四半期報告書-第82期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/11 13:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
34項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における世界経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、部材不足など供給面での制約や原材料価格の上昇、インフレ圧力の高まりに伴う世界的な金融引き締めなどにより、足元では景気回復のテンポに鈍化が見られました。
当社グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス業界では、スマートフォンやパソコンなどの需要減少に伴い半導体メモリーメーカーの設備投資に縮小の動きが見られたものの、5G、AIの活用拡大を受けたIoT、DXの進展、環境負荷の少ない技術への投資(GX)を意識した半導体の微細化や実装技術分野への投資、自動車のEV化などを背景にファウンドリーやロジックメーカー、プリント基板関連の設備投資は底堅く推移しました。一方で、米国政府による半導体技術の対中輸出規制の強化などにより、米中の分断や安全保障問題への影響懸念が高まりました。また、ディスプレーメーカーにおいては、パネル価格の下落などから、設備投資計画に見直しの動きが見られました。
このような状況の中、当第2四半期連結累計期間の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、売上債権が減少した一方、棚卸資産やその他流動資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、181億2千1百万円(3.9%)増加し、4,774億2千7百万円となりました。
負債合計は、仕入債務や未払法人税等が増加した一方、転換社債型新株予約権付社債が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、86億7千9百万円(4.1%)減少し、2,028億3千7百万円となりました。
純資産合計は、配当金の支払いの一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や転換社債型新株予約権付社債の転換による資本剰余金の増加や自己株式の減少などにより、前連結会計年度末に比べ、268億1百万円(10.8%)増加し、2,745億8千9百万円となりました。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は、57.5%となりました。
b. 経営成績
当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績につきましては、売上高は2,184億4百万円と前年同期に比べ、311億9千7百万円(16.7%)増加しました。利益面につきましては、売上の増加や採算性の改善などにより、前年同期に比べ、営業利益は140億9千5百万円(58.5%)増加の381億7千2百万円、経常利益は148億9千7百万円(62.6%)増加の386億9千万円となりました。また、特別利益において、関係会社株式売却益等*を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は120億8千5百万円(68.6%)増加の296億9千1百万円となりました。
*2022年5月31日付でInca Digital Printers LTD.およびSCREEN GP IJC Ltd.の株式譲渡を行っております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(半導体製造装置事業:SPE)
半導体製造装置事業では、前年同期に比べ、メモリー向けの売上は減少したものの、ファウンドリー向けやロジック向けが増加しました。地域別では、台湾向けや欧州向けの売上が増加しました。その結果、当セグメントの売上高は1,765億4千8百万円(前年同期比24.8%増)となりました。営業利益は、売上の増加や採算性の改善などにより、383億7千8百万円(前年同期比57.9%増)となりました。
(グラフィックアーツ機器事業:GA)
グラフィックアーツ機器事業では、装置売上やインクを中心とするリカーリングビジネスの売上が増加したことから、当セグメントの売上高は222億3千万円(前年同期比6.2%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、16億2千4百万円(前年同期比143.1%増)となりました。
(ディスプレー製造装置および成膜装置事業:FT)
ディスプレー製造装置および成膜装置事業では、中国におけるロックダウンの影響などもありディスプレー製造装置の売上が減少したことから、当セグメントの売上高は115億4千万円(前年同期比34.4%減)となりました。利益面では、売上の減少などにより、10億8千7百万円の営業損失(前年同期は1億6千3百万円の営業利益)となりました。
(プリント基板関連機器事業:PE)
プリント基板関連機器事業では、データセンター需要の拡大などを受け直接描画装置の売上が増加したことから、当セグメントの売上高は76億1千3百万円(前年同期比30.5%増)となりました。営業利益は、売上の増加などにより、15億8千7百万円(前年同期比68.2%増)となりました。
(その他事業)
その他事業の外部顧客への売上高は8億4千2百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ15億6千9百万円増加し、1,325億8千万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、売上債権の減少、仕入債務の増加などの収入項目が、法人税等の支払い、棚卸資産の増加などの支出項目を上回ったことから、201億6千万円の収入(前年同期は417億1千7百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新工場建設に伴う支払いなどの支出項目が、関係会社株式の売却などの収入項目を上回ったことから、28億円の支出(前年同期は28億5千6百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや転換社債型新株予約権付社債の償還による支出などにより、201億3千6百万円の支出(前年同期は40億6千8百万円の支出)となりました。
(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
2024年3月期に最終年度を迎える中期経営計画「Value Up 2023」(2021年3月期~2024年3月期)の数値目標を修正いたしました。詳細につきましては、第82期第1四半期報告書をご参照ください。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間は研究開発費として119億1千3百万円を投入いたしました。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、改修計画についての経過は次のとおりであります。
会社名事業所名
(所在地)
セグメント名称設備の内容投資予定額
(百万円)
着工および完成予定完成後の増加能力
総額既支払額着工
年月
完了
年月
提出会社および㈱SCREENセミコンダクターソリューションズ彦根事業所
(滋賀県彦根市)
全社
SPE
半導体製造装置生産工場新設および既存の設備の改修9,0914,5422022年
1月
2022年
12月
20%
提出会社彦根事業所
(滋賀県彦根市)
全社事業所設備の増設3,038973-

当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は次のとおりであります。
半導体製造装置事業(SPE)の更なる生産能力増強を図るため、彦根事業所内に新工場の建設ならびに国内グループ会社の能力増強投資を計画しております。設備投資予定額は総額約160億円で、所要資金は自己資金により充当する予定であります。なお、新工場の竣工は2023年10月、操業開始は2024年1月を予定しております。また、当第2四半期連結会計期間末における既支払額は1,496百万円であります。