四半期報告書-第86期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/13 13:03
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続きましたが、米中貿易摩擦による中国経済の減速を受けて輸出や製造業における設備投資に弱さが見られるとともに大型台風襲来による自然災害の影響を受け、生産活動が停滞するなど、緩やかな持ち直しの動きに足踏み感がみられる状況で推移いたしました。
また、海外においては、米国経済は、個人消費は底堅く推移いたしましたが、米中貿易摩擦に端を発した中国経済の減速や英国のEU離脱問題の影響等で、減速感が強まるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いています。
このような情勢の下で、当社グループが持つそれぞれの機能の融合と、グループ間及び部門間相互の連携により、顧客ニーズに対する速やかな対応や積極的な営業活動の推進を図るなど、収益向上に努めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は427億3千6百万円、前年同期に比べて0.4%の減収、営業利益は1億4千6百万円、前年同期に比べて131.7%の増益、経常利益は1億2千8百万円、前年同期に比べて129.9%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億3千8百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失は1億8千8百万円)という成績になりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(商事部門)
・売上高323億3千4百万円(前年同期比3.4%減)
・営業利益5億3千9百万円(前年同期比12.5%増)

商事部門においては、売上高は、やや伸び悩みましたが、利益面は、FA・環境システム事業での電子部品向け部材用加工機関連等が伸長し、順調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<半導体デバイス事業>半導体分野では、自動車関連は、国内向け及び北米向けは弱含みましたが、中国向けが順調に推移いたしました。また、車載機器装置向けは、危険運転対策への意識の高まりにより、引き続き市場が拡大し、順調に推移いたしました。
白物家電関連では、空調機は、国内向けは、消費税増税による駆け込み需要の反動もあり、やや低調に推移いたしましたが、中国向けは、堅調に推移いたしました。
産業機関連では、中国経済の減速を受け、半導体製造装置向けが、やや低調に推移いたしました。
電子デバイス分野では、スマートフォン関連向けは、堅調に推移いたしました。
産業メカトロニクス分野では、中国経済の減速傾向を受け市場全体は弱含みましたが、主要取引先の半導体製造装置メーカー等において、積極的な設備投資があり、電子部品向け部材用加工機関連等は、好調に推移いたしました。
FA機器分野では、半導体製造装置メーカーに対する積極的な受注活動及び主要仕入先との連携による拡販活動もあり、堅調に推移いたしました。
3Dプリンタビジネス分野では、二次店連携による保守・消耗品ビジネスの増加により、好調に推移いたしました。
環境ビジネス分野は、太陽光発電等の省エネ関連及び冷熱機器関連ともに、低調に推移いたしました。
(ICT部門)
・売上高39億9千2百万円(前年同期比0.8%減)
・営業利益3億4千1百万円(前年同期比22.0%減)

ICT部門においては、総じて堅調に推移いたしました。
なお、ICT部門では、9月及び3月に売上高及び利益の計上が集中する傾向にあります。これは従来からの業界傾向であります。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<ビジネスソリューション事業>ビジネスソリューション事業は、総じて堅調に推移いたしました。
エンドユーザー向け提案型システム開発は、大型リプレース案件並びに既存ユーザーからの開発案件の受注もあり、順調に推移いたしました。
サービス提供型ビジネスは、FACE(FAX送受信の代行サービス)において、新規顧客による運用開始並びに既存ユーザーの利用拡大もあり、順調に推移いたしました。
パッケージソフト販売は、堅調に推移いたしました。
受託ソフト開発は、好調であった昨年と比較すると電力関連向けが、低調に推移いたしました。
<エンベデッドシステム事業>エンベデッドシステム事業は、総じて順調に推移いたしました。
特定用途向け専用装置販売は、通信制御装置をはじめとした各種製品の受注により、順調に推移いたしました。
エンドユーザー向けシステム開発は、受注に苦戦し、低調に推移いたしました。
受託開発は、運輸交通関連等のシステム開発の受注により、順調に推移いたしました。
IC設計事業は、主要顧客からの受注が弱含みましたが、新規受注活動により、総じて堅調に推移いたしました。
(製造部門)
・売上高65億2百万円(前年同期比20.3%増)
・営業利益1億8千5百万円(前年同期比216.9%増)

製造部門においては、生産面では、部材メーカーのサプライチェーンが大型台風の襲来による影響を受けたことにより、仕様変更等の対応に取り組む一方、販売面は、車載向け特殊基板の受注が伸長し、順調に推移するとともに、利益面では、海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスが拡大したため、好調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
<プリント配線板事業>通信基地局向けモジュール基板の受注は、低調に推移いたしましたが、車載向けのメタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注が引き続き伸長したことにより、総じて順調に推移いたしました。
海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、車載向け及び住宅設備向けリジット基板の受注が順調に推移するとともに、パソコン向けフレキシブル基板の受注が伸長し、総じて好調に推移いたしました。
なお、2019年7月1日付で、当社のプリント配線板製造事業を、連結子会社である福島協栄株式会社に承継させる会社分割を行うとともに、同日付で福島協栄株式会社の商号を協栄サーキットテクノロジ株式会社に変更いたしました。詳細は、2019年4月25日に東京証券取引所へ開示しております「連結子会社との会社分割(簡易吸収分割)及び子会社の商号変更に関するお知らせ」をご覧ください。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1億4千9百万円増加し、365億7千7百万円となりました。
・流動資産は、仕掛品2億6千1百万円の増加、商品及び製品1億8千6百万円の増加、現金及び預金2億9千万円の減少、受取手形及び売掛金2億6千9百万円の減少等により、1億5千4百万円増加し、297億6千4百万円となりました。
・固定資産は、有形固定資産4億6千1百万円の減少、投資有価証券3億5千9百万円の増加等により、5百万円減少し、68億1千3百万円となりました。
・流動負債は、短期借入金15億2千1百万円の増加、再整備費用引当金3億6千4百万円の減少、賞与引当金3億2千5百万円の減少等により、6億8千7百万円増加し、177億3千6百万円となりました。
・固定負債は、長期借入金12億1千5百万円の減少等により、8億1千9百万円減少し、50億1千1百万円となりました。
この結果、純資産は、2億8千1百万円増加し、138億2千9百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の37.2%から0.6ポイント増加し、37.8%となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、2千3百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、製造部門の受注実績が著しく増加しております。
これは車載向け特殊基板の受注が伸長したためで、生産高が59億6千7百万円(前年同期比24.5%増)、受注高が60億4千6百万円(前年同期比30.0%増)となっております。