有価証券報告書-第108期(令和1年12月1日-令和2年11月30日)

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2021/02/22 9:30
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、中国において発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、多くの都市でロックダウンが行われて一時的に経済活動がストップする等、急速に悪化しました。夏頃には底を打ったようにも見えましたが、直近においては感染者数が再拡大しており、依然先行き不透明な状況となっております。国内においても同様の傾向で、6月を境に切削工具の需要は緩やかに回復に向かっておりますが、10月以降感染者数が急速に拡大しており、景況は不透明感を増しております。一方で為替市場は前期と比較して円高で推移しました。
当社グループにおきましては、第1、第2、第3四半期と段階的に落ち込み、第4四半期でようやく回復の兆しが見えてきました。当社グループの主要な市場である自動車関連産業においても、主要国での自動車の月次生産台数は期の半ばから期末にかけて前期に近い水準まで回復してきておりますが、同じく主要市場である航空機関連産業は非常に厳しい状況が続いている等、まだら模様を見せております。地域別の業績においても、程度の差こそあれ多くの地域で第3四半期を底に期末にかけて回復傾向を示しました。
以上の結果、売上高は104,388百万円(前期比17.8%減)、営業利益は8,396百万円(前期比57.1%減)、経常利益は8,950百万円(前期比54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,639百万円(前期比58.8%減)となりました。また、海外売上高比率は前期と比較して増加し、59.4%(前期は57.3%)となっております。
セグメントの業績は次のとおりです。
(日本)
売上高は57,838百万円(前期比24.7%減)、営業利益は2,505百万円(前期比79.3%減)となりました。
国内では、新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の停滞により、当社グループの主要ユーザーである自動車関連産業向けをはじめ、多くの業種に対して深刻な影響を与えました。輸出も主要な海外グループ向けの出荷が減少となりました。第3四半期を底に回復基調にはありますが、以前の水準にはいまだ届いておりません。また、売上の減少に伴う操業度の低下による固定費率の上昇、為替レートの影響等により、営業利益も前期と比較して大きく減少しました。
(米州)
売上高は19,228百万円(前期比19.0%減)、営業利益は1,640百万円(前期比40.0%減)となりました。
主要市場の北米では、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの業種で生産活動が強制的に停止される等、景気が急速に悪化しました。当社グループの主要顧客においても一部では最大約4週間操業がストップするなど、一時は深刻な影響を受けましたが、期末に向けて景気は回復傾向を見せました。また、ブラジルでは受注の減少に対応するため工場の一時的な閉鎖や人員整理を行いましたが、期末にかけて航空機関連産業以外の国内景気は自動車関連産業を中心に回復傾向にあり、受注も上向いてきております。上記のように期末にかけて全体的に回復傾向にはありましたが、それまでの減少を補うには至らず、米州セグメント全体で前期と比較して売上、営業利益ともに大きく減少する結果となりました。
(欧州・アフリカ)
売上高は19,499百万円(前期比7.3%減)、営業利益は482百万円(前期比59.0%減)となりました。
欧州・アフリカでは、新型コロナウイルス感染症の影響によりロックダウンを中心とする封じ込め政策が導入され、ほとんどの国で一定期間経済活動が制限されました。当社グループにおいても大きな影響を受けましたが、期末にかけて一部の国及び航空機関連産業を除いて緩やかに回復に向かいました。ただ、やはり一時の落ち込みは激しく、欧州・アフリカセグメントでは前期と比較して減収減益となりました。また、直近数ヶ月で新型コロナウイルス感染症の感染者が多くの国で増加しており、今後の影響が懸念されます。
(アジア)
売上高は25,295百万円(前期比19.9%減)、営業利益は2,119百万円(前期比46.1%減)となりました。
中国では春節前後から新型コロナウイルス感染症の影響が本格化し、当社グループの製造会社は2月中旬まで稼働を停止しました。その後稼働を再開し、3月以降は切削工具の需要が戻り第4四半期には前期水準まで回復しました。韓国では自動車の生産台数がかなり戻ってきており、当社グループにおいても第3四半期を底に回復基調にありますが、工場の稼働状況は前期と比較するとまだ8割強程度となっております。その他のアジア諸国でも多くの国でロックダウンの影響から回復してきておりますが、新型コロナウイルス感染症流行前の水準に戻るにはまだ時間が必要です。以上の結果、アジアセグメント全体で前期と比較して減収減益となりました。
② 財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)と比較して9,698百万円増加し、200,112百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金等が減少しましたが現金及び預金等が増加したことにより、前期末と比較して6,587百万円増加の102,691百万円となりました。固定資産は、建設仮勘定等が減少しましたが建物及び構築物(純額)、投資有価証券等が増加したことにより、前期末と比較して3,110百万円増加の97,420百万円となりました。
一方負債は、前期末と比較して10,177百万円増加し、59,932百万円となりました。流動負債は、未払法人税等が減少しましたが1年内返済予定の長期借入金等が増加したことにより、前期末と比較して3,744百万円増加の27,323百万円となりました。固定負債は、長期借入金等が増加したことにより、前期末と比較して6,432百万円増加の32,609百万円となりました。
また、当期末の純資産は、利益剰余金等が増加しましたが、為替換算調整勘定、資本剰余金、非支配株主持分等が減少したことにより、前期末と比較して478百万円減少の140,179百万円となりました。この結果、自己資本比率は64.6%(前期末は67.8%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースでの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は33,299百万円となり、前連結会計年度末と比較して9,595百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,038百万円(前期比2,223百万円減)となりました。これは税金等調整前当期純利益8,896百万円、減価償却費10,518百万円、売上債権の減少2,832百万円、法人税等の支払額4,743百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は17,133百万円(前期比3,181百万円減)となりました。これは定期預金の預入による支出5,640百万円、有形固定資産の取得による支出9,895百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は9,658百万円(前期比6,193百万円増)となりました。これは長期借入れによる収入14,396百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,437百万円、配当金の支払額3,439百万円等であります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績及び受注状況
当社グループの生産品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその形状は一様ではなく、正確な生産規模としての把握が困難であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメント別に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本42,816△21.8
米州18,818△18.7
欧州・アフリカ19,396△7.2
アジア23,356△17.2
合計104,388△17.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な販売先については、総販売実績の100分の10以上の販売先がないため記載を省略しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比17.8%減少の104,388百万円、営業利益は前期比57.1%減少の8,396百万円となりました。期前半より新型コロナウイルス感染症の影響が中国、その後にアジア、欧米と全世界に波及した結果、各国のロックダウン等もあり顧客の生産活動が停滞したことから、切削工具の需要は大幅に減少しました。その結果、前連結会計年度と比較して減収減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、海外市場と比較してシェアの高い国内市場の自動車関連産業や航空機関連産業の需要動向、輸出に関連する為替状況等が挙げられます。当連結会計年度は、自動車関連産業は期後半に回復に転じたものの、とりわけ新型コロナウイルス感染症の影響の大きい航空機関連産業は厳しい結果となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については次のとおりであります。当連結会計年度の経営指標は、新型コロナウイルス感染症に起因する景気減速の影響等により売上高104,388百万円、営業利益8,396百万円(営業利益率8.0%)となり、前連結会計年度と比較して売上高、営業利益額、営業利益率ともに減少する結果となりました。中期経営計画に掲げた目標である2020年11月期に売上高1,500億円、営業利益300億円(営業利益率20%)の達成については2021年11月期以降にずれ込むことになりましたが、基本戦略である「大手ユーザーの開拓」と「カタログ品戦略」をグローバルに推進し続ける事で、グループの持続的成長と世界トップの穴加工用切削工具メーカーを目指してまいります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、超硬材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&Aによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本とし、場合によっては社債の発行等を行うなど、資金調達の多様性を図っております。
なお、当社は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化等により突発的な資金需要が生じる場合に備え、主要取引銀行と総額10,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は41,769百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は33,299百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんについて、主として発生日以降5年間(在外連結子会社は10年間)で均等償却しております。その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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