有価証券報告書-第44期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 16:30
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における経営環境については、米国景気は良好な雇用・所得環境を背景に個人消費や非製造業の業績が堅調である一方、製造業では在庫等の調整が続くとともに設備投資の低迷が継続しました。米国金利についてはインフレ抑制のための利上げを徐々に抑える方向に向かっています。欧州では、ユーロ圏、英国ともに内需、輸出ともに不振であり、ECBも2023年半ば以降も利上げを止め様子見の状況ですが、年後半から消費者物価指数などは徐々に低下しております。日本は緩やかな景気回復が続き、賃上げなどが進む一方、燃料を中心に輸入品などの価格高騰が継続しております。中国は世界的な需要の低迷から輸出が伸び悩み、内需も特に住宅や不動産の市況悪化などもあり、比較的厳しい経済状況が続いております。政府は金融緩和や財政支出等で下支えをしていますが、景況感としては一進一退の状況です。また、ロシア・ウクライナ間の紛争継続に加え、中東地区での紛争の勃発など、国際紛争に伴う原材料、燃料等の調達ならびに物流等への悪影響は、コスト上昇の一因となっております。
為替相場は、対米ドルレートは期初以降総じて円安方向に進み、期末時点では2000年以降の最も安い水準となっております。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、半導体デバイスの在庫調整局面を迎え需要が低迷、半導体製造装置の需要も欧米製造装置メーカーの発注が前年対比で2ケタの落ち込みとなるなか、中国ローカルメーカーの需要が比較的好調であり、半導体製造装置全体の需要を下支えしました。一方、パワー半導体市場は電気自動車(EV)向けの需要を中心に比較的堅調に推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業では、製造装置向けの真空部品や受託加工、及び半導体製造プロセス向けの各種マテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ等)の欧米顧客向けの売上低下を、中国ローカルの半導体製造装置メーカー向け販売の強化、太陽光パネル向け石英坩堝、CVD-SiC製品でカバーしました。
電子デバイス事業においては、サーモモジュールはPCR検査装置向けの減少を通信分野の需要でカバーしました。パワー半導体用基板は、IGBTをはじめとする一般産業用途向け、EV向け需要は概ね好調に推移しました。
なお、営業利益は、減価償却費負担増や販売費及び一般管理費の増加もあり、前年同期比で減少しました。経常利益は為替差益1,383百万円の発生が利益を押し上げたものの、前期に発生した為替差益5,495百万円との比較では大きく減少しました。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は222,430百万円(前期比5.5%増)、営業利益は24,872百万円(前期比29.0%減)、経常利益は26,537百万円(前期比37.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は15,154百万円(前期比49.0%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンパーツ、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
当社の真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品や半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ等)、部品洗浄サービスは、半導体の設備投資需要の停滞及び設備稼働率の低下に加えて、マテリアル製品等の在庫調整の影響で売上が減少しましたが、中国ローカルの装置メーカーの需要を取り込み、欧米メーカーの売上減少をカバーしました。石英坩堝は太陽光パネル製造メーカー向けの大型坩堝製品が大幅に売上を伸ばしました。また、マテリアル製品のうち需要に対し供給能力が不足するCVD-SiC製品では生産能力の増強もあり、引続き売上を伸ばしました。
この結果、当該事業の売上高は130,072百万円(前期比1.6%減)、営業利益は16,260百万円(前期比32.5%減)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体、センサなどです。
サーモモジュールは、PCR検査装置用途が大きく減少しましたが、通信分野向け、特に生成AI関連で注目される大容量の光トランシーバー向けが伸びたことで減少をカバーし、全体では増収となりました。パワー半導体用基板は、DCB基板が産業機械向けなどで売上を伸ばし、AMB基板も中国EV車向けで堅調に推移し、全体でも大きく売上を伸ばしました。また、センサは前第2四半期連結会計期間より株式会社大泉製作所を連結化したため、対前年同期比では連結化していなかった期間との比較で売上等が増加しております。
この結果、当該事業の売上高は67,600百万円(前期比27.5%増)、営業利益は10,890百万円(前期比2.6%減)となりました。
(その他)
「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業であり、ソーブレード、工作機械、表面処理、太陽電池用シリコン製品等の事業を含んでおります。
工作機械は前年同期比で出荷が減少しました。また、ソーブレードには前第2四半期連結会計期間より連結化した東洋刃物株式会社の売上、利益が前第3四半期連結会計期間より含み、対前年同期比では連結化していなかった期間との比較で売上等が増加しております。
この結果、当該事業の売上高は24,757百万円(前期比3.3%減)、営業損失は1,197百万円(前期は597百万円の営業利益)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ99,378百万円増加し、510,026百万円となりました。これは主に現金及び預金14,139百万円、受取手形、売掛金及び契約資産8,663百万円、有形固定資産61,729百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ70,869百万円増加し、231,860百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金2,189百万円、社債(1年内償還予定を含む)4,723百万円が減少したものの、短期借入金6,076百万円、転換社債型新株予約権付社債25,000百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)42,088百万円増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ28,509百万円増加し、278,166百万円となりました。これは主に利益剰余金10,224百万円、為替換算調整勘定8,838百万円、非支配株主持分7,869百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ901百万円増加し、96,806百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は28,720百万円(前連結会計年度比14,303百万円減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益26,146百万円、減価償却費16,398百万円によるものであります。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額5,177百万円、売上債権の増加額4,919百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は92,400百万円(前連結会計年度比23,639百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出74,489百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は60,419百万円(前連結会計年度比8,299百万円減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出16,860百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出5,897百万円の一方、長期借入れによる収入57,734百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入24,898百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
半導体等装置関連事業(百万円)133,064100.5
電子デバイス事業(百万円)67,243122.6
報告セグメント計(百万円)200,307106.9
その他(百万円)26,489103.5
合計(百万円)226,796106.5

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
半導体等装置関連事業133,27398.912,606134.0
電子デバイス事業のうち受注生産品目43,930127.910,16494.6
その他24,27592.61,18171.0
合計(百万円)201,479103.223,952109.8

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
半導体等装置関連事業(百万円)130,07298.4
電子デバイス事業(百万円)67,600127.5
報告セグメント計(百万円)197,672106.7
その他(百万円)24,75796.7
合計(百万円)222,430105.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
LAM RESEARCH CORPORATION31,96515.223,96410.8

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は222,430百万円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は24,872百万円(前連結会計年度比29.0%減)、経常利益は26,537百万円(前連結会計年度比37.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,154百万円(前連結会計年度比49.0%減)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は152,573百万円(前連結会計年度比10.0%増)となり、売上高に対する売上原価率は2.8ポイント増加の68.6%となりました。これは主に設備投資に伴う減価償却費等の増加によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は44,984百万円(前連結会計年度比21.5%増)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費、研究開発費の増加によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益8,002百万円(前連結会計年度比18.9%減)の主な内容は、受取利息2,018百万円、補助金収入3,482百万円によるものであります。また、営業外費用6,337百万円(前連結会計年度比156.9%増)の主な内容は、支払利息1,786百万円、持分法による投資損失3,742百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益754百万円(前連結会計年度比11.8%減)の主な内容は、持分変動利益710百万円によるものであります。また、特別損失1,145百万円(前連結会計年度比9.3%減)の主な内容は、投資有価証券評価損515百万円、減損損失424百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は5,510百万円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)8,90213,21717,83343,02428,720
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△34,472△20,879△29,399△68,760△92,400
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)17,99621,69430,60168,71860,419
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)23,70930,20252,57995,90596,806
自己資本比率(%)25.537.849.544.740.1
時価ベースの自己資本比率
(%)
10.846.346.337.927.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)8.83.62.11.64.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)9.69.221.944.315.5

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースなどの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ68,441百万円増加の135,161百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ54,301百万円増加し、17,906百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金117,254百万円のほか、取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
2025年3月期の投資金額は現時点では63,000百万円を予定していますが、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、金融機関からの資金調達及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2024年5月31日に「中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)」を公表し、最終年度の2027年3月期に売上高3,800億円、営業利益600億円、親会社株主に帰属する当期純利益300億円を目標としております。
中期経営計画の初年度となる2025年3月期の見通しは、売上高2,350億円、営業利益260億円、親会社株主に帰属する当期純利益160億円を見込んでおります。売上高は、半導体等装置関連事業においては、半導体市場が回復基調により、真空シールおよび各種製造装置向け金属加工製品は増収を見込んでおりますが、半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(セラミックス、石英製品等)は、在庫調整の影響により回復がずれ込むと想定しております。電子デバイス事業においては、パワー半導体用基板が引き続き伸長し、サーモモジュールは復調すると予想しております。
なお、当社グループは、重要な指標として、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、株主資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)及び自己資本比率を採用しております。ROEは15%、ROICは8%、自己資本比率は40%を目標としております。
当連結会計年度の計画達成状況等は以下のとおりであります。
2024年3月期2025年3月期
当初計画
(注1)
修正計画
(注2)
当期実績中期計画
売上高1,500億円2,200億円2,224億円2,350億円
営業利益250億円325億円248億円260億円
営業利益率16.7%14.8%11.2%11.1%
親会社株主に帰属する当期純利益150億円180億円151億円160億円
ROE15%7.8%15%
ROIC8%4.5%8%
自己資本比率40%40.1%40%

(注1)2021年5月公表値
(注2)2023年5月公表値

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