四半期報告書-第89期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/10 13:03
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、海外のサプライチェーンの混乱などを背景に自動車をはじめとする製造業の生産制約が再び強まるとともに、資源価格上昇による部材の高騰や半導体デバイス部品などの入手難が続くなか、急激な円安ドル高などの不安定要素が顕在化しました。一方、設備投資は、先進物流施設などの建設投資、脱炭素に向けた環境対応投資、第5世代移動通信(5G)向けの半導体製造装置向けが下支えとなり、緩やかな持ち直しとなり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
また、海外においては、中国では、ゼロコロナ政策による都市封鎖が解除されるなど、多くの都市で活動制限が緩和されたこともあり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、ウクライナ情勢など地政学リスクが、資源価格の更なる上昇を招く恐れがあるほか、自動車の生産制約の一段の深刻化や長期化が懸念されるなど、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、デジタル化やネットワーク化が急速に進展することで、半導体デバイス品、これらを生産する機械装置の需要は底堅いものがある一方、サプライチェーンの混乱などで需給バランスが不安定なこともあり今後は、一時的に需要に対する調整圧力が高まる可能性があるなど予断を許さない状態が続いております。
以上の結果、為替相場が想定に比べ円安基調で推移したことなどもあり、当第1四半期連結累計期間の売上高は143億7百万円、前年同期に比べて5.6%の増収、営業利益は3億2千7百万円、前年同期に比べて86.7%の増益、経常利益は3億7千5百万円、前年同期に比べて47.7%の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失に本社移転に関連する費用等を計上したことにより1億3千4百万円、前年同期に比べて63.1%の減益という成績になりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体デバイス事業)
・売上高97億8千2百万円(前年同期比13.5%増)
・営業利益5億9千6百万円(前年同期比52.7%増)

半導体デバイス事業においては、海外のサプライチェーンの混乱を背景に自動車や白物家電、工作機械や半導体装置関係をはじめとする製造業での生産制約が続いているとともに、ウクライナ情勢による資源価格の高騰、半導体をはじめとする部材不足が継続し、一部では製品確保が難しい状況が続いております。
売上面は、部材供給において、逼迫した状況が続いているものもありますが、総体として徐々に解消する方向で進んだことにより、順調に推移いたしました。利益面は、売上面が順調であったことと為替相場が想定に比べ円安基調で推移したことなどにより、好調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
半導体デバイスは、自動車関連では、危険運転対策用車載機器装置向けやその他装置向けの需要が底堅く推移いたしましたが、一部製品において製品確保が難しい状況が続いているため、堅調に推移いたしました。
白物家電関連は、部材不足により、空調機の生産に制約が続いていることにより、インバータ用パワー半導体の売上が、減少傾向で推移いたしました。
産業機関連は、半導体製造装置向けにおいて、5G関連機器向け等での需要増加によりアナログ、パワー半導体の受注は好調を維持しておりますが、製品確保が難しい状況が続いているため、堅調に推移いたしました。
事務機器関連は、受注拡大により、海外製メモリが好調に推移いたしました。
スマートフォン関連は、デバイス品の受注が伸長したことにより、順調に推移いたしました。
金属材料事業は、銅建値が高値圏で推移したことにより、売上増加の要因となり、順調に推移いたしました。
IC設計は、主力客先からの各種開発、テスト案件への増員要請に対し、パートナー会社活用による受注規模拡大が図れたことにより、順調に推移いたしました。
(プリント配線板事業)
・売上高15億9千8百万円(前年同期比2.1%増)
・営業損失2千1百万円(前年同期営業損失7千9百万円)

プリント配線板事業においては、中国基板メーカーと連携して行っている海外基板ビジネスは、堅調に推移いたしました。
自社製基板ビジネスは、受注面は順調に推移いたしました。生産面は、基板材料等の納期長期化が継続していること、度重なる材料の値上げとともに地震の影響で生産設備の復旧に時間を要したこともあり、国内工場での生産効率が低下し、全体として営業損失となりました。
事業の詳細は以下のとおりです。
車載向け基板は、半導体不足による自動車メーカーでの生産制約が続いているため、メタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注は堅調に推移いたしました。
民生向け薄板基板は、電子精密機器の需要低下により、受注は低調に推移いたしました。
産業機向け基板は、各種ロボット制御向けや半導体製造装置向け基板の受注が好調に推移いたしました。
海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、リジット基板では、車載メーカーでの部材不足による生産調整などもありましたが、堅調に推移いたしました。
フレキシブル基板では、電子玩具向け基板が、急激に円安が進んだことで利益確保に苦戦いたしました。
(産業機器システム事業)
・売上高22億5千7百万円(前年同期比13.9%減)
・営業利益1億5千8百万円(前年同期比35.0%減)

産業機器システム事業においては、半導体製造装置向け加工機、機器製品等の需要は旺盛なものの部材不足による納期長期化の影響等もあり、売上面、利益面とも前年同期を下回る結果となりました。
事業の詳細は以下のとおりです。
産業メカトロニクスは、主要客先からの加工装置・自動化システムの大型設備案件の受注は、堅調に推移いたしました。
FA機器は、製品構成部材の材料不足により、製品確保が難しい状況が続いておりますが、半導体製造装置向けの5G、IoT等関連の旺盛な需要増加により、堅調に推移いたしました。
施設向け設備は、空調冷熱では、北海道、東北地区からの受注が堅調に推移いたしました。
3Dプリンタは、装置本体の受注に苦戦し、低調に推移いたしました。
制御装置は、物流倉庫向け搬送ロボット案件の受注に苦戦し、低調に推移いたしました。
(システム開発事業)
・売上高5億7千万円(前年同期比13.8%減)
・営業損失5千9百万円(前年同期営業損失1千万円)

システム開発事業においては、ビジネス系で受注が低調に推移したこともあり、厳しい状況で推移いたしました。
なお、システム開発事業では、9月及び3月に売上高及び利益の計上が集中する傾向にあります。これは従来からの業界傾向であります。
事業の詳細は以下のとおりです。
受託開発は、電力関連向けにおいては、新規案件、既存システム保守・改良案件により、順調に推移いたしました。
受注ソリューションは、受注面は好調に推移いたしましたが、売上、利益ともに低調に推移いたしました。
ビジネス系ソリューションは、受注面が低調に推移いたしました。
建設関連は、ソリューション案件では、受注面は順調に推移いたしましたが、第2四半期以降の売上予定案件が多く売上、利益ともに低調に推移いたしました。
(その他)
・売上高1億5千6百万円(前年同期比10.1%増)
・営業利益1千9百万円(前年同期比6.1%減)

協栄マリンテクノロジ株式会社が行う、救命設備の販売・整備事業は、受注が堅調に推移いたしました。
なお、2022年6月18日付にて国土交通省航空局より、装備品の修理・改造の事業場認定を受けました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3億7千6百万円増加し、367億2千4百万円となりました。
・流動資産は、現金及び預金3億2千1百万円の増加、電子記録債権2億8千2百万円の増加、受取手形及び売掛金2億2千2百万円の減少等により、4億1千8百万円増加し、297億9百万円となりました。
・固定資産は、投資有価証券1億2千8百万円の減少、有形固定資産1千9百万円の増加等により、4千1百万円減少し、70億1千5百万円となりました。
・流動負債は、短期借入金20億2千2百万円の増加、未払法人税等6億7千4百万円の減少、賞与引当金5億6千5百万円の減少、1年内返済予定の長期借入金1億2千1百万円の減少等により、5億2千4百万円増加し、180億8百万円となりました。
・固定負債は、長期借入金3億円の減少等により、2億7千8百万円減少し、36億1千9百万円となりました。
この結果、純資産は、1億3千万円増加し、150億9千5百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の41.2%から0.1ポイント減少し、41.1%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、5百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、プリント配線板事業の受注実績が著しく減少しております。
これは、2021年9月に相模原事業所が閉鎖したことに加えて、民生向け薄板基板において電子精密機器の需要が低下したこと等によるもので、受注高が5億6千8百万円(前年同期比60.1%減)、生産高が15億7百万円(前年同期比10.8%減)となっております。