有価証券報告書-第27期(平成31年3月21日-令和2年3月20日)

【提出】
2020/06/18 13:40
【資料】
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【項目】
134項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
資産の部
当連結会計年度末の資産は、7,145百万円と前連結会計年度末比434百万円の減少となりました。増減の主な内訳は、有形固定資産435百万円が増加した一方、現金及び預金936百万円、仕掛品416百万円が減少したためであります。
負債の部
当連結会計年度末の負債は、1,120百万円と前連結会計年度末比164百万円の減少となりました。減少の主な内訳は、買掛金49百万円、未払金31百万円、未払法人税等106百万円であります。
純資産の部
当連結会計年度末の純資産は、6,025百万円と前連結会計年度末比269百万円の減少となりました。増減の主な内訳は、利益剰余金959百万円が増加した一方、自己株式の取得により1,243百万円が減少したためであります。
ロ 経営成績
売上高
当連結会計年度における売上高は6,773百万円と前年同期比160百万円(2.4%)の増収となりました。
主な製品別の売上高につきましては、ハンドナットランナの売上高は3,537百万円と前年同期比301百万円(9.3%)の増収、ネジ締付装置の売上高は1,467百万円と前年同期比126百万円(9.4%)の増収となった一方、ナットランナの売上高は1,368百万円と前年同期比246百万円(15.3%)の減収、サーボプレスの売上高は116百万円と前年同期比64百万円(35.6%)の減収となりました。
営業利益
売上高の増収により売上総利益が3,105百万円と前年同期比205百万円(7.1%)の増益となり、販売費及び一般管理費については、1,333百万円と前年同期比167百万円(14.4%)の増加となった結果、営業利益は、1,772百万円と前年同期比37百万円(2.2%)の増益となりました。
経常利益
受取保険金1百万円、自己株式取得費用19百万円などにより、経常利益は1,754百万円と前年同期比10百万円(0.6%)の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等の計上が543百万円あり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,193百万円と前年同期比57百万円(5.1%)の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は504百万円となり、前連結会計年度末に比べて925百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー別の状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,156百万円の収入(前連結会計年度は679百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益1,754百万円、たな卸資産の減少額191百万円の増加要因があった一方、売上債権の増加額249百万円、法人税等の支払額648百万円などの減少要因があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは583百万円の支出(前連結会計年度は239百万円の支出)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入71百万円の増加要因があった一方、定期預金の預入による支出60百万円、有形固定資産の取得による支出562百万円などの減少要因があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは1,499百万円の支出(前連結会計年度は177百万円の支出)となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出1,263百万円などの減少要因があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別生産高(千円)前年同期比(%)
ナットランナ1,328,521△15.4
ハンドナットランナ3,395,3499.1
サーボプレス132,648△25.2
ネジ締付装置1,477,35110.6
修理・点検・その他201,8976.4
合 計6,535,7662.3

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 受注実績
当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ネジ締付装置1,082,818△28.6491,287△44.5
合計1,082,818△28.6491,287△44.5

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 見込生産品については、表示しておりません。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別販売高(千円)前年同期比(%)
ナットランナ1,368,005△15.3
ハンドナットランナ3,537,7309.3
サーボプレス116,281△35.6
ネジ締付装置1,467,0679.4
修理・点検・その他284,62118.3
合計6,773,7052.4

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年3月21日
至 2019年3月20日)
当連結会計年度
(自 2019年3月21日
至 2020年3月20日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱豊通マシナリー1,056,12516.71,343,56019.8

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦、欧州のブレグジット問題、日韓問題など、当社販売先のうち多くの主要な地域において経済、政治が複雑に絡みつつ混沌とした国際情勢が継続してまいりました。期末にかけては新型コロナウイルスの影響も世界的な広がりをみせる中、先行き不透明な状況がより一層複雑なものとなりました。
このような経済環境のなか、当社主力販売先である自動車産業における設備投資の状況や当社製品の品種別の販売状況につきましては市場別に次のとおりとなっております。
イ 国内市場
日本経済は、景気は緩やかな回復傾向で推移しつつも製造業の一部に足踏み感が出始め、輸出も混沌とした世界経済の影響を受け低迷が継続し、期末にかけては新型コロナウイルスの影響で製造業の一部に生産調整も出始めるなど、企業収益環境が一段と厳しさを増してまいりました。反面、人員不足を背景とした合理化・省力化投資など一部においては設備投資の増加基調を示しつつあります。
そのような状況のなか当社主力販売先である自動車産業における設備投資の状況につきましては、コネクテッドカー、自動運転、シェアリング、電動化等今後の市場環境の変化を見据えて各社がスクラップ&ビルドを視野に設備投資の見直し再編を模索し、また米中貿易摩擦やブレグジットなどの国際情勢を遠因とした国内設備投資計画の延期や見直しが一段と顕著化してまいりました。
品種別販売状況ではハンドナットランナ及びナットランナが当初予想を上回り堅調に推移し、ネジ締付装置は前年比では増加しているものの当初予想を下回る結果となりました。
ロ 米国市場
米国経済は、雇用・所得環境、個人消費は良好な状況で推移してきましたが、製造業では外需の減速により輸出が低下しており強弱入り乱れる状況下、FRBの緩和的金融政策が下支えに寄与しつつも全体的には景気減速感が強まりつつあります。
そのような状況のなか、一部の日系、米系自動車メーカーの積極的な設備投資によりハンドナットランナが前年比大幅な増収となりました。なお、昨年新たに開設したミシガン州の販売拠点の効果につきましては現在人員増強を図りつつ、米系自動車メーカーを中心に営業展開を強化過程であり本年度においては売上への寄与率は僅少であります。
ハ 中国市場
中国経済は、米中貿易摩擦の影響で外需の低迷が継続してきた中、米国との一部緩和合意の効果から輸出は持ち直しつつあり、雇用・所得環境も安定的に推移してまいりました。
自動車産業においては、新車販売は低迷が持続しており、自動車メーカーの設備投資も軟調に推移してまいりました。
そのような状況のなか、ハンドナットランナ、ナットランナともに前年を下回る販売状況となりました。
ニ その他の市場
タイ市場ではハンドナットランナが堅調に推移し、インドネシア市場ではネジ締付装置及びナットランナが堅調に推移してまいりました。韓国市場は日韓関係の悪化などもあり当初予想を大きく下回り低調な販売状況となりました。
利益面においては、ハンドナットランナ及びナットランナが軽微ながら前期比粗利率が改善し、ネジ締付装置は大幅な前期比粗利率改善を図ることができ、売上総利益率が前期比増加いたしました。他方、一昨年からの大幅な売上高拡大に対応すべく人員増強を図った結果、人件費が前期比増加したことなどから営業利益率はほぼ前年並みとなりました。
その結果、当連結会計年度は、売上高6,773百万円(前期比2.4%増)、営業利益1,772百万円(前期比2.2%増)、経常利益1,754百万円(前期比0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,193百万円(前期比5.1%増)となりました。
なお、当社製品は、ネジ締付装置、同部品及びネジ締付工具でありますので、単一セグメントとして市場環境を判断しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の製品は、生産設備の一部を構成しておりますので、設備投資の動向の影響は少なからず受けます。このため、自動車生産設備以外に売上を分散すること及び海外売上の拡大により設備投資の動向の影響を出来るだけ少なくするよう対応に努めております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループが必要とする資金については、今後予想される経営環境の変化に対応するべく、事業展開への備えと研究開発費用及び設備投資として投入していくことであります。
これらは、主として営業活動により得られた資金により賄っております。
なお、今後の設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」をご参照ください。