有価証券報告書-第88期(2025/07/21-2026/07/20)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇や原材料調達への懸念がみられたものの、人手不足への対応やデジタル化に向けた設備投資も堅調に推移し、国内企業の業績は好調を維持しております。
一方、中長期的には、少子化に伴う社会構成の変化への対応が、日本にとってますます重要な課題となっており、社会や産業の構造転換が不可欠となっています。その転換を進めるためには、国内外のリソースを結集して、今後さらに価値が高まる「人とデータ」の活用を高めることが求められます。
116年にわたりお客様の「働く」と「学ぶ」を支え、多様な事業を通じて知見を培ってきました内田洋行グループは、こうした知見を生かして「人とデータ」の活用を高めることに貢献するため、グループ全体のマネジメント改革を加速して事業ユニットの再編と連携強化を進めて、社会課題の解決に取り組みました。
当期は「人とデータ」の活用に向けた公共、民間両市場での国内の投資が高まるなか、当社はその需要を着実に取り込み、当期の業績は好調に推移しました。
公共市場では、5年前に全国の学校へ一斉に導入された1人1台のGIGAスクール端末が、本格的な更新期を迎えました。当期は更新需要がさらに拡大し、初回導入時を上回る導入実績を達成しました。また、GIGAスクールで導入された大量の端末を円滑に活用するため、学習系と校務系のネットワークを統合する大型案件の獲得も進みました。
一方、国のガイドラインに沿って進められる自治体システムの標準化事業では、当期計画分を着実に実施しました。さらに、学校や庁舎、福祉施設等の公共施設でも案件獲得が進みました。この結果、公共市場全体では、売上高、利益ともに想定を大きく上回る実績となりました。
民間市場では、オフィス内における従業員の位置情報や環境データを可視化・活用するソリューションの大型案件を獲得し、クラウド型会議室予約支援サービスの利用者数も増加したことから、安定した収益を確保しました。また、当連結会計年度の前半にはWindowsの更新需要を取り込み、通年では大手企業向けソフトウェアライセンス案件の獲得も引き続き進み、オフィス環境構築分野を含め、民間大手市場は概ね堅調に推移しました。
一方、将来の成長を支える経営基盤の強化に向けた投資も進めました。人材採用の強化や、ベースアップ等の処遇改善、職場環境の整備に加え、グループマネジメント強化のためのグループ共通販売管理システムの導入を進めたことから、販売費及び一般管理費は増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,257億2千9百万円(前年同期比26.3%増)、営業利益は156億3千1百万円(同28.4%増)、経常利益は167億7千万円(同27.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は124億8千6百万円(同27.1%増)となり、売上高および各利益項目は、いずれも前連結会計年度に引き続き過去最高を更新しました。
(単位:百万円)
セグメント毎の経営成績は以下のとおりです。
<公共関連事業>GIGAスクール構想に伴う1人1台端末の更新需要がピークを迎え、全国で大規模な導入が集中しました。当社は、前年度に増強したキッティングセンターの処理能力と全国規模の展開力を発揮し、端末の一斉導入を円滑に遂行しました。校務系と学習系を統合するネットワーク更新では、大量端末に対応する設計力、セキュリティに関する技術・知見と、学校現場への深い理解を生かした提案が評価されて大型案件を獲得し、県単位での大規模な校務システム構築においても大型受注が進みました。
自治体システムの標準化対応では、翌期以降へ延伸する自治体の数は想定を上回りましたが、当期分の作業ならびに福祉系システムの多くは、対応を着実に完了しております。
また、政府が進める大学での理系人材育成に向けた学部新設や学科改編需要において、コンサルティングから環境構築までを手がけるこれまで培ってきたノウハウを生かし、大型案件を獲得しております。加えて、新たな教育に対応するための学校改築や改修では、大型化した案件の獲得が順調に進展しました。
これらの結果、売上高は1,610億3千8百万円(前連結会計年度比73.6%増)、営業利益は89億7千4百万円(前連結会計年度比71.2%増)と大幅な伸長となりました。
<オフィス関連事業>企業業績が堅調に推移するなか、人材の確保や定着の向上を目的とした働きやすいオフィス環境を整備する動きが継続しています。その中で、シェアオフィスやレンタルオフィス分野でもハイグレードな大型案件需要が拡大しており、多くの案件を獲得しました。また、東名阪エリアを中心に、オフィス移転やレイアウト変更、コミュニケーション活性化に向けた大型オフィス投資が底堅く推移し、地方においても拠点機能強化を目的としたリニューアル需要が増加し、福祉施設の大型案件の獲得や公共での庁舎案件も堅調に推移しました。
このような需要を着実に取り込んだものの、前連結会計年度に計上した大型案件の反動により、売上高は591億7千2百万円(前連結会計年度比0.4%減)となりました。一方、海外市場の回復やオフィス周辺事業の収益性の改善により、営業利益は21億3千2百万円(同7.3%増)となりました。
<情報関連事業>大手民間企業では、AIやデータ活用を見据えたインフラ整備ニーズが高まるなか、社員間のコミュニケーション活性化やオフィスの利用状況を把握するため、社員の位置情報やオフィスビル内の各種データをリアルタイムで可視化する大型システム案件の獲得が進展し、当社が高いシェアを有する会議室運用支援サービスについても契約数が着実に伸長しました。また、前年度から続くWindows 10のサポート終了に伴うITサービス関連需要が第1四半期連結会計期間に寄与し、クラウドベースのサブスクリプション型ソフトウェアライセンス契約は、年間を通じて引き続き伸長しております。一方、相対的に利益率の高い中小企業向けSI案件では、半導体不足に伴うサーバやPCの供給遅延の影響を受けて多くの商談が延伸したほか、業務システム更新需要が端境期にありました。
これらの結果、売上高は2,044億4千7百万円(前連結会計年度比11.3%増)、営業利益は42億9千3百万円(前連結会計年度比6.5%減)となりました。
<その他>主な事業は教育研修事業と人材派遣事業であります。売上高は10億7千1百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりましたが、民間企業向けの集合研修、DX研修については堅調に推移しております。営業利益は1億7千4百万円(前連結会計年度比39.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ82億9千2百万円増加し、313億6千4百万円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フローは130億6千9百万円の増加(前連結会計年度は5億4千9百万円の増加)となりました。増加要因として、税金等調整前当期純利益180億9百万円(前連結会計年度は144億7千9百万円)の計上や、契約負債の増加67億8千3百万円(前連結会計年度は5千6百万円の増加)、棚卸資産の減少24億1千4百万円(前連結会計年度は131億1千8百万円の増加)、売上債権及び契約資産の減少19億4千9百万円(前連結会計年度は145億5千5百万円の増加)等があったものの、減少要因として、仕入債務の減少120億5千1百万円(前連結会計年度は183億3千4百万円の増加)および法人税等の支払額51億1千9百万円(前連結会計年度は30億3千2百万円)等がありました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは13億3千1百万円の減少(前連結会計年度は10億2千7百万円の減少)となりました。この減少は主に、貸付けによる支出12億6千3百万円、無形固定資産の取得による支出10億7千2百万円、有形固定資産の取得による支出8億8千8百万円等の減少に対し、投資有価証券の売却による収入17億2千4百万円等の増加によるものであります。
・財務活動によるキャッシュ・フローは34億6千6百万円の減少(前連結会計年度は27億5千1百万円の減少)となりました。この減少は主に、配当金の支払額29億5千7百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額の表示は販売価格によっております。
ロ 受注実績
当連結会計年度における上記生産に係る受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 オフィス関連事業は、見込生産を行っているため受注実績の記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び同「注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②経営成績の分析
イ 売上高
公共市場では、5年前に全国の学校へ一斉に導入された1人1台のGIGAスクール端末が、本格的な更新期を迎えました。当期は更新需要がさらに拡大し、初回導入時を上回る導入実績を達成しました。また、GIGAスクールで導入された大量の端末を円滑に活用するため、学習系と校務系のネットワークを統合する大型案件の獲得も進みました。また、国のガイドラインに沿って進められる自治体システムの標準化事業では、当期計画分を着実に実施しました。さらに、学校や庁舎、福祉施設等の公共施設でも案件獲得が進みました。
民間市場では、オフィス内における従業員の位置情報や環境データを可視化・活用するソリューションの大型案件を獲得し、クラウド型会議室予約支援サービスの利用者数も増加したことから、安定した収益を確保しました。また、当連結会計年度の前半にはWindowsの更新需要を取り込み、通年では大手企業向けソフトウェアライセンス案件の獲得も引き続き進み、オフィス環境構築分野を含め、民間大手市場は概ね堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は、4,257億2千9百万円と前連結会計年度に比べ886億7千4百万円(26.3%)の増収となっております。
なお、セグメン卜別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 営業利益
売上の増加等により、営業利益は156億3千1百万円と前連結会計年度に比べ34億5千7百万円の増益となりました。
ハ 経常利益
経常利益は167億7千万円となり、前連結会計年度に比べ36億4千3百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ニ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は180億9百万円となり、前連結会計年度に比べ35億2千9百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は124億8千6百万円となりました。前連結会計年度に比べ26億6千1百万円の増益となっておりますが、主に税金等調整前当期純利益と同様の理由によるものです。
③財政状態の分析
(単位:百万円)
・流動資産は、現金及び預金の増加85億6千3百万円、および棚卸資産の減少23億4千8百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少18億9千8百万円等により合計47億8千8百万円の増加。
・固定資産は、退職給付に係る資産の増加51億8千9百万円、上場有価証券の時価評価等に伴う投資有価証券の増加23億1千2百万円等により合計74億7千万円の増加。
・流動負債は、仕入債務の減少120億2千3百万円、未払金の減少30億5千6百万円、および契約負債の増加67億8千4百万円、未払消費税等の増加19億6千万円、未払法人税等の増加6億5千1百万円等により合計50億1千7百万円の減少。
・固定負債は、繰延税金負債の増加20億3千8百万円、製品保証引当金の増加5億8千1百万円、および退職給付に係る負債の減少6億9千3百万円等により合計20億9千9百万円の増加。
・純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益124億8千6百万円、剰余金の配当による減少29億5千7百万円、および退職給付に係る調整累計額の増加34億3千1百万円、上場有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の増加16億5千4百万円等により合計151億7千6百万円の増加。
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の40.3%から45.8%と5.5ポイント上昇。
④キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりとなっております。
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
⑤資本の財源および資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第17次中期経営計画(2024年7月21日~2027年7月20日)を策定しております。同計画においては、連結売上高3,400億円、連結営業利益115億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。なお、最終年度に当たる2027年7月期については、有価証券報告書提出日現在、連結売上高4,000億円、連結営業利益150億円を見込んでおり、いずれも同計画における数値目標を上回る水準となっております。
また、目標とする経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)については、将来の市場変化に対応するための自らの変革に向けての投資を推進しながら、安定的に10%以上の水準の継続を目指します。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇や原材料調達への懸念がみられたものの、人手不足への対応やデジタル化に向けた設備投資も堅調に推移し、国内企業の業績は好調を維持しております。
一方、中長期的には、少子化に伴う社会構成の変化への対応が、日本にとってますます重要な課題となっており、社会や産業の構造転換が不可欠となっています。その転換を進めるためには、国内外のリソースを結集して、今後さらに価値が高まる「人とデータ」の活用を高めることが求められます。
116年にわたりお客様の「働く」と「学ぶ」を支え、多様な事業を通じて知見を培ってきました内田洋行グループは、こうした知見を生かして「人とデータ」の活用を高めることに貢献するため、グループ全体のマネジメント改革を加速して事業ユニットの再編と連携強化を進めて、社会課題の解決に取り組みました。
当期は「人とデータ」の活用に向けた公共、民間両市場での国内の投資が高まるなか、当社はその需要を着実に取り込み、当期の業績は好調に推移しました。
公共市場では、5年前に全国の学校へ一斉に導入された1人1台のGIGAスクール端末が、本格的な更新期を迎えました。当期は更新需要がさらに拡大し、初回導入時を上回る導入実績を達成しました。また、GIGAスクールで導入された大量の端末を円滑に活用するため、学習系と校務系のネットワークを統合する大型案件の獲得も進みました。
一方、国のガイドラインに沿って進められる自治体システムの標準化事業では、当期計画分を着実に実施しました。さらに、学校や庁舎、福祉施設等の公共施設でも案件獲得が進みました。この結果、公共市場全体では、売上高、利益ともに想定を大きく上回る実績となりました。
民間市場では、オフィス内における従業員の位置情報や環境データを可視化・活用するソリューションの大型案件を獲得し、クラウド型会議室予約支援サービスの利用者数も増加したことから、安定した収益を確保しました。また、当連結会計年度の前半にはWindowsの更新需要を取り込み、通年では大手企業向けソフトウェアライセンス案件の獲得も引き続き進み、オフィス環境構築分野を含め、民間大手市場は概ね堅調に推移しました。
一方、将来の成長を支える経営基盤の強化に向けた投資も進めました。人材採用の強化や、ベースアップ等の処遇改善、職場環境の整備に加え、グループマネジメント強化のためのグループ共通販売管理システムの導入を進めたことから、販売費及び一般管理費は増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,257億2千9百万円(前年同期比26.3%増)、営業利益は156億3千1百万円(同28.4%増)、経常利益は167億7千万円(同27.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は124億8千6百万円(同27.1%増)となり、売上高および各利益項目は、いずれも前連結会計年度に引き続き過去最高を更新しました。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 337,055 | 425,729 | 88,674 | 26.3 |
| 売上総利益 | 52,387 | 59,240 | 6,853 | 13.1 |
| 販売費及び一般管理費 | 40,213 | 43,609 | 3,396 | 8.4 |
| 営業利益 | 12,174 | 15,631 | 3,457 | 28.4 |
| 経常利益 | 13,126 | 16,770 | 3,643 | 27.8 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,825 | 12,486 | 2,661 | 27.1 |
セグメント毎の経営成績は以下のとおりです。
<公共関連事業>GIGAスクール構想に伴う1人1台端末の更新需要がピークを迎え、全国で大規模な導入が集中しました。当社は、前年度に増強したキッティングセンターの処理能力と全国規模の展開力を発揮し、端末の一斉導入を円滑に遂行しました。校務系と学習系を統合するネットワーク更新では、大量端末に対応する設計力、セキュリティに関する技術・知見と、学校現場への深い理解を生かした提案が評価されて大型案件を獲得し、県単位での大規模な校務システム構築においても大型受注が進みました。
自治体システムの標準化対応では、翌期以降へ延伸する自治体の数は想定を上回りましたが、当期分の作業ならびに福祉系システムの多くは、対応を着実に完了しております。
また、政府が進める大学での理系人材育成に向けた学部新設や学科改編需要において、コンサルティングから環境構築までを手がけるこれまで培ってきたノウハウを生かし、大型案件を獲得しております。加えて、新たな教育に対応するための学校改築や改修では、大型化した案件の獲得が順調に進展しました。
これらの結果、売上高は1,610億3千8百万円(前連結会計年度比73.6%増)、営業利益は89億7千4百万円(前連結会計年度比71.2%増)と大幅な伸長となりました。
<オフィス関連事業>企業業績が堅調に推移するなか、人材の確保や定着の向上を目的とした働きやすいオフィス環境を整備する動きが継続しています。その中で、シェアオフィスやレンタルオフィス分野でもハイグレードな大型案件需要が拡大しており、多くの案件を獲得しました。また、東名阪エリアを中心に、オフィス移転やレイアウト変更、コミュニケーション活性化に向けた大型オフィス投資が底堅く推移し、地方においても拠点機能強化を目的としたリニューアル需要が増加し、福祉施設の大型案件の獲得や公共での庁舎案件も堅調に推移しました。
このような需要を着実に取り込んだものの、前連結会計年度に計上した大型案件の反動により、売上高は591億7千2百万円(前連結会計年度比0.4%減)となりました。一方、海外市場の回復やオフィス周辺事業の収益性の改善により、営業利益は21億3千2百万円(同7.3%増)となりました。
<情報関連事業>大手民間企業では、AIやデータ活用を見据えたインフラ整備ニーズが高まるなか、社員間のコミュニケーション活性化やオフィスの利用状況を把握するため、社員の位置情報やオフィスビル内の各種データをリアルタイムで可視化する大型システム案件の獲得が進展し、当社が高いシェアを有する会議室運用支援サービスについても契約数が着実に伸長しました。また、前年度から続くWindows 10のサポート終了に伴うITサービス関連需要が第1四半期連結会計期間に寄与し、クラウドベースのサブスクリプション型ソフトウェアライセンス契約は、年間を通じて引き続き伸長しております。一方、相対的に利益率の高い中小企業向けSI案件では、半導体不足に伴うサーバやPCの供給遅延の影響を受けて多くの商談が延伸したほか、業務システム更新需要が端境期にありました。
これらの結果、売上高は2,044億4千7百万円(前連結会計年度比11.3%増)、営業利益は42億9千3百万円(前連結会計年度比6.5%減)となりました。
<その他>主な事業は教育研修事業と人材派遣事業であります。売上高は10億7千1百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりましたが、民間企業向けの集合研修、DX研修については堅調に推移しております。営業利益は1億7千4百万円(前連結会計年度比39.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 549 | 13,069 | 12,520 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,027 | △1,331 | △304 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,751 | △3,466 | △715 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ82億9千2百万円増加し、313億6千4百万円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フローは130億6千9百万円の増加(前連結会計年度は5億4千9百万円の増加)となりました。増加要因として、税金等調整前当期純利益180億9百万円(前連結会計年度は144億7千9百万円)の計上や、契約負債の増加67億8千3百万円(前連結会計年度は5千6百万円の増加)、棚卸資産の減少24億1千4百万円(前連結会計年度は131億1千8百万円の増加)、売上債権及び契約資産の減少19億4千9百万円(前連結会計年度は145億5千5百万円の増加)等があったものの、減少要因として、仕入債務の減少120億5千1百万円(前連結会計年度は183億3千4百万円の増加)および法人税等の支払額51億1千9百万円(前連結会計年度は30億3千2百万円)等がありました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは13億3千1百万円の減少(前連結会計年度は10億2千7百万円の減少)となりました。この減少は主に、貸付けによる支出12億6千3百万円、無形固定資産の取得による支出10億7千2百万円、有形固定資産の取得による支出8億8千8百万円等の減少に対し、投資有価証券の売却による収入17億2千4百万円等の増加によるものであります。
・財務活動によるキャッシュ・フローは34億6千6百万円の減少(前連結会計年度は27億5千1百万円の減少)となりました。この減少は主に、配当金の支払額29億5千7百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 公共関連事業 | 3,058 | 119.8 |
| オフィス関連事業 | 4,011 | 103.8 |
| 情報関連事業 | 9,314 | 107.1 |
| 合計 | 16,384 | 108.4 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額の表示は販売価格によっております。
ロ 受注実績
当連結会計年度における上記生産に係る受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 公共関連事業 | 2,834 | 93.8 | 440 | 66.3 |
| 情報関連事業 | 8,772 | 97.6 | 1,851 | 77.4 |
| 合計 | 11,607 | 96.7 | 2,291 | 75.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 オフィス関連事業は、見込生産を行っているため受注実績の記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 公共関連事業 | 161,038 | 173.6 |
| オフィス関連事業 | 59,172 | 99.6 |
| 情報関連事業 | 204,447 | 111.3 |
| その他 | 1,071 | 89.8 |
| 合計 | 425,729 | 126.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び同「注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②経営成績の分析
イ 売上高
公共市場では、5年前に全国の学校へ一斉に導入された1人1台のGIGAスクール端末が、本格的な更新期を迎えました。当期は更新需要がさらに拡大し、初回導入時を上回る導入実績を達成しました。また、GIGAスクールで導入された大量の端末を円滑に活用するため、学習系と校務系のネットワークを統合する大型案件の獲得も進みました。また、国のガイドラインに沿って進められる自治体システムの標準化事業では、当期計画分を着実に実施しました。さらに、学校や庁舎、福祉施設等の公共施設でも案件獲得が進みました。
民間市場では、オフィス内における従業員の位置情報や環境データを可視化・活用するソリューションの大型案件を獲得し、クラウド型会議室予約支援サービスの利用者数も増加したことから、安定した収益を確保しました。また、当連結会計年度の前半にはWindowsの更新需要を取り込み、通年では大手企業向けソフトウェアライセンス案件の獲得も引き続き進み、オフィス環境構築分野を含め、民間大手市場は概ね堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は、4,257億2千9百万円と前連結会計年度に比べ886億7千4百万円(26.3%)の増収となっております。
なお、セグメン卜別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 営業利益
売上の増加等により、営業利益は156億3千1百万円と前連結会計年度に比べ34億5千7百万円の増益となりました。
ハ 経常利益
経常利益は167億7千万円となり、前連結会計年度に比べ36億4千3百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ニ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は180億9百万円となり、前連結会計年度に比べ35億2千9百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は124億8千6百万円となりました。前連結会計年度に比べ26億6千1百万円の増益となっておりますが、主に税金等調整前当期純利益と同様の理由によるものです。
③財政状態の分析
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 (%) | |
| 流動資産 | 131,642 | 136,431 | 4,788 | 3.6 |
| 固定資産 | 43,274 | 50,744 | 7,470 | 17.3 |
| 資産合計 | 174,917 | 187,176 | 12,259 | 7.0 |
| 流動負債 | 92,319 | 87,302 | △5,017 | △5.4 |
| 固定負債 | 11,793 | 13,892 | 2,099 | 17.8 |
| 負債合計 | 104,112 | 101,194 | △2,917 | △2.8 |
| 純資産合計 | 70,805 | 85,982 | 15,176 | 21.4 |
| 自己資本比率(%) | 40.3 | 45.8 | +5.5ポイント | - |
・流動資産は、現金及び預金の増加85億6千3百万円、および棚卸資産の減少23億4千8百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少18億9千8百万円等により合計47億8千8百万円の増加。
・固定資産は、退職給付に係る資産の増加51億8千9百万円、上場有価証券の時価評価等に伴う投資有価証券の増加23億1千2百万円等により合計74億7千万円の増加。
・流動負債は、仕入債務の減少120億2千3百万円、未払金の減少30億5千6百万円、および契約負債の増加67億8千4百万円、未払消費税等の増加19億6千万円、未払法人税等の増加6億5千1百万円等により合計50億1千7百万円の減少。
・固定負債は、繰延税金負債の増加20億3千8百万円、製品保証引当金の増加5億8千1百万円、および退職給付に係る負債の減少6億9千3百万円等により合計20億9千9百万円の増加。
・純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益124億8千6百万円、剰余金の配当による減少29億5千7百万円、および退職給付に係る調整累計額の増加34億3千1百万円、上場有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の増加16億5千4百万円等により合計151億7千6百万円の増加。
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の40.3%から45.8%と5.5ポイント上昇。
④キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりとなっております。
| 2024年7月期 | 2025年7月期 | 2026年7月期 | |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (有利子負債/営業キャッシュ・フロー) | 1.1年 | 9.1年 | 0.4年 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ (営業キャッシュ・フロー/利払い) | 79.6倍 | 6.9倍 | 125.6倍 |
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
⑤資本の財源および資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第17次中期経営計画(2024年7月21日~2027年7月20日)を策定しております。同計画においては、連結売上高3,400億円、連結営業利益115億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。なお、最終年度に当たる2027年7月期については、有価証券報告書提出日現在、連結売上高4,000億円、連結営業利益150億円を見込んでおり、いずれも同計画における数値目標を上回る水準となっております。
また、目標とする経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)については、将来の市場変化に対応するための自らの変革に向けての投資を推進しながら、安定的に10%以上の水準の継続を目指します。