有価証券報告書-第161期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 9:37
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【項目】
180項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要はつぎのとおりです。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高5,118億9千5百万円(前年度比6.1%増)、営業利益727億5千3百万円(同6.6%増)、経常利益768億9千5百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益570億3千7百万円(同9.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績はつぎのとおりです。
・計測機器事業
売上高3,382億5千7百万円(前年度比7.5%増)、営業利益574億8千8百万円(同0.2%減)となりました。
・医用機器事業
売上高723億3百万円(前年度比4.7%減)、営業利益47億7千9百万円(同13.7%減)となりました。
・産業機器事業
売上高653億8千1百万円(前年度比3.8%増)、営業利益71億7千6百万円(同32.3%増)となりました。
・航空機器事業
売上高294億6千5百万円(前年度比22.8%増)、営業利益37億1千4百万円(同167.3%増)となりました。
・その他の事業
売上高64億8千7百万円(前年度比37.3%増)、営業利益10億4千5百万円(同74.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ54億9千9百万円増加し、1,592億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、301億2千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ181億7千5百万円減少しました。その主なものは、仕入債務の増減による減少149億7千2百万円、契約負債の増減による減少121億9千3百万円、棚卸資産の増減による増加90億8百万円です。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ185億1千万円支出が減少し、159億9千8百万円の支出となりました。その主なものは、設備投資による支出155億2百万円です。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ16億7千9百万円支出が増加し、210億9千8百万円の支出となりました。その主なものは、配当金の支払額164億9千2百万円、リース債務の返済による支出47億9千8百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
計測機器351,0778.1
医用機器74,462△4.4
産業機器68,0854.3
航空機器30,01329.6
その他6,55839.6
合計530,1976.9

(注) 金額は、販売価格によっています。
ロ. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
計測機器334,930△2.8111,580△2.9
医用機器74,382△2.224,8919.1
産業機器63,660△6.216,454△9.5
航空機器46,86715.366,41035.5
その他6,2169.02,580△9.5
合計526,057△1.7221,9166.8

ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、つぎのとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
計測機器338,2577.5
医用機器72,303△4.7
産業機器65,3813.8
航空機器29,46522.8
その他6,48737.3
合計511,8956.1

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容はつぎのとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ. 財政状態
当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べ棚卸資産が136億7千7百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が135億6千5百万円、投資その他の資産が130億4千3百万円、現金及び預金が64億3千8百万円増加したことなどにより、総資産は550億9千2百万円増加し、6,739億6千2百万円となりました。純資産は、利益剰余金が403億3千3百万円増加したことなどにより、688億3千6百万円増加し、4,923億3千5百万円となりました。
ロ. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は緩やかに回復しつつも、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化などの地政学リスクの継続、中国経済の停滞やインフレによるコスト増加等、依然として不透明な状況が続きました。
このような状況下で、当社グループも中国事業の成長鈍化や原材料価格の高止まり等の影響を受けましたが、中期経営計画で定めたヘルスケア、グリーン、マテリアル、インダストリーの4注力領域において、計測機器、医用機器、産業機器、航空機器の4事業を展開し、世界のパートナーと共に社会課題の解決に取り組みました。特に、新たな科学技術・イノベーション創出の取り組みを強化するために、グローバルで大学や民間の研究機関との共同研究を進め、社会課題の解決につながる新製品・サービスを上市しました。また、グループガバナンスの強化、人財育成やDX推進等、中期経営計画で定めた経営基盤の強化も進めてきました。
その結果、事業の成果として、ヘルスケア領域では、医薬品分野を中心に計測機器の液体クロマトグラフや質量分析システムが増加したことに加え、医用機器の血管撮影システムが増加しました。グリーン領域では、新エネルギー開発や環境規制対応の目的で計測機器のガスクロマトグラフや質量分析システムが増え、マテリアル領域では新材料開発に向けた計測機器の試験機が増えました。また、インダストリー領域では、産業機器のターボ分子ポンプ、工業炉や、航空機器の防衛・民間航空機向け搭載部品が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、欧州、インド・東南アジア等その他のアジアが好調に推移したことに、為替の円安進行による押し上げ効果も加わり、売上高は5,118億9千5百万円(前年度比6.1%増)となりました。営業利益は人的投資、研究開発投資、設備投資等の成長投資を積極的に進める一方で、価格改定等採算性の向上に努めた結果、727億5千3百万円(同6.6%増)となりました。経常利益は768億9千5百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は570億3千7百万円(同9.6%増)となり、過去最高の業績を達成することができました。
セグメントの経営成績は、つぎのとおりです。
・計測機器事業
計測機器事業は、ヘルスケア、グリーンとマテリアルを注力領域と定めグローバルに事業展開を進めた結果、国内・海外ともに増収となりました。ヘルスケア領域で、欧米を中心に活発な創薬研究や世界各地で進む医薬品の自国生産に加えて、メドテック事業*1に位置付ける臨床検査市場が拡大しており、液体クロマトグラフや質量分析システムが増加しました。また、グリーン領域では、水素をはじめとする新エネルギー開発を中心に気候変動対策関連でガスクロマトグラフが増加し、環境分野での規制強化を受けて質量分析システムが増加しました。加えて、マテリアル領域で、軽量化、高強度化やリサイクルに向けた新素材開発ニーズを基に試験機が増加しました。
この結果、当事業の売上高は3,382億5千7百万円(前年度比7.5%増)と過去最高となりました。営業利益は成長投資を進めたことによる経費増等により、574億8千8百万円(同0.2%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
前連結
会計年度
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本121,137127,1795.0医薬向け液体クロマトグラフ、アカデミア向け質量分析システム、新エネルギー開発向けガスクロマトグラフ、新素材開発向け試験機等が増加。また、第2四半期まで2022年9月に連結子会社化した島津ダイアグノスティクス株式会社の新規連結効果も入っている。
北米33,29234,1232.5大気モニタリング向けにガスクロマトグラフが増加。PFAS*2等の環境分析向けで質量分析システムや、アカデミア向けで高速度ビデオカメラが増加。加えて、大手製薬企業と共同開発した超臨界流体クロマトグラフが増加。一方、特定顧客向けの液体クロマトグラフは減少。
欧州32,68638,86418.9医薬・受託分析向けで液体クロマトグラフや質量分析システム、新エネルギー開発向けでガスクロマトグラフが増加。加えて、臨床検査市場向けで質量分析システムが増加。
中国74,10374,7460.9新エネルギー開発やアカデミア向けにガスクロマトグラフ、臨床検査向けに質量分析システム、アカデミア向けに幅広い機種が増加。前年ロックダウンの反動増もあったが、医薬・受託分析向けの液体クロマトグラフが減少し、全体としてほぼ横ばい。
その他のアジア39,13445,62016.6インドや東南アジアで受託分析と医薬向けに液体クロマトグラフと質量分析システムが増加。また、東南アジアで官公庁向け質量分析システムも増加。

*1 メドテック事業:ヘルスケア領域の中で、臨床検査と医用機器を合わせた事業分野
*2 PFAS:有機フッ素化合物(per-and polyfluoroalkyl substances)
・医用機器事業
医用機器事業は、メドテック分野での中心事業として、新製品とリカーリング商材の開発促進、製造効率の改善や海外展開強化に取り組みましたが、国内が設備投資の減少により大幅減収となり、海外が増収であったものの全体として減収となりました。
国内は、世界初のAIによる画像処理技術を搭載した新製品の血管撮影システムが増加し今後を期待する状況ですが、補正予算の減少や大口案件の反動減が影響しました。一方、海外では血管撮影システムが、低被ばくと高画質が評価されて増加しました。
この結果、当事業の売上高は723億3百万円(前年度比4.7%減)となり、営業利益は売上の減少等により47億7千9百万円(同13.7%減)となりました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
前連結
会計年度
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本40,60034,373△15.3新製品の血管撮影システムが増加したものの、補正予算の減少、大口案件の反動減が影響。
北米10,71410,619△0.9効率的なワンマンオペレーションを可能とする新製品の血管撮影システムが、注力している日帰り手術施設を中心に増加。一方、X線TVシステムや一般撮影システムが減少し、微減。
欧州4,2584,78512.4東欧において実機見学や医師へのアプローチ強化により血管撮影システムが増加。
中国4,9465,68514.9専任チーム設置による活動強化で血管撮影システムが増加、中国市場向けに現地生産しているX線TVシステムの新製品が増加。
その他のアジア7,0487,2793.3前年の回診装置大口案件の反動減があるものの、東南アジアやインドで血管撮影システムが大幅に増加。

・産業機器事業
産業機器事業は、国内は減収ながら海外が増収となり、全体で増収となりました。
国内では、EV用セラミック製造向け工業炉や建設機械向け油圧機器が増加したものの、半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少しました。海外では環境意識の高まりから太陽電池や省エネ性能の高い建材ガラスの製造に使用する薄膜製造装置向けターボ分子ポンプが増加しました。また、製品別ではターボ分子ポンプや油圧機器の売上高が過去最高となりました。
この結果、当事業の売上高は653億8千1百万円(前年度比3.8%増)、営業利益は売上高の増加により71億7千6百万円(同32.3%増)となり、過去最高を更新しました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
前連結
会計年度
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本26,81826,398△1.6EV用セラミック製造向け工業炉や建設機械向け油圧機器が増加したものの、半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少。
北米8,2678,5483.4半導体製造装置向けターボ分子ポンプは減少したものの、産業車両向け油圧機器が増加。
欧州4,1734,67912.1半導体製造装置向けや建材ガラスの製造に使用する薄膜製造装置向けターボ分子ポンプが増加。
中国17,66219,3439.5再生可能エネルギー需要拡大に伴い、太陽電池や建材ガラスの製造に使用する薄膜製造装置向けターボ分子ポンプが 増加。加えて、EV用セラミック製造向け工業炉が増加。
その他のアジア5,8336,1004.6セラミック向けで工業炉が増加。

・航空機器事業
航空機器事業は、防衛・民間航空機市場ともに市況環境が好転し、国内・海外ともに増収となりました。
国内は、航空機用搭載品の需要拡大により防衛分野が増加しました。海外では、航空旅客需要の増加に伴い、機体の増産が進んだことや、航空会社向け補用部品の需要拡大により民間航空機分野が増加しました。
この結果、当事業の売上高は294億6千5百万円(前年度比22.8%増)、営業利益は売上の増加や収益改善により、37億1千4百万円(同167.3%増)となり、大幅に増収増益を達成しました。
なお、売上高についての各主要地域別の状況は下記のとおりです。
前連結
会計年度
(百万円)
当連結
会計年度
(百万円)
増減率
(%)
概況
日本17,84721,15918.6防衛分野で航空機用搭載品が増加。
北米5,3467,31236.8航空機メーカーの増産や、航空会社向け補用部品の需要拡大により、増加。

・その他の事業
当事業の売上高は64億8千7百万円(前年度比37.3%増)となり、営業利益は10億4千5百万円(同74.8%増)となりました。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
当社グループは、当連結会計年度を初年度とする2023-2025中期経営計画において、最終年度の目標数値として、売上高5,500億円以上、営業利益800億円以上、営業利益率14.5%以上、自己資本利益率12.5%以上を設定し、取り組んできました。初年度である当連結会計年度の結果は、売上高5,118億9千5百万円、営業利益727億5千3百万円、営業利益率14.2%、自己資本利益率12.5%となり、目標に対して順調に進捗しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、手元資金を次なる成長につなげることを示すキャピタルアロケーション(資本配分)を策定しています。「攻めの財務」をスローガンに掲げ、財務健全性を確保しながら、持続的な成長に必要な戦略的投資を実施します。
イ. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
ロ. 資金需要
当社グループの資金需要のうち営業活動については、当社グループ製品製造のための材料や部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費および研究開発費です。
投資活動については、M&Aやコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)等の戦略投資、生産能力の拡大・効率化、研究開発環境の整備、DX関連の基盤強化を目的とした設備投資・研究開発投資が主な内容です。今後、社会価値創生領域での事業成長に資する、戦略投資・設備投資・研究開発投資等を継続していく予定です。
ハ. 財務政策
当社グループの当連結会計年度末の借入金等の残高は、前連結会計年度末に比べ8千6百万円増加し、16億1千8百万円となりました。
当社グループは、営業活動によりキャッシュを生み出す能力を持っていることなどから、当社グループの成長を維持するために将来必要となる運転資金および設備投資資金を創出・調達することが十分に可能であると考えています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っています。特に重要な見積りを伴う会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。

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