有価証券報告書-第28期(令和2年3月21日-令和3年3月20日)

【提出】
2021/06/17 14:02
【資料】
PDFをみる
【項目】
131項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
資産の部
当連結会計年度末の資産は、7,491百万円と前連結会計年度末比345百万円の増加となりました。増減の主な内訳は、現金及び預金666百万円が増加した一方、受取手形及び売掛金266百万円が減少したためであります。
負債の部
当連結会計年度末の負債は、964百万円と前連結会計年度末比155百万円の減少となりました。減少の主な内訳は、買掛金66百万円、未払金96百万円であります。
純資産の部
当連結会計年度末の純資産は、6,526百万円と前連結会計年度末比501百万円の増加となりました。増加の主な内訳は、利益剰余金489百万円が増加したためであります。
ロ 経営成績
売上高
当連結会計年度における売上高は5,294百万円と前年同期比1,479百万円(21.8%)の減収となりました。
主な製品別の売上高につきましては、ハンドナットランナの売上高は3,047百万円と前年同期比490百万円(13.9%)の減収、ネジ締付装置の売上高は907百万円と前年同期比559百万円(38.1%)の減収、ナットランナの売上高は982百万円と前年同期比385百万円(28.2%)の減収となりました。
営業利益
売上高の減収により売上総利益が2,332百万円と前年同期比773百万円(24.9%)の減益となり、販売費及び一般管理費については、1,276百万円と前年同期比56百万円(4.3%)の減少となった結果、営業利益は、1,055百万円と前年同期比716百万円(40.4%)の減益となりました。
経常利益
雇用調整助成金20百万円、為替差損14百万円などにより、経常利益は1,072百万円と前年同期比681百万円(38.8%)の減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等の計上が330百万円あり、親会社株主に帰属する当期純利益は729百万円と前年同期比463百万円(38.9%)の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,210百万円となり、前連結会計年度末に比べて706百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー別の状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは981百万円の収入(前連結会計年度は1,156百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益1,072百万円、減価償却費147百万円、売上債権の減少額321百万円などの増加要因があった一方、たな卸資産の増加額100百万円、法人税等の支払額337百万円などの減少要因があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは9百万円の支出(前連結会計年度は583百万円の支出)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入60百万円などの増加要因があった一方、定期預金の預入による支出20百万円、有形固定資産の取得による支出25百万円、無形固定資産の取得による支出20百万円などの減少要因があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは243百万円の支出(前連結会計年度は1,499百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払額240百万円などの減少要因があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別生産高(千円)前年同期比(%)
ナットランナ192,783△85.5
ハンドナットランナ3,413,6640.5
サーボプレス281,377112.1
ネジ締付装置939,084△36.4
修理・点検・その他170,104△15.7
合 計4,997,012△23.5

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 受注実績
当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ネジ締付装置864,822△20.1373,635△23.9
合計864,822△20.1373,635△23.9

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 見込生産品については、表示しておりません。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
製品別販売高(千円)前年同期比(%)
ナットランナ982,234△28.2
ハンドナットランナ3,047,236△13.9
サーボプレス100,082△13.9
ネジ締付装置907,807△38.1
修理・点検・その他257,271△9.6
合計5,294,631△21.8

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため製品別で記載しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年3月21日
至 2020年3月20日)
当連結会計年度
(自 2020年3月21日
至 2021年3月20日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱豊通マシナリー1,343,56019.8--

3 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は年度を通し新型コロナウイルス感染症の影響一色であったといっても過言ではない1年でありました。世界経済成長率は4%以上のマイナス成長となり、一部業種における失業者の増大、所得格差の拡大、経済不況下における株高など、様々な分野で経済環境の二極化が進展してまいりました。
他方、一部地域では早期の新型コロナウイルス感染症拡大の封じ込めや、ワクチン接種の広がりなどによる経済活動の回復を示している国もあり、国や地域によっても格差が生じている状況となっております。
このような経済環境のなか、当社主力販売先である自動車産業界における設備投資の状況や当社製品の品種別の販売状況につきましては市場別に次のとおりとなっております。
イ 国内市場
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の第3波の拡大後もなかなか収束の兆しも見えず、依然として経済活動の本格的再開が見えない状況下ではありますが、ウィズコロナによる施策も広がりを見せ経済活動も徐々に回復の実態が見えつつある状況となりました。
そのような状況のなか、当社主力販売先である自動車産業における設備投資の状況につきましては、未だ一部の顧客において訪問制限、接触制限が継続されており、顧客とのコンタクトが完全に回復したとは言えない状況が継続しており、大型設備案件においては計画の先送りや見直し途上の客先が多く、未だ市場環境は先行不透明な状況にあります。
その結果当連結会計年度における売上高は、ハンドナットランナやナットランナは下期より回復傾向を示してまいりましたが、ネジ締付装置の回復は遅く、通期においては全品種で前年を大きく下回る減収となりました。
ロ 米国市場
年初は新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が大きく減少し、設備投資も大幅に減少している状況下ではありましたが、年後半より徐々に経済活動の回復が進み、日系、米系自動車メーカーや農機具メーカーなどからの受注が好調に推移し、全体でもほぼ前年並みの売上高を計上いたしました。
ハ 中国市場
新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が大きく減少し、設備投資も大幅に減少しておりましたが、他地域に先んじて経済活動が回復しており、大型設備投資の回復は多少時間を要すると思われますが、工具であるハンドナットランナの需要は早期に回復の兆しをみせ売上高は前年を上回る結果となりました。またネジ締付装置は前年比減収となり、その結果市場環境としては本格的な回復と言える状況には至っていない不安定要素もありつつ、全体ではほぼ前年並の売上高となりました。
ニ その他の市場
全地域において新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が大きく減少し、設備投資も大幅に減少している状況下ではありますが、地域によっては徐々に回復傾向を示しつつあり、タイやメキシコ等では前年比増収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上状況は、上記の市場環境により全品種とも前年比減収となり売上高5,294百万円(前期比21.8%減)となりました。
利益状況は、従業員の新規増員抑制や経費削減等による固定費削減を実施しましたが、売上高が大幅に減少したことにより固定比率が上昇した結果、営業利益1,055百万円(前期比40.4%減)、売上高営業利益率19.9%(前期は26.2%)、経常利益1,072百万円(前期比38.8%減)、売上高経常利益率20.3%(前期は25.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益729百万円(前期比38.9%減)となりました。
地域別売上においては、国内市場の回復が遅く、北米及び中国市場の回復が顕著であったことから海外売上比率が上昇し、海外売上高3,057百万円(前期比4.1%減)、国内売上高2,237百万円(前期比37.6%減)、売上全体に占める海外売上比率は57.7%(前期は47.1%)、国内売上比率は42.3%(前期は52.9%)となりました。
なお、当社製品は、ネジ締付装置、同部品及びネジ締付工具でありますので、単一セグメントとして市場環境を判断しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の製品は、生産設備の一部を構成しておりますので、設備投資の動向の影響は少なからず受けます。このため、自動車生産設備以外に売上を分散すること及び海外売上の拡大により設備投資の動向の影響を出来るだけ少なくするよう対応に努めております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループが必要とする資金については、今後予想される経営環境の変化に対応するべく、事業展開への備えと研究開発費用及び設備投資として投入していくことであります。
これらは、主として営業活動により得られた資金により賄っております。
なお、今後の設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」をご参照ください。