有価証券報告書-第71期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、64,635百万円(前連結会計年度末は62,542百万円)となり、2,092百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が778百万円増加したことや、棚卸資産が293百万円減少したこと、またファインケミカルセグメントにおける基幹システムへの投資などによって無形固定資産が316百万円増加したことや、有価証券の償還及び再投資、保有株式等の含み益増加などによって有価証券が200百万円減少し、投資有価証券が1,023百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末における負債は、8,062百万円(前連結会計年度末は7,915百万円)となり、147百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が127百万円減少したことや、未払法人税等が61百万円増加したこと、株式市場の好調を受けて繰延税金負債が98百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、56,572百万円(前連結会計年度末は54,627百万円)となり、1,944百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,989百万円増加したことや、自己株式の取得により自己株式が154百万円増加したことなどによるものです。
②経営成績の状況について
当連結会計年度における我が国の経済は、円安などを背景としたエネルギー・原材料価格の継続的な上昇による物価の上昇やアメリカの政策動向の影響から景気の先行きは予断を許さないものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などにより経済活動は緩やかな回復基調にあります。
このような経営環境の下で、当社グループは「生活文化創造企業」の経営理念の下、近年で新たに発生した社会的ニーズを含めた幅広い社会課題の解決を事業機会と捉え、他にない製品やサービスの開発と事業化に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、ファインケミカル事業の海外向け販売で他社製品の仲介取引撤退による減収をカバーしきれず売上高29,742百万円(前年同期比0.4%減)、その一方でポーラスマテリアル事業において半導体向け製品などの利益率が比較的高い製品の出荷が好調だったことなどにより営業利益4,033百万円(同12.7%増)、経常利益4,229百万円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、SI事業(旧温浴事業)において固定資産除却損を計上したものの、一部の投資有価証券を売却したことにより2,913百万円(同10.7%増)となりました。
(ファインケミカル)
自動車を取り巻く環境は、第3四半期まで認証不正などによる一部メーカーでの出荷停止の影響を受けたものの第4四半期以降で一部メーカーの販売が伸長し、新車販売は前期を上回りました。前半での新車販売供給不足に伴い中古車の需要が高まり、中古車販売も前期を上回りました。
国内の小売業界では、ホームセンターをはじめとした量販店の来店客数は減少傾向にありますが、平年に比べて気温の高い日が続いたことで夏季商品が好調に推移し、第4四半期以降は冬季商品の販売が堅調に推移したほか、地震や台風などの影響で防災関連商品が好調に推移しました。
また、カー用品専門店においても来店客数が減少傾向だったものの、外出機会の増加に伴い車両メンテナンス需要が高まったことでタイヤやバッテリーなどの販売が好調に推移しました。
a.一般消費者向け販売(自動車分野)
ボディケア製品は、新製品の出荷は堅調に推移したものの、気温の高い日が続いたことで上期に洗車機会が減少したことや、前期に発売した新製品の足回り関連の出荷が今期は販売が落ち着き、前期を下回りました。
ガラスケア製品は、撥水剤での価格改定に伴う単価上昇や、ワイパー製品で店頭キャンペーンを強化したことなどにより前期を上回りました。
リペア製品は、商流の変更に伴う一時的な販売減少があった前期に対して、今期は得意先への販売が堅調に推移したことや、価格改定の実施により前期を上回りました。
一般消費者向け販売全体では、ガラスケア製品やリペア製品がボディケア製品での落ち込みをカバーしたことで前期を上回りました。
b.業務用製品販売(自動車分野・産業分野)
新車向けは、第4四半期以降で一部メーカーの販売が伸長し新車販売は前年を上回ったものの、当社ブランドの業務用コーティング製品の出荷が低調に推移したことで新車向け販売全体では、前期を下回りました。
中古車向けは、中古車販売が通年で好調だったことや、得意先への積極的なアプローチにより高付加価値製品を使用した施工機会が増加したことで前期を上回りました。
業務用製品販売全体では、中古車向け販売やワイパーなどのコーティング以外の製品販売が伸長したものの、新車向け販売の落ち込みをカバーできず前期を下回りました。
c.家庭用製品販売(生活分野)
主力のメガネケア製品では、「メガネのシャンプー」の売り場展開強化や新規獲得などに注力し、新たにスポーツ市場向けの製品販売を開始したものの、前期を下回りました。
スポーツサイクル向けの製品展開を開始したものの、OEM製品においてくもり止め製品の需要減速に伴い出荷が低調であったことから前期を下回り、家庭用製品販売全体でも前期を下回りました。
d.海外向け販売(自動車分野)
ロシアでは、当社製品の出荷が前期に比べ好調に推移しているものの、ウクライナ侵攻の長期化による輸出規制強化に伴い他社製品の仲介取引から撤退したことで前期を大幅に下回りました。
ロシア以外のエリアでは、ロシアでの落ち込みをカバーすべくSNSプロモーションに積極的に取り組み、販売が好調に推移いたしました。
中国では、ガラスケア製品の販売が好調に推移したことで、当社製品の出荷は前期を上回りました。
中国を除く東アジアでは、主に韓国でボディケア製品やガラスケア製品の出荷が好調に推移したことで前期を上回りました。
東南アジアでは、撥水剤の出荷が好調だったことで前期を上回りました。
欧州エリアでは、ボディケア製品やガラスケア製品の出荷が好調に推移したことで前期を上回りました。
南米エリアでは、主要仕向け地であるブラジルで現地語パッケージの新製品の販売を開始したことや、ボディケア製品やガラスケア製品の出荷が好調だったことにより前期を上回りました。
東アジア、東南アジア、欧州、南米での出荷が好調だったものの、ロシア向け他社製品の仲介取引から撤退したことで、海外向け販売全体では前期を下回りました。
e.TPMSの企画開発販売(自動車分野)
主要得意先において一部メーカーでのモデルチェンジに伴う一時的な供給停滞により販売が減少したものの、新規顧客獲得により取付台数が増加したことや、既存取付車両への整備・メンテナンスサービスの売上が伸長したことにより、前期を上回りました。
f.電子機器・ソフトウェア開発販売(産業分野)
半導体関連部品の入荷状況が不安定だった前期に比べ各種部材供給が改善しつつあることや、単価の高い案件の製品出荷が進んだことで前期を上回りました。
各種部材の入荷状況が改善傾向にあり、製品出荷も堅調に推移したことで前期を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度のファインケミカル事業の売上高は、一般消費者向け販売やTPMSの企画開発販売においてトラック・バス向けTPMSの出荷が好調に推移したものの、業務用製品販売の低調や海外向け販売でロシア向け他社製品の仲介取引から撤退したことによる販売減少をカバーするには至らず、13,652百万円(同5.9%減)となりました。また、営業利益は販売ミックスの変化などが利益率改善に寄与したものの、運賃の高騰や基幹システムへの投資に伴う費用が発生したことで1,837百万円(同4.6%減)となりました。
(ポーラスマテリアル)
a.産業資材部門(産業分野)
世界的な生成AIの急速な普及やIoTなどの進展に伴い、半導体市場をはじめデジタル関連全体での需要は拡大傾向にあり、国内向け販売も半導体工場への積極投資の影響から主力の半導体向けが堅調に推移しました。またフィルター及びプリンター用途、環境用途も堅調に推移し、HDD向けでは前期に得意先での生産調整があったものの、生成AIの普及によるデータセンターへの投資増加に伴い販売が好調に推移したことで前期を上回り、国内向け販売全体でも前期を上回りました。
海外向け販売は、生成AIに関する投資増加によってロジック半導体向けやHBM向けの需要が継続しており、韓国や台湾などを中心に販売が好調に推移したことで、海外向け販売全体では前期を上回りました。
医療向け販売は、国内のシート関連製品の出荷において感染症対策目的での需要減少が下げ止まり傾向にあったものの、病院で買い控えの動きが顕在化しつつあり前期を下回りました。また、体外検査薬フィルターや薬液塗布材などは新規取引先が増加傾向にあるものの、前期に比べ需要が落ち着いたことで医療向け販売全体では前期を下回りました。
産業資材部門全体では、医療向け販売の落ち込みを国内及び海外での半導体やHDD向け販売がカバーしたことで前期を上回りました。
b.生活資材部門(自動車分野・生活分野)
国内向け販売は、主力である消費者向け車用製品の苦戦や、認証不正などによる新車販売の低迷に伴い自動車向けOEM製品の出荷が低調に推移しました。家庭用製品では年末需要により下期は好調だったものの、通期では前期並みの推移に留まったことで車用製品の低調をカバーするには至らず、国内向け販売全体では前期を下回りました。
海外向け販売は、主力仕向け地である米国で急激なインフレによる消費停滞の影響から在庫調整が継続し、販売が減少しました。生活資材部門全体においても前期を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度のポーラスマテリアル事業の売上高は、9,094百万円(同9.5%増)となりました。また、営業利益は半導体向け製品などの利益率が比較的高い製品の出荷好調により一定の利益を確保できたことや、一過性の原価低減等があったことにより1,677百万円(同54.8%増)となりました。
(サービス)
a.自動車整備・鈑金事業(自動車分野)
鈑金事業では、人件費などの経費高騰に伴いレバレートアップなどの取り組み強化や稼働率向上に努め、各メーカーの認証取得も積極的に進めました。これらの結果、適正な単価確保や入庫台数維持につながったことで前期を上回りました。
美装事業でも、新たな自社ブランド製品の展開に伴い自動車用プロテクションフィルムにかかる物販が好調に推移したことで、自動車整備・鈑金事業全体では前期を上回りました。
b.自動車教習事業(自動車分野)
入所者数は前期をやや下回る形で推移しているものの、インバウンド需要や万博を控えバスをはじめとした大型二種などの旅客向け職業用免許や講習、準中型や普通免許が好調だったことで前期を上回りました。
c.生活用品企画販売事業(生活分野)
生協向けにおける採用数が減少傾向にあったことで前期を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度のサービス事業の売上高は、生活用品企画販売事業の落ち込みを自動車整備・鈑
金事業や自動車教習事業がカバーしたことにより、5,721百万円(同3.7%増)となりました。また、営業利益にお
いては273百万円(同49.4%増)となりました。
(不動産関連)
a.不動産賃貸事業(生活分野)
一部の保有物件で退去があったことなどにより、前期を下回りました。
b.SI事業(旧温浴事業)(生活分野)
各店舗の来店客数や店内での飲食利用は増加傾向にあるものの、IRやインバウンド向けの新施設建設のため前
期末で3店舗中1店舗を閉店したことにより、前期を下回りました。
c.介護予防支援事業(生活分野)
積極的な営業活動により登録者が増加したことや、欠席者が減少し平均利用者数がコロナ禍以前の水準まで回復
したことで、前期を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度の不動産関連事業の売上高は、1,274百万円(同17.4%減)となりました。また、営業利益は233百万円(同37.8%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ764百万円の増加となり、当連結会計年度末の残高は22,008百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、4,246百万円の流入(前年同期は3,772百万円の流入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が4,202百万円、減価償却費が991百万円、棚卸資産が293百万円減少し、仕入債務が127百万円減少したことや、法人税等の支払額1,229百万円などを要因としております。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、2,260百万円の支出(前年同期は1,137百万円の支出)となりました。これは主に、ファインケミカルセグメントでの設備投資などで有形固定資産の取得による支出1,063百万円、無形固定資産の取得による支出466百万円や、投資有価証券の取得による支出2,024百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1,494百万円などを要因としております。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、1,224百万円の支出(前年同期は1,205百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額923百万円や自己株式の取得による支出228百万円を要因としております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.サービス事業、不動産関連事業については、生産活動を伴わないため、記載しておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。これらの概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入に係る費用と販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び新事業創出のための投資によるものであります。
当社グループの運転資金は自己資金を基本としており、金融機関からの借入は行っておりません。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、営業預り保証金169百万円のみとなります。1年内返済予定の長期借入金85百万円については、従業員の福利厚生に資する「従業員持株会支援信託ESОP」導入に際しての信託スキームによる借入です。これは実質的に当社が利息の支払いを行うものではないため、有利子負債の残高には含んでおりません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22,008百万円であります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
第7次中期経営計画(2023年4月~2026年3月)2年目である2025年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
第7次中期経営計画期間中のROICは概ね7.0~8.0%を推移する想定としており、当社の資本コストについては中長期的には概ね5.5~6.0%の水準であると認識しております。
今後も余資を活用した業容拡大に向けて、新しい製品・サービスの開発、新市場への進出に向けて、より一層注力してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、64,635百万円(前連結会計年度末は62,542百万円)となり、2,092百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が778百万円増加したことや、棚卸資産が293百万円減少したこと、またファインケミカルセグメントにおける基幹システムへの投資などによって無形固定資産が316百万円増加したことや、有価証券の償還及び再投資、保有株式等の含み益増加などによって有価証券が200百万円減少し、投資有価証券が1,023百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末における負債は、8,062百万円(前連結会計年度末は7,915百万円)となり、147百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が127百万円減少したことや、未払法人税等が61百万円増加したこと、株式市場の好調を受けて繰延税金負債が98百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、56,572百万円(前連結会計年度末は54,627百万円)となり、1,944百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,989百万円増加したことや、自己株式の取得により自己株式が154百万円増加したことなどによるものです。
②経営成績の状況について
当連結会計年度における我が国の経済は、円安などを背景としたエネルギー・原材料価格の継続的な上昇による物価の上昇やアメリカの政策動向の影響から景気の先行きは予断を許さないものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などにより経済活動は緩やかな回復基調にあります。
このような経営環境の下で、当社グループは「生活文化創造企業」の経営理念の下、近年で新たに発生した社会的ニーズを含めた幅広い社会課題の解決を事業機会と捉え、他にない製品やサービスの開発と事業化に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、ファインケミカル事業の海外向け販売で他社製品の仲介取引撤退による減収をカバーしきれず売上高29,742百万円(前年同期比0.4%減)、その一方でポーラスマテリアル事業において半導体向け製品などの利益率が比較的高い製品の出荷が好調だったことなどにより営業利益4,033百万円(同12.7%増)、経常利益4,229百万円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、SI事業(旧温浴事業)において固定資産除却損を計上したものの、一部の投資有価証券を売却したことにより2,913百万円(同10.7%増)となりました。
(ファインケミカル)
自動車を取り巻く環境は、第3四半期まで認証不正などによる一部メーカーでの出荷停止の影響を受けたものの第4四半期以降で一部メーカーの販売が伸長し、新車販売は前期を上回りました。前半での新車販売供給不足に伴い中古車の需要が高まり、中古車販売も前期を上回りました。
国内の小売業界では、ホームセンターをはじめとした量販店の来店客数は減少傾向にありますが、平年に比べて気温の高い日が続いたことで夏季商品が好調に推移し、第4四半期以降は冬季商品の販売が堅調に推移したほか、地震や台風などの影響で防災関連商品が好調に推移しました。
また、カー用品専門店においても来店客数が減少傾向だったものの、外出機会の増加に伴い車両メンテナンス需要が高まったことでタイヤやバッテリーなどの販売が好調に推移しました。
a.一般消費者向け販売(自動車分野)
ボディケア製品は、新製品の出荷は堅調に推移したものの、気温の高い日が続いたことで上期に洗車機会が減少したことや、前期に発売した新製品の足回り関連の出荷が今期は販売が落ち着き、前期を下回りました。
ガラスケア製品は、撥水剤での価格改定に伴う単価上昇や、ワイパー製品で店頭キャンペーンを強化したことなどにより前期を上回りました。
リペア製品は、商流の変更に伴う一時的な販売減少があった前期に対して、今期は得意先への販売が堅調に推移したことや、価格改定の実施により前期を上回りました。
一般消費者向け販売全体では、ガラスケア製品やリペア製品がボディケア製品での落ち込みをカバーしたことで前期を上回りました。
b.業務用製品販売(自動車分野・産業分野)
新車向けは、第4四半期以降で一部メーカーの販売が伸長し新車販売は前年を上回ったものの、当社ブランドの業務用コーティング製品の出荷が低調に推移したことで新車向け販売全体では、前期を下回りました。
中古車向けは、中古車販売が通年で好調だったことや、得意先への積極的なアプローチにより高付加価値製品を使用した施工機会が増加したことで前期を上回りました。
業務用製品販売全体では、中古車向け販売やワイパーなどのコーティング以外の製品販売が伸長したものの、新車向け販売の落ち込みをカバーできず前期を下回りました。
c.家庭用製品販売(生活分野)
主力のメガネケア製品では、「メガネのシャンプー」の売り場展開強化や新規獲得などに注力し、新たにスポーツ市場向けの製品販売を開始したものの、前期を下回りました。
スポーツサイクル向けの製品展開を開始したものの、OEM製品においてくもり止め製品の需要減速に伴い出荷が低調であったことから前期を下回り、家庭用製品販売全体でも前期を下回りました。
d.海外向け販売(自動車分野)
ロシアでは、当社製品の出荷が前期に比べ好調に推移しているものの、ウクライナ侵攻の長期化による輸出規制強化に伴い他社製品の仲介取引から撤退したことで前期を大幅に下回りました。
ロシア以外のエリアでは、ロシアでの落ち込みをカバーすべくSNSプロモーションに積極的に取り組み、販売が好調に推移いたしました。
中国では、ガラスケア製品の販売が好調に推移したことで、当社製品の出荷は前期を上回りました。
中国を除く東アジアでは、主に韓国でボディケア製品やガラスケア製品の出荷が好調に推移したことで前期を上回りました。
東南アジアでは、撥水剤の出荷が好調だったことで前期を上回りました。
欧州エリアでは、ボディケア製品やガラスケア製品の出荷が好調に推移したことで前期を上回りました。
南米エリアでは、主要仕向け地であるブラジルで現地語パッケージの新製品の販売を開始したことや、ボディケア製品やガラスケア製品の出荷が好調だったことにより前期を上回りました。
東アジア、東南アジア、欧州、南米での出荷が好調だったものの、ロシア向け他社製品の仲介取引から撤退したことで、海外向け販売全体では前期を下回りました。
e.TPMSの企画開発販売(自動車分野)
主要得意先において一部メーカーでのモデルチェンジに伴う一時的な供給停滞により販売が減少したものの、新規顧客獲得により取付台数が増加したことや、既存取付車両への整備・メンテナンスサービスの売上が伸長したことにより、前期を上回りました。
f.電子機器・ソフトウェア開発販売(産業分野)
半導体関連部品の入荷状況が不安定だった前期に比べ各種部材供給が改善しつつあることや、単価の高い案件の製品出荷が進んだことで前期を上回りました。
各種部材の入荷状況が改善傾向にあり、製品出荷も堅調に推移したことで前期を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度のファインケミカル事業の売上高は、一般消費者向け販売やTPMSの企画開発販売においてトラック・バス向けTPMSの出荷が好調に推移したものの、業務用製品販売の低調や海外向け販売でロシア向け他社製品の仲介取引から撤退したことによる販売減少をカバーするには至らず、13,652百万円(同5.9%減)となりました。また、営業利益は販売ミックスの変化などが利益率改善に寄与したものの、運賃の高騰や基幹システムへの投資に伴う費用が発生したことで1,837百万円(同4.6%減)となりました。
(ポーラスマテリアル)
a.産業資材部門(産業分野)
世界的な生成AIの急速な普及やIoTなどの進展に伴い、半導体市場をはじめデジタル関連全体での需要は拡大傾向にあり、国内向け販売も半導体工場への積極投資の影響から主力の半導体向けが堅調に推移しました。またフィルター及びプリンター用途、環境用途も堅調に推移し、HDD向けでは前期に得意先での生産調整があったものの、生成AIの普及によるデータセンターへの投資増加に伴い販売が好調に推移したことで前期を上回り、国内向け販売全体でも前期を上回りました。
海外向け販売は、生成AIに関する投資増加によってロジック半導体向けやHBM向けの需要が継続しており、韓国や台湾などを中心に販売が好調に推移したことで、海外向け販売全体では前期を上回りました。
医療向け販売は、国内のシート関連製品の出荷において感染症対策目的での需要減少が下げ止まり傾向にあったものの、病院で買い控えの動きが顕在化しつつあり前期を下回りました。また、体外検査薬フィルターや薬液塗布材などは新規取引先が増加傾向にあるものの、前期に比べ需要が落ち着いたことで医療向け販売全体では前期を下回りました。
産業資材部門全体では、医療向け販売の落ち込みを国内及び海外での半導体やHDD向け販売がカバーしたことで前期を上回りました。
b.生活資材部門(自動車分野・生活分野)
国内向け販売は、主力である消費者向け車用製品の苦戦や、認証不正などによる新車販売の低迷に伴い自動車向けOEM製品の出荷が低調に推移しました。家庭用製品では年末需要により下期は好調だったものの、通期では前期並みの推移に留まったことで車用製品の低調をカバーするには至らず、国内向け販売全体では前期を下回りました。
海外向け販売は、主力仕向け地である米国で急激なインフレによる消費停滞の影響から在庫調整が継続し、販売が減少しました。生活資材部門全体においても前期を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度のポーラスマテリアル事業の売上高は、9,094百万円(同9.5%増)となりました。また、営業利益は半導体向け製品などの利益率が比較的高い製品の出荷好調により一定の利益を確保できたことや、一過性の原価低減等があったことにより1,677百万円(同54.8%増)となりました。
(サービス)
a.自動車整備・鈑金事業(自動車分野)
鈑金事業では、人件費などの経費高騰に伴いレバレートアップなどの取り組み強化や稼働率向上に努め、各メーカーの認証取得も積極的に進めました。これらの結果、適正な単価確保や入庫台数維持につながったことで前期を上回りました。
美装事業でも、新たな自社ブランド製品の展開に伴い自動車用プロテクションフィルムにかかる物販が好調に推移したことで、自動車整備・鈑金事業全体では前期を上回りました。
b.自動車教習事業(自動車分野)
入所者数は前期をやや下回る形で推移しているものの、インバウンド需要や万博を控えバスをはじめとした大型二種などの旅客向け職業用免許や講習、準中型や普通免許が好調だったことで前期を上回りました。
c.生活用品企画販売事業(生活分野)
生協向けにおける採用数が減少傾向にあったことで前期を下回りました。
これらの結果、当連結会計年度のサービス事業の売上高は、生活用品企画販売事業の落ち込みを自動車整備・鈑
金事業や自動車教習事業がカバーしたことにより、5,721百万円(同3.7%増)となりました。また、営業利益にお
いては273百万円(同49.4%増)となりました。
(不動産関連)
a.不動産賃貸事業(生活分野)
一部の保有物件で退去があったことなどにより、前期を下回りました。
b.SI事業(旧温浴事業)(生活分野)
各店舗の来店客数や店内での飲食利用は増加傾向にあるものの、IRやインバウンド向けの新施設建設のため前
期末で3店舗中1店舗を閉店したことにより、前期を下回りました。
c.介護予防支援事業(生活分野)
積極的な営業活動により登録者が増加したことや、欠席者が減少し平均利用者数がコロナ禍以前の水準まで回復
したことで、前期を上回りました。
これらの結果、当連結会計年度の不動産関連事業の売上高は、1,274百万円(同17.4%減)となりました。また、営業利益は233百万円(同37.8%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ764百万円の増加となり、当連結会計年度末の残高は22,008百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、4,246百万円の流入(前年同期は3,772百万円の流入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が4,202百万円、減価償却費が991百万円、棚卸資産が293百万円減少し、仕入債務が127百万円減少したことや、法人税等の支払額1,229百万円などを要因としております。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、2,260百万円の支出(前年同期は1,137百万円の支出)となりました。これは主に、ファインケミカルセグメントでの設備投資などで有形固定資産の取得による支出1,063百万円、無形固定資産の取得による支出466百万円や、投資有価証券の取得による支出2,024百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1,494百万円などを要因としております。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、1,224百万円の支出(前年同期は1,205百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額923百万円や自己株式の取得による支出228百万円を要因としております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ファインケミカル (千円) | 14,044,546 | 103.4 |
| ポーラスマテリアル (千円) | 8,387,960 | 110.2 |
| 合計(千円) | 22,432,507 | 105.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.サービス事業、不動産関連事業については、生産活動を伴わないため、記載しておりません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ファインケミカル (千円) | 13,652,433 | 94.1 |
| ポーラスマテリアル (千円) | 9,094,632 | 109.5 |
| サービス (千円) | 5,721,573 | 103.7 |
| 不動産関連 (千円) | 1,274,287 | 82.6 |
| 合計(千円) | 29,742,927 | 99.6 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。これらの概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入に係る費用と販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び新事業創出のための投資によるものであります。
当社グループの運転資金は自己資金を基本としており、金融機関からの借入は行っておりません。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、営業預り保証金169百万円のみとなります。1年内返済予定の長期借入金85百万円については、従業員の福利厚生に資する「従業員持株会支援信託ESОP」導入に際しての信託スキームによる借入です。これは実質的に当社が利息の支払いを行うものではないため、有利子負債の残高には含んでおりません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22,008百万円であります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
第7次中期経営計画(2023年4月~2026年3月)2年目である2025年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
| 指標(連結) | 2024年 3月期 (実績) | 2025年 3月期 (計画値) | 2025年 3月期 (実績) | 前期比(%) | 達成状況 計画比(%) |
| 売上高 (百万円) | 29,874 | 29,300 | 29,742 | 99.6 | 101.5 |
| 営業利益 (百万円) | 3,579 | 3,600 | 4,033 | 112.7 | 112.1 |
| 経常利益 (百万円) | 3,782 | 3,800 | 4,229 | 111.8 | 111.3 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) | 2,631 | 2,650 | 2,913 | 110.7 | 110.0 |
| (参考)ROE(%) (純利益/純資産) | 4.9 | 4.8 | 5.2 | - | - |
| (参考)ROIC(%) (税引後営業利益/ 投下資本) | 7.7 | 7.6 | 8.6 | - | - |
第7次中期経営計画期間中のROICは概ね7.0~8.0%を推移する想定としており、当社の資本コストについては中長期的には概ね5.5~6.0%の水準であると認識しております。
今後も余資を活用した業容拡大に向けて、新しい製品・サービスの開発、新市場への進出に向けて、より一層注力してまいります。