四半期報告書-第88期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

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2021/08/11 13:01
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38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、個人消費は一進一退の状況が続くなか、景気の先行きに対する不透明感は強いものの、企業において生産活動や業績が持ち直すなかで、テレワークなどの情報化投資や第5世代移動通信(5G)向けの半導体製造装置向けを中心に、設備投資は緩やかな持ち直しとなり、景気は緩やかな回復傾向で推移いたしました。また、海外においては、いち早く経済活動が再開された中国では堅調な景気の拡大がつづくとともに、各国でのワクチン接種の広まりにより、米国をはじめとする海外経済は回復傾向で推移いたしました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大は変異型の発生等により依然として終息の見通しが立っておらず、先行きは極めて不透明な状況が続いています。
当社グループを取り巻く環境は、世界的な半導体デバイス品不足のなか、デジタル化やネットワーク化が急速に進展することにより、自動車、工作機械、家電等への半導体デバイス品の需要増加をはじめ、半導体デバイス品を生産する機械装置の需要増加が見込まれる一方、これら市場に対する競争環境はより一層激化をしております。
このような環境のなか、当社グループは、3か年中期経営計画の2年目にあたり目標達成に向けた各施策を実行するとともに、経費削減などをはじめ、様々な角度から利益創出に向けた取り組みを実施しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は135億4千4百万円、前年同期に比べて7.8%の増収、営業利益は1億7千5百万円、前年同期に比べて66.6%の増益、経常利益は2億5千4百万円、前年同期に比べて96.6%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億6千4百万円、前年同期に比べて248.4%の増益という成績になりました。
また、当社の近年の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、回収可能性のある部分について繰延税金資産を計上することとし、当第1四半期連結累計期間において法人税等調整額△1億1千8百万円(△は益)を計上したため、親会社株主に帰属する四半期純利益が増加しております。
なお、回収可能性があると判断された金額は繰延税金負債の金額よりも少額であるため、相殺して表示した結果、繰延税金資産に計上しておりません。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体デバイス事業)
・売上高86億1千8百万円(前年同期比0.4%減)
・営業利益3億9千万円(前年同期比17.3%減)

半導体デバイス事業においては、中国を中心に景気が急速に回復したことにより、自動車、産業機器、民生市場向けのパワー半導体、メモリ、金属材料等の販売が好調に推移いたしました。しかしながら、部材の高騰、新型コロナウイルス感染症の拡大による海外仕入先の生産停止により半導体不足が深刻化しているため、製品確保が難しい状況となっています。利益面は、前年同期でのリベートなどによる一部商品の利益率上昇といった特殊要因が減少したこと等により、弱含みました。
事業の詳細は以下のとおりです。
半導体デバイスは、新車販売台数が、日本、北米、欧州ともに増加したことにより、自動車関連向け半導体が堅調に推移いたしました。
白物家電関連は、空調機向けにおいて、中国向けは鈍化傾向で推移いたしましたが、国内向けの巣ごもり需要が続いたことで、インバータ用パワー半導体が堅調に推移いたしました。
産業機関連は、半導体製造装置向けにおいて、5G関連機器向け等での需要増加により、アナログ、パワー半導体が好調に推移いたしました。
金属材料事業は、銅建値が高値圏で推移したことにより、売上増加の要因となり、順調に推移いたしました。
IC設計は、国内のアナログ設計者不足により、パワーデバイス向けの開発案件や車載向けテスト案件の需要が高く、順調に推移いたしました。
(プリント配線板事業)
・売上高15億6千5百万円(前年同期比13.3%減)
・営業損失7千9百万円(前年同期営業利益4千6百万円)

プリント配線板事業においては、中国基板メーカーと連携して行っている海外基板ビジネスは、電子玩具向けの新製品への移行が遅れたことにより低調でしたが、車載向けは、堅調に推移いたしました。自社製基板ビジネスは、中国市場を中心に、回復基調となり車載向け、産業機向けの受注が順調に推移いたしましたが、9月末に予定する相模原工場の閉鎖並びに福島工場への生産集約へ向けた準備において、コロナ禍の影響もあって負荷が増えたことから、国内工場での生産効率が低下いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
車載向け基板は、半導体不足による自動車メーカーでの生産調整もありましたが、メタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注は、順調に推移いたしました。
民生向け薄板基板は、巣ごもり需要から高価格帯に回復の兆しもありますが、インバウンド需要の低下による電子機器の消費低迷により、受注は低調に推移いたしました。
産業機向け基板は、各種ロボット制御向け基板の受注が、順調に推移いたしました。
アミューズメント向け基板は、オリンピック・パラリンピックを前に新台の動きが低調であったこととリユース品が増加傾向であったことで需要が低迷し、受注は低調に推移いたしました。
海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、リジット基板では、車載向けが堅調に推移いたしましたが、フレキシブル基板は、新製品への移行が遅れたことにより、電子玩具向けは低調に推移いたしました。
(産業機器システム事業)
・売上高26億2千3百万円(前年同期比89.4%増)
・営業利益2億4千3百万円(前年同期営業損失1千6百万円)

産業機器システム事業においては、半導体製造装置等の需要増加により産業メカトロニクス分野、FA機器分野が牽引し、好調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
産業メカトロニクスは、主要客先からの加工装置・自動化システムの大型設備投資案件があり、好調に推移いたしました。
FA機器は、半導体製造装置向けのパソコン及び5G関連の需要増加により、その他産業用向け機器販売の落ち込みをカバーし、順調に推移いたしました。
施設向け設備は、空調冷熱設備で、堅調に推移いたしましたが、省エネ設備の需要が低調に推移したため、全体では低調に推移いたしました。
3Dプリンタは、新型コロナウイルス感染症等の影響による新規設備投資抑制から、商談成約に苦戦いたしました。
(システム開発事業)
・売上高6億6千1百万円(前年同期比2.6%増)
・営業損失1千万円(前年同期営業損失5千2百万円)

システム開発事業においては、総じて堅調に推移いたしました。
なお、システム開発事業では、9月及び3月に売上高及び利益の計上が集中する傾向にあります。これは従来からの業界傾向であります。
事業の詳細は以下のとおりです。
受託開発は、電力関連向け、自動車関連向けともに既存システム保守・改良案件の受注等により、堅調に推移いたしました。
建設関連は、パッケージ販売においては、オンラインセミナー等の積極的展開により商談件数が増加したことにより、堅調に推移いたしました。
受注ソリューションは、FAX送受信の代行サービス及びFAX受注支援サービスでの新規顧客獲得により、順調に推移いたしました。
ビジネス系ソリューション及び組込ソリューションは、受注の遅れ等により、弱含みで推移いたしました。
(その他)
・売上高1億4千2百万円(前年同期比0.9%増)
・営業利益2千万円(前年同期比54.2%増)

協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命筏等整備事業は、受注が順調に推移いたしました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3千6百万円減少し、341億8千3百万円となりました。
・流動資産は、受取手形及び売掛金3億7千4百万円の減少、商品及び製品3億4千2百万円の減少、仕掛品3億7千万円の増加、電子記録債権2億3千8百万円の増加等により、1億1千8百万円減少し、272億5千7百万円となりました。
・固定資産は、投資有価証券6千万円の増加等により、8千1百万円増加し、69億2千6百万円となりました。
・流動負債は、短期借入金11億3千4百万円の増加、電子記録債務1億5千6百万円の増加、支払手形及び買掛金9億1千5百万円の減少、賞与引当金3億4千2百万円の減少等により、9千2百万円増加し、157億1千1百万円となりました。
・固定負債は、長期借入金3億2千1百万円の減少等により、4億2千8百万円減少し、50億4百万円となりました。
この結果、純資産は、2億9千9百万円増加し、134億6千8百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の38.5%から0.9ポイント増加し、39.4%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、8百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、システム開発事業の受注実績が著しく減少し、プリント配線板事業の受注実績が著しく増加しております。
システム開発事業は、受注高が8億9百万円(前年同期比48.2%減)、生産高が10億4千2百万円(前年同期比12.6%増)となっております。受注高の主な減少要因は、前期に大型開発案件の受注があり、前年同期の受注高が15億6千2百万円であったことによるものです。
プリント配線板事業は、中国市場を中心に回復基調となり、車載向け、産業機向けの受注が順調に推移したためで、受注高が14億2千3百万円(前年同期比43.7%増)、生産高が16億9千1百万円(前年同期比0.1%減)となっております。
また、当第1四半期連結累計期間において、産業機器システム事業の販売実績が著しく増加しております。詳細については、「(1)財政状態及び経営成績の状況 ①経営成績の状況」をご参照ください。