有価証券報告書-第66期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
流動資産は、当連結会計年度末で616億94百万円(対前年同期比1.1%減少)となりました。これは、長期から短期への借り換えにより短期借入金が増加したものの、長期借入金の返済や1年内償還社債の償還、配当金の支払いにより現金及び預金が26億45百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、当連結会計年度末で898億11百万円(対前年同期比4.3%増加)となりました。これは、タイ新工場と中国の工場への設備投資により有形固定資産が37億74百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2.0%増加し、1,515億22百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて12.9%増加し、380億35百万円となりました。これは、主に長期から短期への借り換えにより短期借入金が42億50百万円増加したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて17.9%減少し、274億38百万円となりました。これは、主に長期借入金で短期借入金への借り換え及び借入金の返済を行ったことにより60億40百万円減少したことなどによるものであります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2.4%減少し、654億73百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.7%増加し、860億49百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が26億1百万円増加したこと、円対米ドル・ユーロ・中国元・タイバーツに対して円安基調に推移したため為替換算調整勘定が17億45百万円増加したことなどによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかな回復基調で推移しているものの、米国の通商政策の影響に加え、2025年10月に発足した現政権下での積極財政と金融緩和継続姿勢により、国債市場における長期金利の上昇及び円安による輸入物価上昇を端緒としたインフレーション加速の懸念が増大することになり、その後一転して政府の為替介入による円安是正への動きがとられるなど、先行き不透明な状況が続いております。世界経済においても、中南米における政権交代を端緒として発生した政治的混乱や、中国及び欧州経済の停滞、各国の通商政策動向による世界経済の悪化懸念に加え、2026年2月に勃発したアメリカ・イスラエルとイランとの大規模紛争によりホルムズ海峡封鎖の懸念等中東地域の不安定化が急速に進み、石油資源をはじめとする原材料の供給逼迫などが世界的なリスクの広がりを見せており、輸入依存度の高いわが国の経済にも大きく影響する事態となっております。
このような環境のもとではありますが、当社グループ主力の車載分野においては、当社主要顧客からの受注動向は現在のところ順調に推移しております。
当社グループは、EV需要の不透明感からのPHVへの揺り戻しにより欧州主要顧客の販売は減少したものの、日系主要顧客向けの販売は順調に推移したことにより、連結売上高は1,002億2百万円(前年同期比4.9%の増収)となりました。
利益面につきましては、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産体制の再構築により、上期までの生産工場の稼働率は低調に推移しておりましたが、下期では高付加価値製品の増加やこれまでの諸改善施策が実を結び直近の第4四半期の採算は大きく改善したものの、営業利益は27億88百万円(前年同期比26.8%の減益)となりました。
営業外収益では、円が対タイバーツで下落基調に推移していたものの、2026年年初から当期末にかけて、一転して下落基調から上昇基調への変化が見られたことや、円が対ユーロ・米ドルで前期の上昇基調から下落基調へ転じたことによりグループ内外貨建債権債務の為替影響は前年同期より縮小し、為替差益は15億22百万円となりました。このため、経常利益は41億36百万円(前年同期比25.3%の減益)となりました。
特別利益では、保有資産の効率化及び財務体質の強化を図るため実施した投資有価証券の売却に伴う投資有価証券売却益を18億91百万円計上し、特別損失では、当社敷地内における環境対策に係る費用を見込むため環境対策引当金繰入額4億99百万円を計上いたしました。このため親会社株主に帰属する当期純利益は40億26百万円(前年同期比6.2%の増益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
国内の自動車販売台数が増加した影響などにより、車載向けの販売が増加し、売上高は616億70百万円(前年同期比8.5%の増収)となりました。
利益面では、上期はプロダクトミックスの変化と為替影響での円対米ドルの円高影響によりセグメント利益は低調に推移しておりましたが、下期は高付加価値製品の増加や為替環境が一転して円対米ドルが円安基調に変化したことにより収益環境が大きく改善し、セグメント利益は25億91百万円(前年同期比17.1%の増益)となりました。
(中国)
中国市場以外の地域では、依然として厳しい販売状況が続いております。EV需要が減少したことで弊社主要顧客の欧州向け販売が減少したことにより、売上高は172億17百万円(前年同期比8.4%の減収)となりました。
利益面では、前年度に実施した生産設備の大判化や中国2工場の経営の一体化による生産性向上の進展により、セグメント利益は27億92百万円(前年同期比77.3%の増益)となりました。
(東南アジア)
日系顧客の車載向けの販売及び家電の販売が好調に推移し、売上高は173億96百万円(前年同期比11.6%の増収)となりました。
利益面では、欧州市場の停滞による生産への影響、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産最適化に向けた生産プロセス検討のため費用が増加したことなど低調に推移しました。下期ではこれまで実施した収益性改善への諸施策の一定の効果はみられたものの、セグメント損失は14億76百万円(前年同期は8億67百万円のセグメント利益)となりました。
(欧米)
欧州の自動車販売台数が減少した影響により、車載向けの販売は減少し、売上高は39億18百万円(前年同期比8.7%の減収)となりました。
利益面では、車載向けの販売減少による影響があったものの物流コストの減少等により、セグメント利益は2億98百万円(前年同期比25.5%の増益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて27億83百万円減少し、194億10百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、78億17百万円(前連結会計年度は90億58百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益52億86百万円、減価償却費65億37百万円などによる資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、68億78百万円(前連結会計年度は187億50百万円の減少)となりました。これは、タイ新工場と中国の工場の設備投資による有形固定資産の取得による支出が86億36百万円となりましたが、一方で投資有価証券の売却により23億77百万円資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、40億97百万円(前連結会計年度は47億4百万円の増加)となりました。これは、短期借入収支の純増分は42億50百万円となった一方で、長期借入れ返済による支出60億33百万円、及び配当金の支払いによる支出14億23百万円による資金の減少によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,515億22百万円(前年同期比2.0%の増加)となりました。流動資産は616億94百万円(前年同期比1.1%の減少)、固定資産は898億11百万円(前年同期比4.3%の増加)、繰延資産は17百万円(前年同期比37.0%の減少)となりました。
流動資産の減少の主な要因は、長期から短期への借り換えにより短期借入金が増加したものの、長期借入金の返済や1年内償還社債の償還、配当金の支払いにより現金及び預金が26億45百万円減少したことによるものであります。
固定資産の増加の主な要因は、タイ新工場と中国の工場への設備投資により有形固定資産が37億74百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は654億73百万円(前年同期比2.4%の減少)となりました。流動負債は380億35百万円(前年同期比12.9%の増加)、固定負債は274億38百万円(前年同期比17.9%の増加)となりました。
流動負債の主な増加要因は、長期から短期への借り換えにより短期借入金が42億50百万円増加したことなどによるものであります。
固定負債の主な増加要因は、長期借入金で短期借入金への借り換え及び借入金の返済を行ったことにより60億40百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は860億49百万円(前年同期比5.7%の増加)となりました。
純資産合計の増加の主な要因は、これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が26億1百万円増加、また、為替換算調整勘定が17億45百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、1株当たりの純資産額は1,171円8銭(前年同期は1,110円31銭)となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.8ポイント上がり、55.1%となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、1,002億2百万円(前年同期4.9%比の増収)となりました。EV需要の不透明感からのPHVへの揺り戻しにより欧州主要顧客の販売は減少したものの、日系主要顧客向けの販売は順調に推移したことにより、増収となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は852億67百万円(前年同期比6.7%の増加)となりました。
売上総利益は、149億35百万円(前年同期比4.1%の減少)となり、売上総利益率は14.9%となりました。販売費及び一般管理費は、システム更新などの効率化施策を実施したことなどにより121億47百万円(前年同期比3.3%の増加)となりました。
当社国内工場においては、労働力人口の減少や急激な市場変動といった経営環境の変化に対応するため、生産現場における多能工化の推進を図っております。
この取り組みにより、人的資源の更なる活用、工程間の稼働バランスの最適化、生産品の整流化、ならびに設備稼働率の向上が実現しており、全社的な生産性の向上に寄与しております。
また、多能工教育を通じて現場従業員の工程全体に対する理解が深まり、品質意識の醸成及び不良率の低減にもつながっております。
当社海外工場においては、中国地区でのローカルマネジメントの推進による合理化促進及び不良率削減、製品サイズの大判化による生産性向上等諸施策を図ってまいりました。東南アジア地区では、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産最適化に向けた生産プロセス検討のため費用が増加し、下期ではこれまで実施した収益性改善への諸施策の一定の効果はみられたものの全体として低調に推移したことにより営業利益は27億88百万円(前年同期比26.8%の減益)となり、営業利益率は2.8%となりました。
営業利益の増減要因につきましては、売上高の増加により34億40百万円のプラス、為替変動については主に米ドルに対するバーツ・人民元高の影響により13億30百万円のマイナスとなりました。また、タイ工場生産システム不備等による影響で15億70百万円のマイナス、材料費変動費影響と固定費等による影響で15億60百万円のマイナスとなりました。

(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は、41億36百万円(前年同期比25.3%の減益)となり、経常利益率は4.1%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、40億26百万円(前年同期比6.2%の増益)となりました。
1株当たりの当期純利益は56円49銭となりました。
セグメントごとの経営成績等の詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、CASE需要の高まりや、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再構築などを追い風に、中長期需要が旺盛なことを受け、これまでタイの新工場建設を進めてまいりました。当連結会計年度においても、タイ新工場や中国の工場の設備投資を行ってまいりましたが、投資有価証券の売却や借入金の返済などによりキャッシュ・フローの改善に努めてまいりました。
各キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、各キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性について)
a.資金調達の基本方針
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ、調達手段の多様化等を図ることで、資金コストの低減及び調達の安定性を高めることにより、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
b.資金調達
当社グループの資金調達は、短期運転資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を基本としております。長期的な資金については、設備投資計画や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの長期借入及び社債によって流動性を維持しております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は前期末比20億円減少し、422億35百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前期末比27億83百万円減少し、194億10百万円となりました。
c.流動性の確保
当社グループは、流動性を確保するために取引金融機関5行と総額240億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末の借入未実行残高は145億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
当連結会計年度末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当連結会計年度においては、売上1,002億円、営業利益27億円、営業利益率2.7%となりました。
期初の計画に対しては、売上高につきましては、当社グループ主力の車載市場において、EV需要の不透明感からのPHVへの揺り戻しにより欧州主要顧客の販売は減少したものの、日系主要顧客向けの販売は順調に推移したことにより、売上高は計画を達成いたしました。
営業利益につきましては、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産体制の再構築により、上期までの生産工場の稼働率は低調に推移しておりましたが、下期では高付加価値製品の増加やこれまでの諸改善施策が実を結び直近の第4四半期の採算は大きく改善したものの、計画未達成となりました。
今後の世界経済は、アメリカ・イスラエルとイランとの紛争により先行きの不透明さが増し、世界的なエネルギー・原材料供給の懸念も顕在化しております。このため、各国の対応が見通せない状況にあり、今後も先行き不透明な経済状況が続くものと予想されます。
当社グループ主力の車載市場においては、米国の関税政策の影響による景気後退や、短期的にはEVからPHVなどへの揺り戻しによる自動車需要の変化など、先行き不透明な状況であります。
このような状況の中、車載向け売上の確実な取込みを推進するとともに、車載以外の新事業領域への拡販を推し進めることにより、企業価値向上に努めて参りますが、一方で今期立ち上がりましたタイ新工場の償却負担は利益圧縮要因となる見通しであります。
翌連結会計年度の連結業績につきましては、売上高1,040億円、営業利益32億円、経常利益38億円、親会社株主に帰属する当期純利益20億円を予想しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
流動資産は、当連結会計年度末で616億94百万円(対前年同期比1.1%減少)となりました。これは、長期から短期への借り換えにより短期借入金が増加したものの、長期借入金の返済や1年内償還社債の償還、配当金の支払いにより現金及び預金が26億45百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、当連結会計年度末で898億11百万円(対前年同期比4.3%増加)となりました。これは、タイ新工場と中国の工場への設備投資により有形固定資産が37億74百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2.0%増加し、1,515億22百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて12.9%増加し、380億35百万円となりました。これは、主に長期から短期への借り換えにより短期借入金が42億50百万円増加したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて17.9%減少し、274億38百万円となりました。これは、主に長期借入金で短期借入金への借り換え及び借入金の返済を行ったことにより60億40百万円減少したことなどによるものであります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2.4%減少し、654億73百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.7%増加し、860億49百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が26億1百万円増加したこと、円対米ドル・ユーロ・中国元・タイバーツに対して円安基調に推移したため為替換算調整勘定が17億45百万円増加したことなどによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかな回復基調で推移しているものの、米国の通商政策の影響に加え、2025年10月に発足した現政権下での積極財政と金融緩和継続姿勢により、国債市場における長期金利の上昇及び円安による輸入物価上昇を端緒としたインフレーション加速の懸念が増大することになり、その後一転して政府の為替介入による円安是正への動きがとられるなど、先行き不透明な状況が続いております。世界経済においても、中南米における政権交代を端緒として発生した政治的混乱や、中国及び欧州経済の停滞、各国の通商政策動向による世界経済の悪化懸念に加え、2026年2月に勃発したアメリカ・イスラエルとイランとの大規模紛争によりホルムズ海峡封鎖の懸念等中東地域の不安定化が急速に進み、石油資源をはじめとする原材料の供給逼迫などが世界的なリスクの広がりを見せており、輸入依存度の高いわが国の経済にも大きく影響する事態となっております。
このような環境のもとではありますが、当社グループ主力の車載分野においては、当社主要顧客からの受注動向は現在のところ順調に推移しております。
当社グループは、EV需要の不透明感からのPHVへの揺り戻しにより欧州主要顧客の販売は減少したものの、日系主要顧客向けの販売は順調に推移したことにより、連結売上高は1,002億2百万円(前年同期比4.9%の増収)となりました。
利益面につきましては、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産体制の再構築により、上期までの生産工場の稼働率は低調に推移しておりましたが、下期では高付加価値製品の増加やこれまでの諸改善施策が実を結び直近の第4四半期の採算は大きく改善したものの、営業利益は27億88百万円(前年同期比26.8%の減益)となりました。
営業外収益では、円が対タイバーツで下落基調に推移していたものの、2026年年初から当期末にかけて、一転して下落基調から上昇基調への変化が見られたことや、円が対ユーロ・米ドルで前期の上昇基調から下落基調へ転じたことによりグループ内外貨建債権債務の為替影響は前年同期より縮小し、為替差益は15億22百万円となりました。このため、経常利益は41億36百万円(前年同期比25.3%の減益)となりました。
特別利益では、保有資産の効率化及び財務体質の強化を図るため実施した投資有価証券の売却に伴う投資有価証券売却益を18億91百万円計上し、特別損失では、当社敷地内における環境対策に係る費用を見込むため環境対策引当金繰入額4億99百万円を計上いたしました。このため親会社株主に帰属する当期純利益は40億26百万円(前年同期比6.2%の増益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
国内の自動車販売台数が増加した影響などにより、車載向けの販売が増加し、売上高は616億70百万円(前年同期比8.5%の増収)となりました。
利益面では、上期はプロダクトミックスの変化と為替影響での円対米ドルの円高影響によりセグメント利益は低調に推移しておりましたが、下期は高付加価値製品の増加や為替環境が一転して円対米ドルが円安基調に変化したことにより収益環境が大きく改善し、セグメント利益は25億91百万円(前年同期比17.1%の増益)となりました。
(中国)
中国市場以外の地域では、依然として厳しい販売状況が続いております。EV需要が減少したことで弊社主要顧客の欧州向け販売が減少したことにより、売上高は172億17百万円(前年同期比8.4%の減収)となりました。
利益面では、前年度に実施した生産設備の大判化や中国2工場の経営の一体化による生産性向上の進展により、セグメント利益は27億92百万円(前年同期比77.3%の増益)となりました。
(東南アジア)
日系顧客の車載向けの販売及び家電の販売が好調に推移し、売上高は173億96百万円(前年同期比11.6%の増収)となりました。
利益面では、欧州市場の停滞による生産への影響、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産最適化に向けた生産プロセス検討のため費用が増加したことなど低調に推移しました。下期ではこれまで実施した収益性改善への諸施策の一定の効果はみられたものの、セグメント損失は14億76百万円(前年同期は8億67百万円のセグメント利益)となりました。
(欧米)
欧州の自動車販売台数が減少した影響により、車載向けの販売は減少し、売上高は39億18百万円(前年同期比8.7%の減収)となりました。
利益面では、車載向けの販売減少による影響があったものの物流コストの減少等により、セグメント利益は2億98百万円(前年同期比25.5%の増益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて27億83百万円減少し、194億10百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、78億17百万円(前連結会計年度は90億58百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益52億86百万円、減価償却費65億37百万円などによる資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、68億78百万円(前連結会計年度は187億50百万円の減少)となりました。これは、タイ新工場と中国の工場の設備投資による有形固定資産の取得による支出が86億36百万円となりましたが、一方で投資有価証券の売却により23億77百万円資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、40億97百万円(前連結会計年度は47億4百万円の増加)となりました。これは、短期借入収支の純増分は42億50百万円となった一方で、長期借入れ返済による支出60億33百万円、及び配当金の支払いによる支出14億23百万円による資金の減少によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 31,872 | 2.5 |
| 中国 | 30,237 | 14.4 |
| 東南アジア | 37,310 | △1.2 |
| 欧米 | - | - |
| 合計 | 99,421 | 4.3 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 63,267 | 10.6 | 12,659 | 14.4 |
| 中国 | 16,843 | △10.0 | 3,489 | △9.7 |
| 東南アジア | 18,006 | 12.7 | 3,523 | 20.9 |
| 欧米 | 3,935 | △5.4 | 1,661 | 1.0 |
| 合計 | 102,053 | 6.3 | 21,334 | 9.5 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 61,670 | 8.5 |
| 中国 | 17,217 | △8.4 |
| 東南アジア | 17,396 | 11.6 |
| 欧米 | 3,918 | △8.7 |
| 合計 | 100,202 | 4.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社デンソー | 31,185 | 32.7 | 35,155 | 35.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は1,515億22百万円(前年同期比2.0%の増加)となりました。流動資産は616億94百万円(前年同期比1.1%の減少)、固定資産は898億11百万円(前年同期比4.3%の増加)、繰延資産は17百万円(前年同期比37.0%の減少)となりました。
流動資産の減少の主な要因は、長期から短期への借り換えにより短期借入金が増加したものの、長期借入金の返済や1年内償還社債の償還、配当金の支払いにより現金及び預金が26億45百万円減少したことによるものであります。
固定資産の増加の主な要因は、タイ新工場と中国の工場への設備投資により有形固定資産が37億74百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は654億73百万円(前年同期比2.4%の減少)となりました。流動負債は380億35百万円(前年同期比12.9%の増加)、固定負債は274億38百万円(前年同期比17.9%の増加)となりました。
流動負債の主な増加要因は、長期から短期への借り換えにより短期借入金が42億50百万円増加したことなどによるものであります。
固定負債の主な増加要因は、長期借入金で短期借入金への借り換え及び借入金の返済を行ったことにより60億40百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は860億49百万円(前年同期比5.7%の増加)となりました。
純資産合計の増加の主な要因は、これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が26億1百万円増加、また、為替換算調整勘定が17億45百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、1株当たりの純資産額は1,171円8銭(前年同期は1,110円31銭)となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.8ポイント上がり、55.1%となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、1,002億2百万円(前年同期4.9%比の増収)となりました。EV需要の不透明感からのPHVへの揺り戻しにより欧州主要顧客の販売は減少したものの、日系主要顧客向けの販売は順調に推移したことにより、増収となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は852億67百万円(前年同期比6.7%の増加)となりました。
売上総利益は、149億35百万円(前年同期比4.1%の減少)となり、売上総利益率は14.9%となりました。販売費及び一般管理費は、システム更新などの効率化施策を実施したことなどにより121億47百万円(前年同期比3.3%の増加)となりました。
当社国内工場においては、労働力人口の減少や急激な市場変動といった経営環境の変化に対応するため、生産現場における多能工化の推進を図っております。
この取り組みにより、人的資源の更なる活用、工程間の稼働バランスの最適化、生産品の整流化、ならびに設備稼働率の向上が実現しており、全社的な生産性の向上に寄与しております。
また、多能工教育を通じて現場従業員の工程全体に対する理解が深まり、品質意識の醸成及び不良率の低減にもつながっております。
当社海外工場においては、中国地区でのローカルマネジメントの推進による合理化促進及び不良率削減、製品サイズの大判化による生産性向上等諸施策を図ってまいりました。東南アジア地区では、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産最適化に向けた生産プロセス検討のため費用が増加し、下期ではこれまで実施した収益性改善への諸施策の一定の効果はみられたものの全体として低調に推移したことにより営業利益は27億88百万円(前年同期比26.8%の減益)となり、営業利益率は2.8%となりました。
営業利益の増減要因につきましては、売上高の増加により34億40百万円のプラス、為替変動については主に米ドルに対するバーツ・人民元高の影響により13億30百万円のマイナスとなりました。また、タイ工場生産システム不備等による影響で15億70百万円のマイナス、材料費変動費影響と固定費等による影響で15億60百万円のマイナスとなりました。

(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は、41億36百万円(前年同期比25.3%の減益)となり、経常利益率は4.1%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、40億26百万円(前年同期比6.2%の増益)となりました。
1株当たりの当期純利益は56円49銭となりました。
セグメントごとの経営成績等の詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、CASE需要の高まりや、地政学リスクを背景としたサプライチェーン再構築などを追い風に、中長期需要が旺盛なことを受け、これまでタイの新工場建設を進めてまいりました。当連結会計年度においても、タイ新工場や中国の工場の設備投資を行ってまいりましたが、投資有価証券の売却や借入金の返済などによりキャッシュ・フローの改善に努めてまいりました。
各キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、各キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性について)
a.資金調達の基本方針
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ、調達手段の多様化等を図ることで、資金コストの低減及び調達の安定性を高めることにより、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
b.資金調達
当社グループの資金調達は、短期運転資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を基本としております。長期的な資金については、設備投資計画や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの長期借入及び社債によって流動性を維持しております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は前期末比20億円減少し、422億35百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前期末比27億83百万円減少し、194億10百万円となりました。
c.流動性の確保
当社グループは、流動性を確保するために取引金融機関5行と総額240億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当連結会計年度末の借入未実行残高は145億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
当連結会計年度末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 合計 | 返済・償還 1年以内 | 返済・償還 1年超 | |
| 短期借入金 | 10,250 | 10,250 | - |
| 長期借入金 | 28,835 | 6,580 | 22,255 |
| 社債 | 3,000 | - | 3,000 |
| リース債務 | 150 | 62 | 87 |
| その他有利子負債 | - | - | - |
| 合計 | 42,235 | 16,892 | 25,342 |
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当連結会計年度においては、売上1,002億円、営業利益27億円、営業利益率2.7%となりました。
期初の計画に対しては、売上高につきましては、当社グループ主力の車載市場において、EV需要の不透明感からのPHVへの揺り戻しにより欧州主要顧客の販売は減少したものの、日系主要顧客向けの販売は順調に推移したことにより、売上高は計画を達成いたしました。
営業利益につきましては、品質管理体制の強化に向けた対応とタイ新工場の本格的な立ち上げ準備及び生産体制の再構築により、上期までの生産工場の稼働率は低調に推移しておりましたが、下期では高付加価値製品の増加やこれまでの諸改善施策が実を結び直近の第4四半期の採算は大きく改善したものの、計画未達成となりました。
今後の世界経済は、アメリカ・イスラエルとイランとの紛争により先行きの不透明さが増し、世界的なエネルギー・原材料供給の懸念も顕在化しております。このため、各国の対応が見通せない状況にあり、今後も先行き不透明な経済状況が続くものと予想されます。
当社グループ主力の車載市場においては、米国の関税政策の影響による景気後退や、短期的にはEVからPHVなどへの揺り戻しによる自動車需要の変化など、先行き不透明な状況であります。
このような状況の中、車載向け売上の確実な取込みを推進するとともに、車載以外の新事業領域への拡販を推し進めることにより、企業価値向上に努めて参りますが、一方で今期立ち上がりましたタイ新工場の償却負担は利益圧縮要因となる見通しであります。
翌連結会計年度の連結業績につきましては、売上高1,040億円、営業利益32億円、経常利益38億円、親会社株主に帰属する当期純利益20億円を予想しております。
| 2026年3月期 | 2027年3月期 | |||
| 計画 | 実績 | 計画比 | 計画 | |
| 売上高(億円) | 960 | 1,002 | 42 | 1,040 |
| 営業利益(億円) | 40 | 27 | △13 | 32 |
| 営業利益率(%) | 4.2 | 2.7 | △1.5 | 3.1 |