四半期報告書-第87期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/10 13:00
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響を受けましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に配慮しつつも、経済活動の再開が進められ、自動車産業など一部では持ち直しの動きが見られるとともに、急減していた輸出や生産が回復し始めるなど、国内外での需要回復の動きが見られました。一方で、設備投資は、企業の事業活動に制約を受けたこともあり、テレワークなどの情報化投資を除いては、新規投資に慎重さが見られるなど、総じて景気は緩やかに持ち直す動きで推移いたしました。
海外においては、中国では、いち早く経済活動が再開され回復傾向の動きが見られました。また、米国においても、感染防止のための外出自粛が消費の下押し圧力としてあるものの、テレワークの普及による電子部品の受注が増加し、緩やかに景気が回復する動きが見られました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の終息が見通せない状況が依然として続いており、経済活動への影響は予断を許さない状況となっております。
このような状況のなか、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は377億2千7百万円、前年同期に比べて11.7%の減収、営業損失は1億5千7百万円(前年同期営業利益1億4千6百万円)、経常損失は1億2百万円、(前年同期経常利益1億2千8百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2千7百万円、前年同期に比べて88.6%減という成績になりました。
また、当社の近年の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、回収可能性のある部分について繰延税金資産を計上することとし、2021年3月期第3四半期(累計)において法人税等調整額△1億8千1百万円(△は益)を計上したため、親会社株主に帰属する四半期純利益が増加しております。
なお、回収可能性があると判断された金額は繰延税金負債の金額よりも少額であるため、相殺して表示した結果、繰延税金資産に計上しておりません。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より開示セグメントの区分を変更しており、前第3四半期連結累計期間との比較は変更後の区分に基づいております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(半導体デバイス事業)
・売上高234億5千6百万円(前年同期比12.7%減)
・営業利益6億6千5百万円(前年同期比16.1%増)

半導体デバイス事業においては、売上高は、自動車関連、白物家電関連をはじめとする需要は、回復傾向で推移いたしましたが、ルネサスエレクトロニクス株式会社との特約店契約解消に伴い同社製品の取扱量が減少したことで、前年同期を下回りました。
利益面は、同社との特約店契約解消に伴う影響を受けましたが、リベートなどによる一部商品の利益率の改善及び拠点網の見直しによる固定費の圧縮並びに営業活動に一定の制約を受けたことによる交通費などの販管費の減少等の特殊要因もあり、前年同期を上回りました。
事業の詳細は以下のとおりです。
半導体デバイスは、自動車関連向け及び車載機器装置向けは、自動車産業の生産回復を受けて、中国、国内向けとも販売台数が増加したことにより、堅調に推移いたしました。
白物家電関連では、空調機向けは、一部新型コロナウイルス感染症の拡大により、やや弱含みましたが、国内向けは在宅時間増加による巣ごもり需要などもあり堅調に推移するなど、総じて回復傾向で推移いたしました。
産業機関連では、各種産業機製品向けは低調に推移いたしましたが、5G関連に伴う半導体製造装置向けの需要もあり、堅調に推移いたしました。
スマートフォン関連は、生産数量の増加に伴い、順調に推移いたしました。
IC設計は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中断されていた開発案件が動きだすなど、開発案件の増加により、堅調に推移いたしました。
(プリント配線板事業)
・売上高55億2千9百万円(前年同期比15.0%減)
・営業損失1億6百万円(前年同期営業利益1億4千7百万円)

プリント配線板事業においては、海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、パソコン、電子玩具向けが巣ごもり需要もあり、好調に推移いたしました。しかしながら、国内基板ビジネスは、自動車関連は、国内メーカー向けは、回復傾向にあるものの、海外メーカー向けの受注が低迷し、生産量が減少したことにより国内工場での生産効率が低下し、低調に推移いたしました。その結果、当事業としては、営業損失となりました。
事業の詳細は以下のとおりです。
車載向け基板は、海外メーカー向けは低調に推移いたしましたが、国内メーカー向けが回復傾向で推移したことにより、メタルコア基板、厚銅箔基板、特殊技術を活用したLED応用製品向けモジュール基板の受注は、堅調に推移いたしました。
民生向け薄板基板は、電子精密機器向けは、メーカーによる中国向けeコマース販売により、堅調に推移いたしましたが、北米・欧州向けは低調に推移いたしました。
海外で中国基板メーカーと連携して行っている基板ビジネスは、パソコン、電子玩具向けともに、総じて好調に推移いたしました。
(産業機器システム事業)
・売上高58億4千3百万円(前年同期比3.0%減)
・営業利益2億9千6百万円(前年同期比35.3%増)

産業機器システム事業においては、加工装置・自動化システムの大型設備投資案件があり、総じて順調に推移いたしました。
事業の詳細は以下のとおりです。
産業メカトロニクスは、新規設備投資の抑制、延期等もありましたが、主要客先からの加工装置・自動化システムの大型設備投資案件があり、好調に推移いたしました。
FA機器は、パソコン及び5G関連の需要増加に伴い、半導体製造装置向けが、堅調に推移いたしました。
3Dプリンタは、新規設備投資の抑制から、低調に推移いたしました。
環境製品は、北海道地区の新型コロナウイルス換気対策需要により空調設備関連が、順調に推移いたしました。
(システム開発事業)
・売上高27億5千5百万円(前年同期比12.2%減)
・営業利益1億1千万円(前年同期比54.8%減)

システム開発事業においては、全般に厳しい状況で推移いたしました。
なお、システム開発事業では、9月及び3月に売上高及び利益の計上が集中する傾向にあります。これは従来からの業界傾向であります。
事業の詳細は以下のとおりです。
受託開発は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による受注遅延もあり、第2四半期の落ち込みをカバーするに至らず、厳しい状況で推移いたしました。
エンドユーザー向け提案型システムは、大型開発案件の受注等もあり、全般に堅調に推移いたしました。
サービス提供型ビジネスは、クラウド関連が伸長し、順調に推移いたしました。
製品販売は、物流搬送関連において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による商談進捗の遅れもあり受注に苦戦し、低調に推移いたしました。
パッケージソフト販売は、オンラインセミナーの開催などで商談開拓を図りましたが、全般に堅調に推移するに留まりました。
(その他)
・売上高3億1百万円(前年同期比0.1%減)
・営業損失1千1百万円(前年同期営業損失3千9百万円)

協栄マリンテクノロジ株式会社が行う救命筏等整備事業は、第3四半期の受注が低調に推移したことにより営業損失となりました。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて5億9千7百万円増加し、342億5千8百万円となりました。
・流動資産は、受取手形及び売掛金13億5千2百万円の減少、電子記録債権3億8千7百万円の減少、商品及び製品2億9千5百万円の減少、現金及び預金12億3千6百万円の増加、仕掛品3億4千2百万円の増加等により、2億6千9百万円の減少し、274億2千9百万円となりました。
・固定資産は、投資有価証券6億5千3百万円の増加、有形固定資産2億2千2百万円の増加等により、8億6千6百万円増加し、68億2千8百万円となりました。
・流動負債は、支払手形及び買掛金13億5千8百万円の増加、電子記録債務5億5千3百万円の増加、未払法人税等4億1千万円の減少、1年以内返済予定の長期借入金3億5千万円の減少等により、12億6千7百万円増加し、173億1千5百万円となりました。
・固定負債は、長期借入金8億6千5百万円の減少等により、9億5千6百万円減少し、39億円となりました。
この結果、純資産は、2億8千6百万円の増加し、130億4千1百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の37.9%から0.2ポイント増加し、38.1%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、2千4百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、プリント配線板事業の受注実績が著しく減少しております。
これは車載向け基板において、海外メーカー向けの受注が低迷したためで、受注高が32億7千3百万円(前年同期比45.9%減)、生産高が47億5千1百万円(前年同期比20.3%減)となっております。