有価証券報告書-第41期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済状況は、米国では新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、米国政府は、経済回復を優先させる方針であり、財政出動の拡大を継続しており、米国連邦準備制度理事会も金融緩和の長期化を表明しております。中国においては、新型コロナウイルス感染が収束へ向かい、経済活動が再開され、景気は回復に転じて上向いております。また、我が国では、新型コロナウイルス感染拡大の収束が未だ見られず、度重なる外出自粛要請や商業施設等の営業時間短縮などにより、多くの業種において経済活動に影響が出ております。
為替相場は、2020年は円高方向で推移しましたが、米国長期金利上昇の影響により2021年明けから円安方向に転換しております。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、年初は半導体デバイスや液晶・有機ELパネルメーカーの設備投資は調整局面でしたが、世界的な外出規制によるリモートワークの浸透やWEB会議システムの普及拡大に伴い、スマートフォン、パソコンやデータセンター用サーバなどの需要が増加したため、年央からメモリなど半導体の需給バランスが改善し、デバイスメーカー各社は設備投資を再開し、保有する製造設備の稼働率も上昇傾向となりました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業におきましては、製造装置向けの真空部品や半導体製造プロセスに使用される各種マテリアル製品(石英・セラミックス等)の販売は堅調に推移し前年を上回りました。
電子デバイス事業におきましては、主力のサーモモジュールは、年初から北米・中国の自動車販売台数の減少により温調シート向けが軟調な展開となりましたが、年末に向け回復に転じました。一方、5G通信システム機器向けの販売は好調に伸長し、PCR検査装置などの医療検査機器向けも堅調に推移しました。また、パワー半導体用DCB基板は、一時的に顧客の在庫調整がありましたが、新製品であるAMB基板の採用が増えたことから、概ね計画のとおりに推移しました。磁性流体は、スマートフォン用バイブレーション向けが一定の水準で推移しました。
当社は、中国で展開している半導体ウエーハ製造会社の株式を中国地方政府および民間の投資基金等へ譲渡ならびに第三者割当増資を行った結果、同社は連結子会社から持分法適用会社となりました。それに伴い、持分変動損益(特別利益)が発生しております。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は91,312百万円(前期比11.9%増)、営業利益は9,640百万円(前期比60.3%増)、経常利益は8,227百万円(前期比93.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は8,280百万円(前期比363.9%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンウエーハ加工、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
真空シールは、半導体および有機ELパネルなどの製造装置内に装着される、密封空間を保持する機能部品です。半導体や有機ELパネルメーカーでは設備投資が再開され、年央から回復基調が鮮明となり、同製品と受託加工の売上は前年比で増収となりました。また、半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英・セラミックス等)は、新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークやWEB会議システムの世界的な普及拡大に伴い、パソコンやサーバ用途の半導体需要が急増したため、デバイスメーカー各社の設備稼働率は高水準となり、同製品の販売は前年を上回りました。半導体の需要は旺盛であり、一部では需給がひっ迫し品不足も発生しております。
また、半導体および有機ELパネル製造装置などの装置部品洗浄サービスも需要が旺盛であり、新たな工場の稼働も加わり前年比で伸長しました。シリコンウエーハ加工については、同製品を取扱う中国子会社の株式を中国地方政府および民間の投資基金等に譲渡ならびに第三者割当増資を実施したため、連結子会社から持分法適用会社へ異動となり、第4四半期間の売上および損益は計上しておりません。
この結果、当該事業の売上高は60,669百万円(前期比14.7%増)、営業利益は6,183百万円(前期比47.5%増)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力のサーモモジュールは、新型コロナウイルス感染症の影響により、北米市場および中国市場での自動車販売台数が前年割れとなり、自動車温調シート向けは軟調な展開となりましたが、徐々に回復に転じました。5G用の移動通信システム機器用途は力強く伸長し、PCR等の医療検査装置向けも堅調に推移しました。その他の産業用途では、家電製品を含む民生向けが好調を維持し、半導体向けが計画を上回りました。パワー半導体用基板は、DCB基板が順調に売上を伸ばしており、新製品のAMB基板は顧客認定が進み量産を開始しております。磁性流体は、スピーカー向けとスマートフォン用バイブレーション向けの販売が一定の水準で推移しました。
この結果、当該事業の売上高は17,273百万円(前期比28.1%増)、営業利益は4,453百万円(前期比60.8%増)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ12,820百万円減少し、177,189百万円となりました。これは主に現金及び預金6,493百万円、受取手形及び売掛金11,766百万円、投資その他の資産27,012百万円が増加した一方、有形固定資産57,773百万円の減少によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ40,912百万円減少し、98,949百万円となりました。これは主に社債(1年内返済予定を含む)5,718百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)18,041百万円、長期設備関係未払金10,114百万円の減少によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ28,091百万円増加し、78,239百万円となりました。これは主に資本剰余金9,023百万円、利益剰余金7,389百万円、非支配株主持分9,385百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ6,493百万円増加し、30,202百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は13,217百万円(前連結会計年度比4,314百万円増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益11,288百万円、減価償却費9,155百万円、仕入債務の増加額7,726百万円によるものであります。支出の主な内訳は、売上債権の増加額13,768百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20,879百万円(前連結会計年度比13,592百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14,175百万円、関係会社株式の取得による支出6,852百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は21,694百万円(前連結会計年度比3,698百万円増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出28,332百万円、社債の償還による支出6,218百万円の一方、長期借入れによる収入16,601百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入30,834百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は91,312百万円(前連結会計年度比11.9%増)、営業利益は9,640百万円(前連結会計年度比60.3%増)、経常利益は8,227百万円(前連結会計年度比93.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,280百万円(前連結会計年度比363.9%増)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は60,530百万円(前連結会計年度比10.7%増)となり、売上高に対する売上原価率は0.7ポイント低下の66.3%となりました。これは主に収益性の低い太陽電池用シリコン製品を含むその他セグメントの減収によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は21,141百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費が増加した一方、貸倒引当金繰入額の減少によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益1,609百万円(前連結会計年度比0.1%減)の主な内容は、補助金収入884百万円、持分法による投資利益240百万円によるものであります。また、営業外費用3,022百万円(前連結会計年度比10.1%減)の主な内容は、支払利息1,477百万円、為替差損889百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益5,544百万円(前連結会計年度比959.2%増)の内容は、持分変動利益5,284百万円、固定資産売却益207百万円によるものであります。また、特別損失2,483百万円(前連結会計年度比99.2%増)の主な内容は、減損損失2,100百万円、固定資産処分損197百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は3,339百万円(前連結会計年度比76.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースからの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ30,843百万円減少の47,630百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ37,337百万円減少し、17,427百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金30,202百万円のほか、取引銀行6行との間で総額2,000百万円のシンジケート方式によるコミットメントライン(借入未実行残高2,000百万円)契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
2022年3月期の設備投資金額は現時点では360億円を予定していますが、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、中国子会社への第三者割当増資、金融機関からの資金調達及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年5月28日に発表しました「新中期経営計画」において、収益性を重視するとともに次のステージに向けて、2024年3月期に連結売上高1,500億円、連結営業利益は250億円、連結当期純利益150億円を目標としております。
また、企業価値を図る客観的な経営指標として、株主資本利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)投下資本利益率(ROIC)を採用しております。ROEは15%とし、EPSは360円、ROICは8%を目指しております。
当連結会計年度の連結売上高は913億円(前連結会計年度は816億円)、連結営業利益は96億円(前連結会計年度は60億円)、ROEは14.3%(前連結会計年度は3.6%)、EPSは222.93円(前連結会計年度は48.12円)、ROICは7.2%(前連結会計年度は1.4%)となっております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済状況は、米国では新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、米国政府は、経済回復を優先させる方針であり、財政出動の拡大を継続しており、米国連邦準備制度理事会も金融緩和の長期化を表明しております。中国においては、新型コロナウイルス感染が収束へ向かい、経済活動が再開され、景気は回復に転じて上向いております。また、我が国では、新型コロナウイルス感染拡大の収束が未だ見られず、度重なる外出自粛要請や商業施設等の営業時間短縮などにより、多くの業種において経済活動に影響が出ております。
為替相場は、2020年は円高方向で推移しましたが、米国長期金利上昇の影響により2021年明けから円安方向に転換しております。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、年初は半導体デバイスや液晶・有機ELパネルメーカーの設備投資は調整局面でしたが、世界的な外出規制によるリモートワークの浸透やWEB会議システムの普及拡大に伴い、スマートフォン、パソコンやデータセンター用サーバなどの需要が増加したため、年央からメモリなど半導体の需給バランスが改善し、デバイスメーカー各社は設備投資を再開し、保有する製造設備の稼働率も上昇傾向となりました。
このような事業環境のなか、当社グループの半導体等装置関連事業におきましては、製造装置向けの真空部品や半導体製造プロセスに使用される各種マテリアル製品(石英・セラミックス等)の販売は堅調に推移し前年を上回りました。
電子デバイス事業におきましては、主力のサーモモジュールは、年初から北米・中国の自動車販売台数の減少により温調シート向けが軟調な展開となりましたが、年末に向け回復に転じました。一方、5G通信システム機器向けの販売は好調に伸長し、PCR検査装置などの医療検査機器向けも堅調に推移しました。また、パワー半導体用DCB基板は、一時的に顧客の在庫調整がありましたが、新製品であるAMB基板の採用が増えたことから、概ね計画のとおりに推移しました。磁性流体は、スマートフォン用バイブレーション向けが一定の水準で推移しました。
当社は、中国で展開している半導体ウエーハ製造会社の株式を中国地方政府および民間の投資基金等へ譲渡ならびに第三者割当増資を行った結果、同社は連結子会社から持分法適用会社となりました。それに伴い、持分変動損益(特別利益)が発生しております。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は91,312百万円(前期比11.9%増)、営業利益は9,640百万円(前期比60.3%増)、経常利益は8,227百万円(前期比93.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は8,280百万円(前期比363.9%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シール及び各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、シリコンウエーハ加工、装置部品洗浄、石英坩堝などです。
真空シールは、半導体および有機ELパネルなどの製造装置内に装着される、密封空間を保持する機能部品です。半導体や有機ELパネルメーカーでは設備投資が再開され、年央から回復基調が鮮明となり、同製品と受託加工の売上は前年比で増収となりました。また、半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品(石英・セラミックス等)は、新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークやWEB会議システムの世界的な普及拡大に伴い、パソコンやサーバ用途の半導体需要が急増したため、デバイスメーカー各社の設備稼働率は高水準となり、同製品の販売は前年を上回りました。半導体の需要は旺盛であり、一部では需給がひっ迫し品不足も発生しております。
また、半導体および有機ELパネル製造装置などの装置部品洗浄サービスも需要が旺盛であり、新たな工場の稼働も加わり前年比で伸長しました。シリコンウエーハ加工については、同製品を取扱う中国子会社の株式を中国地方政府および民間の投資基金等に譲渡ならびに第三者割当増資を実施したため、連結子会社から持分法適用会社へ異動となり、第4四半期間の売上および損益は計上しておりません。
この結果、当該事業の売上高は60,669百万円(前期比14.7%増)、営業利益は6,183百万円(前期比47.5%増)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力のサーモモジュールは、新型コロナウイルス感染症の影響により、北米市場および中国市場での自動車販売台数が前年割れとなり、自動車温調シート向けは軟調な展開となりましたが、徐々に回復に転じました。5G用の移動通信システム機器用途は力強く伸長し、PCR等の医療検査装置向けも堅調に推移しました。その他の産業用途では、家電製品を含む民生向けが好調を維持し、半導体向けが計画を上回りました。パワー半導体用基板は、DCB基板が順調に売上を伸ばしており、新製品のAMB基板は顧客認定が進み量産を開始しております。磁性流体は、スピーカー向けとスマートフォン用バイブレーション向けの販売が一定の水準で推移しました。
この結果、当該事業の売上高は17,273百万円(前期比28.1%増)、営業利益は4,453百万円(前期比60.8%増)となりました。
b.財政状態
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ12,820百万円減少し、177,189百万円となりました。これは主に現金及び預金6,493百万円、受取手形及び売掛金11,766百万円、投資その他の資産27,012百万円が増加した一方、有形固定資産57,773百万円の減少によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ40,912百万円減少し、98,949百万円となりました。これは主に社債(1年内返済予定を含む)5,718百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)18,041百万円、長期設備関係未払金10,114百万円の減少によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ28,091百万円増加し、78,239百万円となりました。これは主に資本剰余金9,023百万円、利益剰余金7,389百万円、非支配株主持分9,385百万円の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ6,493百万円増加し、30,202百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は13,217百万円(前連結会計年度比4,314百万円増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益11,288百万円、減価償却費9,155百万円、仕入債務の増加額7,726百万円によるものであります。支出の主な内訳は、売上債権の増加額13,768百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20,879百万円(前連結会計年度比13,592百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出14,175百万円、関係会社株式の取得による支出6,852百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は21,694百万円(前連結会計年度比3,698百万円増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出28,332百万円、社債の償還による支出6,218百万円の一方、長期借入れによる収入16,601百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入30,834百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業(千円) | 55,987,091 | 105.0 |
| 電子デバイス事業(千円) | 17,168,771 | 128.4 |
| 報告セグメント計(千円) | 73,155,863 | 109.7 |
| その他(千円) | 12,720,120 | 155.9 |
| 合計(千円) | 85,875,983 | 114.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業 | 59,995,840 | 112.1 | 4,701,250 | 87.5 |
| 電子デバイス事業のうち受注生産品目 | 4,927,897 | 136.3 | 806,000 | 698.9 |
| その他 | 13,092,165 | 88.9 | 517,500 | 65.0 |
| 合計(千円) | 78,015,903 | 108.6 | 6,024,750 | 95.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体等装置関連事業(千円) | 60,669,119 | 114.7 |
| 電子デバイス事業(千円) | 17,273,227 | 128.1 |
| 報告セグメント計(千円) | 77,942,347 | 117.4 |
| その他(千円) | 13,370,259 | 87.7 |
| 合計(千円) | 91,312,606 | 111.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| LAM RESEARCH CORPORATION | - | - | 11,056,278 | 12.1 |
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は91,312百万円(前連結会計年度比11.9%増)、営業利益は9,640百万円(前連結会計年度比60.3%増)、経常利益は8,227百万円(前連結会計年度比93.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,280百万円(前連結会計年度比363.9%増)となりました。
経営成績の状況に関する認識及び分析等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
1) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上原価
売上原価は60,530百万円(前連結会計年度比10.7%増)となり、売上高に対する売上原価率は0.7ポイント低下の66.3%となりました。これは主に収益性の低い太陽電池用シリコン製品を含むその他セグメントの減収によるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は21,141百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費が増加した一方、貸倒引当金繰入額の減少によるものであります。
4) 営業外損益
営業外収益1,609百万円(前連結会計年度比0.1%減)の主な内容は、補助金収入884百万円、持分法による投資利益240百万円によるものであります。また、営業外費用3,022百万円(前連結会計年度比10.1%減)の主な内容は、支払利息1,477百万円、為替差損889百万円によるものであります。
5) 特別損益
特別利益5,544百万円(前連結会計年度比959.2%増)の内容は、持分変動利益5,284百万円、固定資産売却益207百万円によるものであります。また、特別損失2,483百万円(前連結会計年度比99.2%増)の主な内容は、減損損失2,100百万円、固定資産処分損197百万円によるものであります。
6) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は3,339百万円(前連結会計年度比76.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等の認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 8,218 | 9,946 | 11,466 | 8,902 | 13,217 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △7,070 | △12,388 | △37,063 | △34,472 | △20,879 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 3,897 | 10,830 | 34,507 | 17,996 | 21,694 |
| 現金及び現金同等物の期末残高(百万円) | 14,778 | 23,648 | 31,555 | 23,709 | 30,202 |
| 自己資本比率(%) | 42.6 | 43.3 | 30.3 | 25.5 | 37.9 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 45.9 | 83.9 | 25.1 | 10.8 | 46.4 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 2.7 | 2.6 | 5.3 | 8.8 | 3.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 15.7 | 15.7 | 15.3 | 9.6 | 9.2 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、転換社債型新株予約権付社債、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主に銀行等の金融機関からの借入金、社債、リースからの資金調達などで賄っており、加えて、子会社への第三者割当増資により資金調達する場合もあります。
当連結会計年度末の有利子負債(リース債務を除く)は、前連結会計年度末と比べ30,843百万円減少の47,630百万円となりました。有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は、前連結会計年度末と比べ37,337百万円減少し、17,427百万円となりました。当社グループは、構築した事業基盤に基づき安定的なキャッシュ・フロー創出力を有することから、金融機関等から、必要な運転資金、設備資金を安定的に確保しております。また、当連結会計年度末では、現預金30,202百万円のほか、取引銀行6行との間で総額2,000百万円のシンジケート方式によるコミットメントライン(借入未実行残高2,000百万円)契約を締結しており、資金の流動性を確保できているものと認識しております。
2022年3月期の設備投資金額は現時点では360億円を予定していますが、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、中国子会社への第三者割当増資、金融機関からの資金調達及び手許現預金等により賄う予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる結果となる可能性があります。当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)及び2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年5月28日に発表しました「新中期経営計画」において、収益性を重視するとともに次のステージに向けて、2024年3月期に連結売上高1,500億円、連結営業利益は250億円、連結当期純利益150億円を目標としております。
また、企業価値を図る客観的な経営指標として、株主資本利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)投下資本利益率(ROIC)を採用しております。ROEは15%とし、EPSは360円、ROICは8%を目指しております。
当連結会計年度の連結売上高は913億円(前連結会計年度は816億円)、連結営業利益は96億円(前連結会計年度は60億円)、ROEは14.3%(前連結会計年度は3.6%)、EPSは222.93円(前連結会計年度は48.12円)、ROICは7.2%(前連結会計年度は1.4%)となっております。