有価証券報告書-第120期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は減収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損益ともに減益となりました。
(単位:百万円)
《経営環境》
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き緩やかに回復してきましたが、米中通商問題の動向や海外経済・政策に関する不確実性等、世界情勢の不安定化が強まり、先行き不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場、特に当社の主力製品である亜鉛の相場は2018年2月の3,600ドル超えをピークに下落に転じ、その後も米中貿易摩擦が深刻さを増すにつれ7月以降さらに急落し、9月には一時2,300ドルを下回る水準となりました。その後はLME(ロンドン金属取引所)指定倉庫在庫量の減少を受け、期の後半にかけて値を戻しましたが、期中平均では前期比で下落となりました。鉛も亜鉛と同様の理由から下落基調となり、期中平均では前期比で下落となりました。銀については米ドル高の影響もあり7月以降は低迷し、年度後半でやや値を戻したものの、期中平均では前期比で下落となりました。
一方為替相場は、円/米ドル相場は12月から1月にかけて一時円高が進みましたが、期を通じては緩やかな円安(円安は製錬事業の業績にプラスの影響)傾向であり、期中平均ではほぼ前期並みとなりました。豪州でエンデバー・ラスプの2つの鉱山を運営する連結子会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)を有する当社グループに影響を与える米ドル/豪ドル相場につきましては、期を通じて豪ドル安(豪ドル安は資源事業の業績にプラスの影響)に推移し、期中平均でも前期比豪ドル安となりました。
加えて、鉱石需給の逼迫に起因して、原料鉱石の買鉱条件は厳しいものとなりました。亜鉛のスポット市場では期の後半に向けて大幅に改善しましたが、期を通じては前期比で悪化しております。これは資源事業には有利に働くものの、製錬事業に厳しい事業環境となりました。
《売上高》
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場の下落に加え、減販の影響もあり、製錬事業で大きく減収となったことにより、売上高1,175億51百万円と前期比160億73百万円(12%)の減収となりました。
《利益》
損益面では、前期は金属相場の上昇局面、当期は下落局面と相場が逆に動き、前期比で在庫評価損益が悪化したことなどから、製錬事業で大幅減益となりました。資源事業においては、主にエンデバー鉱山の生産性悪化による採鉱コスト高やCBH社の決算期ずれの調整などの影響から減益となり、環境・リサイクル事業も亜鉛価格の下落などにより減益となりました。加えて、土木・建築・プラントエンジニアリング事業で不採算案件が発生したこともあり、減益となりました。以上の結果、営業利益は5億31百万円と前期比125億71百万円(96%)の減益、経常利益も9億69百万円と前期比121億88百万円(93%)の減益となりました。さらに、金属相場の前提に対する下振れ及び採掘計画の見直しの結果、エンデバー鉱山等で第3、第4四半期合計43億39百万円の減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は25億50百万円と前期比129億23百万円の減益となり、最終赤字を計上するに至りました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
① 製錬事業部門
(単位:百万円)
《亜鉛》
LME相場は、期初3,285ドル/トンでスタートしたのち、米国の保護主義政策等の要因から徐々に値を下げ、7月以降はさらに一段下落し、9月には一時2,300ドルを割る水準となりました。その後は米中の貿易摩擦の緩和期待やLME指定倉庫在庫量の減少などもあり値を戻したものの、期中平均では2,746ドルと前期(3,054ドル)を下回る結果となりました。国内価格も期中平均354千円/トンと前期(387千円)を33千円下回りました。これに加えて減販の影響もあり、売上高は前期比14%の減収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初2,400ドル/トンでスタートしたのち、亜鉛同様値を下げ、期中平均では2,122ドルと前期(2,379ドル)を下回りました。国内価格も期中平均299千円/トンと前期(323千円)を24千円下回りました。さらに当期は、前期の自動車バッテリー取替需要が堅調だったことの反動で減販となり、売上高は前期比14%の減収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初16.5ドル/トロイオンスでスタートしたのち、当初は16ドルから17ドルの間で推移したものの、7月以降は米ドル高の影響もあり値を下げ、期中平均は15.4ドルと前期(16.9ドル)を下回りました。国内価格も期中平均56,315円/キログラムと前期(61,635円)を5,320円下回りました。加えて、原料調達の関係から前期比減産・減販となった結果、売上高は前期比25%の減収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場の下落に加えて減販もあり、売上高は821億93百万円と前期比134億81百万円(14%)の減収となりました。損益面では、急激な金属相場の下落から多額の在庫評価損を計上したほか、買鉱条件の悪化、加工費の負担増、西日本豪雨の影響や銀の減販などから前期比74億78百万円の大幅な減益となり、41億49百万円の営業損失に転じました。
なお、金属相場(月平均)及び為替相場(月平均)の推移は下表のとおりであります。
② 資源事業部門
(単位:百万円)
エンデバー鉱山の粗鉱処理量は、計画減産の影響が残った前期に比べ増加しました。しかしながら、岩盤強度など想定を超えた採掘条件の悪化により採掘数量の減少と鉱石品位の低下を余儀なくされ、精鉱生産量は粗鉱処理量の増加に比して低調な伸びとなりました。この結果、同鉱山では単位当たり生産コストが高止まりとなり、期初からの相場下落に伴う採算の悪化なども影響しました。ラスプ鉱山においては、生産は概ね計画通りに推移したものの、期初からの相場下落に伴い採算が悪化しました。
これらに加えて、決算期ずれの調整の影響などもあり、当事業部門の業績は、売上高230億80百万円と前期比25億76百万円(10%)の減収、営業利益は24億89百万円と前期比48億60百万円(66%)の大幅な減益となりました。
③ 電子部材事業部門
(単位:百万円)
《電子部品》
産業機器向けは概ね前期並みだったものの、市場の縮小傾向が続くOA機器向けで大幅に減販、車載電装向けも減販となり、売上高は前期比13%の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、車載用特殊鋼向けが落ち込んだものの、航空機用特殊鋼や鉄鋼メーカー研究用途、触媒向けが堅調に推移し、売上高は前期比13%の増収となりました。
《プレーティング》
車載電装品やIT・デジタル機器などの接点・接続端子に使用されるプレーティング製品(金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、車載スイッチ用及び電動工具電池端子用の需要で銀メッキの販売は好調だったものの、その他の用途向けが不調だったため、売上高は前期比9%の減収となりました。
《機器部品》
タイヤ用バランスウエイト部門は自動車ライン向けが減少し、粉末冶金部門は一般産業機器向けが低調となったことから、売上高は前期比7%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は58億62百万円と前期比3億31百万円(5%)の減収となったものの、電解鉄事業が好調だったこともあり、営業利益は5億89百万円と前期比29百万円(5%)の増益となりました。
④ 環境・リサイクル事業部門
(単位:百万円)
主力製品の酸化亜鉛は、亜鉛の国内価格が前期比で下落したことや減販などもあり減収となりました。使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクルなど、その他のリサイクル事業についても前期比減収となり、当事業部門の売上高は47億3百万円と前期比6億90百万円(13%)の減収、営業利益は13億25百万円と前期比6億86百万円(34%)の減益となりました。
⑤ 土木・建築・プラントエンジニアリング事業部門
(単位:百万円)
前期に大型案件が収益計上されましたが、当期はそのような案件が無かったこともあり、前期比44%の減収となりました。また、不採算の案件が生じたことなどから、前期比8億99百万円の減益となり、5億66百万円の営業損失に転じました。
⑥ その他事業部門
(単位:百万円)
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
防音建材事業は、医療向けX線遮蔽材鉛板の需要減に加え、制振遮音材も落ち込み、売上高は前期比8%の減収となりました。
《運輸事業》
運輸事業は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の減少などにより、売上高は前期比7%の減収となりました。
以上のほか、環境分析事業を合わせた当事業部門の売上高は79億97百万円と前期比2億21百万円(3%)の減収、営業利益は4億24百万円と前期比89百万円(17%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、土木・建築・プラントエンジニアリング、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は528億31百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は102億48百万円となっております。
② 財政状態について
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ70億28百万円減少し、1,302億31百万円となりました。これは金属相場下落の影響から売上債権の金額が減少したこと、及びCBH社固定資産の円換算による目減り(CBH社の豪ドルでの帳簿上は設備投資による増加と減損による減少で相殺)などによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ1億49百万円減少し、747億30百万円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失25億50百万円の計上や配当金16億97百万円の支払い、豪ドル安による為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ68億78百万円減少し、555億1百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において42.6%となり、前連結会計年度末に比べ2.8ポイント下落しております。
③ キャッシュ・フローについて
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ35億54百万円減少し、当連結会計年度末は102億48百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、81億53百万円の収入(前期比38億83百万円の収入減)となりました。金属相場の下落を背景とした製錬事業や資源事業での前期比大幅減益もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは大幅な収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、101億37百万円の支出(前期比40億47百万円の支出増)となりました。これは主に鉱山の開発を強化したため、設備投資が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは15億59百万円の支出(前期比9億53百万円の支出減)となりました。これは主に、有利子負債の返済が前期に比して減少したことによるものです。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は減収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損益ともに減益となりました。
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 133,625 | 117,551 | △16,073 | (△12) |
| 営業利益 | 13,102 | 531 | △12,571 | (△96) |
| 経常利益 | 13,157 | 969 | △12,188 | (△93) |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益又は親会社株主に 帰属する当期純損失(△) | 10,373 | △2,550 | △12,923 | (-) |
《経営環境》
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き緩やかに回復してきましたが、米中通商問題の動向や海外経済・政策に関する不確実性等、世界情勢の不安定化が強まり、先行き不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場、特に当社の主力製品である亜鉛の相場は2018年2月の3,600ドル超えをピークに下落に転じ、その後も米中貿易摩擦が深刻さを増すにつれ7月以降さらに急落し、9月には一時2,300ドルを下回る水準となりました。その後はLME(ロンドン金属取引所)指定倉庫在庫量の減少を受け、期の後半にかけて値を戻しましたが、期中平均では前期比で下落となりました。鉛も亜鉛と同様の理由から下落基調となり、期中平均では前期比で下落となりました。銀については米ドル高の影響もあり7月以降は低迷し、年度後半でやや値を戻したものの、期中平均では前期比で下落となりました。
一方為替相場は、円/米ドル相場は12月から1月にかけて一時円高が進みましたが、期を通じては緩やかな円安(円安は製錬事業の業績にプラスの影響)傾向であり、期中平均ではほぼ前期並みとなりました。豪州でエンデバー・ラスプの2つの鉱山を運営する連結子会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)を有する当社グループに影響を与える米ドル/豪ドル相場につきましては、期を通じて豪ドル安(豪ドル安は資源事業の業績にプラスの影響)に推移し、期中平均でも前期比豪ドル安となりました。
加えて、鉱石需給の逼迫に起因して、原料鉱石の買鉱条件は厳しいものとなりました。亜鉛のスポット市場では期の後半に向けて大幅に改善しましたが、期を通じては前期比で悪化しております。これは資源事業には有利に働くものの、製錬事業に厳しい事業環境となりました。
《売上高》
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場の下落に加え、減販の影響もあり、製錬事業で大きく減収となったことにより、売上高1,175億51百万円と前期比160億73百万円(12%)の減収となりました。
《利益》
損益面では、前期は金属相場の上昇局面、当期は下落局面と相場が逆に動き、前期比で在庫評価損益が悪化したことなどから、製錬事業で大幅減益となりました。資源事業においては、主にエンデバー鉱山の生産性悪化による採鉱コスト高やCBH社の決算期ずれの調整などの影響から減益となり、環境・リサイクル事業も亜鉛価格の下落などにより減益となりました。加えて、土木・建築・プラントエンジニアリング事業で不採算案件が発生したこともあり、減益となりました。以上の結果、営業利益は5億31百万円と前期比125億71百万円(96%)の減益、経常利益も9億69百万円と前期比121億88百万円(93%)の減益となりました。さらに、金属相場の前提に対する下振れ及び採掘計画の見直しの結果、エンデバー鉱山等で第3、第4四半期合計43億39百万円の減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は25億50百万円と前期比129億23百万円の減益となり、最終赤字を計上するに至りました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
① 製錬事業部門
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 95,675 | 82,193 | △13,481 | (△14) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 3,328 | △4,149 | △7,478 | (-) |
《亜鉛》
LME相場は、期初3,285ドル/トンでスタートしたのち、米国の保護主義政策等の要因から徐々に値を下げ、7月以降はさらに一段下落し、9月には一時2,300ドルを割る水準となりました。その後は米中の貿易摩擦の緩和期待やLME指定倉庫在庫量の減少などもあり値を戻したものの、期中平均では2,746ドルと前期(3,054ドル)を下回る結果となりました。国内価格も期中平均354千円/トンと前期(387千円)を33千円下回りました。これに加えて減販の影響もあり、売上高は前期比14%の減収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初2,400ドル/トンでスタートしたのち、亜鉛同様値を下げ、期中平均では2,122ドルと前期(2,379ドル)を下回りました。国内価格も期中平均299千円/トンと前期(323千円)を24千円下回りました。さらに当期は、前期の自動車バッテリー取替需要が堅調だったことの反動で減販となり、売上高は前期比14%の減収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初16.5ドル/トロイオンスでスタートしたのち、当初は16ドルから17ドルの間で推移したものの、7月以降は米ドル高の影響もあり値を下げ、期中平均は15.4ドルと前期(16.9ドル)を下回りました。国内価格も期中平均56,315円/キログラムと前期(61,635円)を5,320円下回りました。加えて、原料調達の関係から前期比減産・減販となった結果、売上高は前期比25%の減収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場の下落に加えて減販もあり、売上高は821億93百万円と前期比134億81百万円(14%)の減収となりました。損益面では、急激な金属相場の下落から多額の在庫評価損を計上したほか、買鉱条件の悪化、加工費の負担増、西日本豪雨の影響や銀の減販などから前期比74億78百万円の大幅な減益となり、41億49百万円の営業損失に転じました。
なお、金属相場(月平均)及び為替相場(月平均)の推移は下表のとおりであります。
| 区 分 | 亜鉛 | 鉛 | 銀 | 為替レート | ||||
| LME相場 | 国内価格 | LME相場 | 国内価格 | ロンドン 相 場 | 国内価格 | 円/米ドル | 米ドル/ 豪ドル | |
| $/t | \/t | $/t | \/t | $/toz | \/kg | \/$ | US$/A$ | |
| 2017年3月 | 2,782 | 361,500 | 2,277 | 315,100 | 17.6 | 65,440 | 113.04 | 0.7619 |
| 6月 | 2,572 | 332,600 | 2,131 | 292,200 | 16.9 | 61,910 | 110.92 | 0.7550 |
| 9月 | 3,120 | 394,300 | 2,377 | 320,700 | 17.4 | 63,610 | 110.74 | 0.7968 |
| 12月 | 3,192 | 408,900 | 2,509 | 341,600 | 16.2 | 59,970 | 113.02 | 0.7640 |
| 2018年3月 | 3,280 | 394,400 | 2,397 | 316,000 | 16.5 | 57,650 | 106.07 | 0.7768 |
| 6月 | 3,092 | 389,000 | 2,441 | 333,000 | 16.5 | 59,870 | 110.03 | 0.7494 |
| 9月 | 2,433 | 320,500 | 2,028 | 292,000 | 14.3 | 52,700 | 111.91 | 0.7197 |
| 12月 | 2,626 | 345,100 | 1,965 | 286,000 | 14.7 | 54,320 | 112.51 | 0.7187 |
| 2019年3月 | 2,851 | 365,800 | 2,055 | 294,900 | 15.3 | 56,120 | 111.24 | 0.7076 |
② 資源事業部門
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 25,656 | 23,080 | △2,576 | (△10) |
| 営業利益 | 7,350 | 2,489 | △4,860 | (△66) |
エンデバー鉱山の粗鉱処理量は、計画減産の影響が残った前期に比べ増加しました。しかしながら、岩盤強度など想定を超えた採掘条件の悪化により採掘数量の減少と鉱石品位の低下を余儀なくされ、精鉱生産量は粗鉱処理量の増加に比して低調な伸びとなりました。この結果、同鉱山では単位当たり生産コストが高止まりとなり、期初からの相場下落に伴う採算の悪化なども影響しました。ラスプ鉱山においては、生産は概ね計画通りに推移したものの、期初からの相場下落に伴い採算が悪化しました。
これらに加えて、決算期ずれの調整の影響などもあり、当事業部門の業績は、売上高230億80百万円と前期比25億76百万円(10%)の減収、営業利益は24億89百万円と前期比48億60百万円(66%)の大幅な減益となりました。
③ 電子部材事業部門
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 6,193 | 5,862 | △331 | (△5) |
| 営業利益 | 560 | 589 | 29 | (5) |
《電子部品》
産業機器向けは概ね前期並みだったものの、市場の縮小傾向が続くOA機器向けで大幅に減販、車載電装向けも減販となり、売上高は前期比13%の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、車載用特殊鋼向けが落ち込んだものの、航空機用特殊鋼や鉄鋼メーカー研究用途、触媒向けが堅調に推移し、売上高は前期比13%の増収となりました。
《プレーティング》
車載電装品やIT・デジタル機器などの接点・接続端子に使用されるプレーティング製品(金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、車載スイッチ用及び電動工具電池端子用の需要で銀メッキの販売は好調だったものの、その他の用途向けが不調だったため、売上高は前期比9%の減収となりました。
《機器部品》
タイヤ用バランスウエイト部門は自動車ライン向けが減少し、粉末冶金部門は一般産業機器向けが低調となったことから、売上高は前期比7%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は58億62百万円と前期比3億31百万円(5%)の減収となったものの、電解鉄事業が好調だったこともあり、営業利益は5億89百万円と前期比29百万円(5%)の増益となりました。
④ 環境・リサイクル事業部門
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 5,394 | 4,703 | △690 | (△13) |
| 営業利益 | 2,011 | 1,325 | △686 | (△34) |
主力製品の酸化亜鉛は、亜鉛の国内価格が前期比で下落したことや減販などもあり減収となりました。使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクルなど、その他のリサイクル事業についても前期比減収となり、当事業部門の売上高は47億3百万円と前期比6億90百万円(13%)の減収、営業利益は13億25百万円と前期比6億86百万円(34%)の減益となりました。
⑤ 土木・建築・プラントエンジニアリング事業部門
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 3,788 | 2,129 | △1,659 | (△44) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 332 | △566 | △899 | (-) |
前期に大型案件が収益計上されましたが、当期はそのような案件が無かったこともあり、前期比44%の減収となりました。また、不採算の案件が生じたことなどから、前期比8億99百万円の減益となり、5億66百万円の営業損失に転じました。
⑥ その他事業部門
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 8,219 | 7,997 | △221 | (△3) |
| 営業利益 | 513 | 424 | △89 | (△17) |
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
防音建材事業は、医療向けX線遮蔽材鉛板の需要減に加え、制振遮音材も落ち込み、売上高は前期比8%の減収となりました。
《運輸事業》
運輸事業は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の減少などにより、売上高は前期比7%の減収となりました。
以上のほか、環境分析事業を合わせた当事業部門の売上高は79億97百万円と前期比2億21百万円(3%)の減収、営業利益は4億24百万円と前期比89百万円(17%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製 錬 | 78,724 | 86.7 |
| 資 源 | 16,636 | 122.7 |
| 電子部材 | 5,830 | 93.5 |
| 環境・リサイクル | 4,593 | 87.1 |
| 土木・建築・プラントエンジニアリング | 1,915 | 53.3 |
| 報告セグメント計 | 107,700 | 90.1 |
| その他 | 1,484 | 91.8 |
| 合計 | 109,184 | 90.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、土木・建築・プラントエンジニアリング、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 製 錬 | 175 | 73.9 | 23 | 179.3 |
| 資 源 | - | - | - | - |
| 電子部材 | 5,304 | 91.9 | 808 | 85.7 |
| 環境・リサイクル | 314 | 104.6 | - | - |
| 土木・建築・プラントエンジニアリング | 2,423 | 97.9 | 1,019 | 140.0 |
| 報告セグメント計 | 8,219 | 93.5 | 1,841 | 108.7 |
| その他 | 41 | 105.2 | - | - |
| 合計 | 8,260 | 93.6 | 1,841 | 108.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製 錬 | 81,457 | 85.8 |
| 資 源 | 20,544 | 101.8 |
| 電子部材 | 5,861 | 94.7 |
| 環境・リサイクル | 4,703 | 87.2 |
| 土木・建築・プラントエンジニアリング | 1,915 | 53.3 |
| 報告セグメント計 | 114,482 | 87.8 |
| その他 | 3,069 | 93.3 |
| 合計 | 117,551 | 88.0 |
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は528億31百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は102億48百万円となっております。
② 財政状態について
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ70億28百万円減少し、1,302億31百万円となりました。これは金属相場下落の影響から売上債権の金額が減少したこと、及びCBH社固定資産の円換算による目減り(CBH社の豪ドルでの帳簿上は設備投資による増加と減損による減少で相殺)などによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ1億49百万円減少し、747億30百万円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失25億50百万円の計上や配当金16億97百万円の支払い、豪ドル安による為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ68億78百万円減少し、555億1百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において42.6%となり、前連結会計年度末に比べ2.8ポイント下落しております。
③ キャッシュ・フローについて
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ35億54百万円減少し、当連結会計年度末は102億48百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、81億53百万円の収入(前期比38億83百万円の収入減)となりました。金属相場の下落を背景とした製錬事業や資源事業での前期比大幅減益もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは大幅な収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、101億37百万円の支出(前期比40億47百万円の支出増)となりました。これは主に鉱山の開発を強化したため、設備投資が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは15億59百万円の支出(前期比9億53百万円の支出減)となりました。これは主に、有利子負債の返済が前期に比して減少したことによるものです。