有価証券報告書-第119期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は増収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに増益となりました。
(単位:百万円)
《経営環境》
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、設備投資や生産の増加を受け、緩やかな回復が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、亜鉛・鉛の金属相場は期を通じて概ね上昇基調となり、前期比では大幅に上昇したものの、3月末に向けて急落したことでピークの水準に比して低位で年度末を迎えました。銀はほぼ横ばいで推移し、前期比では若干の下落となりました。為替は、円/米ドル相場は110円台前半で推移し、期末は円高へ向かいましたが、前期比で若干の円安となりました。豪州でエンデバー・ラスプの2つの鉱山を運営する連結子会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)の業績に影響を与える米ドル/豪ドル相場は上げ下げを繰り返して推移し、前期比では若干の豪ドル高となりました。製錬事業においては、鉱石需給の逼迫に起因して原料鉱石の買鉱条件が悪化するとともに、鉛・銀は原料鉱石の確保自体が難しく、加えてエネルギー関連コストの高騰から加工費が上昇するなど、厳しい事業環境となりました。一方、資源事業では、金属相場高や安定した操業により、業績は堅調に推移しました。
《売上高》
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場高が製錬事業、資源事業、環境・リサイクル事業で増収効果をもたらしたことに加え、エンデバー鉱山の計画減産解除によって精鉱の出荷量が大幅に増加したこともあり、連結売上高は1,336億25百万円と前期比196億72百万円(17%)の増収となりました。
《利益》
損益面では、金属相場の上昇はあったものの、在庫評価益が減少したことや買鉱条件の悪化、加工費の上昇によって、製錬事業で前期比大幅な減益となりました。一方、資源事業で精鉱出荷量の増加や金属相場上昇の影響から大幅増益となりました。また、環境・リサイクル事業も亜鉛価格の上昇が追い風となって増益となったこともあり、営業利益は131億2百万円と前期比3億36百万円(3%)の増益、経常利益も131億57百万円と前期比6億15百万円(5%)の増益となりました。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は、CBH社で過去の赤字の累積から受けられる税務メリットを当期により多く享受できたことにより、平成18年度以来の過去最高益更新となる103億73百万円と前期比15億59百万円(18%)の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
①製錬事業部門
(単位:百万円)
《亜鉛》
LME相場は、期初2,746ドル/トンでスタートした後、一時3,600ドルを超えるなど、期を通じて概ね上昇基調となりました。厳しい事業環境ながらも生産は順調に推移し、販売量もほぼ前期並みとなりました。以上の結果、売上高は前期比で増収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初2,287ドル/トンでスタートした後、一時2,600ドルを超えるなど、期を通じて概ね上昇基調となりました。販売面では前期比で減販だったものの、相場上昇の影響が大きく、売上高は前期比で増収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初18.2ドル/トロイオンスでスタートしたものの、その後は16~17ドル前後で推移する展開にとどまりました。また、銀入り鉛鉱石の確保が難しく減産となり、売上高は前期比で減収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場高もあり売上高は956億75百万円と前期比77億74百万円(9%)の増収となりました。損益面では、原料鉱石の買鉱条件の悪化や銀の減産、加工費の負担増などが減益要因となりました。さらに、いわゆる在庫評価損益(原料鉱石購入から最終製品販売までの期間の金属相場変動に起因する損益であり、一般的に相場上昇時には増益要因、相場下落時には減益要因となる)が前期に比して減少したこともあり、営業利益は33億28百万円と前期比50億10百万円(60%)の大幅な減益となりました。
なお、金属相場及び為替相場の推移は下表のとおりであります。
②資源事業部門
(単位:百万円)
CBH社を擁する当事業部門は、金属相場高に加え、生産面でもラスプ鉱山が計画通りに推移し、エンデバー鉱山では前年の計画減産を解除したことで粗鉱処理量が前年の199千トンから437千トンへと大幅に増加しました。以上の結果、売上高は256億56百万円と前期比123億30百万円(93%)の大幅な増収、営業利益は73億50百万円と前期比53億64百万円(270%)の大幅な増益となりました。
③電子部材事業部門
(単位:百万円)
《電子部品》
電子部品では、長く低調だった産業機器市場が活況を呈したことから、同市場向けの販売が大幅に増えました。一方、OA機器市場は右肩下がりの状況が続き、車載電装品市場も需要のピークが過ぎたことで、両市場向けの製品が販売減となり、結果として売上高は前期比若干の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、車載用特殊鋼向けが落ち込んだものの、航空機用特殊鋼向けは好調となり、売上高は前期比で増収となりました。
《プレーティング》
車載電装品やIT・デジタル機器などの接点・接続端子に使用されるプレーティング製品(金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、デジタルカメラ用・産業機器用の金メッキ、車載用の銀メッキ・錫メッキ(複合メッキ)の販売が好調で、売上高は前期比で増収となりました。
《機器部品》
タイヤ用バランスウエイト部門は好調に推移し、粉末冶金部門も主に自動車関連部品向けが好調であったこともあり、売上高は前期比で増収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は61億93百万円と前期比2億85百万円(5%)の増収となったものの、一部事業での原価高などの影響もあり、営業利益は5億60百万円と前期比76百万円(12%)の減益となりました。
④環境・リサイクル事業部門
(単位:百万円)
使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクルなど、その他のリサイクル事業については減収となったものの、主力製品の酸化亜鉛がタイヤメーカーの好調な操業もあり増販となりました。加えて、亜鉛相場高の影響も大きく、当事業部門の売上高は53億94百万円と前期比8億58百万円(19%)の増収、営業利益は20億11百万円と前期比6億円(43%)の大幅な増益となりました。
⑤その他事業部門
(単位:百万円)
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
医療向けX線遮蔽材鉛板の需要回復に加え、制振遮音材がハウスメーカーやマンション向けで好調に推移したこともあり、売上高は前期比で増収となりました。
《土木・建築・プラントエンジニアリング事業》
プラントエンジニアリングや建築事業は増収となったものの、土木事業が減収となったこともあり、売上高は前期比で若干の減収となりました。
《運輸事業》
運輸部門は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の増加などにより、売上高は前期比で増収となりました。
以上のほか、環境分析部門を合わせた当事業部門の売上高は119億78百万円と前期比13億62百万円(13%)の増収、営業利益は8億46百万円と1億6百万円(14%)の増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.資源事業の増加は、エンデバー鉱山の減産解除に伴う増産によるものです。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.資源事業の増加は、エンデバー鉱山の減産解除に伴う増産によるものです。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は526億20百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は138億2百万円となっております。
② 財政状態について
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ81億71百万円増加し、1,378億72百万円となりました。これは金属相場の上昇からたな卸資産の金額が増加したこと、一方で運転資金の回収が進み現預金が増加したことなどによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ22億29百万円減少し、754億92百万円となりました。これは未払法人税や有利子負債の減少によるものです。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益103億73百万円の計上や配当金13億57百万円の支払いなどにより、前連結会計年度末に比べ104億円増加し、623億80百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において45.2%となり、前連結会計年度末に比べ5.2ポイント上昇しております。
③ キャッシュ・フローについて
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34億34百万円増加し、当連結会計年度末は138億2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、120億36百万円の収入(前期比43億97百万円の収入増)となりました。金属相場の上昇を背景とした製錬事業や資源事業での好業績から営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、60億89百万円の支出(前期比19億64百万円の支出増)となりました。これは主に鉱山の開発や、国内製錬所・事業所における設備の維持・更新投資によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは25億12百万円の支出(前期比4億28百万円の支出減)となりました。これは主に好業績を背景に有利子負債を削減したことによるものです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は増収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに増益となりました。
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 113,952 | 133,625 | 19,672 | (17) |
| 営業利益 | 12,766 | 13,102 | 336 | (3) |
| 経常利益 | 12,541 | 13,157 | 615 | (5) |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 8,814 | 10,373 | 1,559 | (18) |
《経営環境》
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、設備投資や生産の増加を受け、緩やかな回復が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、亜鉛・鉛の金属相場は期を通じて概ね上昇基調となり、前期比では大幅に上昇したものの、3月末に向けて急落したことでピークの水準に比して低位で年度末を迎えました。銀はほぼ横ばいで推移し、前期比では若干の下落となりました。為替は、円/米ドル相場は110円台前半で推移し、期末は円高へ向かいましたが、前期比で若干の円安となりました。豪州でエンデバー・ラスプの2つの鉱山を運営する連結子会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)の業績に影響を与える米ドル/豪ドル相場は上げ下げを繰り返して推移し、前期比では若干の豪ドル高となりました。製錬事業においては、鉱石需給の逼迫に起因して原料鉱石の買鉱条件が悪化するとともに、鉛・銀は原料鉱石の確保自体が難しく、加えてエネルギー関連コストの高騰から加工費が上昇するなど、厳しい事業環境となりました。一方、資源事業では、金属相場高や安定した操業により、業績は堅調に推移しました。
《売上高》
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場高が製錬事業、資源事業、環境・リサイクル事業で増収効果をもたらしたことに加え、エンデバー鉱山の計画減産解除によって精鉱の出荷量が大幅に増加したこともあり、連結売上高は1,336億25百万円と前期比196億72百万円(17%)の増収となりました。
《利益》
損益面では、金属相場の上昇はあったものの、在庫評価益が減少したことや買鉱条件の悪化、加工費の上昇によって、製錬事業で前期比大幅な減益となりました。一方、資源事業で精鉱出荷量の増加や金属相場上昇の影響から大幅増益となりました。また、環境・リサイクル事業も亜鉛価格の上昇が追い風となって増益となったこともあり、営業利益は131億2百万円と前期比3億36百万円(3%)の増益、経常利益も131億57百万円と前期比6億15百万円(5%)の増益となりました。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は、CBH社で過去の赤字の累積から受けられる税務メリットを当期により多く享受できたことにより、平成18年度以来の過去最高益更新となる103億73百万円と前期比15億59百万円(18%)の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
①製錬事業部門
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 87,901 | 95,675 | 7,774 | (9) |
| 営業利益 | 8,339 | 3,328 | △5,010 | (△60) |
《亜鉛》
LME相場は、期初2,746ドル/トンでスタートした後、一時3,600ドルを超えるなど、期を通じて概ね上昇基調となりました。厳しい事業環境ながらも生産は順調に推移し、販売量もほぼ前期並みとなりました。以上の結果、売上高は前期比で増収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初2,287ドル/トンでスタートした後、一時2,600ドルを超えるなど、期を通じて概ね上昇基調となりました。販売面では前期比で減販だったものの、相場上昇の影響が大きく、売上高は前期比で増収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初18.2ドル/トロイオンスでスタートしたものの、その後は16~17ドル前後で推移する展開にとどまりました。また、銀入り鉛鉱石の確保が難しく減産となり、売上高は前期比で減収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場高もあり売上高は956億75百万円と前期比77億74百万円(9%)の増収となりました。損益面では、原料鉱石の買鉱条件の悪化や銀の減産、加工費の負担増などが減益要因となりました。さらに、いわゆる在庫評価損益(原料鉱石購入から最終製品販売までの期間の金属相場変動に起因する損益であり、一般的に相場上昇時には増益要因、相場下落時には減益要因となる)が前期に比して減少したこともあり、営業利益は33億28百万円と前期比50億10百万円(60%)の大幅な減益となりました。
なお、金属相場及び為替相場の推移は下表のとおりであります。
| 区 分 | 亜鉛(月平均) | 鉛(月平均) | 銀(月平均) | 為替期末日レート | ||||
| LME相場 | 国内価格 | LME相場 | 国内価格 | ロンドン 相 場 | 国内価格 | 円/米ドル | 米ドル/ 豪ドル | |
| $/t | \/t | $/t | \/t | $/toz | \/kg | \/$ | US$/A$ | |
| 28年3月 | 1,805 | 255,500 | 1,808 | 266,300 | 15.4 | 57,250 | 112.68 | 0.7479 |
| 6月 | 2,023 | 262,400 | 1,714 | 240,200 | 17.2 | 59,531 | 102.91 | 0.7388 |
| 9月 | 2,293 | 282,900 | 1,942 | 252,000 | 19.3 | 64,636 | 101.12 | 0.7588 |
| 12月 | 2,672 | 358,800 | 2,231 | 321,300 | 16.4 | 62,798 | 116.49 | 0.7348 |
| 29年3月 | 2,782 | 361,500 | 2,277 | 315,100 | 17.6 | 65,440 | 112.19 | 0.7619 |
| 6月 | 2,572 | 332,600 | 2,131 | 292,200 | 16.9 | 61,910 | 112.00 | 0.7550 |
| 9月 | 3,120 | 394,300 | 2,377 | 320,700 | 17.4 | 63,610 | 112.73 | 0.7968 |
| 12月 | 3,192 | 408,900 | 2,509 | 341,600 | 16.2 | 59,970 | 113.00 | 0.7640 |
| 30年3月 | 3,280 | 394,400 | 2,397 | 316,000 | 16.5 | 57,650 | 106.24 | 0.7768 |
②資源事業部門
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 13,326 | 25,656 | 12,330 | (93) |
| 営業利益 | 1,985 | 7,350 | 5,364 | (270) |
CBH社を擁する当事業部門は、金属相場高に加え、生産面でもラスプ鉱山が計画通りに推移し、エンデバー鉱山では前年の計画減産を解除したことで粗鉱処理量が前年の199千トンから437千トンへと大幅に増加しました。以上の結果、売上高は256億56百万円と前期比123億30百万円(93%)の大幅な増収、営業利益は73億50百万円と前期比53億64百万円(270%)の大幅な増益となりました。
③電子部材事業部門
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 5,907 | 6,193 | 285 | (5) |
| 営業利益 | 636 | 560 | △76 | (△12) |
《電子部品》
電子部品では、長く低調だった産業機器市場が活況を呈したことから、同市場向けの販売が大幅に増えました。一方、OA機器市場は右肩下がりの状況が続き、車載電装品市場も需要のピークが過ぎたことで、両市場向けの製品が販売減となり、結果として売上高は前期比若干の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、車載用特殊鋼向けが落ち込んだものの、航空機用特殊鋼向けは好調となり、売上高は前期比で増収となりました。
《プレーティング》
車載電装品やIT・デジタル機器などの接点・接続端子に使用されるプレーティング製品(金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、デジタルカメラ用・産業機器用の金メッキ、車載用の銀メッキ・錫メッキ(複合メッキ)の販売が好調で、売上高は前期比で増収となりました。
《機器部品》
タイヤ用バランスウエイト部門は好調に推移し、粉末冶金部門も主に自動車関連部品向けが好調であったこともあり、売上高は前期比で増収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は61億93百万円と前期比2億85百万円(5%)の増収となったものの、一部事業での原価高などの影響もあり、営業利益は5億60百万円と前期比76百万円(12%)の減益となりました。
④環境・リサイクル事業部門
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 4,536 | 5,394 | 858 | (19) |
| 営業利益 | 1,410 | 2,011 | 600 | (43) |
使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクルなど、その他のリサイクル事業については減収となったものの、主力製品の酸化亜鉛がタイヤメーカーの好調な操業もあり増販となりました。加えて、亜鉛相場高の影響も大きく、当事業部門の売上高は53億94百万円と前期比8億58百万円(19%)の増収、営業利益は20億11百万円と前期比6億円(43%)の大幅な増益となりました。
⑤その他事業部門
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 10,616 | 11,978 | 1,362 | (13) |
| 営業利益 | 739 | 846 | 106 | (14) |
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
医療向けX線遮蔽材鉛板の需要回復に加え、制振遮音材がハウスメーカーやマンション向けで好調に推移したこともあり、売上高は前期比で増収となりました。
《土木・建築・プラントエンジニアリング事業》
プラントエンジニアリングや建築事業は増収となったものの、土木事業が減収となったこともあり、売上高は前期比で若干の減収となりました。
《運輸事業》
運輸部門は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の増加などにより、売上高は前期比で増収となりました。
以上のほか、環境分析部門を合わせた当事業部門の売上高は119億78百万円と前期比13億62百万円(13%)の増収、営業利益は8億46百万円と1億6百万円(14%)の増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製 錬 | 90,851 | 113.0 |
| 資 源 | 13,554 | 146.7 |
| 電子部材 | 6,234 | 105.6 |
| 環境・リサイクル | 5,276 | 123.4 |
| 報告セグメント計 | 115,916 | 116.1 |
| その他 | 1,617 | 113.3 |
| 合計 | 117,533 | 116.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.資源事業の増加は、エンデバー鉱山の減産解除に伴う増産によるものです。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 製 錬 | 238 | 95.6 | 12 | 42.6 |
| 資 源 | - | - | - | - |
| 電子部材 | 5,773 | 98.9 | 943 | 99.0 |
| 環境・リサイクル | 301 | 88.1 | 8 | 50.7 |
| 報告セグメント計 | 6,312 | 98.2 | 965 | 96.5 |
| その他 | 2,515 | 109.9 | 2,034 | 100.0 |
| 合計 | 8,828 | 101.3 | 3,000 | 98.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製 錬 | 94,984 | 108.8 |
| 資 源 | 20,173 | 221.0 |
| 電子部材 | 6,190 | 104.8 |
| 環境・リサイクル | 5,394 | 118.9 |
| 報告セグメント計 | 126,743 | 118.5 |
| その他 | 6,881 | 97.8 |
| 合計 | 133,625 | 117.3 |
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.資源事業の増加は、エンデバー鉱山の減産解除に伴う増産によるものです。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は526億20百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は138億2百万円となっております。
② 財政状態について
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ81億71百万円増加し、1,378億72百万円となりました。これは金属相場の上昇からたな卸資産の金額が増加したこと、一方で運転資金の回収が進み現預金が増加したことなどによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ22億29百万円減少し、754億92百万円となりました。これは未払法人税や有利子負債の減少によるものです。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益103億73百万円の計上や配当金13億57百万円の支払いなどにより、前連結会計年度末に比べ104億円増加し、623億80百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において45.2%となり、前連結会計年度末に比べ5.2ポイント上昇しております。
③ キャッシュ・フローについて
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34億34百万円増加し、当連結会計年度末は138億2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、120億36百万円の収入(前期比43億97百万円の収入増)となりました。金属相場の上昇を背景とした製錬事業や資源事業での好業績から営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、60億89百万円の支出(前期比19億64百万円の支出増)となりました。これは主に鉱山の開発や、国内製錬所・事業所における設備の維持・更新投資によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは25億12百万円の支出(前期比4億28百万円の支出減)となりました。これは主に好業績を背景に有利子負債を削減したことによるものです。