有価証券報告書-第65期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 11:30
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158項目
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国の追加関税政策により一時的に輸出企業に影響が見られたものの、旺盛なAI関連需要に牽引され、緩やかな回復基調が継続しました。
当社グループ製品の主要需要先の状況といたしましては、国内ではAI及びデータセンター分野が活況となったことにより、半導体関連では製造装置から検査工程に至るまで幅広く需要が活発となり、電子部品・デバイス関連についても概ね堅調に推移しました。自動車関連においては、HV車を中心に、量産及び部品加工で回復基調が見られました。さらに海外では、中華圏を含むアジアを中心に自動車や光学、データセンター関連向けが好調に推移しました。
このような環境の中、当社グループでは、アジャイル型開発を推進し、当期は2026年3月までに規格追加を含む新製品14型番を市場投入しました。3月には、サーメットロングネックラジアスエンドミル「CHR430R」、高硬度鋼高精度加工用2枚刃ボールエンドミル「MSBSH230」、高硬度鋼加工用4枚刃・6枚刃ラジアスエンドミル「MHDSH445R・MHDSH645R」、Mスレッドミル(めねじ用)「MMTM」を発売しました。
生産面では、売上増に伴う増産による量産効果に加えて、当社グループの小集団改善活動である「オレンジFC活動」を中心に、高精度、高品質を維持しながら効率的な生産体制を構築することにより、コスト削減を実現しました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は9,494百万円(前期比0.7%増)、営業利益は1,959百万円(同10.9%増)、経常利益は2,011百万円(同13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,442百万円(同14.0%増)となりました。
なお、KPIとして売上高経常利益率20%を目標としておりますが、当期は前期比2.3ポイント増の21.2%となり、目標を上回りました。中華圏を含むアジア地域向けの販売が好調に推移したことから売上が増加し、さらに、原材料費や労務費等は増加したものの原価低減により製造原価が抑えられたことから、売上高経常利益率が上昇しました。もう一つの目標であるROE10%につきましては、当期は増益に加え、総額13億円を超える大規模な自社株買いを実施した結果、ROEは8.0%となり、目標を下回ったものの前期より0.9ポイント改善いたしました。
製品区分別の売上高では、「エンドミル(6mm以下)」が7,635百万円(前期比1.3%増)、「エンドミル(6mm超)」が799百万円(同0.1%増)、「エンドミル(その他)」が365百万円(同15.2%減)、「その他」が694百万円(同4.8%増)となりました。
(注)報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分別の「その他」に含めております。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、資産合計が19,595百万円(前期末比346百万円減)、負債合計が1,743百万円(同217百万円増)、純資産合計が17,851百万円(同564百万円減)となりました。各資産・負債の増減要因は以下のとおりであります。
<流動資産>当連結会計年度末における流動資産の残高は13,459百万円で、前期末比332百万円、2.4%の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による現金及び預金の減少等によるものであります。
<固定資産>当連結会計年度末における固定資産の残高は6,135百万円で、前期末比14百万円、0.2%の減少となりました。これは主に、減価償却費が設備投資額を上回ったことによるものであります。
<資産合計>上記により、資産合計は前期末に比べ346百万円、1.7%減少し19,595百万円となりました。
<負債合計>当連結会計年度末における負債の残高は、1,743百万円と前期末に比べ217百万円、14.3%の増加となりました。これは主に、未払金及び未払法人税等の増加等によるものであります。
<純資産合計>当連結会計年度末における純資産の残高は17,851百万円と前期末に比べ564百万円、3.1%の減少となりました。これは主に、自己株式の取得等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。連結ベースでの現金及び現金同等物(以下(資金)という)は、前連結会計年度末と比較し、300百万円減少し、9,467百万円(前期比3.1%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,138百万円(前期比6.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,014百万円と減価償却費による資金の増加や法人税等の支払いによる資金の流出などを反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は380百万円(同3.2%減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,055百万円(同200.4%増)となりました。これは主に自己株式の取得及び配当金の支払によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分の「その他」に含めております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別の名称生産高(千円)前年同期比(%)
エンドミル(6mm以下)8,269,506△0.6
エンドミル(6mm超)799,9883.5
エンドミル(その他)216,063△5.8
その他459,379△3.3
合計9,744,937△0.5

(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
エンドミル(6mm以下)7,764,4894.6268,46192.7
エンドミル(6mm超)822,7324.239,819141.2
エンドミル(その他)405,887△6.8160,35433.9
その他704,7416.169,17218.4
合計9,697,8514.1537,80861.0

(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別の名称販売高(千円)前年同期比(%)
エンドミル(6mm以下)7,635,3361.3
エンドミル(6mm超)799,4240.1
エンドミル(その他)365,318△15.2
その他694,0114.8
合計9,494,0910.7

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社サカイ1,479,39215.71,435,78315.1

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
●経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比0.7%増加の9,494百万円、営業利益は同10.9%増加の1,959百万円となりました。
上期は米国の追加関税政策等の影響により売上、利益とも低迷しましたが、下期になって販売本数が回復し、増産に伴う量産効果と原価低減も寄与したことから、通期では前期比増収増益となりました。当連結会計年度における状況は、前項(1)に記載の通りであります。
●重要な影響を与える要因
当社グループの製品は、様々な工業製品を作る際に必要となるものであり、その需要動向は精密・微細加工を必要とする先端工業製品群の需要にリンクしております。例えば、スマートフォンや自動車といった最終製品や、これらを構成する半導体、電子部品やコネクタなどがこれに該当します。従って、当社の製品需要は世界の景気動向や先端技術製品の登場などに影響を受けます。また、直近では当社製品の素材原料であるタングステンの価格が高騰しており、原価への影響が懸念されます。
当社グループ製品の主要需要先では、国内の自動車関連は、次期も生産台数と新車開発いずれも大きな回復が見込めないことから、金型製造に必要な工具需要は横這いか、微増推移を見込んでおります。国内の半導体、電子部品関連は、AI関連のデータセンター向け電子部品や関連デバイス向けなどの底堅い需要に支えられ、引き続き安定推移が見込まれます。好調な中華、アジア圏については、地政学要因はあるものの、販売台数を伸ばしている中華圏の自動車産業等での需要拡大が期待されます。
当社グループでは、他社との差別化要因である「違い」に基づく高付加価値製品の展開を継続しており、これが利益率の維持・向上に寄与してまいりました。足元は効率的な業務体制を維持しコスト削減に努める一方、本格的な工具需要回復のタイミングに向け、高機能・高付加価値製品の品揃えの充実を図り、マーケティングを推進してまいります。なお、高騰する原料価格への対応については、3「事業等のリスク」(5)に記載の通りであります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金の主な構成要素は、製品製造のための超硬素材等の原材料費、製品製造に要する諸費用、自社の製品在庫、及び売掛金等であります。設備資金は、主に自社開発の製造設備を継続的に購入するために必要となります。当社グループは運転資金及び設備資金をすべて内部留保で賄うこととしております。
運転資金については、売上に係る決済を原則締め日の翌月応当日としており、当連結会計年度における売上債権回転期間は前期比+0.1カ月の1.8カ月であります。また、当社グループでは標準品の販売比率が高く、欠品を起こすとユーザー離れを招く可能性があるため、流通在庫に加え、一定水準の自社製品在庫を揃えておく方針を採っております。この結果、当期の棚卸資産回転期間は前期比+0.3カ月の6.6カ月となりました。設備資金につきましては、生産設備へ継続的な投資を行いつつ、必要に応じ工場建設等の大規模投資を実施しており、通常は設備投資が営業活動から得られるキャッシュ・フローを上回ることはありません。なお、当連結会計年度における設備投資は、前期比375百万円増加し、486百万円となりました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債及び収益、費用の各報告数値に影響を与える見積り計算に際しては、過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理性ある前提と計算方法に基づき算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。損益実績や事業計画に基づき検討を行いますが、市場環境の変化や事業計画の前提条件に変更が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、計上した繰延税金資産について、発生要因別に一時差異の予想解消時期をスケジューリングし、これに将来の課税所得の見積りを適用してその回収可能性の検討を行っており、回収可能性がないと判断した繰延税金資産については評価性引当処理を行い、税金費用を計上しております。一時差異の解消スケジューリングや将来の課税所得の見積りの前提条件に変更が発生した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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