四半期報告書-第201期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
当第2四半期連結累計期間における当社グループ(当社および子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
(業績管理指標「コア営業利益」について)
当社グループでは、IFRSの適用にあたり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。
「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下「非経常項目」)を除外したものとなります。非経常項目として除かれる主なものは、減損損失、事業構造改善費用、企業買収に係る条件付対価公正価値の変動額等です。
当第2四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、以下のとおりであります。
■ 売上収益は2,615億円(前年同四半期比13.4%増)となりました。
日本セグメントは、昨年度に販売を開始した2型糖尿病治療剤「エクア」および「エクメット」の寄与などにより増収となりました。また、北米セグメントにおいても、当社グループの収益の柱である非定型抗精神病薬「ラツーダ」の売上が増加したことなどにより増収となりました。
■ コア営業利益は480億円(前年同四半期比7.2%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、販売関連費用等が低調に推移するなか、昨年度に取得したスミトバント社およびその傘下の子会社の費用が認識されたことにより、コアベースの販売費及び一般管理費ならびに研究開発費は増加しましたが、増収による売上総利益の増加が大きく、コア営業利益は増益となりました。
■ 営業利益は475億円(前年同四半期比28.9%減)となりました。
コア営業利益は増益となりましたが、営業利益は減益に転じました。当第2四半期連結累計期間において、条件付対価公正価値は減少し、わずかながら費用戻入となりましたが、前年同四半期は、ナパブカシンの膵がん患者を対象としたフェーズ3試験の中止決定に伴い、条件付対価公正価値の減少が大きく、多額の費用戻入が発生しました。この結果、営業利益は減少することとなりました。
■ 税引前四半期利益は437億円(前年同四半期比31.9%減)となりました。
支払利息や、当社が保有する外貨建て金融資産に生じた為替差損などの金融費用が金融収益を上回ったため、税引前四半期利益は営業利益に比べ減少しました。
■ 四半期利益は303億円(前年同四半期比0.0%増)となりました。
税引前四半期利益は減益となりましたが、法人所得税が大きく減少したため、四半期利益は前年同四半期と同水準となりました。前年同四半期は、ナパブカシンの膵がん患者を対象としたフェーズ3試験の中止決定などに伴い、米国において認識していた繰延税金資産の取崩しを行いましたが、当第2四半期連結累計期間にはこのような要因はないことから、法人所得税が大きく減少することとなりました。
■ 親会社の所有者に帰属する四半期利益は373億円(前年同四半期比23.0%増)となりました。
スミトバント社傘下の非支配持分を有する子会社の業績が損失となったため、四半期利益から非支配持分に帰属する損失額を控除した親会社の所有者に帰属する四半期利益は、四半期利益に比べ増加しました。なお、親会社の所有者に帰属する四半期利益の売上収益に対する比率は14.3%となりました。
(セグメント業績指標「コアセグメント利益」について)
セグメント別の業績では、各セグメントの経常的な収益性を示す利益指標として、「コアセグメント利益」を設定し、当社独自のセグメント業績指標として採用しております。
「コアセグメント利益」は、「コア営業利益」から、グローバルに管理しているため各セグメントに配分できない研究開発費、事業譲渡損益等を除外したセグメント別の利益となります。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<日本>■ 売上収益は773億円(前年同四半期比20.5%増)となりました。
「エクア」および「エクメット」の増収に加え、2型糖尿病治療剤「トルリシティ」の売上が伸長したことや「ラツーダ」を新たに発売したことなどにより、増収となりました。
■ コアセグメント利益は133億円(前年同四半期比0.1%減)となりました。
COVID-19の影響により販売関連費用など販売費及び一般管理費が減少しましたが、品目構成の変化による売上総利益の減少の影響が大きく、わずかながら減益となりました。
<北米>■ 売上収益は1,445億円(前年同四半期比11.7%増)となりました。
「ラツーダ」に加え、抗てんかん剤「アプティオム」などの売上が伸長したことや、スミトバント社傘下のマイオバント社において、ライセンス契約に基づき受領した契約一時金等の一部を売上として認識したことにより、増収となりました。
■ コアセグメント利益は708億円(前年同四半期比14.2%増)となりました。
スミトバント社および傘下の子会社で発生した費用などにより販売費及び一般管理費は増加しましたが、増収による売上総利益の増加が大きく、増益となりました。
<中国>■ 売上収益は123億円(前年同四半期比12.4%減)となりました。
カルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」の売上が減少したことにより、減収となりました。
■ コアセグメント利益は63億円(前年同四半期比17.0%減)となりました。
販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少が大きく、減益となりました。
<海外その他>■ 売上収益は93億円(前年同四半期比114.8%増)となりました。
輸出の大幅な増加や、東南アジアにおける「メロペン」の売上の増加などにより、増収となりました。
■ コアセグメント利益は49億円(前年同四半期比301.6%増)となりました。
増収による売上総利益の増加により、大幅な増益となりました。
上記報告セグメントのほか、当社グループは、食品素材・食品添加物および化学製品材料、動物用医薬品等の販売を行っており、これらの売上収益は180億円(前年同四半期比3.6%減)、コアセグメント利益は19億円(前年同四半期比20.8%増)となりました。
(2) 財政状態
資産については、非流動資産では、減価償却や為替換算により無形資産が減少したことに加え、その他の金融資産が、当社が保有する投資有価証券の公正価値評価により減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ277億円減少しました。
流動資産は、短期貸付金の減少によりその他の金融資産が減少しましたが、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権等が増加した結果、前連結会計年度末に比べ133億円増加しました 。
これらの結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ144億円減少し、1兆2,385億円となりました。
負債については、引当金は増加しましたが、営業債務及びその他の債務や未払法人所得税が減少しました。また、劣後特約付社債の発行による資金調達を行い、短期借入金の一部返済を実施した結果、非流動負債の社債及び借入金が増加し、流動負債の借入金が減少しました。
その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ183億円減少し、6,025億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、在外営業活動体の換算差額等のその他の資本の構成要素は減少しましたが、利益剰余金が増加した結果、前連結会計年度末に比べ140億円増加し、5,435億円となりました。また、非支配持分は、スミトバント社傘下の非支配持分を有する子会社の業績が損失となったため、前連結会計年度末に比べ101億円減少しました。
これらの結果、資本合計は前連結会計年度末に比べ39億円増加し、6,360億円となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は43.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、引当金の増加などによるキャッシュの増加要因はありましたが、税引前四半期利益が減少したことや法人所得税の支払額が増加したことにより、前年同四半期に比べ57億円収入が減少し、261億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、短期貸付金の減少などにより、前年同四半期に比べ86億円収入が増加し、194億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分からの子会社持分取得による支出があったものの、配当金の支払額が減少しました。また、劣後特約付社債の発行による資金調達を行い、短期借入金の一部返済を実施した結果、前年同四半期に比べ14億円支出が減少し、98億円の支出となりました。
上記の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は1,347億円となり、前連結会計年度末に比べ330億円増加しました。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は492億円(前年同四半期比18.2%減)となりました。なお、前第2四半期連結累計期間の研究開発費には減損損失などが含まれていることから、これを除いたコアベースの研究開発費は前年同四半期に比べ20.0%増となりました。また、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分しておりません。
米国では、本年5月、申請中のアポモルヒネ塩酸塩水和物を有効成分として含有する舌下投与フィルム製剤「キンモビ」(開発コード:APL-130277)について、パーキンソン病に伴うオフ症状の改善を適応症として承認を取得し、本年9月に発売しました。
また、本年4月、開発中のGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤レルゴリクスについて、進行性前立腺がんを適応症とした承認申請を行い、本年6月に米国食品医薬品局(FDA)によって申請が受理され、優先審査の指定を受けました。レルゴリクスのエストラジオール、酢酸ノルエチンドロンとの配合剤について、本年5月、子宮筋腫に伴う過多月経を適応症とした承認申請を行い、本年8月にFDAにより申請が受理されました。さらに、本年4月および6月に、同配合剤の子宮内膜症を対象とした2本のフェーズ3試験について、良好な結果を得ました。
日本では、本年7月、2型糖尿病を適応症としてイメグリミン塩酸塩の製造販売承認申請を行いました。
また、株式会社Save Medicalとの間で、2型糖尿病を対象とした糖尿病管理指導用モバイルアプリケーションの共同開発契約を締結し、同社と共同で本アプリケーションの国内治験を開始しました。
当社グループにおける開発状況は以下のとおりであります。
(6) 生産、受注及び販売の実績
2019年11月から「エクア」および「エクメット」の販売を開始したこと等により、当第2四半期連結累計期間において、日本セグメントにおける仕入実績が著しく増加しました。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度末において計画中であった茨木工場の売却について、2020年7月9日に不動産売買契約を締結し、2020年10月8日に物件を引き渡しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (5) 要約四半期財務諸表注記 11 後発事象」に記載しております。
また、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
(業績管理指標「コア営業利益」について)
当社グループでは、IFRSの適用にあたり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。
「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下「非経常項目」)を除外したものとなります。非経常項目として除かれる主なものは、減損損失、事業構造改善費用、企業買収に係る条件付対価公正価値の変動額等です。
当第2四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、以下のとおりであります。
(単位:億円) | ||||
前第2四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年9月30日) | 増減 | 増減率 (%) | |
売上収益 | 2,306 | 2,615 | 309 | 13.4 |
コア営業利益 | 448 | 480 | 32 | 7.2 |
営業利益 | 668 | 475 | △193 | △28.9 |
税引前四半期利益 | 641 | 437 | △205 | △31.9 |
四半期利益 | 303 | 303 | 0 | 0.0 |
親会社の所有者に 帰属する四半期利益 | 303 | 373 | 70 | 23.0 |
■ 売上収益は2,615億円(前年同四半期比13.4%増)となりました。
日本セグメントは、昨年度に販売を開始した2型糖尿病治療剤「エクア」および「エクメット」の寄与などにより増収となりました。また、北米セグメントにおいても、当社グループの収益の柱である非定型抗精神病薬「ラツーダ」の売上が増加したことなどにより増収となりました。
■ コア営業利益は480億円(前年同四半期比7.2%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、販売関連費用等が低調に推移するなか、昨年度に取得したスミトバント社およびその傘下の子会社の費用が認識されたことにより、コアベースの販売費及び一般管理費ならびに研究開発費は増加しましたが、増収による売上総利益の増加が大きく、コア営業利益は増益となりました。
■ 営業利益は475億円(前年同四半期比28.9%減)となりました。
コア営業利益は増益となりましたが、営業利益は減益に転じました。当第2四半期連結累計期間において、条件付対価公正価値は減少し、わずかながら費用戻入となりましたが、前年同四半期は、ナパブカシンの膵がん患者を対象としたフェーズ3試験の中止決定に伴い、条件付対価公正価値の減少が大きく、多額の費用戻入が発生しました。この結果、営業利益は減少することとなりました。
■ 税引前四半期利益は437億円(前年同四半期比31.9%減)となりました。
支払利息や、当社が保有する外貨建て金融資産に生じた為替差損などの金融費用が金融収益を上回ったため、税引前四半期利益は営業利益に比べ減少しました。
■ 四半期利益は303億円(前年同四半期比0.0%増)となりました。
税引前四半期利益は減益となりましたが、法人所得税が大きく減少したため、四半期利益は前年同四半期と同水準となりました。前年同四半期は、ナパブカシンの膵がん患者を対象としたフェーズ3試験の中止決定などに伴い、米国において認識していた繰延税金資産の取崩しを行いましたが、当第2四半期連結累計期間にはこのような要因はないことから、法人所得税が大きく減少することとなりました。
■ 親会社の所有者に帰属する四半期利益は373億円(前年同四半期比23.0%増)となりました。
スミトバント社傘下の非支配持分を有する子会社の業績が損失となったため、四半期利益から非支配持分に帰属する損失額を控除した親会社の所有者に帰属する四半期利益は、四半期利益に比べ増加しました。なお、親会社の所有者に帰属する四半期利益の売上収益に対する比率は14.3%となりました。
(セグメント業績指標「コアセグメント利益」について)
セグメント別の業績では、各セグメントの経常的な収益性を示す利益指標として、「コアセグメント利益」を設定し、当社独自のセグメント業績指標として採用しております。
「コアセグメント利益」は、「コア営業利益」から、グローバルに管理しているため各セグメントに配分できない研究開発費、事業譲渡損益等を除外したセグメント別の利益となります。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<日本>■ 売上収益は773億円(前年同四半期比20.5%増)となりました。
「エクア」および「エクメット」の増収に加え、2型糖尿病治療剤「トルリシティ」の売上が伸長したことや「ラツーダ」を新たに発売したことなどにより、増収となりました。
■ コアセグメント利益は133億円(前年同四半期比0.1%減)となりました。
COVID-19の影響により販売関連費用など販売費及び一般管理費が減少しましたが、品目構成の変化による売上総利益の減少の影響が大きく、わずかながら減益となりました。
<北米>■ 売上収益は1,445億円(前年同四半期比11.7%増)となりました。
「ラツーダ」に加え、抗てんかん剤「アプティオム」などの売上が伸長したことや、スミトバント社傘下のマイオバント社において、ライセンス契約に基づき受領した契約一時金等の一部を売上として認識したことにより、増収となりました。
■ コアセグメント利益は708億円(前年同四半期比14.2%増)となりました。
スミトバント社および傘下の子会社で発生した費用などにより販売費及び一般管理費は増加しましたが、増収による売上総利益の増加が大きく、増益となりました。
<中国>■ 売上収益は123億円(前年同四半期比12.4%減)となりました。
カルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」の売上が減少したことにより、減収となりました。
■ コアセグメント利益は63億円(前年同四半期比17.0%減)となりました。
販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少が大きく、減益となりました。
<海外その他>■ 売上収益は93億円(前年同四半期比114.8%増)となりました。
輸出の大幅な増加や、東南アジアにおける「メロペン」の売上の増加などにより、増収となりました。
■ コアセグメント利益は49億円(前年同四半期比301.6%増)となりました。
増収による売上総利益の増加により、大幅な増益となりました。
上記報告セグメントのほか、当社グループは、食品素材・食品添加物および化学製品材料、動物用医薬品等の販売を行っており、これらの売上収益は180億円(前年同四半期比3.6%減)、コアセグメント利益は19億円(前年同四半期比20.8%増)となりました。
(2) 財政状態
資産については、非流動資産では、減価償却や為替換算により無形資産が減少したことに加え、その他の金融資産が、当社が保有する投資有価証券の公正価値評価により減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ277億円減少しました。
流動資産は、短期貸付金の減少によりその他の金融資産が減少しましたが、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権等が増加した結果、前連結会計年度末に比べ133億円増加しました 。
これらの結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ144億円減少し、1兆2,385億円となりました。
負債については、引当金は増加しましたが、営業債務及びその他の債務や未払法人所得税が減少しました。また、劣後特約付社債の発行による資金調達を行い、短期借入金の一部返済を実施した結果、非流動負債の社債及び借入金が増加し、流動負債の借入金が減少しました。
その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ183億円減少し、6,025億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、在外営業活動体の換算差額等のその他の資本の構成要素は減少しましたが、利益剰余金が増加した結果、前連結会計年度末に比べ140億円増加し、5,435億円となりました。また、非支配持分は、スミトバント社傘下の非支配持分を有する子会社の業績が損失となったため、前連結会計年度末に比べ101億円減少しました。
これらの結果、資本合計は前連結会計年度末に比べ39億円増加し、6,360億円となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は43.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、引当金の増加などによるキャッシュの増加要因はありましたが、税引前四半期利益が減少したことや法人所得税の支払額が増加したことにより、前年同四半期に比べ57億円収入が減少し、261億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、短期貸付金の減少などにより、前年同四半期に比べ86億円収入が増加し、194億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分からの子会社持分取得による支出があったものの、配当金の支払額が減少しました。また、劣後特約付社債の発行による資金調達を行い、短期借入金の一部返済を実施した結果、前年同四半期に比べ14億円支出が減少し、98億円の支出となりました。
上記の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は1,347億円となり、前連結会計年度末に比べ330億円増加しました。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は492億円(前年同四半期比18.2%減)となりました。なお、前第2四半期連結累計期間の研究開発費には減損損失などが含まれていることから、これを除いたコアベースの研究開発費は前年同四半期に比べ20.0%増となりました。また、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分しておりません。
米国では、本年5月、申請中のアポモルヒネ塩酸塩水和物を有効成分として含有する舌下投与フィルム製剤「キンモビ」(開発コード:APL-130277)について、パーキンソン病に伴うオフ症状の改善を適応症として承認を取得し、本年9月に発売しました。
また、本年4月、開発中のGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤レルゴリクスについて、進行性前立腺がんを適応症とした承認申請を行い、本年6月に米国食品医薬品局(FDA)によって申請が受理され、優先審査の指定を受けました。レルゴリクスのエストラジオール、酢酸ノルエチンドロンとの配合剤について、本年5月、子宮筋腫に伴う過多月経を適応症とした承認申請を行い、本年8月にFDAにより申請が受理されました。さらに、本年4月および6月に、同配合剤の子宮内膜症を対象とした2本のフェーズ3試験について、良好な結果を得ました。
日本では、本年7月、2型糖尿病を適応症としてイメグリミン塩酸塩の製造販売承認申請を行いました。
また、株式会社Save Medicalとの間で、2型糖尿病を対象とした糖尿病管理指導用モバイルアプリケーションの共同開発契約を締結し、同社と共同で本アプリケーションの国内治験を開始しました。
当社グループにおける開発状況は以下のとおりであります。
1.精神神経領域 | (2020年10月28日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
ロナセン (ブロナンセリン) | (新用法:小児)統合失調症 | 日本 | 申請(2020/5) |
SEP-363856 | 統合失調症 | 米国 | フェーズ3 |
日本 | フェーズ1 | ||
パーキンソン病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ2 | |
EPI-743 (バチキノン) | リー脳症 | 日本 | フェーズ2/3 |
EPI-589 | パーキンソン病 | 米国 | フェーズ2 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS) | 米国 | フェーズ2 | |
日本 | フェーズ1 | ||
SEP-4199 | 双極Ⅰ型障害うつ | 米国・日本 | フェーズ2 (国際共同試験) |
DSP-6745 | パーキンソン病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ1 |
SEP-378608 | 双極性障害 | 米国 | フェーズ1 |
DSP-3905 | 神経障害性疼痛 | 米国 | フェーズ1 |
SEP-378614 | 治療抵抗性うつ | 米国 | フェーズ1 |
SEP-380135 | アルツハイマー病に伴う行動障害 | 米国 | フェーズ1 |
DSP-1181 | 強迫性障害 | 日本 | フェーズ1 |
2.がん領域 | (2020年10月28日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
レルゴリクス | 前立腺がん(単剤) | 米国 | 申請(2020/4) |
BBI608 (ナパブカシン) | 結腸直腸がん(併用) | 米国・日本 | フェーズ3 (国際共同試験) |
肝細胞がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
消化器がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
固形がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
DSP-2033 (alvocidib) | 急性骨髄性白血病(AML)(単剤・併用)(再発・難治性患者対象) | 米国 | フェーズ2 |
骨髄異形成症候群(MDS)(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
DSP-7888 (アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩) | 膠芽腫(併用) | 米国・日本 | フェーズ2 (国際共同試験) |
固形がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
TP-0903 (dubermatinib) | 固形がん(単剤・併用) | 米国・日本 | フェーズ1 |
DSP-0509 | 固形がん(単剤・併用) | 米国 | フェーズ1/2 |
TP-0184 | 骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤) | 米国 | フェーズ1/2 |
固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 | |
DSP-0337 | 固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 |
TP-1287 | 固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 |
TP-3654 | 固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 |
骨髄線維症(単剤・併用) | 米国 | フェーズ1 | |
TP-1454 | 固形がん(単剤・併用) | 米国 | フェーズ1 |
3.再生・細胞医薬分野 | (2020年10月28日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
RVT-802 | 小児先天性無胸腺症 | 米国 | 申請(2019/4) 審査結果通知(CRL)を受領(2019/12) |
他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞 | パーキンソン病 | 日本 | フェーズ1/2 (医師主導治験) |
HLCR011 (他家iPS細胞由来網膜色素上皮) | 加齢黄斑変性 | 日本 | 治験開始に向けて準備中 |
4.その他の領域 | (2020年10月28日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
ビベグロン | 過活動膀胱 | 米国 | 申請(2019/12) |
前立腺肥大症を伴う過活動膀胱 | 米国 | フェーズ3 | |
過敏性腸症候群関連疼痛 | 米国 | フェーズ2 | |
レルゴリクス | 子宮筋腫 | 欧州 | 申請(2020/3) |
米国 | 申請(2020/5) | ||
子宮内膜症 | 米国 | フェーズ3 (国際共同試験) | |
PXL008 (イメグリミン塩酸塩) | 2型糖尿病 | 日本 | 申請(2020/7) |
rodatristat ethyl | 肺動脈性肺高血圧症(PAH) | 米国 | フェーズ2 |
MVT-602 | 不妊症 | ドイツ | フェーズ2 |
URO-902 | 過活動膀胱 | 米国 | フェーズ2 |
5.フロンティア事業 | (2020年10月28日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
SMC-01 (糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション) | 2型糖尿病 | 日本 | フェーズ3 ((株)Save Medicalとの共同開発) |
(6) 生産、受注及び販売の実績
2019年11月から「エクア」および「エクメット」の販売を開始したこと等により、当第2四半期連結累計期間において、日本セグメントにおける仕入実績が著しく増加しました。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名 事業所名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資予定金額 | 資金調達 方法 | 着手および完了予定 | ||
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | 着手 | 完了 | ||||
当社 | 大阪府吹田市 | 再生・細胞医薬 製造施設 | 1,100 | ― | 自己資金 | 2020年10月 | 2021年度中 |
総合研究所 |
なお、前連結会計年度末において計画中であった茨木工場の売却について、2020年7月9日に不動産売買契約を締結し、2020年10月8日に物件を引き渡しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (5) 要約四半期財務諸表注記 11 後発事象」に記載しております。