有価証券報告書-第121期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は減収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損益ともに減益となりました。
(単位:百万円)
《経営環境》
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、消費税増税に伴う個人消費の縮小等に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により年度末に向けて急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場、特に当社の主力製品である亜鉛の相場は、米中貿易摩擦の長期化等による世界経済の減速傾向と亜鉛鉱石需給の緩和などから上期において下落傾向が続きました。さらに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う市場の混乱から3月になって急落し、期中平均では前期比で下落となりました。鉛は上期において一時上昇したものの、下期になって下落傾向に転じ、亜鉛同様コロナショックから3月に急落しました。この結果、期中平均では前期比で下落となりました。銀については、金相場に追随する形で第2四半期以降は上昇基調となり、3月に急落はあったものの、期中平均では前期比で上昇となりました。
一方為替相場につきましては、円/米ドル相場は米中貿易摩擦に反応したものの狭いレンジで推移し、期中平均では前期比で若干の円高(円高は製錬セグメントの業績にマイナスの影響)となりました。豪州に鉱山会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)を有する当社グループに影響を与える米ドル/豪ドル相場については、期を通じて概ね豪ドル安に推移し、期末にはコロナショックから一段安となり、期中平均でも前期比豪ドル安(豪ドル安は資源セグメントの業績にプラスの影響)となりました。
また、買鉱条件につきましては、亜鉛は前期に比して大幅に改善し、鉛・銀についても亜鉛ほどではないものの、一時の厳しい水準からは改善しました。
《売上高》
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場の下落や亜鉛の減販、CBH社エンデバー鉱山の減産などの影響から製錬事業及び資源事業で大きく減収となったことにより、売上高974億45百万円と前期比201億6百万円(17%)の減収となりました。
《利益》
損益面では、在庫評価損の計上に加え、非鉄スラグ製品の処理費用の計上などから製錬セグメントで59億円、エンデバー鉱山の計画減産等の影響から資源セグメントで79億円の減益となりました。環境・リサイクル事業も亜鉛価格の下落などにより減益となりました。以上の結果、営業損失は142億17百万円と前期比147億48百万円、経常損失は144億37百万円と前期比154億6百万円の大幅減益となりました。さらに、金属相場の前提に対する下振れ及び採掘計画の見直しの結果、CBH社ラスプ鉱山で18億95百万円、エンデバー鉱山で12億74百万円の減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は183億64百万円と前期比158億14百万円の減益となり、最終赤字を計上するに至りました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
① 製錬事業部門
(単位:百万円)
《亜鉛》
LME(ロンドン金属取引所)相場は、期初3,018ドル/トンでスタートしたのち、5月以降は鉱石需給のタイト感が薄まるにつれて下落基調となり、9月には2,200ドル近辺まで下落しました。その後は米中通商交渉の前進で一時持ち直したものの、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の減速懸念から再び下落傾向となり、3月には世界的な感染拡大を受けて一時1,800ドルを切る水準まで急落しました。以上の結果、期中平均では2,405ドルと前期(2,746ドル)を下回りました。国内価格も期中平均313千円/トンと前期(354千円)を40千円下回り、これに減販の影響も加わって、売上高は前期比18%の減収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初2,022ドル/トンでスタートしましたが、その後は下落傾向が続きました。6月以降は海外主要鉛製錬所の操業停止等により持ち直したものの、12月以降はふたたび下落に転じ、3月にはコロナショックから一時1,600ドルを切る水準まで急落しました。以上の結果、期中平均では1,950ドルと前期(2,122ドル)を下回りました。国内価格も期中平均276千円/トンと前期(299千円)を23千円下回った結果、売上高は前期比で5%の減収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初15.1ドル/トロイオンスでスタートしたのち、一時14ドル台に低迷しましたが、その後は金相場の上昇に追随する形で上昇基調となりました。年度末にコロナショックから一時12ドル台まで急落したものの、期中平均は16.5ドルと前期(15.4ドル)を上回り、国内価格も期中平均59,273円/キログラムと前期(56,315円)を上回りました。以上の結果、売上高は前期比10%の増収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場の下落に加えて亜鉛の減販もあり、売上高は740億15百万円と前期比81億78百万円(10%)の減収となりました。損益面では、急激な亜鉛相場の下落による多額の在庫評価損や、非鉄スラグ製品の処理費用を計上したことから、前期比59億17百万円の大幅な減益となり、100億67百万円の営業損失に転じました。
なお、金属相場(月平均)及び為替相場(月平均)の推移は下表のとおりであります。
② 資源事業部門
(単位:百万円)
エンデバー鉱山では、鉱量減少による計画減産及びそれに伴う粗鉱品位低下で製造原価が上昇し、採算が悪化する結果となりました。また、山命延長を目指した深部探査は経済性評価の観点から不十分な結果となり、2019年末より休山に移行しました。このため、原状回復費用の積み増しや資材の評価減等のリストラ費用を計上するに至りました。ラスプ鉱山でも、難易度の高い採掘条件の下、高品位鉱の採掘遅れ等の要因により粗鉱品位が低下し、生産性が悪化する結果となりました。これに加えて金属相場の下落や(鉱山サイドから見た)買鉱条件の悪化、さらに決算期ずれ(CBH社の決算期は2019年1月~12月)の調整による悪化なども重なり、当事業部門の業績は、売上高は114億46百万円と前期比116億34百万円(50%)の減収、営業損益は前期比79億33百万円の大幅な減益により54億44百万円の営業損失となりました。
③ 電子部材事業部門
(単位:百万円)
《電子部品》
ハイブリッド車向けの新製品販売は順調であったものの、米中貿易摩擦の影響を受けた産業機器向けの販売減や、車載電装向けに複数の出荷終了案件があったことから、売上高は前期比17%の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、航空機用特殊鋼が昨年実績を上回ったものの、米中貿易摩擦の影響を受けてその他の用途向けが減販となり、売上高は前期比若干の減収となりました。
《プレーティング》
プレーティング製品(各種電子機器の接点・接続端子に使用される金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、電動工具電池端子用は順調であったものの、自動車部品等その他の用途向けが不調であり、売上高は前期比27%の減収となりました。
《機器部品》
タイヤ用バランスウエイト部門は自動車ライン向けが減少し、粉末冶金部門は一般産業機器向けが低調となったことから、売上高は前期比19%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は49億28百万円と前期比9億33百万円(16%)の減収、営業利益は4億34百万円と前期比1億54百万円(26%)の減益となりました。
④ 環境・リサイクル事業部門
(単位:百万円)
主力製品の酸化亜鉛は、亜鉛の国内価格が前期比で下落したこと及び減販により減収となりました。使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクル事業についても前期比減収となり、当事業部門の売上高は41億81百万円と前期比5億21百万円(11%)の減収、営業利益は7億62百万円と前期比5億63百万円(43%)の減益となりました。
⑤ 土木・建築・プラントエンジニアリング事業部門
(単位:百万円)
プラントエンジニアリング事業で前期に不採算案件に係る損失を計上しましたが、当期は当該案件の損失が大幅に減少したこともあり、前期比7億17百万円の増益となりました。
⑥ その他事業部門
(単位:百万円)
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
防音建材事業は、住宅着工数減等の影響で減収となったものの、医療向けX線遮蔽材鉛板の需要が回復したことに加え、原材料価格の低下により、前期比で増益となりました。
《運輸事業》
運輸事業は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の減少などにより、売上高は前期比13%の減収となりました。
以上のほか、環境分析事業を合わせた当事業部門の売上高は68億35百万円と前期比11億62百万円(15%)の減収、営業利益は4億16百万円と前期比8百万円(2%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、土木・建築・プラントエンジニアリング、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は564億36百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は82億7百万円となっております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の通り、2019年度の業績悪化などもあり、財政状態の早期立て直しが当社グループの喫緊の課題となっております。この一環として2020年3月31日に、シンジケート方式による160億円のコミットメントラインを契約し、財務基盤の強化を図っております。
② 財政状態について
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ128億98百万円減少し、1,173億33百万円となりました。これは金属相場下落の影響から売上債権や在庫の金額が減少したことによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ62億93百万円増加し、810億24百万円となりました。これは業況悪化に伴うフリーキャッシュフローの赤字ファイナンスによるものです。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失183億64百万円の計上もあり、前連結会計年度末に比べ191億92百万円減少し、363億9百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において30.9%となり、前連結会計年度末に比べ11.6ポイント下落しております。
③ キャッシュ・フローについて
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億41百万円減少し、当連結会計年度末は82億7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、67億23百万円の収入(前期比14億30百万円の収入減)となりました。金属相場の下落を背景とした製錬事業や資源事業での前期比大幅減益もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、114億18百万円の支出(前期比12億81百万円の支出増)となりました。これは主に既存鉱山開発によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは26億60百万円の収入(前期比42億19百万円の支出減)となりました。これは主に、業況悪化に伴うフリーキャッシュフローの赤字ファイナンスによるものです。
(3) 重要な会計上の見積もり及び当該見積もりに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a) 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、翌年度の公表利益の前提となった数値を、経営環境等の外部要因(金属相場や為替相場といった市況の状況、買鉱条件など)に関する情報や、当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b) 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係) 2.(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(c) 減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、翌年度の公表利益の前提となった数値を、経営環境などの外部要因(金属相場や為替相場といった市況の状況、買鉱条件など)に関する情報や、当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。翌年度以降の期間の将来キャッシュ・フローは、翌年度の公表利益の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢や過去の実績を踏まえて見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(3,172百万円)を計上いたしました。回収可能価額は使用価値により算定しておりますが、その際に用いられる税引前の割引率は、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクの両方を反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
(1) 経営成績
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は減収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損益ともに減益となりました。
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 117,551 | 97,445 | △20,106 | (△17) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 531 | △14,217 | △14,748 | (-) |
| 経常利益又は経常損失(△) | 969 | △14,437 | △15,406 | (-) |
| 親会社株主に帰属する 当期純損失(△) | △2,550 | △18,364 | △15,814 | (-) |
《経営環境》
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、消費税増税に伴う個人消費の縮小等に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により年度末に向けて急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場、特に当社の主力製品である亜鉛の相場は、米中貿易摩擦の長期化等による世界経済の減速傾向と亜鉛鉱石需給の緩和などから上期において下落傾向が続きました。さらに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う市場の混乱から3月になって急落し、期中平均では前期比で下落となりました。鉛は上期において一時上昇したものの、下期になって下落傾向に転じ、亜鉛同様コロナショックから3月に急落しました。この結果、期中平均では前期比で下落となりました。銀については、金相場に追随する形で第2四半期以降は上昇基調となり、3月に急落はあったものの、期中平均では前期比で上昇となりました。
一方為替相場につきましては、円/米ドル相場は米中貿易摩擦に反応したものの狭いレンジで推移し、期中平均では前期比で若干の円高(円高は製錬セグメントの業績にマイナスの影響)となりました。豪州に鉱山会社CBH Resources Ltd.(以下、「CBH社」という。)を有する当社グループに影響を与える米ドル/豪ドル相場については、期を通じて概ね豪ドル安に推移し、期末にはコロナショックから一段安となり、期中平均でも前期比豪ドル安(豪ドル安は資源セグメントの業績にプラスの影響)となりました。
また、買鉱条件につきましては、亜鉛は前期に比して大幅に改善し、鉛・銀についても亜鉛ほどではないものの、一時の厳しい水準からは改善しました。
《売上高》
当社グループの当連結会計年度の業績は、金属相場の下落や亜鉛の減販、CBH社エンデバー鉱山の減産などの影響から製錬事業及び資源事業で大きく減収となったことにより、売上高974億45百万円と前期比201億6百万円(17%)の減収となりました。
《利益》
損益面では、在庫評価損の計上に加え、非鉄スラグ製品の処理費用の計上などから製錬セグメントで59億円、エンデバー鉱山の計画減産等の影響から資源セグメントで79億円の減益となりました。環境・リサイクル事業も亜鉛価格の下落などにより減益となりました。以上の結果、営業損失は142億17百万円と前期比147億48百万円、経常損失は144億37百万円と前期比154億6百万円の大幅減益となりました。さらに、金属相場の前提に対する下振れ及び採掘計画の見直しの結果、CBH社ラスプ鉱山で18億95百万円、エンデバー鉱山で12億74百万円の減損損失を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は183億64百万円と前期比158億14百万円の減益となり、最終赤字を計上するに至りました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
① 製錬事業部門
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 82,193 | 74,015 | △8,178 | (△10) |
| 営業損失(△) | △4,149 | △10,067 | △5,917 | (-) |
《亜鉛》
LME(ロンドン金属取引所)相場は、期初3,018ドル/トンでスタートしたのち、5月以降は鉱石需給のタイト感が薄まるにつれて下落基調となり、9月には2,200ドル近辺まで下落しました。その後は米中通商交渉の前進で一時持ち直したものの、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の減速懸念から再び下落傾向となり、3月には世界的な感染拡大を受けて一時1,800ドルを切る水準まで急落しました。以上の結果、期中平均では2,405ドルと前期(2,746ドル)を下回りました。国内価格も期中平均313千円/トンと前期(354千円)を40千円下回り、これに減販の影響も加わって、売上高は前期比18%の減収となりました。
《鉛》
LME相場は、期初2,022ドル/トンでスタートしましたが、その後は下落傾向が続きました。6月以降は海外主要鉛製錬所の操業停止等により持ち直したものの、12月以降はふたたび下落に転じ、3月にはコロナショックから一時1,600ドルを切る水準まで急落しました。以上の結果、期中平均では1,950ドルと前期(2,122ドル)を下回りました。国内価格も期中平均276千円/トンと前期(299千円)を23千円下回った結果、売上高は前期比で5%の減収となりました。
《銀》
ロンドン銀相場は、期初15.1ドル/トロイオンスでスタートしたのち、一時14ドル台に低迷しましたが、その後は金相場の上昇に追随する形で上昇基調となりました。年度末にコロナショックから一時12ドル台まで急落したものの、期中平均は16.5ドルと前期(15.4ドル)を上回り、国内価格も期中平均59,273円/キログラムと前期(56,315円)を上回りました。以上の結果、売上高は前期比10%の増収となりました。
以上のほか、硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、金属相場の下落に加えて亜鉛の減販もあり、売上高は740億15百万円と前期比81億78百万円(10%)の減収となりました。損益面では、急激な亜鉛相場の下落による多額の在庫評価損や、非鉄スラグ製品の処理費用を計上したことから、前期比59億17百万円の大幅な減益となり、100億67百万円の営業損失に転じました。
なお、金属相場(月平均)及び為替相場(月平均)の推移は下表のとおりであります。
| 区 分 | 亜鉛 | 鉛 | 銀 | 為替レート | ||||
| LME相場 | 国内価格 | LME相場 | 国内価格 | ロンドン 相 場 | 国内価格 | 円/米ドル | 米ドル/ 豪ドル | |
| $/t | \/t | $/t | \/t | $/toz | \/kg | \/$ | US$/A$ | |
| 2018年3月 | 3,280 | 394,400 | 2,397 | 316,000 | 16.5 | 57,650 | 106.07 | 0.7768 |
| 6月 | 3,092 | 389,000 | 2,441 | 333,000 | 16.5 | 59,870 | 110.03 | 0.7494 |
| 9月 | 2,433 | 320,500 | 2,028 | 292,000 | 14.3 | 52,700 | 111.91 | 0.7197 |
| 12月 | 2,626 | 345,100 | 1,965 | 286,000 | 14.7 | 54,320 | 112.51 | 0.7187 |
| 2019年3月 | 2,851 | 365,800 | 2,055 | 294,900 | 15.3 | 56,120 | 111.24 | 0.7076 |
| 6月 | 2,602 | 332,500 | 1,892 | 267,800 | 15.0 | 53,520 | 108.12 | 0.6945 |
| 9月 | 2,320 | 299,400 | 2,071 | 284,200 | 18.2 | 64,430 | 107.45 | 0.6800 |
| 12月 | 2,274 | 299,800 | 1,899 | 272,200 | 17.1 | 61,350 | 109.24 | 0.6872 |
| 2020年3月 | 1,906 | 259,400 | 1,745 | 249,200 | 14.9 | 54,000 | 107.41 | 0.6235 |
② 資源事業部門
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 23,080 | 11,446 | △11,634 | (△50) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 2,489 | △5,444 | △7,933 | (-) |
エンデバー鉱山では、鉱量減少による計画減産及びそれに伴う粗鉱品位低下で製造原価が上昇し、採算が悪化する結果となりました。また、山命延長を目指した深部探査は経済性評価の観点から不十分な結果となり、2019年末より休山に移行しました。このため、原状回復費用の積み増しや資材の評価減等のリストラ費用を計上するに至りました。ラスプ鉱山でも、難易度の高い採掘条件の下、高品位鉱の採掘遅れ等の要因により粗鉱品位が低下し、生産性が悪化する結果となりました。これに加えて金属相場の下落や(鉱山サイドから見た)買鉱条件の悪化、さらに決算期ずれ(CBH社の決算期は2019年1月~12月)の調整による悪化なども重なり、当事業部門の業績は、売上高は114億46百万円と前期比116億34百万円(50%)の減収、営業損益は前期比79億33百万円の大幅な減益により54億44百万円の営業損失となりました。
③ 電子部材事業部門
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 5,862 | 4,928 | △933 | (△16) |
| 営業利益 | 589 | 434 | △154 | (△26) |
《電子部品》
ハイブリッド車向けの新製品販売は順調であったものの、米中貿易摩擦の影響を受けた産業機器向けの販売減や、車載電装向けに複数の出荷終了案件があったことから、売上高は前期比17%の減収となりました。
《電解鉄》
世界のトップシェアを誇る電解鉄は、航空機用特殊鋼が昨年実績を上回ったものの、米中貿易摩擦の影響を受けてその他の用途向けが減販となり、売上高は前期比若干の減収となりました。
《プレーティング》
プレーティング製品(各種電子機器の接点・接続端子に使用される金、銀、錫、ニッケル等のメッキ材)は、電動工具電池端子用は順調であったものの、自動車部品等その他の用途向けが不調であり、売上高は前期比27%の減収となりました。
《機器部品》
タイヤ用バランスウエイト部門は自動車ライン向けが減少し、粉末冶金部門は一般産業機器向けが低調となったことから、売上高は前期比19%の減収となりました。
以上の結果、当事業部門の売上高は49億28百万円と前期比9億33百万円(16%)の減収、営業利益は4億34百万円と前期比1億54百万円(26%)の減益となりました。
④ 環境・リサイクル事業部門
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 4,703 | 4,181 | △521 | (△11) |
| 営業利益 | 1,325 | 762 | △563 | (△43) |
主力製品の酸化亜鉛は、亜鉛の国内価格が前期比で下落したこと及び減販により減収となりました。使用済みニカド電池の処理や硫酸リサイクル事業についても前期比減収となり、当事業部門の売上高は41億81百万円と前期比5億21百万円(11%)の減収、営業利益は7億62百万円と前期比5億63百万円(43%)の減益となりました。
⑤ 土木・建築・プラントエンジニアリング事業部門
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 2,129 | 2,487 | 358 | (17) |
| 営業利益又は営業損失(△) | △566 | 151 | 717 | (-) |
プラントエンジニアリング事業で前期に不採算案件に係る損失を計上しましたが、当期は当該案件の損失が大幅に減少したこともあり、前期比7億17百万円の増益となりました。
⑥ その他事業部門
(単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減(増減率%) | ||
| 売上高 | 7,997 | 6,835 | △1,162 | (△15) |
| 営業利益 | 424 | 416 | △8 | (△2) |
《防音建材(商品名:ソフトカーム)事業》
防音建材事業は、住宅着工数減等の影響で減収となったものの、医療向けX線遮蔽材鉛板の需要が回復したことに加え、原材料価格の低下により、前期比で増益となりました。
《運輸事業》
運輸事業は、運送荷物やリサイクル原料等の扱い量の減少などにより、売上高は前期比13%の減収となりました。
以上のほか、環境分析事業を合わせた当事業部門の売上高は68億35百万円と前期比11億62百万円(15%)の減収、営業利益は4億16百万円と前期比8百万円(2%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製 錬 | 71,722 | 91.1 |
| 資 源 | 13,108 | 78.8 |
| 電子部材 | 4,895 | 84.0 |
| 環境・リサイクル | 4,055 | 88.3 |
| 土木・建築・プラントエンジニアリング | 2,213 | 115.6 |
| 報告セグメント計 | 95,996 | 89.1 |
| その他 | 1,431 | 96.5 |
| 合計 | 97,427 | 89.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、土木・建築・プラントエンジニアリング、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 製 錬 | 173 | 98.4 | 16 | 70.9 |
| 資 源 | - | - | - | - |
| 電子部材 | 4,525 | 85.3 | 733 | 90.7 |
| 環境・リサイクル | 280 | 89.1 | - | 52.7 |
| 土木・建築・プラントエンジニアリング | 2,729 | 112.6 | 1,260 | 123.7 |
| 報告セグメント計 | 7,708 | 93.8 | 2,006 | 108.9 |
| その他 | 47 | 114.3 | - | - |
| 合計 | 7,756 | 93.9 | 2,006 | 108.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製 錬 | 73,639 | 90.4 |
| 資 源 | 9,647 | 47.0 |
| 電子部材 | 4,928 | 84.1 |
| 環境・リサイクル | 4,181 | 88.9 |
| 土木・建築・プラントエンジニアリング | 2,213 | 115.6 |
| 報告セグメント計 | 94,611 | 82.6 |
| その他 | 2,834 | 92.3 |
| 合計 | 97,445 | 82.9 |
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は564億36百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は82億7百万円となっております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の通り、2019年度の業績悪化などもあり、財政状態の早期立て直しが当社グループの喫緊の課題となっております。この一環として2020年3月31日に、シンジケート方式による160億円のコミットメントラインを契約し、財務基盤の強化を図っております。
② 財政状態について
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ128億98百万円減少し、1,173億33百万円となりました。これは金属相場下落の影響から売上債権や在庫の金額が減少したことによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ62億93百万円増加し、810億24百万円となりました。これは業況悪化に伴うフリーキャッシュフローの赤字ファイナンスによるものです。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失183億64百万円の計上もあり、前連結会計年度末に比べ191億92百万円減少し、363億9百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において30.9%となり、前連結会計年度末に比べ11.6ポイント下落しております。
③ キャッシュ・フローについて
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億41百万円減少し、当連結会計年度末は82億7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、67億23百万円の収入(前期比14億30百万円の収入減)となりました。金属相場の下落を背景とした製錬事業や資源事業での前期比大幅減益もあり、営業活動によるキャッシュ・フローは収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、114億18百万円の支出(前期比12億81百万円の支出増)となりました。これは主に既存鉱山開発によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは26億60百万円の収入(前期比42億19百万円の支出減)となりました。これは主に、業況悪化に伴うフリーキャッシュフローの赤字ファイナンスによるものです。
(3) 重要な会計上の見積もり及び当該見積もりに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a) 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、翌年度の公表利益の前提となった数値を、経営環境等の外部要因(金属相場や為替相場といった市況の状況、買鉱条件など)に関する情報や、当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b) 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係) 2.(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(c) 減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、翌年度の公表利益の前提となった数値を、経営環境などの外部要因(金属相場や為替相場といった市況の状況、買鉱条件など)に関する情報や、当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。翌年度以降の期間の将来キャッシュ・フローは、翌年度の公表利益の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢や過去の実績を踏まえて見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(3,172百万円)を計上いたしました。回収可能価額は使用価値により算定しておりますが、その際に用いられる税引前の割引率は、貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクの両方を反映したものであり、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。