有価証券報告書-第60期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/15 16:41
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【項目】
68項目
業績等の概要
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などを背景に、景気は緩やかな改善傾向にあるものの、海外における政治・経済及び安全保障に関する不安要素も加わり、先行き不透明な状況が続きました。
当ファッション業界におきましては、国内アパレル市場の成熟化が強まるなか、デジタル化の進展を背景に店舗販路からEC販路への顧客シフトが続いたほか、事業承継も相俟って業界再編が不可避な情勢となっています。
このような経営環境の中、当社グループでは、2016年3月期より3ヵ年に亘る中期経営計画において抜本的な構造改革に取り組みました。最終年度となる当連結会計年度は、マーケットや消費者の大きな変化の中で、勝ち続ける企業組織であるために、既存ブランド事業の市場最適化を図るとともに、これまでグループ内で活用されてきたプラットフォームの外販にも乗り出したほか、M&Aやデジタルの機軸にした異なる事業モデルの開発も推進しており、競争力の強化を目的にして2017年4月1日付で事業持株会社体制に移行し、永続性のある事業基盤の構築に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は2,458億29百万円(前年同期比1.7%減)となりましたが、粗利率の改善と経費の抑制により営業利益は132億25百万円(前年同期比9.6%増)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融費用、及び法人所得税の増加などにより、67億43百万円(前年同期比17.3%減)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりです。
なお、投資事業セグメントについては、当社グループの「事業ポートフォリオマネジメント」がミッションとなるため、ポートフォリオの入れ替えなどによって当該セグメントに属するグループ会社が頻繁に変わりうることから、当該セグメントの業績は前期との比較が困難となる可能性があります。
(a)ブランド事業
ブランド事業においては、国内小売事業、国内卸売事業及び国際事業を行っています。国内小売事業では、それぞれのブランドの市場最適化を目的に、婦人服、紳士服、雑貨などの業態や百貨店、駅・ファッションビル、ショッピングセンターなどのチャネル毎に分社化を行いました。ブランドポートフォリオ管理により事業戦略を機動的に修正し、成長性と収益性のバランスを図り、商品面においてはブランドらしさや強みを明確に打ち出すため、原産地やものづくりの現場へと赴き、差別化された付加価値の高い商品開発に継続して取り組みました。
国内卸売事業では、自社ブランドに加えて、取引先専門店のニーズに対応した、他社ブランド商材を当社の展示会の中で提案することに加えて、専門店の抱える様々な課題に対応する、総合ソリューション機能の充実を図っております。
国際事業では、中国、台湾、韓国、タイにおいて、主に販売事業に取り組みました。国や地域の嗜好性や気候、チャネルに応じてブランド提案を行い、国内小売事業と同様に、収益性を重視した改善活動に注力しました。
この結果、ブランド事業の業績は、売上収益2,089億72百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益(注)99億80百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
(b)投資事業
投資事業においては、事業持株会社である当社及び㈱ワールドインベストメントネットワークを中心にM&A事業と事業のポートフォリオ管理を行っております。
2017年6月には、㈱日本政策投資銀行とファンド運営会社 ㈱W&Dインベストメントデザインを設立し、ファッション特化型の共同運営ファンド「W&Dデザインファンド」を組成しました。同年12月には第一号案件として、セレクトショップ「ザ シークレットクロゼット」、ラグジュアリーブランド「シクラス」を手がける㈱ユアサンクチュアリーに投資し、「事業」と「金融」を両輪に投資先企業の成長を促してまいります。
同年12月には、㈱ワールドインベストメントネットワークが、キッチン雑貨専門店「212キッチンストア」並びに、インテリアを中心とした生活提案型店舗「T.C/タイムレスコンフォート」を展開する㈱アスプルンドを子会社化し、既存事業との連携を高めてまいります。また、2018年3月には、アプリベースのサブスクリプション型(利用期間などに応じて料金を支払う方式)のファッションレンタルサービス「サスティナ」を展開する㈱オムニスと資本・業務提携を行い、若年層を中心に関心が高まるシェアリングエコノミー市場にも参入いたしました。
この結果、投資事業の業績は、売上収益462億84百万円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益(注)65億89百万円(前年同期比48.4%増)となりました。
(c)デジタル事業
デジタル事業においては、直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」を中心としたEC事業の推進やデジタルソリューション支援事業を行っています。2016年秋冬から取り組みを開始したネットとリアル店舗を融合するオムニチャネル化の一環として、店舗とECの在庫連携を推進しております。
また、他社ブランドのEC支援やファッションECモール「ファッションウォーカー」などを運営する㈱ファッション・コ・ラボは、デジタルソリューション支援事業へ業容を拡大しています。さらに、2017年10月にITコンサルティング企業 フューチャー㈱とのジョイントベンチャーにより設立した、㈱ファステック・アンド・ソリューションズと連携することで、ファッション関連企業の様々なニーズへの対応に着手いたしました。
この結果、デジタル事業の業績は、売上収益189億72百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益(注)6億58百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
(d)プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みを活用したプラットフォームの外部企業へのオープン化を推進しております。生産プラットフォームでは、㈱ワールドプロダクションパートナーズを中心に、生産、調達、貿易、ユニフォームの製造、他社アパレルのODM、OEMに取り組みました。店舗・販売プラットフォームでは、㈱ワールドストアパートナーズにおいて、販売代行、店舗開発、催事の企画・運営などを行っております。
また、2017年4月に設立した㈱ワールドスペースソリューションズでは、自社ブランドの店舗デザインで培った空間設計プラットフォームを活用し、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインを行っており、マンションやショールーム、ホテルといったアパレル以外の他業界に向けた取り組みが拡大するなど新たな事業領域へ展開を広げました。
この結果、プラットフォーム事業の業績は、売上収益1,262億85百万円(前年同期比16.6%減)、セグメント利益(注)12億55百万円(前年同期比18.7%減)となりました。
(注)セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
205億28百万円の収入(前年同期比38億5百万円 収入増)となりました。
収入増加の主な要因は、税引前当期利益の増加5億86百万円、仕入債務及びその他の債務の減少による支出の減少27億97百万円、棚卸資産の減少による収入の増加14億13百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
59億8百万円の支出(前年同期比144億71百万円 支出減)となりました。
支出減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出の減少216億49百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
148億44百万円の支出(前年同期比115億60百万円 支出増)となりました。
支出増加の主な要因は、借入金の返済による支出(純額)の増加123億28百万円によるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より1億76百万円減少して、209億72百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より当社を事業持株会社とする持株会社体制へ移行したことにともない、報告セグメントを従来の衣料品販売事業の単一セグメントから、「ブランド事業」、「投資事業」、「デジタル事業」及び「プラットフォーム事業」の4区分に変更しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
プラットフォーム事業7,313△15.0
合計7,313△15.0

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)
ブランド事業89,575
投資事業15,663
デジタル事業1,084
プラットフォーム事業94,916
小計201,238
IFRS調整(注)3△3,122
合計198,116

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
3 IFRS調整は、原材料売上・為替予約における調整金額を記載しております。
4 当連結会計年度よりセグメントを区分したことから、仕入実績については前年同期比を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
販路別売上状況
地域販路屋号金額(百万円)前年同期比(%)
国内直営店シューラルー18,817+0.3
アンタイトル16,478△1.8
オペーク ドット クリップ14,292△3.2
ザ ショップ ティーケー14,189+3.1
インディヴィ10,237+0.4
ワンズテラス10,069+9.0
タケオキクチ9,398△4.2
ハッシュアッシュ8,842+0.5
イッツデモ8,605+6.0
インデックス7,220△14.8
その他(注)382,805△8.8
直営店合計200,953△4.1
EC24,758+12.2
117,189△16.3
その他(注)457,302△8.7
海外3,697△20.0
小計403,899△8.0
IFRS調整(注)6△3,385-
合計400,514△7.7

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
3 直営店のその他は約55屋号になります。
4 グループ間の役務収益、原材料売上及びロイヤリティ収入等が該当します。
5 業態変更があった屋号については、前年も修正して前年同期比を算出しております。
6 IFRS調整は、ポイント付与及び原材料売上における調整金額を記載しております。
(参考)
当社グループの主な販路であります国内直営店の地域別売上は以下のとおりであります。
区分金額(百万円)前年同期比(%)構成比(%)当連結会計年度
期末店舗数(店)
東京都35,207△5.517.5328
大阪府19,074△9.59.5211
神奈川県14,815△3.77.4162
愛知県13,339△3.76.6145
兵庫県11,496△6.65.7125
埼玉県10,337△4.55.1127
千葉県10,139△2.15.0119
福岡県8,136△6.94.0101
北海道6,3201.93.182
広島県5,315△2.72.674
その他66,774△1.933.2937
合計200,953△4.1100.02,411

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
尚、「受注実績」につきましては、該当事項はありません。
(参考)
当社グループのEC化率は以下のとおりであります。
EC化率金額(百万円)%前年同期差
EC取扱高
連結取扱高
30,833
250,260
12.32+1.29

(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績に重要な影響を与える要因について
当社経営陣が承知している限り、経営者及び内部統制上重要な権限を有している従業員による不正行為、法令・定款違反行為及び不当行為はありません。また、取締役の競業取引、取締役と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与、子会社又は株主との通例的でない取引並びに自己株式の取得及び処分等について取締役の義務違反はありません。
②経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループでは、2016年3月期より3ヵ年に亘る中期経営計画において抜本的な構造改革に取り組みました。最終年度となる当連結会計年度は、マーケットや消費者の大きな変化の中で、勝ち続ける企業組織であるために、既存ブランド事業の市場最適化を図るとともに、これまでグループ内で活用されてきたプラットフォームの外販にも乗り出したほか、M&Aやデジタルの機軸にした異なる事業モデルの開発も推進しており、競争力の強化を目的にして2017年4月1日付で事業持株会社体制に移行し、永続性のある事業基盤の構築に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は僅かに減収となったものの、利益の出やすい体質への構造転換は着実に進み、営業利益は増益となりました。
しかし、今後につきましては、わが国の経済は、雇用や所得の改善などにより、回復基調で推移していくものと思われますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動、貿易問題等の影響により、先行き不透明なマーケット環境は継続すると予想しています。
また、当ファッション業界につきましても、個人消費の節約志向が定着しており、総じて厳しい状況が続くと思われます。
このような経営環境の中、当社グループは、2019年3月期を次なるトランスフォーメーション(変革)に向けた3ヵ年のスタートの年として、ブランド事業、投資事業、デジタル事業、プラットフォーム事業のそれぞれが、市場の変化を適確に捉え、相互に連携することで、“総合アパレル企業グループ”から ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へ進化したいと考えております。
ブランド事業においては、引き続き、各事業会社がそれぞれのブランドの市場最適化を図り、商品力・販売力の向上に努め、既存ブランド・既存店舗の再成長を目指してまいります。
投資事業においては、2018年4月に子会社化した、高感度なリユースセレクトショップ「ラグタグ」などを展開する㈱ティンパンアレイを迎え入れ、既存事業とのシナジー効果を発揮してまいります。
デジタル事業においては、引き続き、直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」を中心としたEC事業を推進するとともに、ファッション関連企業へITを駆使したデジタルソリューション支援を強化してまいります。
プラットフォーム事業においては、BtoB事業の拡大に向けて体制を強化し、機会ロスの低減と新たな事業領域の創出に努めてまいります。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前連結会計年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
(のれんの償却に関する事項)(のれんの償却に関する事項)
日本基準において、のれんはその効果の発現する期間を個別に見積り、償却期間を決定した上で均等償却することとしておりましたが、IFRSにより作成した連結財務諸表においては、IFRS移行日以降の償却を停止しております。
尚、この結果、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が4,167百万円減少しております。
日本基準において、のれんはその効果の発現する期間を個別に見積り、償却期間を決定した上で均等償却することとしておりましたが、IFRSにより作成した連結財務諸表においては、IFRS移行日以降の償却を停止しております。
尚、この結果、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が4,218百万円減少しております。

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