有価証券報告書-第64期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 9:32
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141項目
(1) 経営成績等の状況
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、通商政策を巡る不透明感や地政学的リスクの影響が引き続き懸念される中で、地域によって経済回復のペースにばらつきが見られ、全体としては不確実性の高い状況で推移いたしました。こうした中、米国の通商政策の影響等が一部に見られ、先行きには不透明感が残るものの、設備投資につきましては高水準の企業収益を背景に底堅く推移し、全体としては緩やかな回復基調が見られました。
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、生成AIやデータセンター関連需要を背景として、工業機器向けを中心に底堅い需要が見られました。一方で、車載機器向けにおいては、一部地域で在庫調整の影響が継続したほか、民生機器向けでは需要の回復に時間を要する状況となりました。
このような環境のもと、当社グループは、2030年を目標とする「KEL VISION 2030」(長期経営計画)および中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定し、目標達成に向けた施策を開始いたしました。
「KEL VISION 2030」では、世界での認知度向上および海外ビジネスの強化・拡大を図るとともに、世界へ向けた魅力的な付加価値商品(新製品)を増強し、世界に貢献できる企業体制・サプライチェーンの構築を基本方針として掲げております。
当社グループにおける当連結会計年度の事業概況としては、車載機器市場における電動化の進展を背景に需要拡大が継続し、工業機器市場についても在庫調整の影響が残るものの、市場環境の改善に伴う受注回復が進むことを想定しておりました。実際に売上高につきましては、工業機器市場および遊技機器市場向けコネクタの受注が好調に推移し、医療機器市場および画像機器市場向けコネクタの受注も堅調に推移いたしました。一方で、車載機器市場および通信機器市場向けコネクタの受注は減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は128億57百万円(前連結会計年度比8.3%増加)となりました。利益面につきましては、原材料価格の高騰により売上原価が上昇したことに加え、中国工場の量産開始が当初の計画より遅延し、生産効率の改善効果が想定を下回ったことから、売上総利益率が低下いたしました。また、将来の事業拡大および競争力強化を見据えた新製品・新技術開発への研究開発投資に加え、国内における新拠点の開設や中国工場設立に伴う設備投資等により、減価償却費ならびに販売費及び一般管理費が増加したことから、営業利益2億84百万円(同52.3%減少)、経常利益3億84百万円(同34.3%減少)となりました。
さらに、当社製品の一部に品質不具合が判明したことを受け、当該製品の品質不具合に伴う補償金および関連費用として製品不具合対策費40百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益2億10百万円(同47.6%減少)となりました。なお、本不具合は一部顧客で発生したものであり、主力製品への品質・性能に与える影響は限定的であります。
品目別の業績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループは、単一セグメントに属するコネクタ、ラック等の製造・販売を行っているため、品目別の業績を示しております。
〈製品別の状況〉
コネクタの売上高は、車載機器向けフローティングコネクタ、通信機器向けコネクタの受注は減少したものの、工業機器向け、遊技機器向けコネクタは好調に推移し、医療機器向け極細同軸ケーブル用コネクタ、画像機器向けコネクタの受注は堅調に推移したことにより112億93百万円(前連結会計年度比11.0%増加)となりました。
ラックの売上高は、電力及び車両関連(鉄道)向けの特注ラックの受注が堅調に推移したものの、医療機器向け特注ラックの受注が減少したことにより13億76百万円(同10.1%減少)となりました。
その他の売上高は、1億86百万円(同10.8%増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億41百万円減少(前連結会計年度は4億45百万円の減少)し、47億29百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、14億46百万円(前連結会計年度は11億56百万円の獲得)となりました。これは、法人税等の支払額1億51百万円があったものの、税金等調整前当期純利益3億57百万円の計上、減価償却費12億6百万円の計上があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、13億76百万円(前連結会計年度は10億74百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出15億2百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、5億90百万円(前連結会計年度は6億41百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額5億82百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、単一セグメントに属するコネクタ、ラック等の製造・販売を行っているため、生産、受注及び販売の状況については、品目別に記載しております。
イ.生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別生産高(千円)前期比(%)
コネクタ11,426,55613.8
ラック1,349,159△ 14.3
その他191,93347.2
合計12,967,64910.4

(注) 金額は販売価格によっております。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注状況を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
コネクタ11,784,34318.32,127,53430.0
ラック1,525,34319.0726,28725.7
その他178,4548.744,000△ 16.2
合計13,488,14118.22,897,82327.8

ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別販売高(千円)前期比(%)
コネクタ11,293,75411.0
ラック1,376,878△ 10.1
その他186,93410.8
合計12,857,5678.3

(注) 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
サンワテクノス㈱1,428,90612.01,775,91313.8

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・財政状態の状況の分析
当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。
区分金額(千円)前期比(%)
資産の部18,964,1921.9
負債の部3,660,0428.3
純資産の部15,304,1490.5

イ.資産
前連結会計年度末に比べ3億58百万円増加し、189億64百万円となりました。これは、現金及び預金の減少額3億50百万円があったものの、商品及び製品の増加額2億47百万円、原材料及び貯蔵品の増加額2億32百万円があったこと等によるものであります。
ロ.負債
前連結会計年度末に比べ2億79百万円増加し、36億60百万円となりました。これは、電子記録債務の減少額67百万円があったものの、支払手形及び買掛金の増加額2億62百万円があったこと等によるものであります。
ハ.純資産
前連結会計年度末に比べ79百万円増加し、153億4百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金の増加額2億73百万円があったこと等によるものであります。
・経営成績の状況の分析
当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
区分金額(千円)前期比(%)
売上高12,857,5678.3
営業利益284,833△52.3
経常利益384,498△34.3
親会社株主に帰属する当期純利益210,390△47.6

イ.売上高
売上高は医療機器市場の受注は受注が減少したものの、工業機器市場、遊技機器市場の好調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ9億85百万円増加し、128億57百万円となりました。
ロ.売上総利益及び営業利益
売上総利益は原材料価格の高騰により売上原価が上昇したことに加え、中国工場の量産開始が当初の計画より遅延し、生産効率の改善効果が想定を下回ったことから、前連結会計年度に比べ1億36百万円減少し、27億99百万円となりました。
営業利益は将来の事業拡大および競争力強化を見据えた新製品・新技術開発への研究開発投資に加え、国内における新拠点の開設や中国工場設立に伴う設備投資等により、減価償却費ならびに販売費及び一般管理費が増加したことから、3億11百万円減少し、2億84百万円となりました。
ハ.営業外損益及び経常利益
営業外損益は、受取配当金及び為替差益等の増加により、前連結会計年度に比べ純額で1億10百万円の増加となり、経常利益は営業利益の減少に伴い、前連結会計年度に比べ2億1百万円減少し、3億84百万円となりました。
ニ.特別損益
特別損益は製品不具合対策費の発生があり、前連結会計年度に比べ純額で24百万円減少となりました。
ホ.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億91百万円減少し、2億10百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、3億41百万円減少し、現金及び現金同等物の期末残高は、47億29百万円となっております。当該残高は、売上高の4.4か月相当であり、事業を運営するにあたり十分な残高を有しております。また、キャッシュ・フロー対有利子負債比率(有利子負債÷営業キャッシュ・フロー×100)は34.5%であり、財政状況も良好であります。
・資本の財源及び資金の流動性
イ.資本の財源
当社グループの属するエレクトロニクス業界、特に電子機器業界の進歩は目覚ましく、小型化・高性能化製品が求められる状況にあります。そのような市場ニーズに対応するため、当社グループは、研究開発投資により最近3年間以内に開発された新製品の売上割合を30%とする目標を定め、研究開発・設備投資(金型及び機械装置等)を行っております。これらの資金需要は、利益等を源泉とした内部資金・金融機関からの借入等で対応しております。
また、事業活動の拡大に伴う売掛債権及び棚卸資産等への資金需要につきましても、内部資金・金融機関からの借入等で対応しております。
ロ.資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末の流動比率(流動資産÷流動負債×100)は、375%であり、また、現金預金比率(現金及び預金÷流動負債×100)につきましても148%となっており、安定した資金運営を行っております。なお、各子会社の資金状況は当社で把握・管理しており、当社がグループ資金を一元管理しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] 注記事項連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に基づき作成しておりますが、採用する会計基準には、当社の判断及び見積りを伴うものが含まれております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営効率を判断する指標として、「株主資本利益率(ROE)」を重要と考えており、その向上を目指しております。当連結会計年度の「株主資本利益率(ROE)」は1.4%となり、前連結会計年度に比1.2ポイント減少いたしました。

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