有価証券報告書-第160期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要はつぎのとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,822億4千万円(前年度比12.6%増)、営業利益682億1千9百万円(同6.9%増)、経常利益708億8千2百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益520億4千8百万円(同10.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績はつぎのとおりです。
・計測機器事業
売上高3,146億6千8百万円(前年度比13.4%増)、営業利益576億1千5百万円(同8.8%増)となりました。
・医用機器事業
売上高758億7千6百万円(前年度比13.4%増)、営業利益55億3千8百万円(同8.9%減)となりました。
・産業機器事業
売上高629億8千2百万円(前年度比11.0%増)、営業利益54億2千2百万円(同9.3%減)となりました。
・航空機器事業
売上高239億8千5百万円(前年度比7.6%増)、営業利益13億8千9百万円(同1,070.9%増)となりました。
・その他の事業
売上高47億2千6百万円(前年度比0.0%減)、営業利益5億9千7百万円(同52.4%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億8千4百万円減少し、1,537億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、483億3百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ150億6千4百万円減少しました。その主なものは、棚卸資産の増減による減少109億3千8百万円、法人税等の支払額の増加50億7千8百万円です。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ284億6千4百万円支出が増加し、345億9百万円の支出となりました。その主なものは、設備投資による支出168億3千8百万円、子会社株式の取得による支出139億9千6百万円です。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ37億6千万円支出が増加し、194億1千8百万円の支出となりました。その主なものは、配当金の支払額147億4千5百万円、リース債務の返済による支出45億2千8百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
(注) 金額は、販売価格によっています。
ロ. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容はつぎのとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ. 財政状態
当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べ棚卸資産が214億4千7百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が93億1千1百万円、有形固定資産が85億6千2百万円増加したことなどにより、総資産は583億4千1百万円増加し、6,188億6千9百万円となりました。純資産は、利益剰余金が373億7百万円増加したことなどにより、423億3千5百万円増加し、4,234億9千9百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立が進み、サプライチェーンの混乱が徐々に収束の兆しを見せるものの、インフレ抑制に向けた各国の金融引き締めによる景気下振れリスクの拡大、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、依然不透明な状況が継続しています。
このような経営環境のもと、当社は、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」を目指す中期経営計画に取り組みました。感染症対策プロジェクトでは、新型コロナウイルス検出試薬キットや全自動PCR検査装置を迅速に提供しました。加えて、企業・大学・医療機関等と協力して感染症対策の仕組み作りにも注力する等、安心・安全な社会の実現に向けて継続的に取り組みを進めました。
4つの成長戦略として、重点事業、海外事業、リカーリング事業、成長4分野の強化・拡大を図りました。重点事業では液体クロマトグラフ、質量分析システムが医薬・食品安全等のヘルスケア分野向けを中心に増加しました。海外事業では、パートナーとともに課題解決を推進した結果、主要地域全てで増収となり、海外売上高比率は56.2%(前年度比3.2pt増)となりました。リカーリング事業では、保守・メンテナンス・サービス契約の拡大に加え、2022年10月より日水製薬株式会社(2023年4月から島津ダイアグノスティクスに商号変更)を連結子会社化したことで、リカーリング比率が向上しました。
成長4分野では、ヘルスケア、環境・エネルギー、マテリアル、インフラの各分野で事業拡大を推進しました。
新たな技術とイノベーションの創出に向けて、2023年1月「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza」を開所し、アプリケーション開発機能強化を図りました。羽田空港から近い好立地を活かし、国内外の研究機関や顧客と共同研究やオープンイノベーションを通じて、新しい価値創出と社会課題の解決を目指すべく、研究開発体制を強化しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、部品・部材不足や価格高騰、中国の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、為替の円安進行による押し上げ効果もあり、売上高は4,822億4千万円(前年度比12.6%増)となり、営業利益は682億1千9百万円(同6.9%増)、経常利益は708億8千2百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は520億4千8百万円(同10.1%増)となり、3期連続過去最高の業績を達成しました。
なお、2022年9月、当社は、当社の子会社である島津メディカルシステムズ株式会社において、取引先である医療機関に設置したX線撮影装置の保守点検業務に関する不適切行為が行われていたことが判明したことを公表し、2023年2月に外部調査委員会からの原因分析および再発防止策等の提言に基づき、速やかに具体的な再発防止策を策定、実行することを公表いたしました。当社は、外部調査委員会からの提言を真摯に受け止め、リスクマネジメント推進、内部統制、モニタリングの強化等を図り、組織風土の変革を進め、グループ全体で再発防止に取り組みます。当社は、本件を深く反省し、今後このような事態を二度と起こさないよう「コンプライアンスはすべてに優先する」を基本とし、グループガバナンスを更に強化して、信頼の回復に努めてまいります。
セグメントの経営成績は、つぎのとおりです。
・計測機器事業
計測機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。グローバルで創薬の研究や医薬品の自国生産が進んだこともあり、医薬を中心とするヘルスケア分野向けに、主力の液体クロマトグラフが増加しました。加えて北米の環境分野、欧州の臨床分野における規制対応の強化に伴い、質量分析システムが増加しました。また、日水製薬株式会社(2023年4月1日より島津ダイアグノスティクス株式会社へ商号変更)を連結子会社化したことも業績に貢献しました。
なお、半導体等の部品・部材不足や、中国の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、製品の生産・据付遅延が発生しましたが、2023年に入り解消の兆しが見られます。
この結果、当事業の売上高は3,146億6千8百万円(前年度比13.4%増)となり、営業利益は売上の増加等により、576億1千5百万円(同8.8%増)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・医用機器事業
医用機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。医療機関による設備投資の回復に伴い、業界最小かつ豊富な機能を搭載したX線TVシステム、世界初のAIによる画像処理技術を搭載した血管撮影システムの新製品や、パワーアシスト機能搭載の一般撮影システム等のX線装置が貢献しました。
この結果、当事業の売上高は758億7千6百万円(前年度比13.4%増)となりましたが、営業利益は部品・部材価格高騰の影響等により、55億3千8百万円(同8.9%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・産業機器事業
産業機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。ターボ分子ポンプが半導体製造装置向け、建材ガラス、薄膜太陽電池等の薄膜製造装置向けに増加しました。また、プラスチック強化材向けガラス繊維の需要拡大に伴い、ガラスワインダが増加しました。油圧機器は一部顧客による生産調整の影響があったものの、産業車両・建設機械分野の需要が堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は629億8千2百万円(前年度比11.0%増)となりましたが、営業利益は部品・部材価格高騰の影響等により、54億2千2百万円(同9.3%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・航空機器事業
航空機器事業は、国内では防衛分野向けが減少しました。一方、海外では各国の入国制限の撤廃や緩和による航空旅客需要増に伴い、民間航空機分野向けが増加しました。
この結果、当事業の売上高は239億8千5百万円(前年度比7.6%増)となり、営業利益は売上の増加や収益改善により、13億8千9百万円(同1,070.9%増)と2期ぶりに増加に転じ、黒字を確保しました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
・その他の事業
当事業の売上高は47億2千6百万円(前年度比0.0%減)となり、営業利益は5億9千7百万円(同52.4%減)となりました。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする2020-2022中期経営修正計画において、最終年度の目標数値として、売上高4,700億円以上、営業利益680億円以上、営業利益率14.5%以上、自己資本利益率10.0%以上を設定し、取り組んできました。最終年度である当連結会計年度の結果は、売上高4,822億4千万円、営業利益682億1千9百万円、営業利益率14.1%、自己資本利益率12.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ. 資金需要
当社グループの資金需要のうち営業活動については、当社グループ製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および研究開発費です。
投資活動については、生産能力の拡大・効率化、研究開発環境の整備、ITインフラの強化を目的とした設備投資・研究開発投資が主な内容です。今後、成長分野に対しては必要な設備投資・研究開発投資等を継続していく予定です。
ハ. 財務政策
当社グループは、売上債権および棚卸資産の圧縮等資金の効率を高め、内部資金を生み出すことにより、財務基盤の健全化を進めてきました。当連結会計年度末の借入金等の残高は、前連結会計年度末に比べ1億7千8百万円減少し、15億3千2百万円となりました。
当社グループは、営業活動によりキャッシュを生み出す能力を持っていることなどから、当社グループの成長を維持するために将来必要となる運転資金および設備投資資金を創出・調達することが十分に可能であると考えています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っています。特に重要な見積りを伴う会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要はつぎのとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,822億4千万円(前年度比12.6%増)、営業利益682億1千9百万円(同6.9%増)、経常利益708億8千2百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益520億4千8百万円(同10.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績はつぎのとおりです。
・計測機器事業
売上高3,146億6千8百万円(前年度比13.4%増)、営業利益576億1千5百万円(同8.8%増)となりました。
・医用機器事業
売上高758億7千6百万円(前年度比13.4%増)、営業利益55億3千8百万円(同8.9%減)となりました。
・産業機器事業
売上高629億8千2百万円(前年度比11.0%増)、営業利益54億2千2百万円(同9.3%減)となりました。
・航空機器事業
売上高239億8千5百万円(前年度比7.6%増)、営業利益13億8千9百万円(同1,070.9%増)となりました。
・その他の事業
売上高47億2千6百万円(前年度比0.0%減)、営業利益5億9千7百万円(同52.4%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億8千4百万円減少し、1,537億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、483億3百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ150億6千4百万円減少しました。その主なものは、棚卸資産の増減による減少109億3千8百万円、法人税等の支払額の増加50億7千8百万円です。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ284億6千4百万円支出が増加し、345億9百万円の支出となりました。その主なものは、設備投資による支出168億3千8百万円、子会社株式の取得による支出139億9千6百万円です。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ37億6千万円支出が増加し、194億1千8百万円の支出となりました。その主なものは、配当金の支払額147億4千5百万円、リース債務の返済による支出45億2千8百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 計測機器 | 324,786 | 15.0 |
| 医用機器 | 77,888 | 17.2 |
| 産業機器 | 65,271 | 15.5 |
| 航空機器 | 23,161 | 7.5 |
| その他 | 4,699 | △1.4 |
| 合計 | 495,807 | 14.8 |
(注) 金額は、販売価格によっています。
ロ. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 計測機器 | 344,695 | 17.5 | 114,906 | 35.4 |
| 医用機器 | 76,038 | 4.6 | 22,812 | 0.7 |
| 産業機器 | 67,896 | 12.9 | 18,175 | 37.1 |
| 航空機器 | 40,647 | 59.8 | 49,008 | 51.5 |
| その他 | 5,704 | 52.9 | 2,851 | 52.2 |
| 合計 | 534,981 | 17.5 | 207,754 | 34.0 |
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 計測機器 | 314,668 | 13.4 |
| 医用機器 | 75,876 | 13.4 |
| 産業機器 | 62,982 | 11.0 |
| 航空機器 | 23,985 | 7.6 |
| その他 | 4,726 | △0.0 |
| 合計 | 482,240 | 12.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容はつぎのとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ. 財政状態
当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べ棚卸資産が214億4千7百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が93億1千1百万円、有形固定資産が85億6千2百万円増加したことなどにより、総資産は583億4千1百万円増加し、6,188億6千9百万円となりました。純資産は、利益剰余金が373億7百万円増加したことなどにより、423億3千5百万円増加し、4,234億9千9百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立が進み、サプライチェーンの混乱が徐々に収束の兆しを見せるものの、インフレ抑制に向けた各国の金融引き締めによる景気下振れリスクの拡大、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、依然不透明な状況が継続しています。
このような経営環境のもと、当社は、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」を目指す中期経営計画に取り組みました。感染症対策プロジェクトでは、新型コロナウイルス検出試薬キットや全自動PCR検査装置を迅速に提供しました。加えて、企業・大学・医療機関等と協力して感染症対策の仕組み作りにも注力する等、安心・安全な社会の実現に向けて継続的に取り組みを進めました。
4つの成長戦略として、重点事業、海外事業、リカーリング事業、成長4分野の強化・拡大を図りました。重点事業では液体クロマトグラフ、質量分析システムが医薬・食品安全等のヘルスケア分野向けを中心に増加しました。海外事業では、パートナーとともに課題解決を推進した結果、主要地域全てで増収となり、海外売上高比率は56.2%(前年度比3.2pt増)となりました。リカーリング事業では、保守・メンテナンス・サービス契約の拡大に加え、2022年10月より日水製薬株式会社(2023年4月から島津ダイアグノスティクスに商号変更)を連結子会社化したことで、リカーリング比率が向上しました。
成長4分野では、ヘルスケア、環境・エネルギー、マテリアル、インフラの各分野で事業拡大を推進しました。
新たな技術とイノベーションの創出に向けて、2023年1月「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza」を開所し、アプリケーション開発機能強化を図りました。羽田空港から近い好立地を活かし、国内外の研究機関や顧客と共同研究やオープンイノベーションを通じて、新しい価値創出と社会課題の解決を目指すべく、研究開発体制を強化しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、部品・部材不足や価格高騰、中国の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、為替の円安進行による押し上げ効果もあり、売上高は4,822億4千万円(前年度比12.6%増)となり、営業利益は682億1千9百万円(同6.9%増)、経常利益は708億8千2百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は520億4千8百万円(同10.1%増)となり、3期連続過去最高の業績を達成しました。
なお、2022年9月、当社は、当社の子会社である島津メディカルシステムズ株式会社において、取引先である医療機関に設置したX線撮影装置の保守点検業務に関する不適切行為が行われていたことが判明したことを公表し、2023年2月に外部調査委員会からの原因分析および再発防止策等の提言に基づき、速やかに具体的な再発防止策を策定、実行することを公表いたしました。当社は、外部調査委員会からの提言を真摯に受け止め、リスクマネジメント推進、内部統制、モニタリングの強化等を図り、組織風土の変革を進め、グループ全体で再発防止に取り組みます。当社は、本件を深く反省し、今後このような事態を二度と起こさないよう「コンプライアンスはすべてに優先する」を基本とし、グループガバナンスを更に強化して、信頼の回復に努めてまいります。
セグメントの経営成績は、つぎのとおりです。
・計測機器事業
計測機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。グローバルで創薬の研究や医薬品の自国生産が進んだこともあり、医薬を中心とするヘルスケア分野向けに、主力の液体クロマトグラフが増加しました。加えて北米の環境分野、欧州の臨床分野における規制対応の強化に伴い、質量分析システムが増加しました。また、日水製薬株式会社(2023年4月1日より島津ダイアグノスティクス株式会社へ商号変更)を連結子会社化したことも業績に貢献しました。
なお、半導体等の部品・部材不足や、中国の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、製品の生産・据付遅延が発生しましたが、2023年に入り解消の兆しが見られます。
この結果、当事業の売上高は3,146億6千8百万円(前年度比13.4%増)となり、営業利益は売上の増加等により、576億1千5百万円(同8.8%増)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 113,631 | 121,137 | 6.6 | ヘルスケア分野向けに質量分析システムや、グリーンイノベーション分野の需要増に伴い、ガスクロマトグラフ等が増加。また、連結子会社化した島津ダイアグノスティクスの業績も貢献。 |
| 北米 | 29,465 | 33,292 | 13.0 | 一部大手顧客向け需要や新型コロナウイルス検出試薬キットが減少したものの、医薬向けに液体クロマトグラフや、飲料水に関する環境規制対応や臨床向けに質量分析システムが増加。 |
| 欧州 | 28,561 | 32,686 | 14.4 | ロシア以外で、臨床分野で強化された規制強化対応向けに液体クロマトグラフや質量分析システムが増加。 |
| 中国 | 63,248 | 74,103 | 17.2 | 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、医薬向けに液体クロマトグラフが増加。加えて、下半期から政府補正予算によりアカデミア向け需要が増加。 |
| その他のアジア | 31,283 | 39,134 | 25.1 | 医薬品の自国生産強化等により、インドや東南アジアで液体クロマトグラフが増加。東南アジアでは官公庁向けにガスクロマトグラフ、韓国では食品安全向けに質量分析システムが増加。 |
・医用機器事業
医用機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。医療機関による設備投資の回復に伴い、業界最小かつ豊富な機能を搭載したX線TVシステム、世界初のAIによる画像処理技術を搭載した血管撮影システムの新製品や、パワーアシスト機能搭載の一般撮影システム等のX線装置が貢献しました。
この結果、当事業の売上高は758億7千6百万円(前年度比13.4%増)となりましたが、営業利益は部品・部材価格高騰の影響等により、55億3千8百万円(同8.9%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 37,969 | 40,600 | 6.9 | 医療機関による設備投資の回復に伴い、X線TVシステム、血管撮影システムが増加。PET装置は、頭部と乳房に特化した世界初のTOF-PET装置「BresTome」が増加。 |
| 北米 | 8,495 | 10,714 | 26.1 | 米国市場向けに開発した近接操作型X線TVシステム、呼吸器疾患の診断に有効な一般撮影システムが増加。 |
| 欧州 | 3,481 | 4,258 | 22.3 | 東欧向けに一般撮影システムが増加。 |
| 中国 | 4,674 | 4,946 | 5.8 | 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、年後半では政府補正予算による病院の設備投資が増え、回診用X線撮影装置が増加。 |
| その他のアジア | 6,230 | 7,048 | 13.1 | 東南アジアでX線TVシステムと一般撮影システムが増加。加えて、インドで血管撮影システムが増加。 |
・産業機器事業
産業機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。ターボ分子ポンプが半導体製造装置向け、建材ガラス、薄膜太陽電池等の薄膜製造装置向けに増加しました。また、プラスチック強化材向けガラス繊維の需要拡大に伴い、ガラスワインダが増加しました。油圧機器は一部顧客による生産調整の影響があったものの、産業車両・建設機械分野の需要が堅調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は629億8千2百万円(前年度比11.0%増)となりましたが、営業利益は部品・部材価格高騰の影響等により、54億2千2百万円(同9.3%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 26,623 | 26,818 | 0.7 | 半導体製造装置向けターボ分子ポンプは増加。一方、前年大口案件の反動により工業炉が減少したことに加え、一部顧客の生産調整により油圧機器が減少。 |
| 北米 | 7,837 | 8,267 | 5.5 | 半導体需要の減少に伴い、半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少したものの、産業車両向けに、油圧機器が増加。 |
| 欧州 | 3,074 | 4,173 | 35.7 | 半導体製造装置向けにターボ分子ポンプが増加したことに加え、産業車両向けに油圧機器が増加。 |
| 中国 | 13,536 | 17,662 | 30.5 | 半導体および建材ガラス・薄膜太陽電池の各製造装置向けにターボ分子ポンプ需要が拡大。また、EVの放熱板向けに工業炉が増加。 |
| その他のアジア | 5,531 | 5,833 | 5.5 | 韓国や台湾で半導体製造装置向けターボ分子ポンプが増加。 |
・航空機器事業
航空機器事業は、国内では防衛分野向けが減少しました。一方、海外では各国の入国制限の撤廃や緩和による航空旅客需要増に伴い、民間航空機分野向けが増加しました。
この結果、当事業の売上高は239億8千5百万円(前年度比7.6%増)となり、営業利益は売上の増加や収益改善により、13億8千9百万円(同1,070.9%増)と2期ぶりに増加に転じ、黒字を確保しました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
| 前連結 会計年度 (百万円) | 当連結 会計年度 (百万円) | 増減率 (%) | 概況 | |
| 日本 | 18,214 | 17,847 | △2.0 | 防衛分野向け修理案件が減少。 |
| 北米 | 3,822 | 5,346 | 39.9 | 航空旅客需要増に伴い、民間航空機分野向けが増加。 |
・その他の事業
当事業の売上高は47億2千6百万円(前年度比0.0%減)となり、営業利益は5億9千7百万円(同52.4%減)となりました。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする2020-2022中期経営修正計画において、最終年度の目標数値として、売上高4,700億円以上、営業利益680億円以上、営業利益率14.5%以上、自己資本利益率10.0%以上を設定し、取り組んできました。最終年度である当連結会計年度の結果は、売上高4,822億4千万円、営業利益682億1千9百万円、営業利益率14.1%、自己資本利益率12.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ. 資金需要
当社グループの資金需要のうち営業活動については、当社グループ製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および研究開発費です。
投資活動については、生産能力の拡大・効率化、研究開発環境の整備、ITインフラの強化を目的とした設備投資・研究開発投資が主な内容です。今後、成長分野に対しては必要な設備投資・研究開発投資等を継続していく予定です。
ハ. 財務政策
当社グループは、売上債権および棚卸資産の圧縮等資金の効率を高め、内部資金を生み出すことにより、財務基盤の健全化を進めてきました。当連結会計年度末の借入金等の残高は、前連結会計年度末に比べ1億7千8百万円減少し、15億3千2百万円となりました。
当社グループは、営業活動によりキャッシュを生み出す能力を持っていることなどから、当社グループの成長を維持するために将来必要となる運転資金および設備投資資金を創出・調達することが十分に可能であると考えています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っています。特に重要な見積りを伴う会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。