有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/17 16:49
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【項目】
156項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、長引く米中貿易摩擦等により成長が鈍化した世界経済の影響を受けたものの、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復基調に推移しておりました。しかしながら、消費税増税による個人消費の動きに引き続き注視が必要であることに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響が世界経済に大きな影響を与え、国内経済においてもマイナス成長に転ずる懸念が強まり、先行きに対する不透明感は継続しております。
こうした状況の中、当社グループはブランド価値経営の下、当期は「主力ブランド育成・強化」「新分野・新市場」「海外 成長への基盤づくり」「サーモケア 成長事業へ」「成長に向けた体制づくり」の5つの重点ポイントに取り組みました。
その結果、当連結会計年度の売上高はエアケア(消臭芳香剤)や湿気ケア(除湿剤)などが堅調だったものの、記録的な暖冬により市場が大きく落ち込んだサーモケア(カイロ)が低迷した結果、475億45百万円(前期比0.5%減)となりました。
利益面では、高付加価値品の販売数量増加、主力カテゴリーでのコストダウンや栃木工場稼働に伴う生産効率化による原価低減の効果により売上総利益が増加し、営業利益33億74百万円(同18.9%増)、営業外損益の為替差益が増加したこと等により経常利益33億44百万円(同22.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億61百万円(同25.4%増)となりました。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響については、生産面において原材料の調達等大きな影響は起きていないことや、外出自粛などによる販売面の影響は家庭内消費財が多いため限定的でありました。
当社グループの事業セグメントは、「生活日用品事業」の単一セグメントですが、カテゴリー別の業績は以下のとおりであります。
<カテゴリー別売上高>(単位:百万円)
カテゴリー金 額構 成 比増 減 率
エアケア(消臭芳香剤)21,07844.3%1.3%
衣類ケア(防虫剤)9,26619.5%1.7%
サーモケア(カイロ)4,3249.1%△16.0%
ハンドケア(手袋)5,75812.1%△0.3%
湿気ケア(除湿剤)3,3197.0%10.6%
ホームケア(その他)3,7978.0%△3.6%
合計47,545100.0%△0.5%

b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して12億99百万円増加し、432億75百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少9億15百万円、受取手形及び売掛金の増加5億15百万円、商品及び製品の増加10億56百万円、のれんの増加13億60百万円、投資有価証券の減少7億9百万円等であります。
負債は、前連結会計年度末と比較して3億87百万円増加し、131億39百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加3億31百万円、未払消費税等の増加2億66百万円、営業外電子記録債務の減少3億17百万円等であります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して9億12百万円増加し、301億35百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加14億48百万円、その他有価証券評価差額金の減少5億4百万円等であります。
以上の結果、自己資本は296億26百万円、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して0.3ポイント増加し、68.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して9億49百万円減少し、101億22百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは36億37百万円の収入(前年同期は21億86百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益32億89百万円、減価償却費13億89百万円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額8億75百万円、法人税等の支払額7億47百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは36億84百万円の支出(前年同期は23億4百万円の支出)となりました。主な支出としては有形固定資産の取得による支出14億1百万円、事業譲受による支出20億40百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは8億84百万円の支出(前年同期は6億28百万円の支出)となりました。主な支出としては配当金の支払8億3百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
生活日用品事業(千円)30,300,684115.1

(注)1.金額は主として製販価格により表示しております。なお、製販価格には消費税等を含んでおりません。
2.当社は生産の一部を外注しております。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主に、2019年4月1日付でマイコール株式会社よりカイロ事業を譲受けたことに伴い、栃木工場においてカイロの生産を開始したためです。
b.商品仕入実績
当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
生活日用品事業(千円)2,081,25134.7

(注)1.金額は主として実際商品仕入金額により表示しております。なお、実際商品仕入金額には消費税等を含んでおりません。
2.当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは主に、2019年4月1日付でマイコール株式会社よりカイロ事業を譲受けたことに伴い、栃木工場においてカイロの生産を開始したためです。
c.製品仕入実績
当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の製品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
生活日用品事業(千円)9,326,313106.5

(注)金額は主として実際製品仕入金額により表示しております。なお、実際製品仕入金額には消費税等を含んでおりません。
d.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
e.販売実績
当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
生活日用品事業(千円)47,545,80499.5

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱PALTAC16,729,50735.016,342,52034.4
㈱あらた10,752,80322.511,288,74723.7

2.本表の金額には、消費税等は含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
この度の新型コロナウイルスの収束の兆しが不透明な中、私達エステーはこの経営環境の激変を、「脱皮」につなげてまいります。
<暖冬で減収も、原価低減努力で利益はV字回復>当期は引き続き高付加価値品が伸長しましたが、暖冬でカイロ売上が大幅に減少し減収となりました。利益面では主力品の原価低減で大幅増益を果たしました。
<寒さ対策の「カイロ」から、年間需要の「サーモケア」へ>グローバル気候変動は今後も継続すると認識し、年間商材となる新機軸サーモケア商品の開発と国内外の新規市場開拓を進めます。
<海外事業は構造改革を加速>2019年10月より組織改編と構造改革を進め、2020年4月には新生「海外事業部門」が発足しました。選択と集中により、海外事業の基盤づくりを進めます。
<社会と環境に貢献する新規事業開発>森の恵みを社会に還元する循環型事業「クリアフォレスト」、高齢化社会を支援する介護ブランド「エールズ」等、社会と環境に貢献する新規事業開発を今後も進め、中長期的に育成してまいります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。これらの見積り及び判断を過去の実績や状況に応じ合理的に行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
個々の項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)有価証券
当社グループでは、その他有価証券のうち、取得原価に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っております。時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合には回復可能性はないものと判断し、減損処理を行っております。時価のないものについては、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っております。経営者は、回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。
(b)有形固定資産
当社グループでは、有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、本社等の共用資産については、事業全体をグルーピングの単位として将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。また、事業の用に直接供していない遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っており、個別に比較可能な市場価格に基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(c)のれん
当社グループでは、のれんの簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、のれんが配分された資金生成単位毎に将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。経営者は将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローが減少し、減損損失が発生する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<売上高>売上高は475億45百万円となり、前連結会計年度と比べ0.5%減少いたしました。これは主に主力カテゴリーであるエアケア(消臭芳香剤)において高付加価値品である「消臭力 Premium Aroma」シリーズが伸長したことや、パッケージリニューアルした湿気ケアが好調だったものの、記録的な暖冬によるサーモケアの落ち込みや海外事業が低迷したことによるものであります。
<売上総利益>売上総利益は204億81百万円となり、前連結会計年度と比べ4.6%増加いたしました。これは主に製造コストの低減に取り組んだことによるコストダウンや、栃木工場稼働に伴う生産効率の向上によるものであります。
<販売費及び一般管理費、営業利益>販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ3億59百万円増加し、171億7百万円となりました。これは主に物流コストの増加や、カイロ事業を譲受けたことによるのれんの償却費増加によるものであります。この結果、営業利益は33億74百万円となり、前連結会計年度と比べ18.9%増加いたしました。なお、売上高営業利益率は7.1%となり、前連結会計年度と比べ1.2ポイント増加いたしました。
<営業外収益、営業外費用、経常利益>営業外収益は、主に為替差益の増加により前連結会計年度と比べ1億13百万円増加し、5億14百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度と比べ26百万円増加し、5億44百万円となりました。この結果、経常利益は33億44百万円となり、前連結会計年度と比べ22.9%増加いたしました。
<税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益>特別損失に減損損失29百万円を計上した結果、税金等調整前当期純利益は32億89百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は22億61百万円となり、前連結会計年度と比べ25.4%増加いたしました。
③ カテゴリーごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
エアケア(消臭芳香剤)は、成長カテゴリーと位置付けており、上質な香りにこだわった「消臭力 Premium Aroma」シリーズの商品ラインアップを拡充させることにより市場を活性化させる取り組みを進めました。その結果、「消臭力 トイレ用 Premium Aroma」や「玄関・リビング用 消臭力 Premium Aroma Stick」等の高単価・高付加価値品の売上が貢献し国内は堅調に推移し、売上高は210億78百万円(前期比1.3%増)となりました。
衣類ケア(防虫剤)は、成熟した傾向にある市場のため、多様なニーズの深耕として新規ユーザーへの訴求と収納形態の変化に対応する取り組みを進めました。春先は天候不順の影響により需要がなかなか回復しなかったものの、消費税増税の影響が限定的であったことや、エアケアで好評な「Premium Aroma」シリーズの香りを使用した新製品の「かおりムシューダ Premium Aroma」や、新製品の「ムシューダ ダニよけ」が寄与した結果、売上高は92億66百万円(同1.7%増)となりました。
サーモケア(カイロ)は、成長事業の柱としてヘルスケア市場や海外市場への展開を目指す取り組みを進めました。前期の記録的な暖冬の影響により返品が増加したことや、消費税増税の影響で売場の立ち上げが遅れたことに加え、当期においては前期以上の暖冬であったことから市場全体が落ち込んだ結果、売上高は43億24百万円(同16.0%減)となりました。
ハンドケア(手袋)は、機能性とデザイン性を高めることにより、マーケットを活性化させる取り組みを進めました。家庭用手袋や業務用手袋が堅調に推移し、新型コロナウイルスに対する除菌・衛生意識の高まりから使い捨て手袋の需要も増加しておりますが、海外での販売が低迷していること等により、売上高は57億58百万円(同0.3%減)となりました。
湿気ケア(除湿剤)は、競争が激しい市場であるため差別化により、ユーザー拡大に向けた取り組みを進めました。例年より梅雨明けが遅れた影響の他、パッケージのリニューアル等により拡売し、マーケットの拡大も図れたこと等で、売上高は33億19百万円(同10.6%増)となりました。
ホームケア(その他)は、国内の新分野へのチャレンジとして商品拡充に向けた取り組みを進めました。花粉対策として展開している「MoriLabo 花粉バリアスティック」が前期シーズン終了後の返品や、当期は花粉の飛散量が例年よりも少ない予測から出荷を抑えた影響で落ち込み、さらに利益構造の見直しの中で低収益商品の削減を行ったこと等により、売上高は37億97百万円(同3.6%減)となりました。
④ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループが行っている生活日用品事業は、競合他社や新規参入者との間で常に厳しい競争が行われており、競争環境に的確に対応ができない場合は、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、景気の悪化により個人消費が落ち込んだ場合にも業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。このような市場環境の下、当社の強みである空気ビジネスを企業価値創造の核として既存事業での市場活性化と新分野・新市場への進出等により、事業を拡大しつつ、新しいビジネスの創造に努めてまいります。
⑤ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、主に営業活動から得られる自己資金及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。設備投資並びにM&A等の事業投資の長期資金需要につきましては、資金需要が発生した時点で、自己資金はもとより、金融機関からの長期借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また、短期の運転資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金により賄っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は9億3百万円となっており、借入金については当社連結子会社における運転資金及び製造設備改修のための資金で、全て金融機関からの借入となっております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は101億22百万円であります。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、本業での収益性を示す営業利益率を重要な指標として位置づけ、営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度の営業利益率は7.1%で前連結会計年度と比較して1.2ポイント増加しております。高収益な企業を目指してブランド価値経営を推進することで、経営環境の変化に左右されない強い事業基盤を構築し、企業と社会の相乗発展を実現してまいります。

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