四半期報告書-第74期第3四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 10:16
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により依然として不透明な状況にありましたが、半導体をはじめとした世界的なデジタル関連需要の拡大によって、輸出が増加するなど持ち直しの動きが継続するなかで推移いたしました。
このような状況におきまして、当社グループは、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染防止策を講じた上で事業に与えるリスクの最小化を図りながら、市場の要求に応えるべく生産活動を維持することで、売上高、利益の確保に努力する一方、ポストコロナを視野に入れ、将来に向けた積極的な設備投資を継続するとともに当社独自の光技術を活かした研究開発を推進してまいりました。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績につきましては、売上高は121,866百万円と前年同期に比べ18,611百万円(18.0%)の増加となりました。利益面につきましても、営業利益は23,488百万円と前年同期に比べ7,388百万円(45.9%)の増加、経常利益は23,589百万円と前年同期に比べ6,924百万円(41.6%)の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は17,881百万円と前年同期に比べ5,705百万円(46.9%)の増加となり、増収増益となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[電子管事業]
光電子増倍管は、医用分野におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により、PETなどの核医学検査装置向けの売上げが減少いたしましたものの、PCRやFCM(フローサイトメトリー)などの検体検査装置向けの売上げが国内外で需要が高まり増加いたしました。また、産業分野では半導体検査装置向けの売上げが海外を中心に増加いたしました。
イメージ機器及び光源は、医用分野におきまして、歯科用のX線シンチレータの売上げが減少いたしました。しかしながら、産業分野におきまして、シリコンウェハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジン及び半導体ウェハ検査装置向けの光源の売上げが、半導体市場の復調を受けて増加いたしました。また、非破壊検査用のマイクロフォーカスX線源の売上げも、基板検査や車載用バッテリー検査向けがアジアを中心に増加いたしました。
この結果、電子管事業といたしましては、売上高は46,928百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は16,078百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
[光半導体事業]
光半導体素子は、医用分野におきまして、歯科用のフラットパネルセンサの売上げが、新型コロナウイルス感染症の影響からは急速に回復してきてはいるものの、前年同期比では減少いたしました。一方で、X線CT向けのシリコンフォトダイオードの売上げは、国内外における継続的な需要の増加により好調に推移いたしました。また、産業分野におきまして、半導体製造・検査装置向けのイメージセンサなどの売上げが、半導体市場の復調と拡大により増加いたしました。
この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は56,406百万円(前年同期比15.6%増)、営業利益は16,211百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
[画像計測機器事業]
画像処理・計測装置は、食品X線検査用のX線ラインセンサカメラの売上げが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け減少いたしました。しかしながら、検体検査装置向けのボードカメラの売上げが、北米で増加いたしました。また、遠隔病理診断に用いられる病理デジタルスライドスキャナの売上げが、海外における病院間ネットワーク需要の高まりを受けて増加いたしました。
この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は14,950百万円(前年同期比33.2%増)、営業利益は3,262百万円(前年同期比83.1%増)となりました。
[その他事業]
半導体レーザーに係る事業、子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。
当セグメント(その他)の売上高は3,581百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益は458百万円(前年同期は営業損失685百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
流動資産の主な変動は、未収入金(流動資産その他)が3,048百万円減少したものの、現金及び預金が8,924百万円、受取手形及び売掛金が7,045百万円それぞれ増加したことなどから、流動資産は前連結会計年度末に比べ15,591百万円増加しております。
固定資産の主な変動は、有形固定資産が減価償却による建物及び構築物の減少などにより1,239百万円減少したことなどから、固定資産は前連結会計年度末に比べ951百万円減少しております。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14,639百万円増加し、286,255百万円となりました。
流動負債の主な変動は、設備関係未払金(流動負債その他)が3,042百万円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が2,970百万円、賞与引当金が2,090百万円それぞれ増加したことなどから、流動負債は前連結会計年度末に比べ2,422百万円増加しております。
固定負債の主な変動は、長期借入金が3,029百万円減少したことなどから、固定負債は前連結会計年度末に比べ3,648百万円減少しております。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,226百万円減少し、56,873百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより利益剰余金が11,677百万円、為替換算調整勘定が3,404百万円それぞれ増加したことなどから、当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ15,866百万円増加し、229,382百万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、8,330百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。