有価証券報告書-第118期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/21 14:06
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当社グループは、2022年度からスタートした3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」において、「スペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益成長を追求」「地球環境問題に対応した事業構造改革」「持続的成長に向けた人的資本の充実」「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」「ガバナンスの更なる向上」を基本方針とし、事業構造改革と成長の実現に向けた取組みを推進してきました。
当連結会計年度においては、売上高は、2022年12月に医薬品受託製造会社(㈱エーピーアイコーポレーション)を買収した効果があったものの、樹脂・化成品セグメントにおいて中国経済の停滞等の影響もありナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売が低調に推移した影響が大きく、前連結会計年度を下回りました。営業利益は、樹脂・化成品セグメントにおいてファインケミカルや工業薬品等の販売が低調に推移したものの、機能品セグメントにおける分離膜の販売、機械セグメントにおけるアフターサービスが堅調に推移し、また医薬事業のロイヤリティ収入も増加したことなどから、前連結会計年度を上回りました。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加に加え、セメント関連事業(持分法適用関連会社であるUBE三菱セメント㈱)において石炭等エネルギー価格高騰を反映させた販売価格への是正等を進めたことにより持分法投資損益が改善し、前連結会計年度を大幅に上回りました。
この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ265億1百万円減の4,682億3千7百万円、営業利益は62億4千6百万円増の224億5千6百万円、経常利益は363億3千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は289億8千1百万円となりました。
項 目売上高営業利益経常利益
又は経常損失(△)
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純
損失(△)
当連結会計年度468,237百万円22,456百万円36,333百万円28,981百万円
前連結会計年度494,738百万円16,210百万円△8,745百万円△7,034百万円
増 減△26,501百万円6,246百万円45,078百万円36,015百万円
増 減 率△5.4%38.5%--

②生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能品60,751△0.9
樹脂・化成品262,601△9.2
機械90,820△1.7
その他34,07621.1
合計448,248△4.8

(注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。
b.受注実績
当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。
なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っていません。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
機械81,93110.257,2679.6

c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能品63,7502.6
樹脂・化成品257,175△12.3
機械96,886△0.0
その他80,49110.1
消去△30,065-
合計468,237△5.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。
③財政状態
総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ563億5千3百万円(7.7%)増加し、7,890億3千4百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金、仕掛品等の棚卸資産が増加したことなどにより125億6千2百万円(4.4%)増加し、2,956億7千8百万円となりました。
固定資産は、有形固定資産や投資有価証券、退職給付に係る資産が増加したことなどにより437億8千5百万円(9.7%)増加し、4,932億1百万円となりました。
繰延資産は、社債発行費が増加したことにより6百万円(4.0%)増加し、1億5千5百万円となりました。
負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ86億2千9百万円(2.5%)増加し、3,596億7千9百万円となりました。有利子負債は47億1千1百万円(△2.2%)減少し、2,134億3千2百万円となりました。
流動負債は、短期借入金や1年内償還予定の社債、契約負債が増加したことなどにより259億8千9百万円(15.1%)増加し、1,982億2千1百万円となりました。
固定負債は、長期借入金が減少したことなどにより173億6千万円(△9.7%)減少し、1,614億5千8百万円となりました。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ477億2千4百万円(12.5%)増加し、4,293億5千5百万円となりました。
株主資本は、利益剰余金が配当により92億2千万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により289億8千1百万円増加したことなどにより185億2千9百万円(5.5%)増加し、3,536億1千6百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が増加したことなどにより285億4千9百万円(107.6%)増加し、550億7千3百万円となりました。
非支配株主持分は、6億5千5百万円(3.3%)増加し、206億4百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.4ポイント増加し、51.8%となりました。
当連結会計年度前連結会計年度増 減
総資産789,034百万円732,681百万円56,353百万円
負債359,679百万円351,050百万円8,629百万円
純資産429,355百万円381,631百万円47,724百万円

④キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は529億6千万円(前連結会計年度に比べ348億3千3百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益、減価償却費、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は333億1千6百万円(前連結会計年度に比べ72億9千7百万円の増加)となりました。これは設備投資による支出等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は157億1千2百万円(前連結会計年度は24億4千3百万円の収入)となりました。これは配当金の支払い、有利子負債の返済等によるものです。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ51億5千6百万円(16.8%)増加し、358億5千9百万円となりました。
当連結会計年度前連結会計年度増 減
営業活動によるキャッシュ・フロー52,960百万円18,127百万円34,833百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△33,316百万円△26,019百万円△7,297百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー△15,712百万円2,443百万円△18,155百万円

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容
中期経営計画の2年目に当たる当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に比べ、売上高は機能品セグメントとその他セグメントを除き減少しました。2022年12月に医薬品受託製造会社(㈱エーピーアイコーポレーション)を買収した効果があったものの、樹脂・化成品セグメントにおいて中国経済の停滞等の影響もありナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売が低調に推移したことが大きく影響したためです。営業利益は樹脂・化成品セグメントにおいてファインケミカルや工業薬品等の販売が低調に推移したものの、機能品セグメントにおける分離膜の販売、機械セグメントにおけるアフターサービスが堅調に推移し、また医薬事業のロイヤリティ収入も増加したこと等により、樹脂・化成品セグメントを除き増加しました。
<売上高>
当連結会計年度前連結会計年度増 減増減率
機能品63,750百万円62,158百万円1,592百万円2.6%
樹脂・化成品257,175百万円293,388百万円△36,213百万円△12.3%
機械96,886百万円96,921百万円△35百万円△0.0%
その他80,491百万円73,110百万円7,381百万円10.1%
調整額△30,065百万円△30,839百万円774百万円-
合計468,237百万円494,738百万円△26,501百万円△5.4%

<営業利益>
当連結会計年度前連結会計年度増 減増減率
機能品12,110百万円10,243百万円1,867百万円18.2%
樹脂・化成品2,427百万円2,592百万円△165百万円△6.4%
機械7,168百万円5,237百万円1,931百万円36.9%
その他4,549百万円2,596百万円1,953百万円75.2%
調整額△3,798百万円△4,458百万円660百万円-
合計22,456百万円16,210百万円6,246百万円38.5%

各セグメントの主要製品の状況は次のとおりです。
機能品セグメント
主要な事業内容
ポリイミド、分離膜、セラミックス、セパレータ等の製造・販売

◆ポリイミド
ポリイミドについては、需要の回復の確実な取り込みと原料(BPDA)及びフィルムの新規製造設備立ち上げによる販売拡大を進めるとともに、革新的な新規ポリイミド製品で新たな需要を創出していきます。
当連結会計年度においては、大型ディスプレイ向けCOFフィルムでは、高いシェアを維持するとともに、フレキシブルOLED基板向けワニスでは、ハイエンドスマートフォンでの標準材としての地位を維持することで、安定した収益の確保を図りました。
足元の事業環境においては、大型ディスプレイ向けCOFフィルムは、中国パネルメーカーの稼働率も徐々に上がっており、在庫調整も一巡したことから回復傾向にあります。
今後については、革新的なポリイミドワニスの開発や、ディスプレイに加えモビリティー・半導体用途での事業拡大を図っていきます。
◆分離膜
分離膜については、生産能力の増強を着実に進め、環境・エネルギー分野を基軸とした事業拡大と商品力強化に取り組んでいます。
当連結会計年度においては、旺盛な需要に応えるべくボトルネック対策による生産能力の増強に努め、また、2025年度上期に稼働予定の分離膜用ポリイミド中空糸膜製造設備及び分離膜モジュール製造設備の建設を進めました。
足元の事業環境では、中期計画を大きく上回って受注量が増加しており、特にバイオメタン製造向けCO2分離膜の旺盛な需要が継続しています。
今後については、バイオメタン製造向けCO2分離膜の旺盛な需要は継続していくと見込んでおり、また、アルコール脱水膜やSAF(持続可能航空燃料)、化学品製造等で必要とされる水素を回収・有効利用するための水素分離膜についても需要の増加が予測されます。従って、更なる新規設備投資の検討や需要急増へ対応可能な柔軟な設備体制の構築や、環境エネルギー分野を中心としたアジア市場へのマーケティング強化を図っていきます。
◆セラミックス
セラミックス(窒化珪素)については、急拡大するxEV向けの需要に応えるために生産能力の増強を着実に進め、成長機会を掴みます。
当連結会計年度においては窒化珪素製造設備の増設を決定しました。本設備の稼働開始は2025年度下期を予定しています。
足元の事業環境は、xEV市場向けの軸受及び基板用の川下顧客の増産計画も進行する中、需要拡大が加速しており、需給バランスが非常にタイトになっています。拡大する需要に対応するために、2025年度下期を予定する新規製造設備の稼働開始を前に、既存設備の生産性向上も図っていきます。
今後についてもxEV市場の成長に伴い旺盛な需要が見込まれる軸受や基板用途向けでの拡販、事業拡大に取り組んでいきます。
◆セパレータ
セパレータについては、xEV向けでの競争力強化による販売拡大に加え、今後の成長が期待される電力貯蔵システム向けをはじめとする非車載用途での成長機会を掴みます。
当連結会計年度においては、HEV向け既存顧客の確実な受注と新規案件獲得による販売拡大に努めるとともに、コスト競争力のある大型生産ラインへの集約と品質の向上を推進しました。
足元の事業環境では、世界的な脱炭素化社会の流れで自動車の電動化及び再生可能エネルギー発電の普及による電力貯蔵システムの需要が拡大しています。また、半導体等の部材不足が解消され、xEV市場は順調に回復しています。
今後については、新規製造設備稼働による生産量アップと更なるコストダウンによる販売拡大、加えて乾式膜の特性を活かした新規製品開発による次世代xEVや非車載市場での用途展開を加速させていきます。
樹脂・化成品セグメント
主要な事業内容
コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安、工業薬品、C1ケミカル、高機能コーティング、エラストマー(合成ゴム)等の製造・販売

◆コンポジット
コンポジットについては、新規コンポジット分野開拓によるスペシャリティ強化及びグローバル展開を目指しています。
当連結会計年度においては、タイでコンパウンド4号機の製造設備を導入しました。また、環境貢献型製品へのニーズ増加に対応すべく、リサイクルビジネスへの参入の足掛かりとして、廃漁網回収ベンチャー企業(amu㈱)へ出資しました。
足元の事業環境においては、自動車用途の需要は2023年度上期を底に緩やかに回復しましたが、中国経済の停滞による影響で、プラスチックマグネットや建材用途等は需要の低迷が継続しています。
今後については、グローバル拠点の更なる生産能力増強・開発機能強化によるマーケットインへの体制強化を目指し、タイでの4号機の垂直立ち上げ等による既存付加価値製品のグローバル展開、地産地消化の推進、並びにバイオマス由来ナイロンや廃漁網活用等の環境貢献型製品の開発等を行っていきます。
◆ナイロンポリマー
ナイロンポリマーについては、環境貢献型製品の開発や市場投入、アジア生産体制の最適化を進めていきます。
当連結会計年度においては、タイへの共重合グレード生産移管は計画どおり進捗しました。また、インド、中南米等の需要旺盛な新興国市場で販売拡大しました。
足元の事業環境においては、主力の国内食品包装用フィルム用途の需要は停滞が続いています。グローバルベースで中国品との価格競争は継続しますが、南アジアをはじめとする旺盛な新興国需要が販売量を下支えしています。
今後については、高付加価値グレード及び環境貢献型製品を主軸とする価格競争に晒されないスペシャリティ化の継続を図るべく、欧州市場におけるフィルム分野での端材回収PIR(Post Industrial Recycle)ビジネスの展開や環境貢献型製品(リサイクル・バイオマス原料等)の市場投入を行っていきます。
◆カプロラクタム・硫安
ナイロン原料のカプロラクタム及び硫安については、事業損益変動の最小化に向けた再編の検討及び実行を加速するとともに、大粒硫安等の高付加価値製品の事業拡大に取り組んでいます。
当連結会計年度においては、2024年度の国内カプロラクタム生産量縮小に向けた顧客対応を進めました。また、スペインでの付加価値品硫安増産及び、N2О(亜酸化窒素)排出量低減に向けた検討を本格化しました。
足元の事業環境においては、原料価格の変動や中国を中心とした供給過多、川下需要の低迷により厳しい状況となっています。
今後については、大粒硫安増産による高付加価値製品の事業拡大を目指すとともに、日本・タイでのカプロラクタム生産体制の最適化を検討し、市況変動に対するエクスポージャー(感応度)を低減していきます。
◆工業薬品
工業薬品についても、事業損益変動の最小化に向けた再編の検討及び実行を加速するとともに、高純度硝酸、高純度安水の高付加価値製品の事業拡大に取り組んでいます。
当連結会計年度においては、高純度硝酸工場の生産能力増強を実施した一方、関係事業の再編の一環として汎用製品の硝酸ソーダから事業撤退しました。
足元の事業環境においては、アンモニアは国内顧客で川下製品の需要が低調に推移し、アジアの工業用需要も力強さに欠け、市場価格は軟調です。損益変動を最小化すべく、安定操業に注力し、可能な限り販売数を拡大しています。
今後については、成長する国内半導体需要に対応するため、高純度硝酸・高純度安水を梃に高純度薬液事業を拡大し、スペシャリティ化を推進していきます。また、アンモニア製造設備の停止時期最適化の検討を進めていきます。
◆C1ケミカル
C1ケミカルについては、米国におけるDMC・EMCプラントの建設を決定しました。UBEグループのグローバルな成長を牽引する新拠点となることを目指します。
当連結会計年度においては、米国ルイジアナ州に同国初となるDMC年産10万トン、及びDMCから誘導されるEMC年産4万トンのプラント建設を決定しました。本プラントの設備投資金額は合計約5億ドルであり、2026年7月完工、同年11月稼働を予定しています。
今後については、米国唯一のDMC・EMCサプライヤーとしてのマーケットリーダーの地位を確保することを目指します。加えて、欧州でのDMC5万トン設備の建設を検討しています。顧客の現地生産のニーズに応え、アジア・北米・欧州3拠点での供給体制を確立していきます。
◆高機能コーティング
高機能コーティングについては、市場拡大に併せた生産能力増強や環境対応型製品開発によるマーケティングを推進していきます。
当連結会計年度においては、PCDはタイでの生産能力増強工事を完了し、商業運転を開始しました。PUDでは中国の開発ラボ拠点を活用した捺染インク用途の製品開発や販売拡大をしました。
足元の事業環境については、PCDは、成熟した日本や欧州市場では安定した出荷が継続し、アジア市場は成長が継続しています。また北中南米は今後の開拓市場と考えています。PUDは中国を中心にVOC(揮発性有機化合物)等法規制強化による水系・無溶媒系塗料の需要増等による環境対応シフトは継続し、PUD市場も拡大しています。
今後については、PCDではアジア市場の成長に合わせたタイでの更なる生産能力増強と、北米C1ケミカル事業の拡大に合わせて北米での製造設備の新設も計画しています。PUDについては日本での増産に加え、タイでの製造設備新設も検討していきます。
◆エラストマー(合成ゴム)
エラストマーについては、製・販・技一体での意思決定や施策実行をスピードアップしていきます。
当連結会計年度においては、工場間の連携による最適生産・最適販売を実施しました。
足元の事業環境については、クラッカーの低稼働に伴い原料(ブタジエン)の需給がひっ迫しています。また、ポリブタジエンの主要用途であるタイヤや樹脂の需要は低調となっています。円安・物価高に伴い、各種コストは軒並み上昇しています。
今後については、安全・安定生産を継続していきます。また、コストアップの抑制と採算の確保に努め、合わせてスペシャリティ化を推進していきます。
機械セグメント
主要な事業内容
成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構、製鋼品(ビレット、鋳造品)等の製造・販売

◆成形機
成形機については、従来の更新需要に加えてxEV化に対応していきます。
当連結会計年度においては、xEV化に追随した生産体制の拡充に着手しました。また、ダイカスト・射出成形機・押出プレス一体のアフターサービス活動を開始しました。
足元の事業環境では、自動車関連市場はxEV化の進展により、xEVに関連する設備投資が増加しています。
今後については、ギガキャスト用超大型マシンの受注・生産能力増強に注力していきます。また、アフターサービスも拡充させていきます。
◆産業機械
産業機械については、環境やエネルギー関連の新市場に参入していきます。
当連結会計年度においては、アンモニア・洋上風力等の環境関連の拡大市場への挑戦を進めるとともに、コストダウンによる利益の上積みをしました。
足元の事業環境では、バイオマス燃料搬送設備の需要は一巡し、代わりにカーボンニュートラルに関する開発や設備投資に向けた検討が本格化しています。
今後については、カーボンニュートラル関連の設備投資に関する需要を取り込んでいくとともに、成形機事業と同様にアフターサービスの更なる拡大を図っていきます。
その他セグメント
主要な事業内容
医薬品(原体・中間体)等の製造・販売、電力供給、不動産の売買・賃貸借及び管理等

◆医薬
医薬については、CDMO(医薬品受託製造)事業にてより高収益体制を目指し、近年新薬開発が進む核酸原薬の製造技術獲得や、より生産性の高いフロー合成技術の導入等を検討するとともに、創薬研究においても従来の低分子医薬品のみならず抗体薬物複合体(ADC:Antibody-Drug Conjugate)や標的タンパク質分解誘導薬(TPD:Target Protein Degrader)等のより高付加価値な創薬領域への事業拡大を図ります。
当連結会計年度においては、㈱エーピーアイコーポレーションとの製・販・技各分野での協業を深化させました。
足元の事業環境においては、低分子医薬品は緩やかに成長する一方、核酸医薬・遺伝子治療・細胞治療等の新規モダリティ(治療手段)が台頭しています。また、国際政情不安による原燃料価格の高止まりや円安に伴うコストアップも発生しています。
今後については、CDMO事業では第五医薬品工場(少量・高薬理活性原薬製造設備)の収益最大化と、㈱エーピーアイコーポレーションの吸収合併による完全一体化及び事業運営効率化を図るとともに、創薬研究では早期ライセンスアウトモデルを継続し、マイルストンの着実な獲得を目指します。また、ポリイミド多孔質膜技術を基にライフサイエンス分野での新規事業領域への参入に挑戦していきます。
②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2022年度を初年度とする中期経営計画において数値目標を以下のとおり掲げていますが、達成は困難な状況となっています。
<主要項目・経営指標>
2022年度
実績
2022年度
(原計画)
2023年度
実績
2023年度
(原計画)
2024年度
予想
2024年度
(原計画)
売上高4,947億円5,100億円4,682億円5,200億円5,100億円5,200億円
営業利益162億円345億円225億円410億円270億円400億円
経常利益△87億円310億円363億円450億円370億円470億円
親会社株主に帰属する
当期純利益
△70億円210億円290億円320億円295億円330億円
売上高営業利益率
(ROS)
3.3%6.8%4.8%7.9%5.3%8%
自己資本利益率
(ROE)
△1.9%5.6%7.5%8.2%7.1%8%

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
(財務の基本方針)
当社グループは、財務構造の健全性維持及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っており、取締役会がその活動状況を監督しています。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により行っています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しています。
(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)
現中期経営計画では、スペシャリティ事業の成長に向けて重点的に資金を投下することとしており、必要に応じて投資の前倒しも行っています。高い競争優位性を持つスペシャリティ事業を成長させることにより、キャッシュ・フローの規模と安定性を高め、企業価値向上に繋げていきますが、その一方で、有利子負債はキャッシュ創出力・株主資本に見合う水準にコントロールします。投資の実行と回収等にタイムラグがあることから、一時的に財務的な負荷が高まる局面も想定されますが、中長期における財務指標の推移予測を行うことで、リスクの低減に努めています。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に361億円、M&Aを含む投融資に37億円、研究開発費に103億円と、合計501億円を支出しています。このうち、スペシャリティ事業、ベーシック事業、及びその他への支出は、それぞれ51%、22%、27%となりました。設備投資の主要な案件は、ポリイミドフィルム工場やポリイミド原料モノマー(BPDA)工場、分離膜工場等の増設、米国DMC・EMC工場の建設です。
財務体質を示す指標については、D/Eレシオは0.52倍、自己資本比率は51.8%となり、前連結会計年度と比較して若干改善しました。
(キャッシュ・アロケーション)
現中期経営計画策定では3年間累計の営業キャッシュフロー(研究開発投資前)を1,820億円と想定していましたが、利益の未達によって380億円ほど減少し、現時点では1,440億円に留まる見込みです。他方で、分離膜、セラミックスにおける旺盛な需要に対応するべく前倒し投資を行っていることや、C1ケミカルの北米展開等の要因により、設備投資・投融資が中計原計画に対して300億円増加しています。この差額は、620億円の負債調達等により賄う予定です。また、研究開発投資や株主還元については中計原計画と概ね同額での実施を予定しています。この結果、有利子負債は中計原計画の想定から転じて増加することになりますが、2024年度末のD/Eレシオは0.63倍、自己資本比率は49.9%と予想しており、財務健全性は十分に維持できると見込んでいます。
株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針としており、連結総還元性向30%以上、株主資本配当率(DOE)2.5%以上としています。当連結会計年度は連結総還元性向、DOE、それぞれの目標を満たす1株当たり105円の配当となる見込みです。今後、現中期経営計画期間における積極的な成長投資の実施とその成果の刈り取りによって、更なる株主還元の充実を目指します。
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(ポートフォリオ別 経営資源投入計画と進捗)
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(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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