有価証券報告書-第40期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済状況は、米国経済は、緩やかな景気拡大が続きましたが、年明けからの新型コロナウイルス感染症拡大を受け、米国政府は、経済対策として政策金利の利下げや景気後退に陥らぬよう追加の景気刺激策を打ち出しております。中国経済は、米中の貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から景気減速に至り、四半期ベースで初のマイナス成長と報じられ、不透明感を強めています。我が国では、政府の緊急事態宣言の発令により経済活動に影響が出始めており、今後の経済見通しは不透明な状況です。為替相場は、やや円高方向で推移しました。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、半導体メモリや液晶・有機ELパネルなどの設備投資の調整局面が続いておりましたが、年末にかけてメモリ需給バランスの改善からデバイスメーカーの設備投資再開の声も聴かれ、設備稼働率は一年を通して一定水準で推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業におきましては、製造装置向けの機能部品や受託製造等が減少し、半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品の販売も最終ユーザーの在庫調整のため需給はやや弱含みの一年となりました。
電子デバイス事業におきましては、主力のサーモモジュールは、北米・中国の自動車販売台数の減少により温調シート向けが軟調な展開となりましたが、次世代通信システム機器向けを中心に伸長し、バイオ・医療機器向けは底堅く推移しました。一方、パワー半導体用基板は売上を伸ばしました。
また、その他の事業におきまして、不採算の表面処理事業等の事業用資産について減損処理を実施しました。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は81,613百万円(前期比8.8%減)、営業利益は6,012百万円(前期比31.5%減)、経常利益は4,263百万円(前期比47.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,784百万円(前期比37.3%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を次のとおり変更しております。
当社では、取扱い製品を製品用途の類似性と販売先業種により区分し、従来、「半導体等装置関連事業」「太陽電池関連事業」および「電子デバイス事業」の3区分を報告セグメントとして分類しておりましたが、「太陽電池関連事業」は自社製品販売から撤退し、太陽電池向けシリコン製品のOEM受託製造のみ行っていることから量的な重要性が低下したため、報告セグメントから除外し、「その他」に含めております。また、従来、「太陽電池関連事業」に属する製品として管理していた「石英坩堝」は製品用途・販売先業種が変化したため「半導体等装置関連事業」に含めて管理する事といたしました。
このため、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンウエーハ加工、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
主力の真空シールは、半導体および有機ELパネルなどの製造装置内に装着され、密封空間を保持する機能部品です。半導体や有機ELパネルメーカーの設備投資の調整局面が続いた結果、同製品と受託加工の売上は前期比で減収となりました。また、半導体のウエーハプロセスに使用されるマテリアル製品(石英・セラミックス等)は、各種メモリの価格が需給バランスにより下落し、デバイスメーカー各社が在庫調整を継続したため、需要は弱いものとなりました。シリコンウエーハ加工は、一定の水準で推移しました。半導体製造装置、有機ELパネル製造装置などの部品洗浄の売上は、新工場の稼働により伸長しました。
当該事業は、半導体製造装置の設備投資及び稼働率に連動します。
この結果、当該事業の売上高は52,880百万円(前期比7.2%減)、営業利益は4,192百万円(前期比54.2%減)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力のサーモモジュールは、自動車温調シート向けが北米市場および中国市場での自動車販売台数の前年割れにより、軟調な展開が続きました。5G用の移動通信システム機器、PCR等の医療検査装置向けは概ね計画のとおりに推移しましたが、その他の産業用途は、米中貿易摩擦の長期化の影響で、顧客の在庫調整が発生し、前期比で減収となりました。パワー半導体用基板は、DCB基板が成長著しく、順調に売上を伸ばし、新開発のAMB基板は、数多くの顧客において認定取得中です。磁性流体は、スピーカー向けとスマートフォン用途の需要がやや減少となりました。
当該事業の各製品は、景気に左右されにくい業種への販売を進めております。
この結果、当該事業の売上高は13,489百万円(前期比4.6%増)、営業利益は2,768百万円(前期比17.0%増)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ26,911百万円増加し、190,010百万円となりました。これは主に現金及び預金7,846百万円、無形固定資産3,057百万円が減少した一方、有形固定資産34,683百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ26,612百万円増加し、139,862百万円となりました。これは主に社債(1年内返済予定を含む)9,467百万円、長期設備関係未払金7,194百万円、転換社債型新株予約権付社債3,734百万円の増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ299百万円増加し、50,147百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定2,158百万円が減少した一方、利益剰余金908百万円、非支配株主持分1,355百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ7,846百万円減少し、23,709百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,902百万円(前連結会計年度比2,563百万円減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,540百万円、減価償却費7,600百万円によるものであります。支出の主な内訳は、その他の資産の増加額3,495百万円、法人税等の支払額1,880百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34,472百万円(前連結会計年度比2,590百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出33,795百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は17,996百万円(前連結会計年度比16,511百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出9,538百万円、社債の償還による支出2,583百万円の一方、長期借入れによる収入10,852百万円、社債の発行による収入11,941百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入3,707百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は81,613百万円(前連結会計年度比8.8%減)、営業利益は6,012百万円(前連結会計年度比31.5%減)、経常利益は4,263百万円(前連結会計年度比47.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,784百万円(前連結会計年度比37.3%減)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度における経営成績への影響は軽微でありましたが、今後の経済見通しは極めて不透明な状況となっております。当社グループの属するエレクトロニクス産業の半導体業界では、設備立上げ人員の入国禁止措置等により、半導体デバイスメーカーは設備投資の延期を余儀なくされております。
かかる状況の中、移動通信システム業界では、2020年の本格運用を目指す第5世代通信(5G)が一部で開始され、超高速・大容量化・多数端末接続により、段階的な自動運転や遠隔医療のほか、4K・8Kの動画配信やリモートワークの拡大による各種サービスの拡充が予想されます。
その一方で、自動車業界においては、前年比2割近い販売減となる市場調査予測もあることや、ホテル向けリネン業界も旅行者の減少等によるホテル稼働率の低下から厳しい状況となっており、当社グループの製品も影響を受けるものと考えております。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は54,685百万円(前連結会計年度比12.3%減)となり、売上高に対する売上原価率は2.7ポイント低下の67.0%となりました。これは主に太陽電池用シリコン製品を含むその他事業の減収によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は20,915百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費の増加によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益1,612百万円(前連結会計年度比53.0%増)の主な内容は、補助金収入802百万円、持分法による投資利益420百万円によるものであります。また、営業外費用3,361百万円(前連結会計年度比89.2%増)の主な内容は、支払利息1,316百万円、為替差損898百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益523百万円(前連結会計年度比19.3%減)の内容は、受取保険金412百万円、固定資産売却益53百万円によるものであります。また、特別損失1,246百万円(前連結会計年度比59.4%減)の主な内容は、減損損失812百万円、災害による損失334百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は1,897百万円(前連結会計年度比32.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースからの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ17,397百万円増加の78,473百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ25,243百万円増加し、54,764百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金23,709百万円のほか、取引銀行6行との間で総額2,000百万円のシンジケート方式によるコミットメントライン(借入未実行残高2,000百万円)契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
今期の設備投資金額は現時点では294億円を予定していますが、金融機関からの資金調達約95億円、中国半導体ウエーハ子会社の現地借入約95億円、中国半導体ウエーハ投資補助金約30億円、中国再生ウエーハ事業子会社増資約40億円及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りは以下のとおりです。
(固定資産の減損)
当社グループは、内部管理上採用している区分を基礎として、独立してキャッシュ・フローが把握可能な単位での資産のグルーピングを行っております。また、遊休資産は、個別物件単位でグルーピングを行っております。このうち、時価が著しく下落した資産および収益性が著しく低下した資産などの減損の兆候がある資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。
経営環境の悪化等による将来キャッシュ・フロー等の回収可能価額の前提条件に変更が生じた場合は、減損処理が必要になる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の事業計画に基づく課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
経営環境の変化、事業計画の見直しなどにより将来の課税所得の見積りに変更が生じ、繰延税金資産の回収可能性がないと判断された場合は、繰延税金資産の取り崩しに伴う税金費用を計上する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年5月に発表しました「中期経営目標」において、収益性を向上するとともに、ビリオンダラーカンパニーとして次のステージへ向け、2022年3月期に連結売上高1,250億円、連結営業利益は利益率10%の125億円を目標としておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響により事業環境が大きく変化し、現状では新型コロナウイルスの収束時期および今後の当社グループに与える影響を見通すことは極めて困難な状況であることから、2020年6月26日に「中期経営目標」を今後見直すことを公表いたしました。見直し後の中期経営目標につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が収束していく中で、新たな定量目標を策定次第、速やかに公表いたします。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済状況は、米国経済は、緩やかな景気拡大が続きましたが、年明けからの新型コロナウイルス感染症拡大を受け、米国政府は、経済対策として政策金利の利下げや景気後退に陥らぬよう追加の景気刺激策を打ち出しております。中国経済は、米中の貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から景気減速に至り、四半期ベースで初のマイナス成長と報じられ、不透明感を強めています。我が国では、政府の緊急事態宣言の発令により経済活動に影響が出始めており、今後の経済見通しは不透明な状況です。為替相場は、やや円高方向で推移しました。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、半導体メモリや液晶・有機ELパネルなどの設備投資の調整局面が続いておりましたが、年末にかけてメモリ需給バランスの改善からデバイスメーカーの設備投資再開の声も聴かれ、設備稼働率は一年を通して一定水準で推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業におきましては、製造装置向けの機能部品や受託製造等が減少し、半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品の販売も最終ユーザーの在庫調整のため需給はやや弱含みの一年となりました。
電子デバイス事業におきましては、主力のサーモモジュールは、北米・中国の自動車販売台数の減少により温調シート向けが軟調な展開となりましたが、次世代通信システム機器向けを中心に伸長し、バイオ・医療機器向けは底堅く推移しました。一方、パワー半導体用基板は売上を伸ばしました。
また、その他の事業におきまして、不採算の表面処理事業等の事業用資産について減損処理を実施しました。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は81,613百万円(前期比8.8%減)、営業利益は6,012百万円(前期比31.5%減)、経常利益は4,263百万円(前期比47.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,784百万円(前期比37.3%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を次のとおり変更しております。
当社では、取扱い製品を製品用途の類似性と販売先業種により区分し、従来、「半導体等装置関連事業」「太陽電池関連事業」および「電子デバイス事業」の3区分を報告セグメントとして分類しておりましたが、「太陽電池関連事業」は自社製品販売から撤退し、太陽電池向けシリコン製品のOEM受託製造のみ行っていることから量的な重要性が低下したため、報告セグメントから除外し、「その他」に含めております。また、従来、「太陽電池関連事業」に属する製品として管理していた「石英坩堝」は製品用途・販売先業種が変化したため「半導体等装置関連事業」に含めて管理する事といたしました。
このため、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンウエーハ加工、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
主力の真空シールは、半導体および有機ELパネルなどの製造装置内に装着され、密封空間を保持する機能部品です。半導体や有機ELパネルメーカーの設備投資の調整局面が続いた結果、同製品と受託加工の売上は前期比で減収となりました。また、半導体のウエーハプロセスに使用されるマテリアル製品(石英・セラミックス等)は、各種メモリの価格が需給バランスにより下落し、デバイスメーカー各社が在庫調整を継続したため、需要は弱いものとなりました。シリコンウエーハ加工は、一定の水準で推移しました。半導体製造装置、有機ELパネル製造装置などの部品洗浄の売上は、新工場の稼働により伸長しました。
当該事業は、半導体製造装置の設備投資及び稼働率に連動します。
この結果、当該事業の売上高は52,880百万円(前期比7.2%減)、営業利益は4,192百万円(前期比54.2%減)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力のサーモモジュールは、自動車温調シート向けが北米市場および中国市場での自動車販売台数の前年割れにより、軟調な展開が続きました。5G用の移動通信システム機器、PCR等の医療検査装置向けは概ね計画のとおりに推移しましたが、その他の産業用途は、米中貿易摩擦の長期化の影響で、顧客の在庫調整が発生し、前期比で減収となりました。パワー半導体用基板は、DCB基板が成長著しく、順調に売上を伸ばし、新開発のAMB基板は、数多くの顧客において認定取得中です。磁性流体は、スピーカー向けとスマートフォン用途の需要がやや減少となりました。
当該事業の各製品は、景気に左右されにくい業種への販売を進めております。
この結果、当該事業の売上高は13,489百万円(前期比4.6%増)、営業利益は2,768百万円(前期比17.0%増)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ26,911百万円増加し、190,010百万円となりました。これは主に現金及び預金7,846百万円、無形固定資産3,057百万円が減少した一方、有形固定資産34,683百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ26,612百万円増加し、139,862百万円となりました。これは主に社債(1年内返済予定を含む)9,467百万円、長期設備関係未払金7,194百万円、転換社債型新株予約権付社債3,734百万円の増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ299百万円増加し、50,147百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定2,158百万円が減少した一方、利益剰余金908百万円、非支配株主持分1,355百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ7,846百万円減少し、23,709百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,902百万円(前連結会計年度比2,563百万円減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,540百万円、減価償却費7,600百万円によるものであります。支出の主な内訳は、その他の資産の増加額3,495百万円、法人税等の支払額1,880百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34,472百万円(前連結会計年度比2,590百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出33,795百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は17,996百万円(前連結会計年度比16,511百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出9,538百万円、社債の償還による支出2,583百万円の一方、長期借入れによる収入10,852百万円、社債の発行による収入11,941百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入3,707百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 53,339,629 | 103.0 |
| 電子デバイス事業 | 13,374,277 | 103.4 |
| 報告セグメント計 | 66,713,906 | 103.1 |
| その他 | 8,161,322 | 42.9 |
| 合計(千円) | 74,875,229 | 89.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 53,505,543 | 101.6 | 5,374,529 | 117.4 |
| 電子デバイス事業のうち受注生産品目 | 3,614,855 | 124.6 | 115,316 | 90.7 |
| その他 | 14,726,148 | 79.8 | 795,593 | 60.6 |
| 合計(千円) | 71,846,548 | 97.1 | 6,285,439 | 104.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 52,880,989 | 92.8 |
| 電子デバイス事業 | 13,489,369 | 104.6 |
| 報告セグメント計 | 66,370,359 | 95.0 |
| その他 | 15,243,317 | 77.9 |
| 合計(千円) | 81,613,676 | 91.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は81,613百万円(前連結会計年度比8.8%減)、営業利益は6,012百万円(前連結会計年度比31.5%減)、経常利益は4,263百万円(前連結会計年度比47.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,784百万円(前連結会計年度比37.3%減)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による当連結会計年度における経営成績への影響は軽微でありましたが、今後の経済見通しは極めて不透明な状況となっております。当社グループの属するエレクトロニクス産業の半導体業界では、設備立上げ人員の入国禁止措置等により、半導体デバイスメーカーは設備投資の延期を余儀なくされております。
かかる状況の中、移動通信システム業界では、2020年の本格運用を目指す第5世代通信(5G)が一部で開始され、超高速・大容量化・多数端末接続により、段階的な自動運転や遠隔医療のほか、4K・8Kの動画配信やリモートワークの拡大による各種サービスの拡充が予想されます。
その一方で、自動車業界においては、前年比2割近い販売減となる市場調査予測もあることや、ホテル向けリネン業界も旅行者の減少等によるホテル稼働率の低下から厳しい状況となっており、当社グループの製品も影響を受けるものと考えております。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は54,685百万円(前連結会計年度比12.3%減)となり、売上高に対する売上原価率は2.7ポイント低下の67.0%となりました。これは主に太陽電池用シリコン製品を含むその他事業の減収によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は20,915百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費の増加によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益1,612百万円(前連結会計年度比53.0%増)の主な内容は、補助金収入802百万円、持分法による投資利益420百万円によるものであります。また、営業外費用3,361百万円(前連結会計年度比89.2%増)の主な内容は、支払利息1,316百万円、為替差損898百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益523百万円(前連結会計年度比19.3%減)の内容は、受取保険金412百万円、固定資産売却益53百万円によるものであります。また、特別損失1,246百万円(前連結会計年度比59.4%減)の主な内容は、減損損失812百万円、災害による損失334百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は1,897百万円(前連結会計年度比32.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 4,642 | 8,218 | 9,946 | 11,466 | 8,902 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △4,023 | △7,070 | △12,388 | △37,063 | △34,472 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △520 | 3,897 | 10,830 | 34,507 | 17,996 |
| 現金及び現金同等物の期末残高(百万円) | 10,038 | 14,778 | 23,648 | 31,555 | 23,709 |
| 自己資本比率(%) | 49.1 | 42.6 | 43.3 | 30.3 | 25.5 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 47.0 | 45.9 | 83.9 | 25.1 | 10.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 3.6 | 2.7 | 2.6 | 5.3 | 8.8 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 8.5 | 15.7 | 15.7 | 15.3 | 9.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースからの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ17,397百万円増加の78,473百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ25,243百万円増加し、54,764百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金23,709百万円のほか、取引銀行6行との間で総額2,000百万円のシンジケート方式によるコミットメントライン(借入未実行残高2,000百万円)契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
今期の設備投資金額は現時点では294億円を予定していますが、金融機関からの資金調達約95億円、中国半導体ウエーハ子会社の現地借入約95億円、中国半導体ウエーハ投資補助金約30億円、中国再生ウエーハ事業子会社増資約40億円及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りは以下のとおりです。
(固定資産の減損)
当社グループは、内部管理上採用している区分を基礎として、独立してキャッシュ・フローが把握可能な単位での資産のグルーピングを行っております。また、遊休資産は、個別物件単位でグルーピングを行っております。このうち、時価が著しく下落した資産および収益性が著しく低下した資産などの減損の兆候がある資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。
経営環境の悪化等による将来キャッシュ・フロー等の回収可能価額の前提条件に変更が生じた場合は、減損処理が必要になる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の事業計画に基づく課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
経営環境の変化、事業計画の見直しなどにより将来の課税所得の見積りに変更が生じ、繰延税金資産の回収可能性がないと判断された場合は、繰延税金資産の取り崩しに伴う税金費用を計上する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年5月に発表しました「中期経営目標」において、収益性を向上するとともに、ビリオンダラーカンパニーとして次のステージへ向け、2022年3月期に連結売上高1,250億円、連結営業利益は利益率10%の125億円を目標としておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響により事業環境が大きく変化し、現状では新型コロナウイルスの収束時期および今後の当社グループに与える影響を見通すことは極めて困難な状況であることから、2020年6月26日に「中期経営目標」を今後見直すことを公表いたしました。見直し後の中期経営目標につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が収束していく中で、新たな定量目標を策定次第、速やかに公表いたします。