有価証券報告書-第157期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要はつぎのとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,854億4千3百万円(前期比1.5%減)、営業利益418億4千5百万円(同5.9%減)、経常利益426億6千9百万円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益317億6千6百万円(同2.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績はつぎのとおりです。
・計測機器事業
売上高2,362億1千8百万円(前期比2.1%減)、営業利益357億5千2百万円(同7.8%減)となりました。
・医用機器事業
売上高701億7千8百万円(前期比1.6%増)、営業利益31億9千万円(同37.1%増)となりました。
・航空機器事業
売上高300億3千9百万円(前期比9.9%増)、営業利益7億9千1百万円(同562.5%増)となりました。
・産業機器事業
売上高430億3千1百万円(前期比5.3%減)、営業利益36億5千9百万円(同18.1%減)となりました。
・その他の事業
売上高59億7千4百万円(前期比25.0%減)、営業利益11億9千9百万円(同12.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ41億5千9百万円減少し、666億8千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、395億9百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ100億5千5百万円増加しました。その主なものは、売上債権の増減による増加108億5千2百万円、法人税等の支払額の減少54億9千5百万円、仕入債務の増減による減少52億8百万円です。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ68億3千5百万円支出が減少し、160億6千2百万円の支出となりました。その主なものは、設備投資による支出158億6千8百万円です。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ153億6千6百万円支出が増加し、261億8千5百万円の支出となりました。その主なものは、社債の償還による支出150億円、配当金の支払額88億4千万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
(注) 1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ロ. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容はつぎのとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ受取手形及び売掛金が64億5千5百万円減少し、たな卸資産が44億3百万円、建設仮勘定が39億7千5百万円それぞれ増加したことなどにより、総資産は4億2千7百万円増加し、4,376億1千8百万円となりました。純資産は、利益剰余金が224億5千3百万円増加したことなどにより、148億3千3百万円増加し、3,027億7千5百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度の景気の状況は、米中貿易摩擦の長期化による影響拡大などにより中国では景気が緩やかに減速したものの、北米では好調な個人消費などを背景とした景気回復が続き、また日本では雇用の改善などにより緩やかに景気が回復しました。その結果、第3四半期までは全体として緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、第4四半期では新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が抑制され、中国をはじめ世界的に景気は急速に減速しました。
こうした情勢のもとで当社グループは、中期経営計画に沿って、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」を目指し、「アドバンスト・ヘルスケア」など成長分野への投資、AI・IoTを活用したアフターマーケット事業の拡大や重点機種の競争力強化などによる収益力強化、また組織基盤の変革など、成長に向けた施策を進めました。
当連結会計年度の業績につきましては、第3四半期までは中国での景気の減速があったものの、日本での底堅い需要などにより堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の不透明感の高まりによる需要の減退に加えて、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、売上高は3,854億4千3百万円(前期比1.5%減)となり、営業利益は418億4千5百万円(同5.9%減)、経常利益は426億6千9百万円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は317億6千6百万円(同2.3%減)となりました。
セグメントの業績は、つぎのとおりです。
・計測機器事業
当事業の上期売上高は、米中貿易摩擦の影響や中国での環境分析機器の需要がピークアウトするなど事業環境が悪化する中でも、新製品投入によるラインナップ拡充の効果などにより、医薬・官公庁向けに液体クロマトグラフ、食品安全・官公庁向けなどに質量分析システム、また、鉄鋼・輸送機向けに試験機が好調に推移しました。しかしながら、下期には消費増税の反動や輸送機業界での景気減退、これに加えて第4四半期からは新型コロナウイルス感染拡大により設備投資抑制や案件先送りが見られ、世界的に大きく影響を受けました。 将来の成長に向けては、顧客の自動化・効率化を支援する機能を強化した製品の開発・販売を進めました。加えて、先端的な大学・研究機関との協業を推進するため、大阪大学に代謝物の網羅的解析を応用した製品・事業の創造を目指した「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」、農研機構とは食の機能性成分解析を目的とした「食品機能性解析共同研究ラボ」を開設しました。中国においては、需要が拡大する環境モニタリングや受託分析分野へのソリューション提供を目指して、中国イノベーションセンター、広州分析センターを開設し、オープンイノベーション機能の充実を図りました。
この結果、当事業の売上高は2,362億1千8百万円(前期比2.1%減)、営業利益は売上の減少などにより、357億5千2百万円(同7.8%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・医用機器事業
当事業の売上高は、海外が減収となりましたが、日本でのⅩ線診断装置の伸長やアフターマーケット事業の拡大により、全体として増加しました。血管撮影システムは、低侵襲治療分野におけるブランド構築に努め、心血管治療向けに好調に推移しました。
引き続き、アフターマーケット事業の拡大や、ターゲット市場である米国市場に特化したⅩ線TⅤシステムの新製品や血管撮影システムの拡販に注力していきます。
この結果、当事業の売上高は701億7千8百万円(前期比1.6%増)、営業利益は売上の増加などにより、31億9千万円(同37.1%増)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・航空機器事業
当事業の売上高は、北米では、民間航空機向け搭載機器などの売上が増加しました。日本では、防衛省向け航空機搭載機器が増加しました。
また、将来の成長に向けて、新規事業である試験検査システムと海洋機器で新製品を発売しました。
この結果、当事業の売上高は300億3千9百万円(前期比9.9%増)、営業利益は売上の増加などにより、7億9千1百万円(同562.5%増)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・産業機器事業
当事業の売上高は、半導体設備投資回復を捉えたターボ分子ポンプの需要増加やセラミックス用途向け工業炉の伸長により、下期は増収となりましたが、上期のターボ分子ポンプとガラスワインダの減少、および、中国市況悪化ならび新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた油圧機器の減少を補い切れず、年間では減収となりました。
引き続き、ターボ分子ポンプの製品ラインナップ強化によるシェア向上、セラミックス用途向け工業炉の海外事業拡大、ならび、油圧機器事業のグローバルな展開に加え、新規事業の強化に取り組みます。
この結果、当事業の売上高は430億3千1百万円(前期比5.3%減)、営業利益は売上の減少などにより、36億5千9百万円(同18.1%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・その他の事業
当事業の売上高は59億7千4百万円(前期比25.0%減)、営業利益は11億9千9百万円(同12.8%減)となりました。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする2017-2019中期経営計画において、最終年度の目標数値として、売上高4,000億円以上、営業利益450億円以上、営業利益率11.0%以上、海外売上高比率50.0%以上、自己資本利益率10.0%以上を設定し、取り組んできました。最終年度である当連結会計年度の結果は、売上高3,854億4千3百万円、営業利益418億4千5百万円、営業利益率10.9%、海外売上高比率49.0%、自己資本利益率10.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ. 資金需要
当社グループの資金需要のうち営業活動については、当社グループ製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および研究開発費です。
投資活動については、生産能力の拡大・効率化、研究開発環境の整備、ITインフラの強化を目的とした設備投資・研究開発投資が主な内容です。今後、成長分野に対しては必要な設備投資・研究開発投資等を継続していく予定です。
ハ. 財務政策
当社グループは、売上債権およびたな卸資産の圧縮等資金の効率を高め、内部資金を生み出すことにより、借入金、社債等の有利子負債の残高を減少させ、借入依存度を引き下げることで財務基盤の健全化を進めてきました。当連結会計年度末の有利子負債の残高は、社債の償還等により前連結会計年度末に比べ154億2千5百万円減少し、21億1千2百万円となりました。
当社グループは、営業活動によりキャッシュを生み出す能力を持っていることなどから、当社グループの成長を維持するために将来必要となる運転資金および設備投資資金を創出・調達することが十分に可能であると考えています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っています。特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しています。
イ. 退職給付債務及び費用の評価
従業員の退職給付費用および退職給付債務の算出には数理計算上の仮定を用いて算出しており、仮定には割引率、予想昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等を含んでいます。当社グループが使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断していますが、仮定と実績との差異、仮定自体の変更は将来の退職給付費用、退職給付債務に悪影響を与える可能性、および制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。
ロ. 繰延税金資産の評価
当社グループは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対しては評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は、各社または各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価に際しては、実績とともに将来の課税所得の見積りが考慮されています。仮に将来における市場環境や経営成績の悪化等により将来の課税所得が見積りを下回り、繰延税金資産の一部又は全部を回収できないと判断された場合、繰延税金資産に対する評価性引当額が追加で設定され、損益に悪影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要はつぎのとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,854億4千3百万円(前期比1.5%減)、営業利益418億4千5百万円(同5.9%減)、経常利益426億6千9百万円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益317億6千6百万円(同2.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績はつぎのとおりです。
・計測機器事業
売上高2,362億1千8百万円(前期比2.1%減)、営業利益357億5千2百万円(同7.8%減)となりました。
・医用機器事業
売上高701億7千8百万円(前期比1.6%増)、営業利益31億9千万円(同37.1%増)となりました。
・航空機器事業
売上高300億3千9百万円(前期比9.9%増)、営業利益7億9千1百万円(同562.5%増)となりました。
・産業機器事業
売上高430億3千1百万円(前期比5.3%減)、営業利益36億5千9百万円(同18.1%減)となりました。
・その他の事業
売上高59億7千4百万円(前期比25.0%減)、営業利益11億9千9百万円(同12.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ41億5千9百万円減少し、666億8千3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、395億9百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ100億5千5百万円増加しました。その主なものは、売上債権の増減による増加108億5千2百万円、法人税等の支払額の減少54億9千5百万円、仕入債務の増減による減少52億8百万円です。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ68億3千5百万円支出が減少し、160億6千2百万円の支出となりました。その主なものは、設備投資による支出158億6千8百万円です。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ153億6千6百万円支出が増加し、261億8千5百万円の支出となりました。その主なものは、社債の償還による支出150億円、配当金の支払額88億4千万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 計測機器 | 242,853 | △1.1 |
| 医用機器 | 70,015 | 1.5 |
| 航空機器 | 30,560 | 11.2 |
| 産業機器 | 42,221 | △10.9 |
| その他 | 5,931 | △26.0 |
| 合計 | 391,581 | △1.5 |
(注) 1 金額は、販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ロ. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 計測機器 | 238,731 | △2.1 | 48,408 | 5.5 |
| 医用機器 | 68,747 | △2.2 | 14,857 | △8.8 |
| 航空機器 | 26,996 | △8.7 | 36,938 | △7.6 |
| 産業機器 | 43,013 | △11.1 | 10,309 | △0.2 |
| その他 | 5,351 | △39.0 | 3,577 | △14.8 |
| 合計 | 382,840 | △4.5 | 114,091 | △2.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 計測機器 | 236,218 | △2.1 |
| 医用機器 | 70,178 | 1.6 |
| 航空機器 | 30,039 | 9.9 |
| 産業機器 | 43,031 | △5.3 |
| その他 | 5,974 | △25.0 |
| 合計 | 385,443 | △1.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容はつぎのとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ受取手形及び売掛金が64億5千5百万円減少し、たな卸資産が44億3百万円、建設仮勘定が39億7千5百万円それぞれ増加したことなどにより、総資産は4億2千7百万円増加し、4,376億1千8百万円となりました。純資産は、利益剰余金が224億5千3百万円増加したことなどにより、148億3千3百万円増加し、3,027億7千5百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度の景気の状況は、米中貿易摩擦の長期化による影響拡大などにより中国では景気が緩やかに減速したものの、北米では好調な個人消費などを背景とした景気回復が続き、また日本では雇用の改善などにより緩やかに景気が回復しました。その結果、第3四半期までは全体として緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、第4四半期では新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が抑制され、中国をはじめ世界的に景気は急速に減速しました。
こうした情勢のもとで当社グループは、中期経営計画に沿って、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」を目指し、「アドバンスト・ヘルスケア」など成長分野への投資、AI・IoTを活用したアフターマーケット事業の拡大や重点機種の競争力強化などによる収益力強化、また組織基盤の変革など、成長に向けた施策を進めました。
当連結会計年度の業績につきましては、第3四半期までは中国での景気の減速があったものの、日本での底堅い需要などにより堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の不透明感の高まりによる需要の減退に加えて、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、売上高は3,854億4千3百万円(前期比1.5%減)となり、営業利益は418億4千5百万円(同5.9%減)、経常利益は426億6千9百万円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は317億6千6百万円(同2.3%減)となりました。
セグメントの業績は、つぎのとおりです。
・計測機器事業
当事業の上期売上高は、米中貿易摩擦の影響や中国での環境分析機器の需要がピークアウトするなど事業環境が悪化する中でも、新製品投入によるラインナップ拡充の効果などにより、医薬・官公庁向けに液体クロマトグラフ、食品安全・官公庁向けなどに質量分析システム、また、鉄鋼・輸送機向けに試験機が好調に推移しました。しかしながら、下期には消費増税の反動や輸送機業界での景気減退、これに加えて第4四半期からは新型コロナウイルス感染拡大により設備投資抑制や案件先送りが見られ、世界的に大きく影響を受けました。 将来の成長に向けては、顧客の自動化・効率化を支援する機能を強化した製品の開発・販売を進めました。加えて、先端的な大学・研究機関との協業を推進するため、大阪大学に代謝物の網羅的解析を応用した製品・事業の創造を目指した「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」、農研機構とは食の機能性成分解析を目的とした「食品機能性解析共同研究ラボ」を開設しました。中国においては、需要が拡大する環境モニタリングや受託分析分野へのソリューション提供を目指して、中国イノベーションセンター、広州分析センターを開設し、オープンイノベーション機能の充実を図りました。
この結果、当事業の売上高は2,362億1千8百万円(前期比2.1%減)、営業利益は売上の減少などにより、357億5千2百万円(同7.8%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 99,739 | 100,801 | 1.1 | 医薬・官公庁向けに液体クロマトグラフ、鉄鋼・輸送機向けに試験機が伸長。 |
| 北米 | 25,592 | 26,234 | 2.5 | 機能性食品向けおよび製薬向けに液体クロマトグラフ、質量分析システム、輸送機向けに試験機が好調に推移。 |
| 欧州 | 25,034 | 24,724 | △1.2 | 食品安全向けに質量分析システムが好調に推移したものの、為替影響もあり、全体では減収。 |
| 中国 | 55,534 | 47,920 | △13.7 | 環境計測機器が前年の特需の反動で大きく減少したことに加え、下期には新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上が大きく減少。 |
| その他アジア | 25,689 | 26,845 | 4.5 | インドで、製薬向けに液体クロマトグラフ、受託分析向けに質量分析システムが好調に推移。 |
・医用機器事業
当事業の売上高は、海外が減収となりましたが、日本でのⅩ線診断装置の伸長やアフターマーケット事業の拡大により、全体として増加しました。血管撮影システムは、低侵襲治療分野におけるブランド構築に努め、心血管治療向けに好調に推移しました。
引き続き、アフターマーケット事業の拡大や、ターゲット市場である米国市場に特化したⅩ線TⅤシステムの新製品や血管撮影システムの拡販に注力していきます。
この結果、当事業の売上高は701億7千8百万円(前期比1.6%増)、営業利益は売上の増加などにより、31億9千万円(同37.1%増)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 40,160 | 43,072 | 7.3 | Ⅹ線撮影システム、Ⅹ線TⅤシステムが堅調。 また、血管撮影システムは心血管治療向け高級機販売が好調。 |
| 北米 | 8,142 | 7,286 | △10.5 | 血管撮影システムは好調に推移したものの、デジタル化促進施策の需要一巡の影響が続きⅩ線撮影システムが減少。 ただし、足元ではⅩ線TⅤシステム新製品などの効果もあり業績は回復傾向。 |
| 欧州 | 4,298 | 3,689 | △14.2 | 東欧市場の停滞や競争激化の影響によりⅩ線TⅤシステムや血管撮影システムが減少。 |
| 中国 | 5,786 | 5,182 | △10.4 | 下期に新型コロナウイルス感染拡大の緊急対策としてデジタル回診装置の案件が急増したものの、競争激化や案件遅延などにより減収。 |
| その他アジア | 5,308 | 5,219 | △1.7 | インドで血管撮影システムが伸びたものの、前年度にバングラデシュで大口案件があった反動により、Ⅹ線撮影システムが減少。 |
・航空機器事業
当事業の売上高は、北米では、民間航空機向け搭載機器などの売上が増加しました。日本では、防衛省向け航空機搭載機器が増加しました。
また、将来の成長に向けて、新規事業である試験検査システムと海洋機器で新製品を発売しました。
この結果、当事業の売上高は300億3千9百万円(前期比9.9%増)、営業利益は売上の増加などにより、7億9千1百万円(同562.5%増)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 22,225 | 24,216 | 9.0 | 新型輸送機向けの搭載機器などが増加。 |
| 北米 | 4,658 | 5,428 | 16.5 | 中・小型機需要を背景に民間航空機向け搭載機器およびエアライン向け補用品の売上が増加。 |
・産業機器事業
当事業の売上高は、半導体設備投資回復を捉えたターボ分子ポンプの需要増加やセラミックス用途向け工業炉の伸長により、下期は増収となりましたが、上期のターボ分子ポンプとガラスワインダの減少、および、中国市況悪化ならび新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた油圧機器の減少を補い切れず、年間では減収となりました。
引き続き、ターボ分子ポンプの製品ラインナップ強化によるシェア向上、セラミックス用途向け工業炉の海外事業拡大、ならび、油圧機器事業のグローバルな展開に加え、新規事業の強化に取り組みます。
この結果、当事業の売上高は430億3千1百万円(前期比5.3%減)、営業利益は売上の減少などにより、36億5千9百万円(同18.1%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 23,810 | 22,634 | △4.9 | ターボ分子ポンプは半導体およびタッチスクリーンパネル製造装置向け需要が下期に回復したが、上期の低迷を補えず減収。 |
| 北米 | 5,188 | 5,068 | △2.3 | ターボ分子ポンプは半導体製造装置向け需要が下期に回復したものの、油圧機器が米中貿易摩擦の影響を受け減収。 |
| 欧州 | 1,730 | 2,770 | 60.1 | 半導体製造装置向けターボ分子ポンプが堅調に推移したことに加え、ターボ分子ポンプのサービス会社を連結子会社に加えた効果もあり、事業規模が拡大。 |
| 中国 | 10,530 | 8,344 | △20.8 | 米中貿易摩擦による市況悪化で設備投資が抑制されターボ分子ポンプ、ガラスワインダが減少し、新型コロナウイルス感染拡大により油圧機器需要が減速し減収。 |
| その他アジア | 4,065 | 3,986 | △1.9 | 韓国や東南アジアにおいて工作機械向け工具用途の工業炉が好調に推移したものの、台湾においてガラスワインダが前年度の大口案件の反動で減少し、全体では減収。 |
・その他の事業
当事業の売上高は59億7千4百万円(前期比25.0%減)、営業利益は11億9千9百万円(同12.8%減)となりました。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする2017-2019中期経営計画において、最終年度の目標数値として、売上高4,000億円以上、営業利益450億円以上、営業利益率11.0%以上、海外売上高比率50.0%以上、自己資本利益率10.0%以上を設定し、取り組んできました。最終年度である当連結会計年度の結果は、売上高3,854億4千3百万円、営業利益418億4千5百万円、営業利益率10.9%、海外売上高比率49.0%、自己資本利益率10.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ. 資金需要
当社グループの資金需要のうち営業活動については、当社グループ製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および研究開発費です。
投資活動については、生産能力の拡大・効率化、研究開発環境の整備、ITインフラの強化を目的とした設備投資・研究開発投資が主な内容です。今後、成長分野に対しては必要な設備投資・研究開発投資等を継続していく予定です。
ハ. 財務政策
当社グループは、売上債権およびたな卸資産の圧縮等資金の効率を高め、内部資金を生み出すことにより、借入金、社債等の有利子負債の残高を減少させ、借入依存度を引き下げることで財務基盤の健全化を進めてきました。当連結会計年度末の有利子負債の残高は、社債の償還等により前連結会計年度末に比べ154億2千5百万円減少し、21億1千2百万円となりました。
当社グループは、営業活動によりキャッシュを生み出す能力を持っていることなどから、当社グループの成長を維持するために将来必要となる運転資金および設備投資資金を創出・調達することが十分に可能であると考えています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っています。特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しています。
イ. 退職給付債務及び費用の評価
従業員の退職給付費用および退職給付債務の算出には数理計算上の仮定を用いて算出しており、仮定には割引率、予想昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等を含んでいます。当社グループが使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断していますが、仮定と実績との差異、仮定自体の変更は将来の退職給付費用、退職給付債務に悪影響を与える可能性、および制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。
ロ. 繰延税金資産の評価
当社グループは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対しては評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は、各社または各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価に際しては、実績とともに将来の課税所得の見積りが考慮されています。仮に将来における市場環境や経営成績の悪化等により将来の課税所得が見積りを下回り、繰延税金資産の一部又は全部を回収できないと判断された場合、繰延税金資産に対する評価性引当額が追加で設定され、損益に悪影響を与える可能性があります。