四半期報告書-第75期第3四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/12 12:05
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、一部で企業収益や設備投資に持ち直しの動きがみられたものの、長期化する部材の調達難やウクライナ情勢及び中国における経済活動抑制の影響等による原材料価格の高騰などが不安要因となっております。また、為替は大きく円安で推移しており、足元当社グループにおいては追い風となっておりますものの、米国の金融引き締めによる景気の動向など世界経済の先行きは不透明な状況のなかで推移いたしました。
このような状況におきまして、当社グループは、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染防止策を講じた上で事業に与えるリスクの最小化を図りながら、市場の要求に応えるべく生産活動を維持することで、売上高、利益の確保に努力する一方、ポストコロナを視野に入れ、将来に向けた積極的な設備投資を継続するとともに当社独自の光技術を活かした研究開発を推進してまいりました。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績につきましては、売上高は151,763百万円と前年同期に比べ29,897百万円(24.5%)の増加となりました。利益面につきましても、営業利益は41,394百万円と前年同期に比べ17,905百万円(76.2%)の増加、経常利益は42,611百万円と前年同期に比べ19,021百万円(80.6%)の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は31,672百万円と前年同期に比べ13,790百万円(77.1%)の増加となり、増収増益となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[電子管事業]
光電子増倍管は、医用分野におきまして、フローサイトメーターなどの検体検査装置向けの売上げが国内外での需要が高まり増加いたしました。また、産業分野における半導体検査装置向けの売上げも半導体市場の拡大を受け国内外で増加したほか、高エネルギー物理学実験等の学術向けの売上げも増加いたしました。
イメージ機器及び光源は、産業分野におきまして、EV(電気自動車)生産の拡大や世界的な5Gの普及に伴い、非破壊検査用のマイクロフォーカスX線源が、車載用バッテリー検査や基板検査においてアジアを中心に売上げを伸ばしました。また、シリコンウェハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジン及び半導体ウェハ検査装置向けの光源の売上げも、世界的な半導体設備投資の活況を受けて増加いたしました。
この結果、電子管事業といたしましては、売上高は58,929百万円(前年同期比25.6%増)、営業利益は23,949百万円(前年同期比49.0%増)となりました。
[光半導体事業]
光半導体素子は、継続的な需要の高まりを受け、医用分野におきまして、X線CT向けのシリコンフォトダイオードの売上げが、国内外において増加したほか、歯科用のフラットパネルセンサも欧州を中心に売上げが増加いたしました。また、産業分野における半導体製造・検査装置向けのイメージセンサ等の売上げも増加いたしました。
この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は70,438百万円(前年同期比24.9%増)、営業利益は26,447百万円(前年同期比63.1%増)となりました。
[画像計測機器事業]
画像処理・計測装置は、デジタルカメラの売上げが、生命科学やバイオ分野に加え、新製品の投入により物理分野においても増加したほか、DNA検査向けにおきましても、海外において好調に推移いたしました。また、病理デジタルスライドスキャナの売上げも、欧州を中心に病院間ネットワーク需要の高まりを受けて増加いたしました。さらに、半導体故障解析装置もアジア及び国内を中心に堅調に推移いたしました。
この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は18,240百万円(前年同期比22.0%増)、営業利益は5,165百万円(前年同期比58.4%増)となりました。
[その他事業]
半導体レーザーに係る事業、子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。
当セグメント(その他)の売上高は4,154百万円(前年同期比16.0%増)、営業利益は289百万円(前年同期比36.8%減)となりました。
(2)財政状態の分析
流動資産の主な変動は、現金及び預金が17,159百万円、棚卸資産が12,243百万円それぞれ増加したことなどから、流動資産は前連結会計年度末に比べ39,621百万円増加しております。
固定資産の主な変動は、建設仮勘定が5,144百万円増加したことなどから、固定資産は前連結会計年度末に比べ4,949百万円増加しております。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ44,571百万円増加し、346,247百万円となりました。
流動負債の主な変動は、1年内返済予定の長期借入金が2,945百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が4,494百万円、前受金(流動負債その他)が2,715百万円それぞれ増加したことなどから、流動負債は前連結会計年度末に比べ8,778百万円増加しております。
固定負債の主な変動は、長期借入金が3,418百万円増加したことなどから、固定負債は前連結会計年度末に比べ3,292百万円増加しております。
この結果、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,071百万円増加し、76,176百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより利益剰余金が22,366百万円、為替換算調整勘定が10,220百万円それぞれ増加したことなどから、当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ32,499百万円増加し、270,070百万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、7,969百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。