等により、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は在庫の受払調整の影響等により減少いたしました。
土木資材の売上高は、引き続き、当社主軸製品であるジオセル各工法が防災・減災用途および基礎地盤用途等で需要が高まり、前年度に比べ増加したものの、一般土木資材が低調であった影響が大きく、減少いたしました。一方、利益は高付加価値品が伸長した影響等により、増加いたしました。
農業資材の売上高は、燃油使用量削減に寄与する保温資材等の高機能製品が減少したものの、一般農業資材が増加したことにより、前年度に比べ増加いたしました。一方、利益は前年度並みとなりました。
この結果、上記の表に記載のとおり、加工品事業の当連結会計年度の業績は、ネトロン®の影響が大きく、前年度に比べ減収減益になりました。
今後の加工品事業につきまして、ネトロン®は、市場成長が期待できる水処理用資材を中心に業績の改善に努めてまいります。一軸延伸フィルムは、食品包装用途と産業用途を中心に利益の向上を目指してまいります。土木資材は、引き続き国が推進している「国土強靭化計画」に貢献できる防災・減災用途製品を中心に更なる成長を目指してまいります。農業資材は、保温資材等の高機能製品の製品開発・拡販により、利益の向上を目指してまいります。また、事業全体を通じて、持続可能な社会の実現に向けたサステナブル対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 売上高 | 88 | 89 | 1 | 1.2% |
| セグメント利益 | 55 | 56 | 0 | 1.6% |
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、前年度並みとなりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)

②財政状態の状況
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
| 資産 | 52,466 | 50,832 | △1,634 | △3.1% |
| 負債 | 23,067 | 21,000 | △2,066 | △9.0% |
| 純資産 | 29,398 | 29,831 | 432 | 1.5% |
当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形の減少3億6千万円、売掛金の増加1億6千9百万円、債権流動化実施に伴う影響等による電子記録債権の減少11億6千4百万円、棚卸資産の減少3億2千1百万円、有形固定資産の増加7億1千7百万円および政策保有株式縮減に伴う影響等による投資有価証券の減少5億円等によるものです。
負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少13億2千7百万円、債権流動化実施に伴う資金調達等による短期借入金の減少9億3千万円、1年内返済長期借入金の増加2億5千4百万円、未払法人税等の増加2億1千9百万円および繰延税金負債の減少1億8千万円等によるものです。
純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加8億6千1百万円、自己株式の取得による自己株式の増加2億1千8百万円、政策保有株式縮減に伴うその他有価証券評価差額金の減少等によるその他の包括利益累計額の減少2億1千9百万円等によるものです。
なお、当社は、資本効率の向上を意識した機動的な株主還元策の一環として、株主利益の向上を図るため、2025年2月7日開催の取締役会において、自己株式の取得を決議いたしました。本決議に基づき、取得する株式の総数を15万株(上限)、取得価額の総額を5億円(上限)とし、2025年2月10日より株式会社東京証券取引所における市場買付けにより自己株式の取得を開始しております。当連結会計年度末時点における、当該決議に基づき取得した自己株式の取得価額の総額累計は、2億1千7百万円となります。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 区 分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,989 | 2,280 | 290 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,281 | △1,178 | 102 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 708 | 1,102 | 393 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △398 | △1,254 | △855 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 3,734 | 3,695 | △39 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億8千万円の収入となりました(前連結会計年度は19億8千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益15億7千9百万円、減価償却費14億8千3百万円が計上され、売上債権の減少13億4千9百万円、棚卸資産の減少3億4千7百万円、仕入債務の減少13億3千5百万円、退職給付に係る資産の増加5億4千4百万円、投資有価証券売却益8億3千3百万円、出資金運用損8億円、役員退職慰労引当金の減少2億6百万円、法人税等の支払額の増加1億8千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11億7千8百万円の支出となりました(前連結会計年度は12億8千1百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出19億4千3百万円、無形固定資産の取得による支出2億1千1百万円、投資有価証券の売却による収入9億8千9百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億5千4百万円の支出となりました(前連結会計年度は3億9千8百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億3千万円、長期借入による純増額2億8千4百万円、自己株式の取得による支出2億1千8百万円、配当金の支払額3億1千7百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産数量合計(トン) | 前年同期比(%) |
| インキ事業 | 28,214 (5,302) [1,486] | 104.9 (99.8) [98.6] |
| 化成品事業 | 39,618 (126) [17,069] | 97.2 (78.3) [98.8] |
| 加工品事業 | 3,898 (-) [1,051] | 86.5 (-) [58.5] |
| 不動産賃貸事業 | - (-) [-] | - (-) [-] |
| 合計 | 71,732 (5,428) [19,606] | 99.4 (99.1) [95.3] |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| インキ事業 | 1,561 | 117.7 |
| 化成品事業 | 264 | 137.0 |
| 加工品事業 | 2,894 | 97.9 |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| 合計 | 4,720 | 105.5 |
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| インキ事業 | 16,341 | 112.5 |
| 化成品事業 | 22,549 | 105.6 |
| 加工品事業 | 7,825 | 98.4 |
| 不動産賃貸事業 | 89 | 101.2 |
| 合計 | 46,806 | 106.6 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当社グループの当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末の総資産は508億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億3千4百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆資産の部
(単位:百万円)
| 摘要 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 流動資産 | 現預金 | 3,736 | 3,697 | △39 | |
| 売上債権 | 17,141 | 15,785 | △1,335 | 前年度末休日の影響・債権流動化実施による減少 | |
| 棚卸資産 | 9,863 | 9,542 | △321 | 商品及び製品△206、仕掛品△145、原材料及び貯蔵品+30 | |
| その他 | 370 | 704 | 333 | 自己株式信託金他 | |
| 計 | 31,111 | 29,729 | △1,382 | 売上債権、棚卸資産の減少 | |
| 固定資産 | 有・無形 固定資産 | 12,943 | 13,717 | 773 | 化成品設備の維持・増強+867 |
| 投資 その他 | 8,410 | 7,385 | △1,025 | ・保有株式評価減△307、同株式売却による減△156 ・その他の投資△686 | |
| 計 | 21,354 | 21,102 | △252 | ||
| 資産合計 | 52,466 | 50,832 | △1,634 | ||
セグメント資産の状況
(単位:百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| インキ事業 | 17,027 | 18,460 | 1,432 | 売上債権、棚卸資産の増加 |
| 化成品事業 | 23,547 | 21,495 | △2,052 | 売上債権、棚卸資産の減少 |
| 加工品事業 | 7,517 | 6,944 | △573 | 売上債権、棚卸資産の減少 |
| 不動産賃貸事業 | 626 | 604 | △21 | |
| 報告セグメント合計 | 48,719 | 47,504 | △1,214 |
当連結会計年度末の負債合計は210億円となり、前連結会計年度末に比べ20億6千6百万円減少いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆負債の部
(単位:百万円)
| 摘要 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 流動負債 | 仕入債務 | 11,128 | 9,800 | △1,327 | 前年度末休日の影響による債務減 |
| 短期借入金 (1年内含) | 4,495 | 3,819 | △676 | 債権流動化による減 | |
| その他 | 2,481 | 2,737 | 256 | 未払法人税等増+219他 | |
| 計 | 18,105 | 16,357 | △1,747 | ||
| 固定負債 | 長期借入金 | 2,881 | 2,912 | 30 | 約定返済減、新規借入 |
| その他 | 2,081 | 1,731 | △350 | 繰延税金負債減△180他 | |
| 計 | 4,962 | 4,643 | △319 | ||
| 負債合計 | 23,067 | 21,000 | △2,066 | ||
純資産の部は298億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千2百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆純資産の部
(単位:百万円)
| 摘要 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 |
| 株主資本 | 26,705 | 27,348 | 642 | 利益剰余金増+861、自己株式買付等による増加△218 |
| その他の 包括利益累計額 | 2,501 | 2,282 | △219 | 保有株式売却等による減△238、為替換算調整勘定増+300、退職給付に係る調整累計額減△281 |
| 非支配株主持分 | 191 | 200 | 9 | |
| 純資産合計 | 29,398 | 29,831 | 432 |
ロ.当社グループの当連結会計年度の経営成績当連結会計年度の業績は、製品の販売価格改定が一定程度進捗したことおよび販売活動を強化したこと等により、売上高が468億6百万円で前年度比28億8千4百万円の増収(6.6%増)、営業利益は13億9百万円で、前年度比5億4千万円の増益(70.3%増)となりました。経常利益は7億5百万円で、米国連結子会社である東京インキ株式会社U.S.A.における出資金運用損8億円計上および外貨建資産の為替評価等の影響により、前年度比2億8千1百万円の減益(28.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億8千万円で、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益8億3千3百万円計上および2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社で発生した火災に伴う受取保険金1億8千5百万円計上等により、前年度比2億9千8百万円の増益(33.9%増)となりました。
各事業セグメント別につきまして、インキ事業では、オフセットインキが産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、選択と集中を進めたことによる一定の売上確保、グラビアインキが機能性製品の拡販と株式会社T&K TOKAから承継した製品販売の本格化、インクジェットインクが海外向けの受託製品および建材用途等の自社製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したこと等により増収増益となっております。
化成品事業では、物価高に伴う消費意欲低下および環境対応の影響が継続する中、自社製品が自動車用途向け製品の販売活動の強化、フィルムおよび容器用途製品の売上回復、受託製品が光学用途製品の需要増、製品販売価格改定が一定程度進捗したことに加え、海外事業におけるタイ国の業績が堅調に推移したこと等により、増収増益となっております。
加工品事業では、各製品セグメントにおける製品販売価格改定の一定程度進捗、土木資材の防災・減災用途に使用されるジオセル工法の需要増加があったものの、ネトロン®の工業材料である水処理用資材が第2四半期に発生した原材料メーカーのプラント事故および顧客におけるBCP対策による受注減等の影響等により、減収減益となっております。
原材料価格とエネルギーコストは不安定な国際情勢の影響により先行きが不透明でありますので、それらの動向を注視し、適宜製品販売価格への反映を継続することが課題であると認識しております。
また、中長期の市場環境として、デジタル技術の急速な進展によるライフスタイルの変化、商業・出版印刷市場のデジタル化へのシフト、サステナビリティへの意識の高まりによる環境対応の流れ等、当社グループ製品の需要動向全体に影響を及ぼす市場環境変化が加速していることも当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因と認識しております。
ハ.中期経営計画「TOKYOink 2024」総括
中期経営計画「TOKYOink 2024」は2つの経営方針、5つの基本戦略を基に取り組みを進め、2025年3月期に最終年度を迎えました。
a.経営方針
・市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
・低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
b.5つの基本戦略と実施内容
・ESG経営の推進
環境(E):
・TCFD提言対応や使用済プラスチック再資源化の取り組みへの参画を実施
・温室効果ガス排出量削減目標設定:2030年度△50%(2013年度比 Scope1、2)
・サステナブル対応製品の定義付けと売上高比率目標設定:2030年度売上高比率50%
社会(S):
[社内]人事制度の整備やBCP計画策定等の社内的な取り組み
[地域貢献]本社地区での小学生を対象とした職業体験等
ガバナンス(G):
・より実効性を高める目的でのコーポレート・ガバナンス体制の刷新
・新製品開発・新規事業探索
・材料のバイオマス度向上により環境負荷低減につながる製品や最終製品に機能を付与することで食品ロス低減等社会に貢献できる製品であるサステナブル対応製品の開発への取り組みを継続
・高効率運営の実現
・RPA活用による自動化、労務・勤怠管理システム導入等による業務効率化を推進
・生産ラインの自動化に向けたモデルライン構築の推進
・成長投資
・成長事業として位置付けている加工品事業での生産性向上・開発投資(ネトロン®・土木資材)
・各事業での生産性向上投資(化成品・自動化モデルライン等)
・資本効率・株主還元
・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、2024年5月に新たな目標を策定
2031年3月期ROE8.0%以上
配当性向40%以上またはDOE1.0%以上
c.経営目標達成状況および事業別概況
中期経営計画「TOKYOink 2024」策定当初の2025年3月期経営目標は連結営業利益20億円、ROE5.0%以上に設定しておりました。目標達成に向け、様々な取り組みを実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により人々の生活様式が変化し、プラスチック製消耗材の需要が低迷したことにより、当社グループの主要市場である包装資材の業績が悪化した等、計画策定当初に比べ、当社グループを取り巻く環境は想定以上に変化したことが影響し、目標達成は困難となったことから、2024年3月期の決算発表時に2025年3月期経営目標を連結営業利益12億円に修正いたしました。直近では製品販売価格改定の進捗や高付加価値製品の伸長等により、業績は回復傾向にあり、営業利益に関して、当初計画は達成できなかったものの、修正計画は達成いたしました。
| 経営目標 | 単位 | 2024年度当初計画 | 2024年度実績 |
| 売上高 | 百万円 | 45,000 | 46,806 |
| 営業利益 | 百万円 | 2,000 | 1,309 |
| 自己資本利益率(ROE) | % | 5.0以上 | 4.0 |
事業別セグメント利益の当初計画、実績および概況は以下のとおりとなります
(単位:百万円)
| 2024年度 | 当初計画 | 実績 | 概況 |
| インキ事業 | 350 | 563 | オフセットインキの減損損失計上(22年度)、インクジェットインク欧米向け受託製品の需要回復で黒字化し、計画達成 |
| 化成品事業 | 1,150 | 605 | 環境対応による着色需要減、受託製品の収益性悪化により徐々に利益率が低下、24年度は計画未達も価格改定効果により回復基調 |
| 加工品事業 | 750 | 335 | ネトロン®の生産体制再構築による経費増により減益となり、計画未達、防災・減災需要により土木資材は好調に推移 |
インキ事業 化成品事業 加工品事業 (単位:百万円)

ニ.長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」の実現に向けた中期経営計画「TOKYOink 2027」始動
当社グループは2030年に目指す姿として、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定・公表しております。また、東京証券取引所の要請に基づき、「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」も策定・公表しております。この度、長期ビジョンの実現に向けた、2028年3月期までの中期経営計画「TOKYOink 2027」を策定し、下記の経営目標達成に向け、2025年4月より始動しております。
・2028年3月期目標:営業利益20億円、ROE5.5%以上
・2031年3月期目標:営業利益28億円、ROE8.0%以上
各資料の詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、ご覧ください。
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/
「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/ir_library/management_plan/
中期経営計画「TOKYOink 2027」 掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/ir/management/mid-termplan/
中期経営計画「TOKYOink 2027」の概要につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 および (3)経営戦略および優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億9千5百万円で、前連結会計年度末に比べ3千9百万円の減少(1.1%減)となりました。
この資金の減少の要因は、政策保有株式の縮減や債権流動化の実施により創出した資金の有効活用により、親会社の有利子負債圧縮を行った結果によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
また、キャッシュアロケーション方針として、事業活動により獲得したキャッシュおよびBSマネジメントの各種施策により創出したキャッシュを基本原資とし、成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の事業ポートフォリオ変革を実施するのに必要な投資や株主還元に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(5期分)
(単位:百万円)
| 区分 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 |
| 営業活動による キャッシュ・フロー | 1,942 | 1,428 | △893 | 1,989 | 2,280 |
| 投資活動による キャッシュ・フロー | △1,668 | △1,040 | 2,461 | △1,281 | △1,178 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 273 | 387 | 1,568 | 708 | 1,102 |
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の減少、棚卸資産の減少および仕入債務の減少等により、22億8千万円の収入となりました。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、11億7千8百万円の支出になったため、フリー・キャッシュ・フローは、11億2百万円の収入となりました(前連結会計年度は7億8百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 営業活動CF | 税金等調整前当期純利益 | 1,139 | 1,579 | 440 | 政策保有株式売却による利益増 |
| 減価償却費 | 1,328 | 1,483 | 154 | ||
| 投資有価証券売却損益(△益) | △277 | △833 | △556 | 政策保有株式売却 | |
| 災害損失 | 99 | 43 | △56 | 荒川塗料工業火災発生による損失 | |
| 売上債権の増減額(△増加) | △1,420 | 1,349 | 2,770 | 前年度末休日による売上債権の減少 | |
| 棚卸資産の増減額(△増加) | △357 | 347 | 705 | ||
| 仕入債務の増減額(△減少) | 1,408 | △1,335 | △2,744 | 前年度末休日による仕入債務減少 | |
| 法人税等の支払額 | 30 | △188 | △218 | 課税所得増による増加 | |
| その他 | 39 | △165 | △204 | ||
| 小計 | 1,989 | 2,280 | 290 | 交易条件改善に伴う営業利益獲得 | |
| 投資活動CF | 有形固定資産の取得 | △1,261 | △1,943 | △681 | 新規設備投資実施 |
| 投資有価証券の売却 | 404 | 989 | 584 | CGCに基づく政策保有株式売却継続 | |
| その他 | △424 | △224 | 199 | 無形固定資産の取得他 | |
| 小計 | △1,281 | △1,178 | 102 | ||
(単位:百万円)
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 主な内容分析 | |
| 財務活動CF | 短期借入金の純増減額 | △130 | △930 | △800 | 債権流動化による借入返済 |
| 長期借入金による収入 | 1,370 | 1,350 | △20 | 長期資金調達実施 | |
| 長期借入金の返済 | △1,247 | △1,065 | 182 | 約定弁済による返済 | |
| 自己株式の取得による支出 | △0 | △218 | △218 | 自己株式取得 | |
| その他 | △390 | △390 | 0 | 配当金支払、ファイナンスリース債務返済 | |
| 小計 | △398 | △1,254 | △855 | ||
b.資本政策の基本的な方針
当社グループは、株主価値を中長期的に高めるために、持続的な成長が必要と考え、「資本効率の向上」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元」の3つのバランスを取ることを資本政策の基本としており、安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としております。この基本方針を前提とし、配当性向40%以上またはDOE1.0%以上とする配当方針を策定しております。
当社は、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「剰余金の処分の件」を提案しており、これらが承認可決された場合の当連結会計年度の配当性向は42.7%となり前連結会計年度と比較し、12.9ポイント上昇しております。
| 決算年月 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 |
| 自己資本利益率 (ROE) | 2.5% | 2.9% | 6.3% | 3.1% | 4.0% |
| 総資産経常利益率 (ROA) | 1.4% | 1.9% | 10.1% | 2.0% | 1.4% |
| 売上高営業利益率 (ROS) | 0.7% | 1.6% | △0.1% | 1.8% | 2.8% |
| 配当性向(連結) | 34.9% | 28.9% | 25.5% | 29.8% | 42.7% |
自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
c.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは資本政策に基づき、「株主資本の活用を最大化」、「強固な財務基盤の確保」、「株主還元の充実」を財務戦略として掲げております。従来までの健全性を重視した方針から前進し、最適資本構成の見直しを図り、持続的な企業価値向上を目指します。
当連結会計年度における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・株主資本の活用を最大化 …… 政策保有株式の縮減、債権流動化の実施
・強固な財務基盤の確保 ……… 借入金融資枠の増枠、調達余力の確保
・株主還元の充実 ……………… 普通配当の増配、自己株式取得
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は成長・サステナ投資、R&D、戦略投資等の成長戦略に向けた投資および株主還元としての自己株式取得や配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。
当連結会計年度は、引き続き現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持しつつ、事業展開に伴う資金調達、また急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
また、当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
さらに、資金需要に柔軟に対応したバックアップラインの強化を図るため、コミットメントライン(短期借入金)形態によるシンジケートローンの取り組み(極度設定額20億円)を引き続き実施し、手許流動性の確保に努めました。
なお、当連結会計年度末のコミットメントライン設定額は50億円であり、内訳は相対契約30億円、シンジケートローン契約20億円であります。
同年度末の借入実行残高は15億5千万円、借入未実行残高は34億5千万円であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 54.7 | 54.0 | 56.7 | 55.7 | 58.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 12.4 | 12.6 | 14.7 | 17.6 | 21.1 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.6 | 6.4 | - | 3.8 | 3.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 54.7 | 43.1 | - | 67.3 | 58.0 |
| D/Eレシオ(倍) | 0.35 | 0.36 | 0.28 | 0.26 | 0.23 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)2023年3月期におけるキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載を省略しております。
2025年3月31日現在の自己資本比率は58.3%と前連結会計年度末と比較し、2.6ポイント上昇しております。製品販売価格改定の進捗による営業利益の増加等に伴う利益剰余金の増加によるものであります。

2025年3月31日現在のD/Eレシオは0.23倍、ネットD/Eレシオは0.11倍であります。借入額の減少および純資産増加に伴い、前連結会計年度より低下いたしました。
なお、中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、目標とする経営指標として、D/Eレシオ0.3倍以下を現時点で達成いたしました。今後は有利子負債の水準を適正にコントロールしつつ、成長戦略に基づく投資計画実行のため、資本構成の最適化を進めてまいります。
2025年3月31日現在、短期借入金、長期借入金およびリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は69億2千2百万円となっております。
(契約債務)
2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 2,500 | 2,500 | - | - | - |
| 長期借入金 | 4,231 | 1,319 | 1,920 | 991 | - |
| リース債務 | 190 | 66 | 87 | 36 | 0 |
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。