有価証券報告書-第38期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済状況は、米国経済では景気拡大により金利の追加利上げが実施され、金融政策は正常化に向かいつつあります。中国経済は、自動車販売台数が世界一になるなど経済成長が維持されています。我が国では、企業活動に緩やかな回復の兆しが見えたものの、消費意欲は足踏みの状況が続いています。外国為替市場では、為替レートが概ね安定していましたが、年明けからドル円相場は一転円高に振れた年度末となりました。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、海外での半導体メモリや液晶・有機ELパネルなどの設備投資が継続しており、設備稼働率も高水準で推移しました。太陽電池産業では、低炭素社会の実現に向けて太陽光発電用の太陽電池パネルの設置量が新興国を中心に世界中で増加しています。自動車産業では、欧米と中国市場で自動車販売台数が堅調に推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業におきましては、液晶・有機ELパネルの製造装置向け真空シールと半導体製造プロセスで使用される消耗品のマテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ・CVD-SiC製品)の需要が強く、年間を通して堅調に推移しました。太陽電池関連事業におきましては、シリコン製品の需要は好調でしたが、一部不採算製品の撤退や滞留在庫の処分など収益改善策を実行しました。電子デバイス事業におきましては、主力のサーモモジュールは、自動車温調シート向け、半導体装置向け、移動通信機器用途が堅調に推移し、パワー半導体用基板も底堅く推移しました。磁性流体は、これまでのオーディオスピーカー用途に加え、スマートフォンのバイブレーションモーターやAIスピーカーに採用されました。
当社は、平成29年4月1日より持株会社体制に移行し、社名を株式会社フェローテックホールディングスと変更しております。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は90,597百万円(前期比22.7%増)、営業利益は8,437百万円(前期比48.6%増)、経常利益は7,157百万円(前期比26.1%増)となりました。太陽電池事業において構造改革を継続しており、不採算製品の製造設備の減損を実行するとともに、同事業に関連した訴訟に対する損失に備えるため訴訟損失引当金の繰入れを行い特別損失合計1,779百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2,678百万円(前期比17.8%減)となりました。
なお、当連結会計年度より従来「装置関連事業」としていた報告セグメントの名称を「半導体等装置関連事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVDSiC製品、シリコンウエーハ加工などです。
半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英製品、セラミックス製品、シリコンパーツ、CVD-SiC製品)は、スマートフォンやデータセンターなどに利用されるソリッドステートドライブと称する記憶媒体用の3次元NAND型フラッシュメモリが不足しているため、デバイスメーカー各社の設備投資や稼働率が高水準で推移し、需要が旺盛で堅調でした。
密封空間(チャンバー)を必要とする各種製造装置に用いる真空シールは、半導体の微細化投資や有機ELパネルの製造設備用途の需要が高止まりの状況でこちらも堅調に推移しました。
当社グループでは、製造装置メーカー、デバイスメーカー、ファウンドリーからの需要旺盛なマテリアル製品を増産するため、石英製造ラインの増設を順次実行してまいりました。加えて、昨年はCVD-SiCの新工場、セラミックスの新工場が完成したほか、国内においてはセラミックスの研究開発センターを開所しました。また、中国半導体市場に対応するため、8インチウエーハ用のインゴット工場ならびにウエーハ工場で操業を開始し、量産評価に入っています。
当該事業は、半導体製造装置の出荷および設備稼働率に連動しますが、安定的に推移しました。
この結果、当該事業の売上高は44,150百万円(前連結会計年度比36.9%増)、営業利益は7,294百万円(前連結会計年度比72.3%増)となりました。
(太陽電池関連事業)
当該事業の主な製品は、シリコン結晶製造装置、シリコン製品、石英坩堝などです。
太陽電池産業は、各国のCO2排出削減策の進行から、中国・インドを中心とした新興国での需要が活発化しており、太陽電池の年間設置量が100ギガワットを超す状況となりました。中国での固定価格買取り制度終了後の市場状況は、駆け込み需要の反動も少なく落ち着いています。世界的に需要が拡大する局面が期待されており、当社のシリコン製品も順調に出荷が進み、収支は改善傾向となりました。一方、不採算製品となった多結晶用角槽の撤退に伴い、設備の減損および棚卸資産の評価損を計上し、滞留在庫を処分しました。当該事業は構造改革を継続しております。
当該事業のシリコン単結晶製造装置は半導体用途への転換が完了し、石英坩堝の半導体用途への転換は半分程度進んでおります。
この結果、当該事業の売上高は20,938百万円(前連結会計年度比11.5%増)、営業損失は1,592百万円(前連結会計年度は営業損失1,184百万円)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力の自動車温調シート向けサーモモジュールは、欧州・中国では堅調でしたが、北米市場での自動車販売台数の前年割れが長引き、米国金利の追加利上げの影響もあり、やや軟調に推移しました。一方、半導体機器用途が拡大し、美容家電や中国における通信機器用途も伸長しました。医療検査装置・バイオ関連機器・飲料関連機器も底堅く推移したため、売上高は概ね計画の通りとなりました。パワー半導体用基板は、新たな顧客を獲得し認定を得たため、増産体制を進めております。磁性流体は、新たにAIスピーカーに採用され、スマートフォンのリニアバイブレーションモーターへの採用が増えています。
当該セグメントは、景気に左右されにくい業種への販売が多いことから、緩やかな業容拡大を目指せる安定的な事業セグメントです。
この結果、当該事業の売上高は12,701百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業利益は3,006百万円(前連結会計年度比15.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ8,870百万円増加し、23,648百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,946百万円(前連結会計年度比1,728百万円増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益5,501百万円、減価償却費4,188百万円、仕入債務の増加額3,931百万円であります。支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額2,604百万円、売上債権の増加額2,435百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12,388百万円(前連結会計年度比5,318百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出11,087百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は10,830百万円(前連結会計年度は3,897百万円の収入)となりました。これは主に配当金の支払811百万円の一方、株式の発行による収入8,712百万円、社債の発行による収入3,245百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的と判断される基準に基づき行っております。
詳細に関しては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
1) 概要
当連結会計年度につきましては、売上高は90,597百万円(前連結会計年度比22.7%増)、営業利益は8,437百万円(前連結会計年度比48.6%増)、経常利益は7,157百万円(前連結会計年度比26.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,678百万円(前連結会計年度比17.8%減)となりました。
当連結会計年度の経営成績の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
3) 売上原価
売上原価は65,682百万円(前連結会計年度比21.3%増)となり、売上高に対する売上原価率は0.8ポイント低下の72.5%となりました。これは主に半導体等装置関連事業の増収によるものであります。
4) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は16,477百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費の増加によるものであります。
5) 営業外損益
営業外収益669百万円(前連結会計年度比22.3%減)の主な内容は、補助金収入86百万円、持分法による投資利益328百万円によるものであります。また、営業外費用1,948百万円(前連結会計年度比125.5%増)の主な内容は、支払利息633百万円、為替差損640百万円によるものであります。
6) 特別損益
特別利益122百万円(前連結会計年度比28.2%減)の内容は、受取保険金122百万円によるものであります。また、特別損失1,779百万円(前連結会計年度比143.2%増)の主な内容は、固定資産処分損217百万円、減損損失243百万円、訴訟損失引当金繰入額1,114百万円となっております。
7) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は2,815百万円(前連結会計年度比49.2%増)となりました。
b.財政状態の分析
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ26,356百万円増加し、118,457百万円となりました。これは主に現金及び預金8,870百万円と受取手形及び売掛金3,044百万円、有形固定資産9,246百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ14,245百万円増加し、66,645百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金4,492百万円、その他流動負債3,963百万円、社債(1年内償還予定を含む)3,006百万円の増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ12,111百万円増加し、51,812百万円となりました。これは主に新株予約権の行使により資本金4,392百万円、資本剰余金4,389百万円の増加と利益剰余金1,865百万円の増加によるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性について
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 財務政策について
当社グループの今後の運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主として銀行等の金融機関からの借入及びリース、投資先の中国杭州市政府からの補助金などで賄う予定であります。なお、当連結会計年度末において、取引銀行6行との間で総額20億円のシンジケート方式によるコミットメントライン契約(借入未実行残高20億円)及び取引銀行6行との総額50億円の実行可能期間付タームローン契約(借入実行残高11億円、借入未実行残高39億円)を締結しております。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済状況は、米国経済では景気拡大により金利の追加利上げが実施され、金融政策は正常化に向かいつつあります。中国経済は、自動車販売台数が世界一になるなど経済成長が維持されています。我が国では、企業活動に緩やかな回復の兆しが見えたものの、消費意欲は足踏みの状況が続いています。外国為替市場では、為替レートが概ね安定していましたが、年明けからドル円相場は一転円高に振れた年度末となりました。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、海外での半導体メモリや液晶・有機ELパネルなどの設備投資が継続しており、設備稼働率も高水準で推移しました。太陽電池産業では、低炭素社会の実現に向けて太陽光発電用の太陽電池パネルの設置量が新興国を中心に世界中で増加しています。自動車産業では、欧米と中国市場で自動車販売台数が堅調に推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業におきましては、液晶・有機ELパネルの製造装置向け真空シールと半導体製造プロセスで使用される消耗品のマテリアル製品(石英製品・セラミックス製品・シリコンパーツ・CVD-SiC製品)の需要が強く、年間を通して堅調に推移しました。太陽電池関連事業におきましては、シリコン製品の需要は好調でしたが、一部不採算製品の撤退や滞留在庫の処分など収益改善策を実行しました。電子デバイス事業におきましては、主力のサーモモジュールは、自動車温調シート向け、半導体装置向け、移動通信機器用途が堅調に推移し、パワー半導体用基板も底堅く推移しました。磁性流体は、これまでのオーディオスピーカー用途に加え、スマートフォンのバイブレーションモーターやAIスピーカーに採用されました。
当社は、平成29年4月1日より持株会社体制に移行し、社名を株式会社フェローテックホールディングスと変更しております。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は90,597百万円(前期比22.7%増)、営業利益は8,437百万円(前期比48.6%増)、経常利益は7,157百万円(前期比26.1%増)となりました。太陽電池事業において構造改革を継続しており、不採算製品の製造設備の減損を実行するとともに、同事業に関連した訴訟に対する損失に備えるため訴訟損失引当金の繰入れを行い特別損失合計1,779百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2,678百万円(前期比17.8%減)となりました。
なお、当連結会計年度より従来「装置関連事業」としていた報告セグメントの名称を「半導体等装置関連事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVDSiC製品、シリコンウエーハ加工などです。
半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英製品、セラミックス製品、シリコンパーツ、CVD-SiC製品)は、スマートフォンやデータセンターなどに利用されるソリッドステートドライブと称する記憶媒体用の3次元NAND型フラッシュメモリが不足しているため、デバイスメーカー各社の設備投資や稼働率が高水準で推移し、需要が旺盛で堅調でした。
密封空間(チャンバー)を必要とする各種製造装置に用いる真空シールは、半導体の微細化投資や有機ELパネルの製造設備用途の需要が高止まりの状況でこちらも堅調に推移しました。
当社グループでは、製造装置メーカー、デバイスメーカー、ファウンドリーからの需要旺盛なマテリアル製品を増産するため、石英製造ラインの増設を順次実行してまいりました。加えて、昨年はCVD-SiCの新工場、セラミックスの新工場が完成したほか、国内においてはセラミックスの研究開発センターを開所しました。また、中国半導体市場に対応するため、8インチウエーハ用のインゴット工場ならびにウエーハ工場で操業を開始し、量産評価に入っています。
当該事業は、半導体製造装置の出荷および設備稼働率に連動しますが、安定的に推移しました。
この結果、当該事業の売上高は44,150百万円(前連結会計年度比36.9%増)、営業利益は7,294百万円(前連結会計年度比72.3%増)となりました。
(太陽電池関連事業)
当該事業の主な製品は、シリコン結晶製造装置、シリコン製品、石英坩堝などです。
太陽電池産業は、各国のCO2排出削減策の進行から、中国・インドを中心とした新興国での需要が活発化しており、太陽電池の年間設置量が100ギガワットを超す状況となりました。中国での固定価格買取り制度終了後の市場状況は、駆け込み需要の反動も少なく落ち着いています。世界的に需要が拡大する局面が期待されており、当社のシリコン製品も順調に出荷が進み、収支は改善傾向となりました。一方、不採算製品となった多結晶用角槽の撤退に伴い、設備の減損および棚卸資産の評価損を計上し、滞留在庫を処分しました。当該事業は構造改革を継続しております。
当該事業のシリコン単結晶製造装置は半導体用途への転換が完了し、石英坩堝の半導体用途への転換は半分程度進んでおります。
この結果、当該事業の売上高は20,938百万円(前連結会計年度比11.5%増)、営業損失は1,592百万円(前連結会計年度は営業損失1,184百万円)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力の自動車温調シート向けサーモモジュールは、欧州・中国では堅調でしたが、北米市場での自動車販売台数の前年割れが長引き、米国金利の追加利上げの影響もあり、やや軟調に推移しました。一方、半導体機器用途が拡大し、美容家電や中国における通信機器用途も伸長しました。医療検査装置・バイオ関連機器・飲料関連機器も底堅く推移したため、売上高は概ね計画の通りとなりました。パワー半導体用基板は、新たな顧客を獲得し認定を得たため、増産体制を進めております。磁性流体は、新たにAIスピーカーに採用され、スマートフォンのリニアバイブレーションモーターへの採用が増えています。
当該セグメントは、景気に左右されにくい業種への販売が多いことから、緩やかな業容拡大を目指せる安定的な事業セグメントです。
この結果、当該事業の売上高は12,701百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業利益は3,006百万円(前連結会計年度比15.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ8,870百万円増加し、23,648百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,946百万円(前連結会計年度比1,728百万円増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益5,501百万円、減価償却費4,188百万円、仕入債務の増加額3,931百万円であります。支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額2,604百万円、売上債権の増加額2,435百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12,388百万円(前連結会計年度比5,318百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出11,087百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は10,830百万円(前連結会計年度は3,897百万円の収入)となりました。これは主に配当金の支払811百万円の一方、株式の発行による収入8,712百万円、社債の発行による収入3,245百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 43,001,978 | 138.1 |
| 太陽電池関連事業 | 21,182,071 | 125.9 |
| 電子デバイス事業 | 11,868,408 | 93.3 |
| 報告セグメント計 | 76,052,457 | 125.3 |
| その他 | 12,816,630 | 126.1 |
| 合計(千円) | 88,869,087 | 125.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 45,362,490 | 137.1 | 5,412,930 | 128.9 |
| 太陽電池関連事業 | 20,480,253 | 112.4 | 946,637 | 67.4 |
| 電子デバイス事業のうち受注生産品目 | 2,559,730 | 145.8 | 161,416 | 193.6 |
| その他 | 13,314,600 | 120.0 | 1,679,042 | 143.2 |
| 合計(千円) | 81,717,073 | 127.4 | 8,200,025 | 119.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 44,150,085 | 136.9 |
| 太陽電池関連事業 | 20,938,687 | 111.5 |
| 電子デバイス事業 | 12,701,200 | 100.6 |
| 報告セグメント計 | 77,789,974 | 122.2 |
| その他 | 12,807,872 | 125.5 |
| 合計(千円) | 90,597,847 | 122.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的と判断される基準に基づき行っております。
詳細に関しては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
1) 概要
当連結会計年度につきましては、売上高は90,597百万円(前連結会計年度比22.7%増)、営業利益は8,437百万円(前連結会計年度比48.6%増)、経常利益は7,157百万円(前連結会計年度比26.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,678百万円(前連結会計年度比17.8%減)となりました。
当連結会計年度の経営成績の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
3) 売上原価
売上原価は65,682百万円(前連結会計年度比21.3%増)となり、売上高に対する売上原価率は0.8ポイント低下の72.5%となりました。これは主に半導体等装置関連事業の増収によるものであります。
4) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は16,477百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費の増加によるものであります。
5) 営業外損益
営業外収益669百万円(前連結会計年度比22.3%減)の主な内容は、補助金収入86百万円、持分法による投資利益328百万円によるものであります。また、営業外費用1,948百万円(前連結会計年度比125.5%増)の主な内容は、支払利息633百万円、為替差損640百万円によるものであります。
6) 特別損益
特別利益122百万円(前連結会計年度比28.2%減)の内容は、受取保険金122百万円によるものであります。また、特別損失1,779百万円(前連結会計年度比143.2%増)の主な内容は、固定資産処分損217百万円、減損損失243百万円、訴訟損失引当金繰入額1,114百万円となっております。
7) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は2,815百万円(前連結会計年度比49.2%増)となりました。
b.財政状態の分析
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ26,356百万円増加し、118,457百万円となりました。これは主に現金及び預金8,870百万円と受取手形及び売掛金3,044百万円、有形固定資産9,246百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ14,245百万円増加し、66,645百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金4,492百万円、その他流動負債3,963百万円、社債(1年内償還予定を含む)3,006百万円の増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ12,111百万円増加し、51,812百万円となりました。これは主に新株予約権の行使により資本金4,392百万円、資本剰余金4,389百万円の増加と利益剰余金1,865百万円の増加によるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性について
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 50.2 | 48.9 | 49.1 | 42.6 | 43.3 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 22.3 | 27.2 | 47.0 | 45.9 | 83.9 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.6 | 2.2 | 3.6 | 2.7 | 2.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 6.5 | 13.9 | 8.5 | 15.7 | 15.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 財務政策について
当社グループの今後の運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主として銀行等の金融機関からの借入及びリース、投資先の中国杭州市政府からの補助金などで賄う予定であります。なお、当連結会計年度末において、取引銀行6行との間で総額20億円のシンジケート方式によるコミットメントライン契約(借入未実行残高20億円)及び取引銀行6行との総額50億円の実行可能期間付タームローン契約(借入実行残高11億円、借入未実行残高39億円)を締結しております。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおりであります。