有価証券報告書-第86期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 13:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
153項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続きましたが、消費税増税や米中貿易摩擦問題の先鋭化などから不透明感が増加し、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大による中国経済の減速を受けて輸出や製造業における設備投資が大幅に減少し始めるなど急速に悪化し始めました。
また、海外においては、米国経済が、2019年内は個人消費に支えられて底堅く推移いたしましたが、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大による世界各地でのサプライチェーンの分断や生産活動の停止を受け、中国経済はもとより世界経済全体が急速に悪化いたしました。新型コロナウイルスの感染拡大は依然として終息の見通しが立っておらず、先行きは極めて不透明な状況が続いています。
このような情勢の下で、当社グループが持つそれぞれの機能の融合と、グループ間及び部門間相互の連携により、顧客ニーズに対する速やかな対応や積極的な営業活動の推進を図るなど、収益向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は579億7千万円、前期に比べて0.8%の増収、営業利益は、人件費の増加や連結子会社である KYOEI ELECTRONICS HONG KONG LIMITED において、本年4月に回収が困難となる可能性が生じた債権への引当処理を含めて、9千3百万円を貸倒引当金に計上したことから販売費及び一般管理費が増加したものの、売上利益率が改善をしたことから、3億6千3百万円、前期に比べて26.0%の増益、経常利益は3億1千9百万円、前期に比べて27.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、プリント配線板事業の収益力向上を図るため、主に連結子会社の協栄サーキットテクノロジ株式会社相模原工場が使用している土地を売却し、その売却益を特別利益に計上いたしましたが、特別損失として相模原工場閉鎖に伴う固定資産の減損損失3億6千4百万円と工場解体費用及び土壌改良費用3億8千万円並びに従業員に係る特別退職金1億1千万円などの事業構造改善引当金繰入額を計上したこと、ルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約解消に伴う拠点閉鎖等にかかる費用3千9百万円を計上したこと、また、今般の新型コロナウイルスの感染拡大による販売や生産における影響など、今後の事業環境も踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、8千4百万円の繰延税金資産の取崩を行ったこと並びに相模原工場土地売却に係る税金費用の増加もあり、2億4千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億8千5百万円)という成績になりました。
当連結会計年度のセグメントの概況は次のとおりです。
(商事部門)
・売上高435億5千1百万円(前期比0.7%減)
・営業利益7億7千2百万円(前期比14.9%増)

商事部門においては、売上高は、前年並みで推移いたしました。利益面は、FA・環境システム事業での電子部品向け部材用加工機関連等が伸長し、順調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<半導体デバイス事業>半導体分野では、自動車関連は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国内向け及び北米向け、中国向けともに取引先における生産調整の動きが始まりましたが、部品納入への影響は緩やかなものであったため、総じて順調に推移いたしました。また、車載機器装置向けは、危険運転対策への意識の高まりにより、引き続き市場が拡大し、順調に推移いたしました。
白物家電関連では、空調機は、国内向けは順調に推移いたしましたが、中国向けは低調に推移いたしました。
産業機関連では、中国経済の減速を受け、工作機械向けは低調に推移いたしましたが、半導体製造装置向けは、受注が回復傾向となり、順調に推移いたしました。
産業メカトロニクス分野では、中国経済の減速を受け市場全体は弱含みましたが、主要取引先の半導体製造装置メーカー等において、積極的な設備投資があり、電子部品向け部材用加工機関連等は、順調に推移いたしました。
FA機器分野では、半導体製造装置メーカーに対する積極的な受注活動及び主要仕入先との連携による拡販活動もあり、堅調に推移いたしました。
3Dプリンタビジネス分野では、リプレース案件の受注及び二次店連携による保守・消耗品ビジネスの増加により、順調に推移いたしました。
環境ビジネス分野は、太陽光発電等の省エネ関連及び冷熱機器関連ともに、低調に推移いたしました。
<その他>協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命いかだの整備サービス事業は、低調に推移いたしました。
(ICT部門)
・売上高58億9千8百万円(前期比8.6%減)
・営業利益7億1百万円(前期比17.2%減)

ICT部門においては、売上高は、堅調に推移いたしましたが、利益面は、受託開発において、好調であった昨年と比較すると電力関連向けが、低調に推移したため、総じてやや堅調に推移いたしました。
事業別の詳細は以下のとおりです。
<ビジネスソリューション事業>ビジネスソリューション事業は、総じて堅調に推移いたしました。
エンドユーザー向け提案型システム開発は、建設関連での大型リプレース案件並びに既存ユーザーからの開発案件の受注があり、好調に推移いたしました。
サービス提供型ビジネスは、FACE(FAX送受信の代行サービス)において、新規顧客による運用開始並びに既存ユーザーの利用拡大もあり、順調に推移いたしました。
パッケージソフト販売は、新製品のBIM対応積算システム「FKS SecondStage」のリリースにより商談が増加し、堅調に推移いたしました。(※)
受託ソフト開発は、好調であった昨年と比較すると電力関連向けが、低調に推移いたしました。
※ BIMとは、Building Information Modelingの略
<エンベデッドシステム事業>エンベデッドシステム事業は、総じて順調に推移いたしました。
特定用途向け専用装置販売は、通信制御装置及び搬送ロボット案件の受注により、好調に推移いたしました。
エンドユーザー向けシステム開発は、受注に苦戦し、堅調に推移いたしました。
受託開発は、運輸交通関連等のシステム開発の受注により、順調に推移いたしました。
IC設計事業は、主要顧客からの受注が一部弱含みましたが、新規受注活動により、総じて堅調に推移いたしました。
(製造部門)
・売上高86億6千8百万円(前期比19.2%増)
・営業利益3億2百万円(前期営業利益2百万円)

製造部門においては、車載向け特殊基板を中心に受注が伸長し、売上高は順調に推移いたしましたが、利益面では、一部基板の歩留りの改善が進まなかったことと労務費等の原価上昇分を吸収しきれず、低調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
<プリント配線板事業>車載向け基板は、メタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注が引き続き伸長し、順調に推移いたしましたが、通信基地局向けモジュール基板の受注は、低調に推移いたしました。
海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、新型コロナウイルス感染拡大により、連携している中国基板メーカーの稼働率が一時低下をいたしましたが、順次稼働率が上昇したことで、当社を介しての他基板メーカーからの転注案件もあったことと、パソコン及びアミューズメント向けフレキシブル基板の受注が伸長したこともあり、好調に推移いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ12億3千6百万円減少し、21億7千9百万円(前期は34億1千5百万円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は10億7千9百万円(前期は7億9千2百万円の増加)となりました。これは主として次の要因によるものです。
資金増加要因:減価償却費
事業構造改善引当金の増加
減損損失
たな卸資産の減少
4億1千4百万円
5億2千4百万円
3億7千8百万円
6億2千3百万円
資金減少要因:再整備費用引当金の減少
有形固定資産売却益
仕入債務の減少
3億6千5百万円
9億2千万円
15億7千万円

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は8億1千8百万円(前期は2億1千万円の増加)となりました。これは主として有形固定資産の売却による収入等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は9億6千5百万円(前期は5億3千5百万円の減少)となりました。これは主として借入金の返済による支出等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、生産実績中、商事部門の生産実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの生産実績であります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
商事部門(千円)361,00564.7
ICT部門(千円)5,761,33688.0
製造部門(千円)7,878,248122.0
合計(千円)14,000,590103.2

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、セグメント間の内部取引高にかかる生産高が含まれております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
商事部門の一部及びICT部門、製造部門については受注生産を行っており、これらの当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、受注実績中、商事部門の受注実績は、技術商社として、商事部門内にマイコンソフト開発に係る製造部門を有しており、これの受注実績であります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
商事部門383,96765.522,376114.4
ICT部門5,706,89391.01,277,92096.7
製造部門7,919,095125.92,389,491113.1
合計14,009,956106.63,689,788106.8

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
商事部門(千円)43,551,98399.3
ICT部門(千円)5,898,44191.4
製造部門(千円)8,668,008119.2
計(千円)58,118,434100.9
消去又は全社(千円)△147,463-
合計(千円)57,970,970100.8

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.概況
当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続きましたが、消費税増税や米中貿易摩擦問題の先鋭化などから不透明感が増加し、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大による中国経済の減速を受けて輸出や製造業における設備投資が大幅に減少し始めるなど急速に悪化し始めました。また、海外においては、米国経済が、2019年内は個人消費に支えられて底堅く推移いたしましたが、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大による世界各地でのサプライチェーンの分断や生産活動の停止を受け、中国経済はもとより世界経済全体が急速に悪化いたしました。新型コロナウイルスの感染拡大は依然として終息の見通しが立っておらず、先行きは極めて不透明な状況が続いています。
<売上高>売上高は、前期に比べて0.8%増収の579億7千万円となりました。商事部門では、2019年12月末を以てルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約を解消いたしましたが、当期への影響は軽微であり、前期に比べて0.7%減収の435億5千1百万円、ICT部門では、電力関連向けが低調に推移したため、前期に比べて8.6%減収の58億9千8百万円、製造部門では、中国基板メーカーと連携した基板ビジネスが好調に推移したため、前期に比べて19.2%増収の86億6千8百万円となりました。
また、国内の売上高は、前期に比べて4.1%増収の445億9千4百万円となりました。海外売上高は、半導体デバイス事業において中国の空調機向けが低調に推移したこと等により8.9%減収の133億7千6百万円となり、海外売上高の連結売上高に占める比率は23.1%(前期25.5%)となりました。
<売上総利益>売上総利益は、前期の69億5千4百万円に対し、8.5%増益の75億4千6百万円となりました。商事部門と製造部門において売上総利益率の改善等が見られたことから、売上総利益率は13.0%(前期12.1%)へと改善しました。
<販売費及び一般管理費>販売費及び一般管理費は、前期に比べて7.8%、5億1千6百万円増加し、71億8千2百万円となりました。これは、人材確保のため給与体系を見直した影響で人件費が増加したこと、連結子会社である KYOEI ELECTRONICS HONG KONG LIMITED において、本年4月に回収が困難となる可能性が生じた債権への引当処理を含めて、9千3百万円を貸倒引当金に計上したこと等によるものです。
<営業利益>営業利益は、前期の2億8千8百万円に対し、26.0%増益の3億6千3百万円となりました。これは、ICT部門の受託開発において、好調であった昨年と比較すると電力関連向けが、低調に推移したものの、商事部門のFA・環境システム事業において、電子部品向け部材用加工機関連等が伸長し、順調に推移したことと、製造部門において、車載向け特殊基板の受注が伸長するとともに、海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスが拡大し、総じて順調に推移したことによるものです。
<特別利益>特別利益は、前期の1億7千3百万円に対し7億7千7百万円増加し、9億5千万円となりました。これは、連結子会社の協栄サーキットテクノロジ株式会社相模原工場が使用している土地を売却したため、固定資産売却益9億2千万円を計上したこと等によるものです。
<特別損失>特別損失は、前期の6億6千8百万円に対し3億2千2百万円増加し、9億9千1百万円となりました。これは、相模原工場閉鎖に伴う事業構造改善引当金繰入額4億9千万円、減損損失3億6千4百万円を計上したこと、ルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約解消に伴う内外拠点網の見直し等により、事業構造改善引当金繰入額3千3百万円を計上したこと等によるものです。
<税金等調整前当期純利益>以上を受けて、前期の2億4千5百万円の税金等調整前当期純損失に対し、5億2千4百万円増加し、2億7千8百万円の税金等調整前当期純利益となりました。
<親会社株主に帰属する当期純損失>親会社株主に帰属する当期純損失は、前期の3億8千5百万円に対し、2億4千1百万円となりました。これは、今般の新型コロナウイルスの感染拡大による販売や生産における影響など、今後の事業環境も踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、8千4百万円の繰延税金資産の取崩を行ったこと並びに相模原工場土地売却に係る税金費用が増加したこと等によるものです。1株当たりの当期純損失は、前期の126.33円に対し、79.20円となりました。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業利益率を重要な経営指標として位置付け、営業利益率3%の早期達成に努めております。
当連結会計年度における売上高は579億7千万円、営業利益は3億6千3百万円となり、営業利益率は0.6%となりました。引き続き、高収益ビジネスの創出と販管費の削減に努め、当該指標の改善に邁進していく所存です。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
<キャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローでは、10億7千9百万円の資金の減少となりました。これは連結子会社での法定船用品(救命設備)の再整備費用として計上した再整備費用引当金の減少3億6千5百万円、有形固定資産売却益9億2千万円、仕入債務の減少15億7千万円等が、資金の増加要因である減価償却費4億1千4百万円、相模原工場及び拠点閉鎖等に係る事業構造改善引当金の増加5億2千4百万円、減損損失3億7千8百万円、たな卸資産の減少6億2千3百万円等を上回ったことによるものです。なお、仕入債務の減少(15億7千万円)の中には、前連結会計年度の末日が休日であったことによる休日要因が14億円程度含まれております。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、8億1千8百万円の資金の増加となりました。これは主に相模原工場の土地の売却益9億2千万円等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、9億6千5百万円の資金の減少となりました。これは主に借入金の返済による支出等によるものです。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期の34億1千5百万円から12億3千6百万円減少し、21億7千9百万円となりました。
<資金需要>当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商事部門における仕入から回収までの資金立替、製造部門における設備投資、材料等の購入及び製造費、全社の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告宣伝費、販売促進費等のマーケティング費用です。長期の資金需要については、主としてプリント製造に係わる合理化投資及び設備の更新・増設投資を中心に発生いたします。なお、連結売上高の18.5%(2020年3月期)を占めるルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約を解消したことにより資金立替が減少する見込みです。
<財務政策>当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金や借入金、社債を中心に資金調達することとし、海外現地法人を除いては、当社にて一括調達しております。このうち、運転資金については原則として短期借入金で調達し、金融情勢によっては一部を長期資金へシフトしており、また、生産設備などの長期資金は借入金により調達を行っております。2020年3月31日現在、短期借入金39億6百万円、長期借入金(一年以内に返済の長期借入金含む)49億1千7百万円から構成されております。
当社グループは、健全な財政状態の維持改善、営業活動によるキャッシュ・フローの捻出、未使用のコミットメント・ライン枠22億5千万円及び未使用の借入枠83億1千4百万円を有することにより、当社グループが将来の成長に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが充分可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは連結財務諸表に記載されている資産・負債の額及び偶発負債の開示額、並びに収益・費用の額などに影響を与える可能性のある見積り及び前提条件を使用しております。
当社グループは、その見積りと判断を、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要素に基づいて行っており、これらは、資産及び負債の帳簿価額あるいは収益・費用の額についての判断の基礎を形成しております。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
a.投資有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式を所有しております。これらの大半は市場価格のある公開会社の株式で、一部に時価相場のない非公開会社の株式が含まれます。当社グループは公開会社の株式への投資の場合、期末における株価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%下落した場合には、当社取扱い要領に基づき、個別銘柄毎の株価推移等から株価の回復可能性を判断して減損処理を行っております。株式市況悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金について
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権管理につきましては最善の注意をはらっておりますが、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
c.退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下や運用利回りの悪化がある場合は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。