訂正有価証券報告書-第45期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における経営環境については、米国は個人消費や非製造業の景況感も良好な状況が続きました。一方、製造業ではAI関連産業は良好ながら他産業の生産は低迷しました。欧州は、ユーロ圏、英国も個人消費や非製造業は比較的良好に推移しましたが、製造業は外需の下振れ等からドイツを中心に低迷しました。日本は、食料品価格上昇が続くなか、雇用情勢の堅調さもあり個人消費は良好な状況でした。インバウンド消費や外需の好調から企業の景況感も良好であり、設備投資も伸長しました。中国はGDPが5%前後で推移するものの、自動車の買い替え支援など政府支出による下支えの部分も多い状況です。輸出の持ち直しや個人消費の回復もみられましたが、持続的な動きとはならず、消費マインドの低下傾向がみられました。
為替相場は、対米ドルレートは2024年中総じて円安方向に進みましたが、2025年に入ってから円高の方向に転換しています。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、生成AI成長に伴うサーバー投資も好調を維持したほか、中国の旺盛な需要が引き続き市場を牽引、欧米需要も昨年からの回復により全体では堅調でした。パワー半導体分野も、主要用途であるEV市場で中国の販売台数が伸びるなど引き続き好調でした。一方、太陽光パネル市場はパネル価格が低迷する状況が続き、今は在庫調整の局面となっております。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業では、製造装置向けの設備投資の回復を受け真空部品や受託加工の需要が大きく伸びました。また、工場稼働率の回復もあり半導体製造プロセス向けの各種マテリアル製品(石英・セラミックス等)や部品洗浄の事業も売上を伸ばすことができました。電子デバイス事業においては、サーモモジュールが生成AIサーバー投資に伴う光トランシーバー向け需要が高水準に推移しました。車載関連事業ではEV向けのパワー半導体用基板需要は概ね好調に推移しました。
なお、営業利益は、減価償却費負担増、製品構成の変化、販売費及び一般管理費の増加などにより、前年同期比で減少しました。経常利益は、中国での補助金収入が増加しましたが、持分法による投資損失の増加等により相殺されました。親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益が減少したため、前期比で増加しました。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は274,390百万円(前期比23.4%増)、営業利益は24,089百万円(前期比3.1%減)、経常利益は25,558百万円(前期比3.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は15,692百万円(前期比3.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。以下の前年同期比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンパーツ、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
半導体全体及び半導体製造装置の需要が回復基調のなか、当社の真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品は米国メーカー、中国メーカーからの注文増などもあり大幅増収、半導体製造プロセスに使用される石英製品・セラミックス製品、部品洗浄サービスなども、工場稼働率の回復を背景に売上を伸ばしました。一方、石英坩堝については増収ながら、太陽光パネル製造メーカー向け売上が下期に停滞しました。利益面では、増産投資に伴う償却負担増、固定費増に加え、太陽光パネル製造向け石英坩堝の採算悪化などもあり、利益が伸び悩みました。
この結果、当該事業の売上高は165,245百万円(前期比27.0%増)、営業利益は12,305百万円(前期比24.3%減)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体、センサです。
サーモモジュールは、生成AI関連のサーバー投資の増加に伴い光トランシーバー向けの出荷が引き続き大きく伸びました。パワー半導体用基板についても、産業機械向け等で順調に売上を伸ばしました。センサの損益は株式会社大泉製作所の決算期変更により、2024年4月から12月までの9か月分となっております。
この結果、当該事業の売上高は50,487百万円(前期比21.0%増)、営業利益は8,250百万円(前期比20.8%増)となりました。
(車載関連事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、センサです。
サーモモジュールは、前年同期比で車載用冷蔵庫等の販売を伸ばしました。パワー半導体用基板については、電気自動車(EV)向けを中心に売上を伸ばし、全体では増収となりました。また、センサの損益は株式会社大泉製作所の決算期変更により2024年4月から12月までの9か月分となっております。利益面ではパワー半導体基板でDCB基板などの競争激化の影響から採算が低下しました。
この結果、当該事業の売上高は30,463百万円(前期比17.7%増)、営業利益は3,599百万円(前期比11.4%減)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業であり、ソーブレード、工作機械、太陽電池用シリコン製品等の事業を含んでおります。
工作機械、業務用洗濯機が前年同期比で増加しましたが、太陽電池用シリコン製品の出荷は減少しました。
この結果、当該事業の売上高は28,194百万円(前期比13.9%増)、営業利益は843百万円(前期は1,197百万円の営業損失)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ90,566百万円増加し、600,593百万円となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産30,667百万円、有形固定資産43,724百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ45,183百万円増加し、277,043百万円となりました。これは主に社債(1年内償還予定を含む)3,763百万円が減少したものの、支払手形及び買掛金17,059百万円、短期借入金8,028百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)22,871百万円増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ45,383百万円増加し、323,549百万円となりました。これは主に利益剰余金10,553百万円、為替換算調整勘定21,543百万円、非支配株主持分12,961百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ12,092百万円増加し、108,899百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は26,066百万円(前連結会計年度比2,653百万円減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益25,046百万円、減価償却費23,672百万円、仕入債務の増加11,684百万円によるものであります。支出の主な内訳は、売上債権の増加額22,550百万円、棚卸資産の増加額10,500百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は39,627百万円(前連結会計年度比52,773百万円減)となりました。これは主に定期預金の純減少額13,912百万円の一方、有形固定資産の取得による支出51,239百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は18,965百万円(前連結会計年度比41,453百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出19,102百万円の一方、長期借入れによる収入39,593百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業及び車載関連事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は274,390百万円(前連結会計年度比23.4%増)、営業利益は24,089百万円(前連結会計年度比3.1%減)、経常利益は25,558百万円(前連結会計年度比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,692百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は201,029百万円(前連結会計年度比31.8%増)となり、売上高に対する売上原価率は4.7ポイント増加の73.3%となりました。これは主に設備投資に伴う減価償却費等の増加によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は49,271百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費、研究開発費の増加によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益10,318百万円(前連結会計年度比28.9%増)の主な内容は、受取利息1,992百万円、補助金収入5,284百万円によるものであります。また、営業外費用8,850百万円(前連結会計年度比39.6%増)の主な内容は、支払利息2,766百万円、持分法による投資損失5,420百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益350百万円(前連結会計年度比53.6%減)の主な内容は、持分変動利益349百万円によるものであります。また、特別損失862百万円(前連結会計年度比24.8%減)の主な内容は、減損損失436百万円、事業構造改善費用425百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は5,746百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースなどの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資等により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ27,137百万円増加の162,298百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ26,664百万円増加し、44,570百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金117,727百万円のほか、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
2026年3月期の投資金額は現時点では65,000百万円を予定していますが、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、金融機関からの資金調達及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2024年5月に「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」を公表し、最終年度の2027年3月期に売上高3,800億円、営業利益600億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円を目標としておりましたが、2025年5月に半導体前工程製造装置(WFE)マーケット及び電気自動車(EV)マーケットにおける先行きの不透明感、成長の減速懸念等、並びに米中半導体摩擦の対応のため加速する中国外量産の増強に伴う減価償却費及び立上げコスト増加等を反映した「中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)ローリングプラン」を公表し、最終年度の2028年3月期に売上高4,000億円、営業利益470億円、親会社株主に帰属する当期純利益290億円に見直しております。
2026年3月期の見通しは、売上高2,850億円、営業利益280億円、親会社株主に帰属する当期純利益160億円であります。なお、当社グループは、重要な指標として、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、株主資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)及び自己資本比率を採用しております。ROEは15%、ROICは8%、自己資本比率は40%を目標としております。
当連結会計年度の計画達成状況等は以下のとおりであります。
(注1)2024年5月公表値
(注2)2024年11月公表値
(注3)2025年5月公表値
(注4)中長期目標
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における経営環境については、米国は個人消費や非製造業の景況感も良好な状況が続きました。一方、製造業ではAI関連産業は良好ながら他産業の生産は低迷しました。欧州は、ユーロ圏、英国も個人消費や非製造業は比較的良好に推移しましたが、製造業は外需の下振れ等からドイツを中心に低迷しました。日本は、食料品価格上昇が続くなか、雇用情勢の堅調さもあり個人消費は良好な状況でした。インバウンド消費や外需の好調から企業の景況感も良好であり、設備投資も伸長しました。中国はGDPが5%前後で推移するものの、自動車の買い替え支援など政府支出による下支えの部分も多い状況です。輸出の持ち直しや個人消費の回復もみられましたが、持続的な動きとはならず、消費マインドの低下傾向がみられました。
為替相場は、対米ドルレートは2024年中総じて円安方向に進みましたが、2025年に入ってから円高の方向に転換しています。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、生成AI成長に伴うサーバー投資も好調を維持したほか、中国の旺盛な需要が引き続き市場を牽引、欧米需要も昨年からの回復により全体では堅調でした。パワー半導体分野も、主要用途であるEV市場で中国の販売台数が伸びるなど引き続き好調でした。一方、太陽光パネル市場はパネル価格が低迷する状況が続き、今は在庫調整の局面となっております。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業では、製造装置向けの設備投資の回復を受け真空部品や受託加工の需要が大きく伸びました。また、工場稼働率の回復もあり半導体製造プロセス向けの各種マテリアル製品(石英・セラミックス等)や部品洗浄の事業も売上を伸ばすことができました。電子デバイス事業においては、サーモモジュールが生成AIサーバー投資に伴う光トランシーバー向け需要が高水準に推移しました。車載関連事業ではEV向けのパワー半導体用基板需要は概ね好調に推移しました。
なお、営業利益は、減価償却費負担増、製品構成の変化、販売費及び一般管理費の増加などにより、前年同期比で減少しました。経常利益は、中国での補助金収入が増加しましたが、持分法による投資損失の増加等により相殺されました。親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益が減少したため、前期比で増加しました。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は274,390百万円(前期比23.4%増)、営業利益は24,089百万円(前期比3.1%減)、経常利益は25,558百万円(前期比3.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は15,692百万円(前期比3.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。以下の前年同期比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンパーツ、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
半導体全体及び半導体製造装置の需要が回復基調のなか、当社の真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品は米国メーカー、中国メーカーからの注文増などもあり大幅増収、半導体製造プロセスに使用される石英製品・セラミックス製品、部品洗浄サービスなども、工場稼働率の回復を背景に売上を伸ばしました。一方、石英坩堝については増収ながら、太陽光パネル製造メーカー向け売上が下期に停滞しました。利益面では、増産投資に伴う償却負担増、固定費増に加え、太陽光パネル製造向け石英坩堝の採算悪化などもあり、利益が伸び悩みました。
この結果、当該事業の売上高は165,245百万円(前期比27.0%増)、営業利益は12,305百万円(前期比24.3%減)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体、センサです。
サーモモジュールは、生成AI関連のサーバー投資の増加に伴い光トランシーバー向けの出荷が引き続き大きく伸びました。パワー半導体用基板についても、産業機械向け等で順調に売上を伸ばしました。センサの損益は株式会社大泉製作所の決算期変更により、2024年4月から12月までの9か月分となっております。
この結果、当該事業の売上高は50,487百万円(前期比21.0%増)、営業利益は8,250百万円(前期比20.8%増)となりました。
(車載関連事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、センサです。
サーモモジュールは、前年同期比で車載用冷蔵庫等の販売を伸ばしました。パワー半導体用基板については、電気自動車(EV)向けを中心に売上を伸ばし、全体では増収となりました。また、センサの損益は株式会社大泉製作所の決算期変更により2024年4月から12月までの9か月分となっております。利益面ではパワー半導体基板でDCB基板などの競争激化の影響から採算が低下しました。
この結果、当該事業の売上高は30,463百万円(前期比17.7%増)、営業利益は3,599百万円(前期比11.4%減)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業であり、ソーブレード、工作機械、太陽電池用シリコン製品等の事業を含んでおります。
工作機械、業務用洗濯機が前年同期比で増加しましたが、太陽電池用シリコン製品の出荷は減少しました。
この結果、当該事業の売上高は28,194百万円(前期比13.9%増)、営業利益は843百万円(前期は1,197百万円の営業損失)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ90,566百万円増加し、600,593百万円となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産30,667百万円、有形固定資産43,724百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ45,183百万円増加し、277,043百万円となりました。これは主に社債(1年内償還予定を含む)3,763百万円が減少したものの、支払手形及び買掛金17,059百万円、短期借入金8,028百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)22,871百万円増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ45,383百万円増加し、323,549百万円となりました。これは主に利益剰余金10,553百万円、為替換算調整勘定21,543百万円、非支配株主持分12,961百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ12,092百万円増加し、108,899百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は26,066百万円(前連結会計年度比2,653百万円減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益25,046百万円、減価償却費23,672百万円、仕入債務の増加11,684百万円によるものであります。支出の主な内訳は、売上債権の増加額22,550百万円、棚卸資産の増加額10,500百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は39,627百万円(前連結会計年度比52,773百万円減)となりました。これは主に定期預金の純減少額13,912百万円の一方、有形固定資産の取得による支出51,239百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は18,965百万円(前連結会計年度比41,453百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出19,102百万円の一方、長期借入れによる収入39,593百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業(百万円) | 169,415 | 127.3 |
| 電子デバイス事業(百万円) | 50,700 | 112.4 |
| 車載関連事業(百万円) | 32,000 | 144.6 |
| 報告セグメント計(百万円) | 252,116 | 125.9 |
| その他(百万円) | 26,387 | 99.6 |
| 合計(百万円) | 278,503 | 122.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 166,681 | 125.1 | 14,042 | 111.4 |
| 電子デバイス事業のうち受注生産品目 | 25,805 | 117.9 | 7,348 | 153.0 |
| 車載関連事業のうち 受注生産品目 | 28,967 | 131.4 | 7,262 | 135.5 |
| その他 | 28,098 | 115.8 | 1,086 | 91.9 |
| 合計(百万円) | 249,554 | 123.9 | 29,739 | 124.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業及び車載関連事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業(百万円) | 165,245 | 127.0 |
| 電子デバイス事業(百万円) | 50,487 | 121.0 |
| 車載関連事業(百万円) | 30,463 | 117.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 246,196 | 124.5 |
| その他(百万円) | 28,194 | 113.9 |
| 合計(百万円) | 274,390 | 123.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| LAM RESEARCH CORPORATION | 23,964 | 10.8 | - | - |
(注)当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は274,390百万円(前連結会計年度比23.4%増)、営業利益は24,089百万円(前連結会計年度比3.1%減)、経常利益は25,558百万円(前連結会計年度比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,692百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は201,029百万円(前連結会計年度比31.8%増)となり、売上高に対する売上原価率は4.7ポイント増加の73.3%となりました。これは主に設備投資に伴う減価償却費等の増加によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は49,271百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費、研究開発費の増加によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益10,318百万円(前連結会計年度比28.9%増)の主な内容は、受取利息1,992百万円、補助金収入5,284百万円によるものであります。また、営業外費用8,850百万円(前連結会計年度比39.6%増)の主な内容は、支払利息2,766百万円、持分法による投資損失5,420百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益350百万円(前連結会計年度比53.6%減)の主な内容は、持分変動利益349百万円によるものであります。また、特別損失862百万円(前連結会計年度比24.8%減)の主な内容は、減損損失436百万円、事業構造改善費用425百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は5,746百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 13,217 | 17,833 | 43,024 | 28,720 | 26,066 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △20,879 | △29,399 | △68,760 | △92,400 | △39,627 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 21,694 | 30,601 | 68,718 | 60,419 | 18,965 |
| 現金及び現金同等物の期末残高(百万円) | 30,202 | 52,579 | 95,905 | 96,806 | 108,899 |
| 自己資本比率(%) | 37.8 | 49.5 | 44.7 | 40.1 | 39.4 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 46.3 | 46.3 | 37.9 | 27.3 | 20.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 3.6 | 2.1 | 1.6 | 4.7 | 6.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 9.2 | 21.9 | 44.3 | 15.5 | 9.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースなどの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資等により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ27,137百万円増加の162,298百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ26,664百万円増加し、44,570百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金117,727百万円のほか、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
2026年3月期の投資金額は現時点では65,000百万円を予定していますが、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、金融機関からの資金調達及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2024年5月に「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」を公表し、最終年度の2027年3月期に売上高3,800億円、営業利益600億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円を目標としておりましたが、2025年5月に半導体前工程製造装置(WFE)マーケット及び電気自動車(EV)マーケットにおける先行きの不透明感、成長の減速懸念等、並びに米中半導体摩擦の対応のため加速する中国外量産の増強に伴う減価償却費及び立上げコスト増加等を反映した「中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)ローリングプラン」を公表し、最終年度の2028年3月期に売上高4,000億円、営業利益470億円、親会社株主に帰属する当期純利益290億円に見直しております。
2026年3月期の見通しは、売上高2,850億円、営業利益280億円、親会社株主に帰属する当期純利益160億円であります。なお、当社グループは、重要な指標として、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、株主資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)及び自己資本比率を採用しております。ROEは15%、ROICは8%、自己資本比率は40%を目標としております。
当連結会計年度の計画達成状況等は以下のとおりであります。
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | |||||
| 当初計画 (注1) | 修正計画 (注2) | 当期実績 | 当初計画 (注1) | 修正計画 (注3) | ||
| 売上高 | 2,350億円 | 2,650億円 | 2,743億円 | 3,000億円 | 2,850億円 | |
| 営業利益 | 260億円 | 260億円 | 240億円 | 400億円 | 280億円 | |
| 営業利益率 | 11.1% | 9.8% | 8.8% | 13.3% | 9.8% | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 160億円 | 160億円 | 156億円 | 220億円 | 160億円 | |
| ROE | 15%(注4) | 7.1% | 15%(注4) | |||
| ROIC | 8%(注4) | 3.9% | 8%(注4) | |||
| 自己資本比率 | 40%(注4) | 39.4% | 40%(注4) | |||
(注1)2024年5月公表値
(注2)2024年11月公表値
(注3)2025年5月公表値
(注4)中長期目標