有価証券報告書-第84期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国の経済は、雇用所得環境の改善が続くとともに、企業業績が順調に拡大していることと、人手不足を背景とした合理化・省力化向けの設備投資が持ち直したことにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。他方でエレクトロニクス市場は、車載関連や産業機関連は好調でしたが、アミューズメント関連は低迷するなどセグメントにより斑模様の状況で推移いたしました。
また、海外においては、米国経済は、雇用環境の改善や減税による所得増への期待などから、個人消費は底堅さを維持するなど総じて堅調に推移するとともに、中国経済は、輸出の増加や個人消費の堅調な伸びに支えられ安定的に推移いたしました。
しかしながら、米国の保護主義に傾倒した通商政策や地政学的なリスクなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、新たに制定したSTGビジョン(ICT技術で未来を創造するSystem Technology Groupを目指す)のもと、当期を1年目とする3か年の中期経営計画(GP2020:Growing Profit 2020)をスタートさせております。これまで培ってきた技術とサービス、そして私たちの夢を結集し、グループ総合力で事業拡大を図るため、お客様に密着した営業活動をより一層強化するとともに、広範な顧客基盤を活かし、収益機会の拡大に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は548億3千4百万円、前期に比べて2.7%の増収、営業利益は1億8千2百万円、前期に比べて29.5%の減益、経常利益は1億9千万円、前期に比べて12.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千2百万円、前期に比べて58.6%の増益という成績になりました。
当連結会計年度のセグメントの概況は次のとおりです。
(商事部門)
商事部門においては、売上、利益ともに需要増加により順調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<半導体デバイス事業>半導体分野では、自動車関連は、中国での小型車減税の終了もあり、新車販売台数の増加に陰りが見えましたが、納入先での増産計画により、国内をはじめ北米、中国ともに好調に推移いたしました。また、車載機器装置向けも伸長し、好調に推移いたしました。
白物家電関連は、空調機向けが国内及び中国での旺盛な需要で、受注が伸長したことにより、順調に推移いたしました。
産業機関連は、国内及び海外における工場での省力化需要により、半導体製造装置向けが、好調に推移いたしました。
電子デバイス分野では、スマートフォン関連向けが堅調に推移いたしました。
産業メカトロニクス分野では、電子部品向け部材用加工機の受注が増加し、堅調に推移いたしました。
FA機器分野では、スマートフォン向け有機EL製造装置及び半導体製造装置向けが順調に推移するとともに、工場や工事現場で使用されるホイスト(巻上機)の受注もあり、総じて順調に推移いたしました。
映像関連ビジネス分野では、店舗向けの画像監視セキュリティシステムの受注が好調に推移いたしました。
環境ビジネス分野では、エネルギーマネジメント関連の大型案件が延期になるとともに、省エネルギー専門事業者との商談が受注に至らず低調に推移いたしました。
<その他>北海道と西日本地区を拠点とする協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命いかだの整備サービス事業は堅調に推移いたしました。
(ICT部門)
ICT部門においては、売上、利益、受注とも順調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<ビジネスソリューション事業>ビジネスソリューション事業は、総じて順調に推移いたしました。
エンドユーザー向け提案型システム開発は、売上・利益ともに大型リプレース案件及びシステム改良案件もあり、順調に推移いたしました。
サービス提供型ビジネスは、大手客先での運用開始や受注拡大もあり、FACE(FAX送受信の代行サービス)が順調に推移いたしました。
パッケージソフト販売は、堅調に推移いたしました。
受託ソフト開発は、電力関連向けの大規模開発案件などを中心に好調に推移いたしました。
<エンベデッドシステム事業>エンベデッドシステム事業は、総じて堅調に推移いたしました。
特定用途向け専用装置販売は、通信制御装置の受注が後半伸び悩みましたが、運輸関連向けLED制御ボード開発の受注もあり全般に堅調に推移いたしました。
エンドユーザー向けシステム開発は、食品関連及び運輸交通関連向けシステム開発が伸長したことにより好調に推移いたしました。
受託開発は、全般に低調に推移いたしました。
IC設計事業は、主要顧客からの受注により順調に推移いたしました。
(製造部門)
製造部門においては、売上高は、主力のアミューズメント向け基板の受注が減少しましたが、車載向けの受注が伸長したことにより堅調に推移いたしました。
利益面は、アミューズメント向け基板の受注が減少したこと及びアミューズメント市場において、市況の回復が当面見込めず、また基板の再利用が増加傾向であることから、アミューズメント向け基板の在庫を処分したことにより、営業損失となりました。
事業の詳細は以下のとおりです。
<プリント配線板事業>アミューズメント向け基板は、第4四半期においても受注が回復しなかったため、低調に推移いたしました。
車載向け基板は、メタルコア基板や厚銅箔基板の受注が順調に推移いたしました。また、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板は、順調に推移いたしました。
海外で行っているフレキシブル基板ビジネスは、一部納入先での生産時期調整がありましたが、堅調に推移いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億9千5百万円減少し、29億6千万円(前期は31億5千6百万円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は1億5千8百万円(前期は9億2千6百万円の増加)となりました。これは主として、次の要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は7千9百万円(前期は3億6千1百万円の減少)となりました。これは主として、固定資産の取得による支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は3千9百万円(前期は5千8百万円の減少)となりました。これは主として、借入れによる収入等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、生産実績中、商事部門の生産実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの生産実績であります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、セグメント間の内部取引高にかかる生産高が含まれております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
商事部門の一部及びICT部門、製造部門については受注生産を行っており、これらの当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、受注実績中、商事部門の受注実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの受注実績であります。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは連結財務諸表に記載されている資産・負債の額及び偶発負債の開示額、並びに収益・費用の額などに影響を与える可能性のある見積り及び前提条件を使用しております。
当社グループは、その見積りと判断を、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要素に基づいて行っており、これらは、資産及び負債の帳簿価額あるいは収益・費用の額についての判断の基礎を形成しております。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.投資有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式を所有しております。これらの大半は市場価格のある公開会社の株式で、一部に時価相場のない非公開会社の株式が含まれます。当社グループは公開会社の株式への投資の場合、期末における株価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%下落した場合には、当社取扱い要領に基づき、個別銘柄毎の株価推移等から株価の回復可能性を判断して減損処理を行っております。株式市況悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金について
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権管理につきましては最善の注意をはらっておりますが、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
c.退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下や運用利回りの悪化がある場合は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概況
当期におけるわが国の経済は、雇用所得環境の改善が続くとともに、企業業績が順調に拡大していることと、人手不足を背景とした合理化・省力化向けの設備投資が持ち直したことにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。他方でエレクトロニクス市場は、車載関連や産業機関連は好調でしたが、アミューズメント関連は低迷するなどセグメントにより斑模様の状況で推移いたしました。また、海外においては、米国経済は、雇用環境の改善や減税による所得増への期待などから、個人消費は底堅さを維持するなど総じて堅調に推移するとともに、中国経済は、輸出の増加や個人消費の堅調な伸びに支えられ安定的に推移いたしました。しかしながら、米国の保護主義に傾倒した通商政策や地政学的なリスクなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような経済情勢の下、当連結会計年度の売上高は548億3千4百万円、前期に比べて2.7%の増収、営業利益は1億8千2百万円、前期に比べて29.5%の減益、経常利益は1億9千万円、前期に比べて12.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千2百万円、前期に比べて58.6%の増益という成績になりました。
<売上高>売上高は、前期に比べて2.7%増収の548億3千4百万円となりました。商事部門では前期に比べて4.0%増収の429億5千1百万円、ICT部門では前期に比べて4.9%増収の58億3千7百万円、製造部門では前期に比べて6.4%減収の61億3千1百万円となりました。
また、国内の売上高は、前期に比べて1.8%増収の407億2千万円となりました。海外売上高は、5.5%増収の141億1千3百万円となり、海外売上高は連結売上高の25.7%(前期25.1%)となりました。
<売上原価、販売費及び一般管理費>売上原価は売上の増加に伴い、前期の467億8百万円から2.9%増加し、480億6千5百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は0.2ポイント増加し87.7%となっております。
販売費及び一般管理費は前期に比べて2.9%、1億8千3百万円増加し、65億8千6百万円となりました。これは修繕費、広告宣伝費、減価償却費等の増加によるものです。
<営業利益>営業利益は、前期の2億5千9百万円に対し、29.5%減益の1億8千2百万円となりました。
商事部門の営業利益は、売上、利益ともに需要増加により順調に推移し、前期に比べて27.7%増益の8億1千1百万円となりました。ICT部門の営業利益は、売上、利益、受注とも順調に推移し、前期に比べて22.5%増益の7億4千4百万円となりました。製造部門の営業利益は、アミューズメント向け基板の受注が減少したことおよびアミューズメント市場において、市況の回復が当面見込めず、また基板の再利用が増加傾向であることから、アミューズメント向け基板の在庫を処分したことにより営業損失4千1百万円(前期営業利益2億3千1百万円)となりました。
<営業外損益>営業外収益(費用)は、前期の9千万円の費用(純額)から、7百万円の収益(純額)となりました。これは主として、為替差益の増加等によるものです。
<特別利益>特別利益は、前期の1億4千6百万円に対し4千9百万円減少し、9千6百万円となりました。これは投資有価証券売却益が4千9百万円減少したこと等によるものです。
<特別損失>特別損失は、前期の1億5千5百万円に対し1億1千5百万円減少し、3千9百万円となりました。これは前期に損害賠償金1億5千2百万円を計上したこと等によるものです。
<税金等調整前当期純利益>以上を受けて、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期の1億5千8百万円に対し、8千7百万円増加し、2億4千6百万円となりました。
<親会社株主に帰属する当期純利益>親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の9千6百万円に対し、5千6百万円増加し、1億5千2百万円となりました。1株当たりの当期純利益金額は、前期の31.63円に対し、50.17円となりました。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業利益率を重要な経営指標として位置付け、営業利益率3%の早期達成に努めております。
当連結会計年度における売上高は548億3千4百万円、営業利益は1億8千2百万円となり、営業利益率は0.3%となりました。引き続き、高収益ビジネスの創出と販管費の削減に努め、当該指標の改善に邁進していく所存です。
c.経営戦略の現状と見通し
わが国経済は、人手不足の深刻化による人件費負担の増加など企業の収益を下押しする圧力がある反面、内外需要が堅調に拡大するなか、雇用所得環境の改善や人手不足を背景とした合理化、省力化を目的とする設備投資も増加基調であり、企業業績は堅調に推移することと、米国をはじめとする海外経済の成長や世界的な設備投資意欲の改善により、回復基調が持続するものと思われます。しかしながら、米国政権が、保護主義や排外主義を強めることにより米国経済が失速し、それを引き金に金融市場が不安定な動きとなり、世界経済を減速させ、わが国の景気を下押しするリスクが懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続くことが予想されます。
このような状況に対しまして当社では、第84期より中期経営計画「GP2020(Growing Profit 2020)」をスタートし、これまで培ってきた技術とサービス、そして私たちの夢を結集し、グループ総合力で事業拡大を図るため、お客様に密着した営業活動をより一層強化するとともに、広範な顧客基盤を活かし、収益機会の拡大を図ってまいります。
新規事業の構築にあたっては、部門横断的な組織である事業戦略本部を中心に、当社グループの設計力、営業力を活かして、ロボット、介護ヘルスケア、自動車、エネルギー市場を攻略するためハードウェア・ソフトウェア・コンテンツ・サービスの提供を図ってまいります。
商事部門では、車載等の成長分野に対する新事業への推進力強化を目的に、事業開発部を新設し、新規顧客の開拓、新商材の発掘、高付加価値商品の発掘、新ビジネスの展開をより一層強化し、国内外の事業拡大を推進してまいります。また、FAシステムならびに環境ビジネス分野など今後の成長が見込まれる事業により一層注力してまいります。
ICT部門では、自主事業強化のため、建設・食品・流通業等における現場系ソリューションメニューの拡大やロボットビジネスの本格立ち上げ、更に商事部門と連携した環境関連システムの受注拡大を図り、受託事業における安定した受注量の確保を推進してまいります。また、人材育成の強化、品質向上を推進し、事業基盤の安定と利益の拡大を図ってまいります。
製造部門では、収益力の改善が喫緊の課題です。そのため、相模原・福島両工場における生産管理を含めた管理業務の強化、品質および生産性の更なる向上ならびに安定的な受注確保に向け、営業体制及び生産体制の見直しを図ってまいります。
更に、財務体質の改善、組織機構や社内諸制度の改革等を継続して推進するとともに、当社グループ間の連携や技術支援はもとより、主要取引先との連携強化に努めてまいります。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
<キャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローでは、1億5千8百万円の資金の減少となりました。これは資金の減少要因である売上債権の増加11億8千2百万円、たな卸資産の増加4億4百万円等が、資金の増加要因である減価償却費5億3千1百万円、仕入債務の増加9億2千9百万円等を上回ったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、7千9百万円の資金の減少となりました。これは主に固定資産の取得等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、3千9百万円の資金の増加となりました。これは主に借入れによる収入等によるものです。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期の31億5千6百万円から1億9千5百万円減少し、29億6千万円となりました。
<資金需要>当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商事部門における仕入から回収までの資金立替、製造部門における設備投資、材料等の購入及び製造費、全社の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。長期の資金需要については、主としてプリント製造に係わる合理化投資及び設備の更新・増設投資を中心に発生いたします。
<財務政策>当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金や借入金、社債を中心に資金調達することとし、海外現地法人を除いては、当社にて一括調達しております。このうち、運転資金については原則として短期借入金で調達し、金融情勢によっては一部を長期資金へシフトしており、また、生産設備などの長期資金は借入金により調達を行っております。平成30年3月31日現在、短期借入金33億7千万円、長期借入金(一年以内に返済の長期借入金含む)63億9千1百万円から構成されております。
当社グループは、健全な財政状態の維持改善、営業活動によるキャッシュ・フローの捻出、未使用のコミットメント・ライン枠27億5千万円及び未使用の借入枠82億4千4百万円を有することにより、当社グループが将来の成長に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが充分可能と考えております。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国の経済は、雇用所得環境の改善が続くとともに、企業業績が順調に拡大していることと、人手不足を背景とした合理化・省力化向けの設備投資が持ち直したことにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。他方でエレクトロニクス市場は、車載関連や産業機関連は好調でしたが、アミューズメント関連は低迷するなどセグメントにより斑模様の状況で推移いたしました。
また、海外においては、米国経済は、雇用環境の改善や減税による所得増への期待などから、個人消費は底堅さを維持するなど総じて堅調に推移するとともに、中国経済は、輸出の増加や個人消費の堅調な伸びに支えられ安定的に推移いたしました。
しかしながら、米国の保護主義に傾倒した通商政策や地政学的なリスクなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、新たに制定したSTGビジョン(ICT技術で未来を創造するSystem Technology Groupを目指す)のもと、当期を1年目とする3か年の中期経営計画(GP2020:Growing Profit 2020)をスタートさせております。これまで培ってきた技術とサービス、そして私たちの夢を結集し、グループ総合力で事業拡大を図るため、お客様に密着した営業活動をより一層強化するとともに、広範な顧客基盤を活かし、収益機会の拡大に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は548億3千4百万円、前期に比べて2.7%の増収、営業利益は1億8千2百万円、前期に比べて29.5%の減益、経常利益は1億9千万円、前期に比べて12.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千2百万円、前期に比べて58.6%の増益という成績になりました。
当連結会計年度のセグメントの概況は次のとおりです。
(商事部門)
・売上高 | 429億5千1百万円 | (前期比4.0%増) |
・営業利益 | 8億1千1百万円 | (前期比27.7%増) |
商事部門においては、売上、利益ともに需要増加により順調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<半導体デバイス事業>半導体分野では、自動車関連は、中国での小型車減税の終了もあり、新車販売台数の増加に陰りが見えましたが、納入先での増産計画により、国内をはじめ北米、中国ともに好調に推移いたしました。また、車載機器装置向けも伸長し、好調に推移いたしました。
白物家電関連は、空調機向けが国内及び中国での旺盛な需要で、受注が伸長したことにより、順調に推移いたしました。
産業機関連は、国内及び海外における工場での省力化需要により、半導体製造装置向けが、好調に推移いたしました。
電子デバイス分野では、スマートフォン関連向けが堅調に推移いたしました。
FA機器分野では、スマートフォン向け有機EL製造装置及び半導体製造装置向けが順調に推移するとともに、工場や工事現場で使用されるホイスト(巻上機)の受注もあり、総じて順調に推移いたしました。
映像関連ビジネス分野では、店舗向けの画像監視セキュリティシステムの受注が好調に推移いたしました。
環境ビジネス分野では、エネルギーマネジメント関連の大型案件が延期になるとともに、省エネルギー専門事業者との商談が受注に至らず低調に推移いたしました。
<その他>北海道と西日本地区を拠点とする協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命いかだの整備サービス事業は堅調に推移いたしました。
(ICT部門)
・売上高 | 58億3千7百万円 | (前期比4.9%増) |
・営業利益 | 7億4千4百万円 | (前期比22.5%増) |
ICT部門においては、売上、利益、受注とも順調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<ビジネスソリューション事業>ビジネスソリューション事業は、総じて順調に推移いたしました。
エンドユーザー向け提案型システム開発は、売上・利益ともに大型リプレース案件及びシステム改良案件もあり、順調に推移いたしました。
サービス提供型ビジネスは、大手客先での運用開始や受注拡大もあり、FACE(FAX送受信の代行サービス)が順調に推移いたしました。
パッケージソフト販売は、堅調に推移いたしました。
受託ソフト開発は、電力関連向けの大規模開発案件などを中心に好調に推移いたしました。
<エンベデッドシステム事業>エンベデッドシステム事業は、総じて堅調に推移いたしました。
特定用途向け専用装置販売は、通信制御装置の受注が後半伸び悩みましたが、運輸関連向けLED制御ボード開発の受注もあり全般に堅調に推移いたしました。
エンドユーザー向けシステム開発は、食品関連及び運輸交通関連向けシステム開発が伸長したことにより好調に推移いたしました。
受託開発は、全般に低調に推移いたしました。
(製造部門)
・売上高 | 61億3千1百万円 | (前期比6.4%減) |
・営業損失 | 4千1百万円 | (前期営業利益2億3千1百万円) |
製造部門においては、売上高は、主力のアミューズメント向け基板の受注が減少しましたが、車載向けの受注が伸長したことにより堅調に推移いたしました。
利益面は、アミューズメント向け基板の受注が減少したこと及びアミューズメント市場において、市況の回復が当面見込めず、また基板の再利用が増加傾向であることから、アミューズメント向け基板の在庫を処分したことにより、営業損失となりました。
事業の詳細は以下のとおりです。
<プリント配線板事業>アミューズメント向け基板は、第4四半期においても受注が回復しなかったため、低調に推移いたしました。
車載向け基板は、メタルコア基板や厚銅箔基板の受注が順調に推移いたしました。また、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板は、順調に推移いたしました。
海外で行っているフレキシブル基板ビジネスは、一部納入先での生産時期調整がありましたが、堅調に推移いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億9千5百万円減少し、29億6千万円(前期は31億5千6百万円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は1億5千8百万円(前期は9億2千6百万円の増加)となりました。これは主として、次の要因によるものです。
資金増加要因: | 減価償却費 仕入債務の増加 | 5億3千1百万円 9億2千9百万円 |
資金減少要因: | 売上債権の増加 たな卸資産の増加 | 11億8千2百万円 4億4百万円 |
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は7千9百万円(前期は3億6千1百万円の減少)となりました。これは主として、固定資産の取得による支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は3千9百万円(前期は5千8百万円の減少)となりました。これは主として、借入れによる収入等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、生産実績中、商事部門の生産実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの生産実績であります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
商事部門(千円) | 625,228 | 183.0 |
ICT部門(千円) | 5,194,867 | 103.5 |
製造部門(千円) | 5,676,032 | 91.6 |
合計(千円) | 11,496,127 | 99.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、セグメント間の内部取引高にかかる生産高が含まれております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
商事部門の一部及びICT部門、製造部門については受注生産を行っており、これらの当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、受注実績中、商事部門の受注実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの受注実績であります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
商事部門 | 694,417 | 209.7 | 15,644 | 90.7 |
ICT部門 | 5,577,013 | 98.8 | 1,348,014 | 103.7 |
製造部門 | 5,890,806 | 94.7 | 2,386,991 | 112.1 |
合計 | 12,162,236 | 99.7 | 3,750,650 | 108.8 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
商事部門(千円) | 42,951,929 | 104.0 |
ICT部門(千円) | 5,837,121 | 104.9 |
製造部門(千円) | 6,131,733 | 93.6 |
計(千円) | 54,920,784 | 102.8 |
消去又は全社(千円) | △86,560 | - |
合計(千円) | 54,834,223 | 102.7 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは連結財務諸表に記載されている資産・負債の額及び偶発負債の開示額、並びに収益・費用の額などに影響を与える可能性のある見積り及び前提条件を使用しております。
当社グループは、その見積りと判断を、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要素に基づいて行っており、これらは、資産及び負債の帳簿価額あるいは収益・費用の額についての判断の基礎を形成しております。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.投資有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式を所有しております。これらの大半は市場価格のある公開会社の株式で、一部に時価相場のない非公開会社の株式が含まれます。当社グループは公開会社の株式への投資の場合、期末における株価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%下落した場合には、当社取扱い要領に基づき、個別銘柄毎の株価推移等から株価の回復可能性を判断して減損処理を行っております。株式市況悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金について
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権管理につきましては最善の注意をはらっておりますが、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
c.退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下や運用利回りの悪化がある場合は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概況
当期におけるわが国の経済は、雇用所得環境の改善が続くとともに、企業業績が順調に拡大していることと、人手不足を背景とした合理化・省力化向けの設備投資が持ち直したことにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。他方でエレクトロニクス市場は、車載関連や産業機関連は好調でしたが、アミューズメント関連は低迷するなどセグメントにより斑模様の状況で推移いたしました。また、海外においては、米国経済は、雇用環境の改善や減税による所得増への期待などから、個人消費は底堅さを維持するなど総じて堅調に推移するとともに、中国経済は、輸出の増加や個人消費の堅調な伸びに支えられ安定的に推移いたしました。しかしながら、米国の保護主義に傾倒した通商政策や地政学的なリスクなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような経済情勢の下、当連結会計年度の売上高は548億3千4百万円、前期に比べて2.7%の増収、営業利益は1億8千2百万円、前期に比べて29.5%の減益、経常利益は1億9千万円、前期に比べて12.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千2百万円、前期に比べて58.6%の増益という成績になりました。
<売上高>売上高は、前期に比べて2.7%増収の548億3千4百万円となりました。商事部門では前期に比べて4.0%増収の429億5千1百万円、ICT部門では前期に比べて4.9%増収の58億3千7百万円、製造部門では前期に比べて6.4%減収の61億3千1百万円となりました。
また、国内の売上高は、前期に比べて1.8%増収の407億2千万円となりました。海外売上高は、5.5%増収の141億1千3百万円となり、海外売上高は連結売上高の25.7%(前期25.1%)となりました。
<売上原価、販売費及び一般管理費>売上原価は売上の増加に伴い、前期の467億8百万円から2.9%増加し、480億6千5百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は0.2ポイント増加し87.7%となっております。
販売費及び一般管理費は前期に比べて2.9%、1億8千3百万円増加し、65億8千6百万円となりました。これは修繕費、広告宣伝費、減価償却費等の増加によるものです。
<営業利益>営業利益は、前期の2億5千9百万円に対し、29.5%減益の1億8千2百万円となりました。
商事部門の営業利益は、売上、利益ともに需要増加により順調に推移し、前期に比べて27.7%増益の8億1千1百万円となりました。ICT部門の営業利益は、売上、利益、受注とも順調に推移し、前期に比べて22.5%増益の7億4千4百万円となりました。製造部門の営業利益は、アミューズメント向け基板の受注が減少したことおよびアミューズメント市場において、市況の回復が当面見込めず、また基板の再利用が増加傾向であることから、アミューズメント向け基板の在庫を処分したことにより営業損失4千1百万円(前期営業利益2億3千1百万円)となりました。
<営業外損益>営業外収益(費用)は、前期の9千万円の費用(純額)から、7百万円の収益(純額)となりました。これは主として、為替差益の増加等によるものです。
<特別利益>特別利益は、前期の1億4千6百万円に対し4千9百万円減少し、9千6百万円となりました。これは投資有価証券売却益が4千9百万円減少したこと等によるものです。
<特別損失>特別損失は、前期の1億5千5百万円に対し1億1千5百万円減少し、3千9百万円となりました。これは前期に損害賠償金1億5千2百万円を計上したこと等によるものです。
<税金等調整前当期純利益>以上を受けて、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期の1億5千8百万円に対し、8千7百万円増加し、2億4千6百万円となりました。
<親会社株主に帰属する当期純利益>親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の9千6百万円に対し、5千6百万円増加し、1億5千2百万円となりました。1株当たりの当期純利益金額は、前期の31.63円に対し、50.17円となりました。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業利益率を重要な経営指標として位置付け、営業利益率3%の早期達成に努めております。
当連結会計年度における売上高は548億3千4百万円、営業利益は1億8千2百万円となり、営業利益率は0.3%となりました。引き続き、高収益ビジネスの創出と販管費の削減に努め、当該指標の改善に邁進していく所存です。
c.経営戦略の現状と見通し
わが国経済は、人手不足の深刻化による人件費負担の増加など企業の収益を下押しする圧力がある反面、内外需要が堅調に拡大するなか、雇用所得環境の改善や人手不足を背景とした合理化、省力化を目的とする設備投資も増加基調であり、企業業績は堅調に推移することと、米国をはじめとする海外経済の成長や世界的な設備投資意欲の改善により、回復基調が持続するものと思われます。しかしながら、米国政権が、保護主義や排外主義を強めることにより米国経済が失速し、それを引き金に金融市場が不安定な動きとなり、世界経済を減速させ、わが国の景気を下押しするリスクが懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続くことが予想されます。
このような状況に対しまして当社では、第84期より中期経営計画「GP2020(Growing Profit 2020)」をスタートし、これまで培ってきた技術とサービス、そして私たちの夢を結集し、グループ総合力で事業拡大を図るため、お客様に密着した営業活動をより一層強化するとともに、広範な顧客基盤を活かし、収益機会の拡大を図ってまいります。
新規事業の構築にあたっては、部門横断的な組織である事業戦略本部を中心に、当社グループの設計力、営業力を活かして、ロボット、介護ヘルスケア、自動車、エネルギー市場を攻略するためハードウェア・ソフトウェア・コンテンツ・サービスの提供を図ってまいります。
商事部門では、車載等の成長分野に対する新事業への推進力強化を目的に、事業開発部を新設し、新規顧客の開拓、新商材の発掘、高付加価値商品の発掘、新ビジネスの展開をより一層強化し、国内外の事業拡大を推進してまいります。また、FAシステムならびに環境ビジネス分野など今後の成長が見込まれる事業により一層注力してまいります。
ICT部門では、自主事業強化のため、建設・食品・流通業等における現場系ソリューションメニューの拡大やロボットビジネスの本格立ち上げ、更に商事部門と連携した環境関連システムの受注拡大を図り、受託事業における安定した受注量の確保を推進してまいります。また、人材育成の強化、品質向上を推進し、事業基盤の安定と利益の拡大を図ってまいります。
製造部門では、収益力の改善が喫緊の課題です。そのため、相模原・福島両工場における生産管理を含めた管理業務の強化、品質および生産性の更なる向上ならびに安定的な受注確保に向け、営業体制及び生産体制の見直しを図ってまいります。
更に、財務体質の改善、組織機構や社内諸制度の改革等を継続して推進するとともに、当社グループ間の連携や技術支援はもとより、主要取引先との連携強化に努めてまいります。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
<キャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローでは、1億5千8百万円の資金の減少となりました。これは資金の減少要因である売上債権の増加11億8千2百万円、たな卸資産の増加4億4百万円等が、資金の増加要因である減価償却費5億3千1百万円、仕入債務の増加9億2千9百万円等を上回ったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、7千9百万円の資金の減少となりました。これは主に固定資産の取得等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、3千9百万円の資金の増加となりました。これは主に借入れによる収入等によるものです。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期の31億5千6百万円から1億9千5百万円減少し、29億6千万円となりました。
<資金需要>当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商事部門における仕入から回収までの資金立替、製造部門における設備投資、材料等の購入及び製造費、全社の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。長期の資金需要については、主としてプリント製造に係わる合理化投資及び設備の更新・増設投資を中心に発生いたします。
<財務政策>当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金や借入金、社債を中心に資金調達することとし、海外現地法人を除いては、当社にて一括調達しております。このうち、運転資金については原則として短期借入金で調達し、金融情勢によっては一部を長期資金へシフトしており、また、生産設備などの長期資金は借入金により調達を行っております。平成30年3月31日現在、短期借入金33億7千万円、長期借入金(一年以内に返済の長期借入金含む)63億9千1百万円から構成されております。
当社グループは、健全な財政状態の維持改善、営業活動によるキャッシュ・フローの捻出、未使用のコミットメント・ライン枠27億5千万円及び未使用の借入枠82億4千4百万円を有することにより、当社グループが将来の成長に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが充分可能と考えております。