四半期報告書-第72期第3四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/08 9:37
【資料】
PDFをみる
【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費に持ち直しがみられるなど緩やかな回復基調の中で推移したものの、米中貿易摩擦の長期化の影響を受けて、製造業を中心に設備投資や輸出に弱さがみられました。今後につきましても、国際的な通商問題をめぐる不確実性は依然として高く、景気の先行きは予断を許さない状況となっております。
このような状況におきまして、当社グループは、将来に向けた積極的な設備投資を継続するとともに、長年にわたり培ってきた当社独自の光技術を活かした研究開発を推進することで、売上高、利益の確保に努力してまいりました。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績につきましては、売上高は108,024百万円と前年同期に比べ381百万円(0.4%)の増加となりました。一方、利益面につきましては、営業利益は19,379百万円と前年同期に比べ2,057百万円(9.6%)の減少、経常利益は19,991百万円と前年同期に比べ1,934百万円(8.8%)の減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は15,237百万円と前年同期に比べ774百万円(4.8%)の減少となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[電子管事業]
光電子増倍管は、計測分野におきまして、油田開発投資の回復を受け、高温や衝撃、振動などへの耐性に優れた油田探査装置向けの売上げが好調に推移いたしました。また、医用分野におきまして、血液分析などの検体検査装置向けもその高感度、低ノイズ、高速応答特性を評価されて売上げが増加いたしました。しかしながら、高エネルギー物理学実験等の学術向けの売上げが、海外における大型プロジェクトへの納入終了などもあり、減少いたしました。
イメージ機器及び光源は、産業分野におきまして、中国の景気減速、設備投資減速等の影響を受けつつありますが、非破壊検査用のマイクロフォーカスX線源が、バッテリー検査等を中心に増加いたしました。また、シリコンウェハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げも増加いたしました。さらに、重水素ランプ等の環境分析用光源の売上げも堅調に推移いたしました。
この結果、電子管事業といたしましては、売上高は43,462百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は15,484百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
[光半導体事業]
光半導体素子は、医用分野におきまして、主力のシリコンフォトダイオードが売上げを伸ばしました。しかしながら、半導体市場における設備投資抑制の影響を受け、半導体製造・検査装置向けのイメージセンサ等の売上げが減少いたしました。また、産業用ロボット等の制御などFA(ファクトリーオートメーション)分野におけるフォトダイオード及びLEDの売上げも中国等における工作機械受注減の影響等により減少いたしました。
この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は48,330百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は14,766百万円(前年同期比12.8%減)となりました。
[画像計測機器事業]
画像処理・計測装置は、デジタルカメラが、生命科学やバイオ分野に加え産業分野における需要が増加し、売上げが増加いたしました。また、半導体故障解析装置は光半導体事業と同様に、半導体市場における設備投資抑制の影響を受け売上げは急速に減少していますが、上期増加分が寄与し、第3四半期迄の売上高は増加いたしました。さらに、X線ラインセンサカメラの売上げも食品検査用を中心に上期の増加分が寄与し、増加いたしました。
この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は12,659百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は2,256百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
[その他事業]
半導体レーザーに係る事業、子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。
当セグメント(その他)の売上高は3,571百万円(前年同期比6.5%増)、営業損失は92百万円(前年同期は営業利益190百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
流動資産の主な変動は、受取手形及び売掛金が2,057百万円減少したものの、たな卸資産が3,860百万円、有価証券が3,641百万円それぞれ増加したことなどから、流動資産は前連結会計年度末に比べ7,144百万円増加しております。
固定資産の主な変動は、投資有価証券が995百万円減少したものの、有形固定資産が建設仮勘定の増加などにより2,774百万円増加したことなどから、固定資産は前連結会計年度末に比べ1,912百万円増加しております。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,057百万円増加し、253,971百万円となりました。
流動負債の主な変動は、未払法人税等が1,211百万円減少したものの、設備関係電子記録債務(流動負債その他)が2,394百万円、賞与引当金が1,094百万円それぞれ増加したことなどから、流動負債は前連結会計年度末に比べ2,708百万円増加しております。
固定負債の主な変動は、長期借入金が122百万円減少したものの、退職給付に係る負債が190百万円増加したことなどから、固定負債は前連結会計年度末に比べ140百万円増加しております。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,848百万円増加し、53,777百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が2,121百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が9,034百万円増加したことから、当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ6,208百万円増加し、200,194百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、9,416百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。