四半期報告書-第88期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 13:01
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39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言等の解除並びにワクチン接種が進展したことにより、個人消費は持ち直しの動きが見られました。一方、企業においては、東南アジアでの新型コロナウイルス感染症の再拡大により部品材料等の供給が滞り入手難の状況が続き、自動車をはじめとする製造業の生産活動に影響を及ぼしましたが、テレワークなどの情報化投資や第5世代移動通信(5G)向けの半導体製造装置向けを中心に設備投資は、緩やかな持ち直しとなり、景気は緩やかな回復傾向で推移いたしました。また、海外においては、ワクチン接種が広がり経済環境が改善しつつありますが、中国においては電力の供給制限が生産活動に影響を及ぼすとともに、各国で新型コロナウイルス感染症の変異株が拡大しはじめるなど、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、デジタル化やネットワーク化が急速に進展するとともに経済活動の正常化に向けて、自動車、工作機械、家電等向けで、今後の生産増加に備えた在庫積み増しのための半導体デバイス品の需要増加が継続するとともに半導体デバイス品を生産する機械装置の設備投資が進みました。一方、半導体デバイス品をはじめとする部品材料等の供給が不足していることで、各社の生産計画やサプライチェーンに影響が生じております。
このような環境のなか、当社グループは、3か年中期経営計画の2年目にあたり目標達成に向けた各施策を実行するとともに、グループ内管理系業務の集約並びに東京地区のオフィス統合等による販売管理費の圧縮策を進めるなど、様々な角度から利益創出に向けた取り組みを実施しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は419億1千7百万円、前年同期に比べて11.1%の増収、営業利益は8億4千7百万円(前年同期営業損失1億5千7百万円)、経常利益は9億3千8百万円(前年同期経常損失1億2百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億5千7百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益2千7百万円)という成績になりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体デバイス事業)
・売上高269億9百万円(前年同期比14.7%増)
・営業利益12億1千4百万円(前年同期比82.5%増)

半導体デバイス事業においては、自動車メーカーにおいて、世界的な半導体不足による生産調整が続いているものの、売上面は、中国を中心に景気が回復したことにより、車載、産業機器向けのパワー半導体、メモリ、金属材料等が順調に推移いたしました。しかしながら、部材の高騰、東南アジアを中心とする海外仕入先の生産停止により半導体不足が継続しているため、製品確保が難しい状況となっております。利益面は、売上面が順調であったことと利益率が改善したことにより、順調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
半導体デバイスは、北米、中国、国内ともに新車販売台数が、世界的な半導体不足により減少傾向で推移いたしましたが、自動車関連向け並びに危険運転対策用車載機器装置向けの需要が底堅く推移したため、順調に推移いたしました。
白物家電関連は、巣ごもり需要の一服感により、空調機向けが減少傾向で推移し、国内、中国向けともに、インバータ用パワー半導体は、堅調に推移いたしました。
産業機関連は、半導体製造装置向けにおいて、5G関連機器向け等での需要増加によりアナログ、パワー半導体が、順調に推移いたしました。
金属材料関連は、銅建値が高値圏で推移していることにより、売上増加の要因となり、順調に推移いたしました。
IC設計は、国内のアナログ設計者不足が解消されず、パワーデバイス向けの開発案件や車載向けテスト案件の受託開発需要が高く、順調に推移いたしました。
(プリント配線板事業)
・売上高51億2千3百万円(前年同期比7.3%減)
・営業損失8千7百万円(前年同期営業損失1億6百万円)

プリント配線板事業においては、中国基板メーカーと連携して行っている海外基板ビジネスは、順調に推移いたしました。自社製基板ビジネスは、受注面は順調に推移いたしました。生産面は、基板材料等の納期長期化が継続していること、度重なる材料の値上げもあり、国内工場での生産効率の改善が遅れたことにより、全体として営業損失となりました。
事業の詳細は以下のとおりです。
車載向け基板は、半導体不足による自動車メーカーでの生産調整は徐々に解消に向かっていることにより、メタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注は順調に推移いたしました。
民生向け薄板基板は、電子精密機器の需要低下により、受注は低調に推移いたしました。
産業機向け基板は、各種ロボット制御向け基板の受注が好調に推移いたしました。
海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、リジット基板では、車載メーカーの生産調整により受注面に一部影響がありましたが、他社からの転注もあり、順調に推移いたしました。
フレキシブル基板は、新製品への移行時期が延伸したため、電子玩具向けは低調に推移いたしました。
(産業機器システム事業)
・売上高71億9千2百万円(前年同期比23.1%増)
・営業利益5億6千6百万円(前年同期比91.3%増)

産業機器システム事業においては、産業メカトロニクスにおいて、第3四半期に入り主要客先での設備投資に一時的に慎重さが見られましたが、売上面、利益面とも昨年に比べ好調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
産業メカトロニクスは、第3四半期に入り主要客先からの加工装置・自動化システムの大型設備案件の需要に、一時的な慎重さが見られたため受注面は、やや苦戦しましたが、売上・利益面は全般に、順調に推移いたしました。
FA機器は、製品構成部材の材料不足により製品確保が難しい状況が続いていますが、半導体製造装置向けの5G、IoT等関連の需要増加により、堅調に推移いたしました。
施設向け設備は、空調冷熱では、製品構成部材の材料不足等により受注減となり、低調に推移いたしました。
3Dプリンタは、消耗品、保守等のストックビジネスが底堅く推移したことにより、好調に推移いたしました。
制御装置は、通信制御装置の受注により、堅調に推移いたしました。
(システム開発事業)
・売上高25億5千9百万円(前年同期比7.1%減)
・営業利益2億9千7百万円(前年同期比169.3%増)

システム開発事業においては、売上面は、堅調に推移いたしました。利益面は生産性向上による利益率改善等もあり、順調に推移いたしましたが、商談案件の期ずれ等があり、受注面は伸び悩みました。
なお、システム開発事業では、9月及び3月に売上高及び利益の計上が集中する傾向にあります。これは従来からの業界傾向であります。
事業の詳細は以下のとおりです。
受託開発は、電力関連向けにおいては、既存システムの保守・改良案件並びにリプレース案件により、順調に推移いたしました。また、鉄道関連向けなどの受託関連も概ね順調に推移いたしました。
受注ソリューションは、FAX送受信の代行サービス及びFAX受注支援サービスでの新規顧客での運用が開始されたことにより、順調に推移いたしました。
ビジネス系ソリューションは、大型案件の受注により受注面は好調に推移いたしました。
建設関連は、パッケージ販売においては、前年並みに推移いたしましたが、ソリューション案件は、建設資材等が高騰していることもあり、建設業界全般の市況が不透明なため、商談の長期化等もあり、低調に推移いたしました。
(その他)
・売上高3億5千1百万円(前年同期比16.4%増)
・営業利益1千8百万円(前年同期営業損失1千1百万円)

協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命筏等整備事業は、受注が低調に推移いたしました。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて14億4百万円増加し、356億2千5百万円となりました。
・流動資産は、電子記録債権7億7千2百万円の増加、現金及び預金6億1千7百万円の増加、仕掛品3億1千5百万円の増加、商品及び製品2億7千6百万円の増加、受取手形及び売掛金9億1千2百万円の減少等により、10億5千1百万円増加し、284億2千7百万円となりました。
・固定資産は、無形固定資産1億8千4百万円の増加、投資有価証券1億1千3百万円の増加、有形固定資産1億4百万円の増加等により、3億5千3百万円増加し、71億9千8百万円となりました。
・流動負債は、1年内返済予定の長期借入金9億2千8百万円の増加、支払手形及び買掛金9億8百万円の増加、短期借入金6億7千9百万円の増加、電子記録債務5億3千3百万円の増加、賞与引当金3億5千4百万円の減少等により、32億2千9百万円増加し、188億4千8百万円となりました。
・固定負債は、長期借入金20億9千3百万円の減少等により、25億6千4百万円減少し、28億6千7百万円となりました。
この結果、純資産は、7億3千9百万円増加し、139億8百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の38.5%から0.5ポイント増加し、39.0%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、1千5百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループは、当社連結子会社であります協栄サーキットテクノロジ株式会社の相模原工場のプリント配線板製造事業を福島工場へ集約し、相模原工場を閉鎖いたしました。
これに伴い、プリント配線板事業の従業員数は前連結会計年度末に比べ80名減少しております。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。