四半期報告書-第62期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日)の経営成績は、売上収益は1,825億2百万円(前年同期比2.0%減)、コア営業利益が158億52百万円(同1.5%増)、営業利益が169億75百万円(同10.9%増)、税引前四半期利益が162億93百万円(同14.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は118億62百万円(同30.0%増)となりました。
売上収益は、10月の消費税増税以降、全般に消費抑制傾向が継続していることに加え、自然災害による店舗休業や、記録的な暖冬の影響により重衣料を中心に販売が振るいませんでした。また、重要課題である成長性に対しては、ブランド事業の原点回帰としてブランディング、CRM、デジタルプロモーションなどを推進しており、一部に成功事例は出てきているものの、全体としてはまだまだ取り組み途上であるため当第3四半期連結会計期間においてはブランド事業が苦戦となりました。一方、徹底した生販コントロール、経費低減に継続的に取り組み、当第3四半期連結累計期間においては、コア営業利益の増益を確保しました。加えて、神戸レザークロス㈱の連結加入による負ののれん発生益なども寄与し、利益面においては、売上総利益を除き全ての利益段階で増益となりました。
当社グループでは、中期的な基本方針として、より多様なブランド、ファッションの楽しさ、価値あるモノを、デジタル技術を活用したプラットフォームやサービスにより、ロス・ムダなくお客様に届けることで持続可能な産業世界を追求する、新たな「ワールド・ファッション・エコ・システム」の構築に全速力で取り組むことを掲げています。当期(2020年3月期)は、その実現に向けたトランスフォーメーション(変革)の最終年と位置づけ、持続的な増益基調を保持しながら、次期以降の更なる収益成長に備え、デジタルおよび親和性の高いM&Aの先行投資を推進しております。
具体的には、4月にオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・オリジナル社を子会社化し、オンライン・カスタムシャツのポートフォリオ拡充と、サイジング・テクノロジーを活用した、カスタマイゼーション・プラットフォームを拡充しました。6月には、子会社の㈱ワールドインベストメントネットワークを通じて、雑貨アイテムの「靴」のポートフォリオの拡充と、将来的な「靴」のカスタマイゼーション事業の展開を目的とし、神戸レザークロス㈱を子会社化しました。8月には当社と動産のプロフェッショナル・ファームの㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンとの合弁により、新業態となるオフプライスストアの展開を目的に持分法適用関連会社 ㈱アンドブリッジを設立し、9月に1号店を埼玉県西大宮にオープンしました。さらに11月には、高級ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルシェアサービスを行うラクサス・テクノロジーズ㈱を子会社化いたしました。
また、引き続き、当社グループが培ってきたプラットフォーム(ファッション産業の共通基盤)を外部企業へオープン化する外販にも注力しております。このようにワールドグループは、ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へと更なる進化を図っています。
なお、当社では、2019年3月期の決算短信にてご案内のとおり、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの事業区分を「ブランド事業」、「デジタル事業」、「プラットフォーム事業」及び「共通部門」という3事業・1部門に変更いたしました。この報告セグメントの変更のポイントや詳細な内容は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 7.事業セグメント」に記載の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
① ブランド事業
ブランド事業においては、ブランドポートフォリオ戦略を機動的に修正し、ブランド事業セグメント全体最適の視点で成長性と収益性のバランスを図っています。
百貨店を中心に展開するミドルアッパーブランドは、ブランドらしさや強みを明確に打ち出し、差別化された付加価値の高い商品開発に継続して取り組んでいます。ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドにおいては、前期は在庫コントロールに課題を残しましたが、当期はプロパー中心の企画および販売に注力し在庫効率が良化しました。ライフスタイルブランドは生活雑貨の提案がお客様の支持を得たことで堅調に推移しました。一方、投資グループにおいては、プラットフォームやシステムの導入によるシナジー効果の追求をテーマに掲げ、開発・改革ブランドでは引き続き構造改革の推進に取り組み、また、M&Aブランドでは、神戸レザークロス㈱や㈱ヒロフの連結加入により増益に寄与しました。
個別ブランドでは、月ごとのトレンドキーワードを取り込み商品開発の精度を上げた「オペークドットクリップ」、季節ごとのモチベーションを生活雑貨の商品として提案した「ワンズテラス」や、女性向け下着の「リサマリ」等が堅調に推移しました。
この結果、気温変動の影響を受けにくい生活雑貨ブランド等は堅調に推移したものの、消費税増税以降の反動やアパレル系ブランドの冬物商戦が苦戦したことに加え、成長性課題への取り組みが途上であることから、ブランド事業の業績は、売上収益が1,696億81百万円(前年同期比1.2%減)(うち外部収益は1,662億81百万円(前年同期比0.8%減))、コア営業利益(セグメント利益)が103億73百万円(前年同期比10.0%増)と減収増益になりました。
② デジタル事業
デジタル事業については、「B2Bソリューション」と「B2Cネオエコノミー」から成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、当社グループにおける重点投資の領域と位置付けております。
「B2Bソリューション」においては、Eコマースの運営受託とデジタルソリューションを行っております。
Eコマースの運営受託では、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営を受託しており、ブランド事業の直営店舗との相互送客(O2O)強化に取り組みました。また、㈱ファッション・コ・ラボにおいては、ファッションECモール「ファッションウォーカー」の運営と他社公式ECサイトの運営受託サービスの二本柱に加えて、新たに日本のファッションアイテムを海外消費者に販売する越境ECサイト「FASBEE」のリリースにも取り組みました。デジタルソリューションでは、自社の物流コスト抑制の取組みや基幹システムの刷新に限らず、他社に向けた基幹システムやCRM(顧客管理)システム等の新たなソリューション提供などの業容拡大にも注力しております。
また、「B2Cネオエコノミー」においては、「シェアリング」や「カスタマイズ」といったキーワードで新規の事業開発に本格的に取り組んでおります。デジタル事業と親和性の高いユーズドセレクトショップ「ラグタグ」を展開する㈱ティンパンアレイが中核企業として着々と事業基盤を拡充したほか、今期新たにグループ連結加入したオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・オリジナル社なども、キャラクターを活用したIP(知的財産)ビジネス強化、海外展開の拡大といった価値創造の活動を本格化しております。
デジタル事業の業績においては、Eコマース事業で販売競争の激化によるポイント値引き等の増加や配送費の高騰による影響を受けたほか、デジタルソリューションに不可欠なシステム投資やB2Cネオエコノミー分野でのM&Aも活用した開発投資が先行投資として利益を圧迫したこともあり、売上収益が184億88百万円(前年同期比0.8%増)(うち外部収益は76億59百万円(前年同期比1.3%減))、コア営業利益(セグメント利益)が18百万円の赤字(前年同期比6億39百万円減)と増収減益になりました。
③ プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みを活用したプラットフォームの外部企業へのオープン化を推進し、業界の枠組みを超えた新たな事業領域の拡大に取り組んでいます。
生産プラットフォームの㈱ワールドプロダクションパートナーズは、自ら商社機能を発揮して直接貿易に取り組み、製造子会社群の生産性改善を指導・支援するほか、他社アパレルの商品開発及び製造(OEM・ODM事業)も強化しております。また、販売プラットフォームの㈱ワールドストアパートナーズは、全国を網羅する支店及び営業所できめ細やかな販売支援体制を整えており、最近では他業種小売業の運営受託案件も拡大しております。空間創造プラットフォームの㈱ワールドスペースソリューションズは、引き続きアパレル以外の業界にも営業活動を広げて、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供を着実に拡大しております。
プラットフォーム事業の業績については、主に販売プラットフォームにおいて、大型ストアブランド「フラクサス」の終息に伴う外部販売の減少に加えて、在庫効率改善や販売系業務改善推進に伴う生産および販売プラットフォームの内部販売の減少もあったものの、空間創造プラットフォームの外部販売拡大や継続的な経費低減にも取り組み、売上収益が819億24百万円(前年同期比6.4%減)(うち外部収益は84億57百万円(前年同期比21.1%減))、コア営業利益(セグメント利益)が22億13百万円(前年同期比16.2%増)と減収増益になりました。
④ 共通部門
事業セグメントに属さない共通部門においては、子会社からの配当や経営指導料等を収入として計上する一方、それでホールディングスのコーポレートスタッフ等の費用を賄うことを基本的な収益構造としておりますが、子会社からの配当は予めセグメント利益から除いております。
共通部門は、「グループ人事本部」、「グループ企画本部」、「グループ支援本部」の3本部に加えて、グループブランディングを推進する「クリエイティブ・マネジメント・センター」や各事業のノウハウ・仕組みを外部企業へのオープン化に向けて推進する「プラットフォーム事業推進室」などで成り立っています。
ホールディングスは重点分野への集中投資という自らの役割を果たすため、子会社からホールディングスのスタッフ等の実費を上回る経営指導料等を回収しております。新規M&A会社の参入や各種料率の見直しにより、グループ会社に対する業務委託費が増加したこと、自社物流に備えて人材確保を行った結果、売上収益68億55百万円(前年同期比1.5%減)(うち外部収益1億5百万円(前年同期比172.2%増))、コア営業利益(セグメント利益)が32億75百万円(前年同期比11.7%減)と減収減益になりました。
<サステナビリティ(持続可能性)への取り組みについて>当社グループは、「ワールドグループ環境方針」を制定し、環境活動を企業経営における重要課題のひとつと位置づけ、ファッション産業全体のロスを低減することが、SDGs(持続可能な開発目標)、すなわちサステナビリティある社会の実現に貢献し、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みであると考えています。具体的には、2009年から取り組む衣料品リサイクル「ワールドエコロモキャンペーン」では、リユース・リサイクルを通じて洋服の価値を最後まで生かすことを目的に、自社製品だけでなく広く他社製品も対象にし、これまでに累計1,425万5,943点をお引取りしています。キャンペーンを通じて得た収益金は、次代を担う子どもたちに役立てるために寄付することで社会に還元しています。また、他メーカーとの共同配送でファッション業界の物流効率化にも着手し、輸送効率を改善することで、環境保全にも取り組んでいます。
近年、商品廃棄の課題に社会的な関心が高まる中、新たに開発したオフプライスストア業態「アンドブリッジ」では、日本のファッション産業の余剰在庫解消の一助となるオープン・プラットフォームとして、持続可能な社会の実現を目指しています。
(2)財政状態の分析
(資産)
資産合計は2,656億41百万円と前連結会計年度末に比べて520億95百万円増加しました。
この増加の主な要因は、第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、使用権資産が約360億円と大きく増えたほか、Original INC.(米国)及びラクサス・テクノロジーズ㈱の新規連結子会社化によるのれん(それぞれ約24億円と約35億円)やシステム投資に伴うソフトウェア(約23億円)を資産計上したことで無形資産が約83億円、商品在庫の構成が、商品単価がより高い秋冬商材を中心とした内容に、次シーズンの春夏商材の入荷も加わっていることで棚卸資産が約57億円、それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
負債は1,786億41百万円と前連結会計年度末に比べて432億16百万円増加しました。
この主な要因は、第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、リース負債が約378億円増加したこと、及び仕入債務及びその他の債務が約29億円増加したことによるものです。
(資本)
資本合計は870億円と前連結会計年度末に比べて88億79百万円増加しました。
この主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益を118億62百万円計上した一方で、IFRS第16号「リース」を適用したことに伴う期首利益剰余金9億50百万円の減少、配当金の支払い25億97百万円を実施したことによるものです。
(D/Eレシオ)
当社グループは、資本合計に対する有利子負債の割合であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)を財務体質の健全化の指標としており、中期的にD/Eレシオ0.5倍を目指しております。
当第3四半期連結会計期間末の有利子負債は、借入金の返済により、744億5百万円と前連結会計年度末より3億19百万円減少しました。一方、資本は、利益剰余金の増加を背景に、870億円と前連結会計年度末に比べて88億79百万円増加しました。
その結果、当第3四半期連結会計期間末のD/Eレシオは0.86倍と1倍を下回り、前連結会計年度末の0.96倍から改善いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
244億16百万円の収入(前年同期比156億47百万円 収入増)となりました。
この主な要因は、税引前四半期利益が20億56百万円増加したことに加え、IFRS第16号「リース」の適用による減価償却費及び償却費の増加96億10百万円、及び法人所得税の支払額又は還付額の減少に伴う支出の減少20億38百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
70億77百万円の支出(前年同期比36億41百万円 支出減)となりました。
この主な要因は、前第3四半期連結累計期間においては、㈱CAMPFIREに対して5億円、㈱ナルミヤ・インターナショナルへ15億79百万円それぞれ出資したことにより支出を計上したことに反して、当第3四半期連結累計期間では、神戸レザークロス㈱及びOriginal INC.(米国)の株式取得時において12億60百万円の収入があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
174億25百万円の支出(前年同期比196億97百万円 支出増)となりました。
この主な要因は、前第3四半期連結累計期間に、短期借入金を137億27百万円、その他の有利子負債を162億43百万円、それぞれ返済したことによる支出があったものの、上場による資金調達に伴う収入(406億94百万円)を計上した一方、当第3四半期連結累計期間においては、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の返済による支出が99億58百万円、配当金の支払が25億86百万円、それぞれ増加していることによります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末より1億20百万円減少して194億71百万円となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性に係る情報について、前連結会計年度の有価証券報告書「資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載した内容から重要な変更はありません。
(5)販売実績
当第3四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。
以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考)
当社グループのEC化率は以下のとおりであります。
(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日)の経営成績は、売上収益は1,825億2百万円(前年同期比2.0%減)、コア営業利益が158億52百万円(同1.5%増)、営業利益が169億75百万円(同10.9%増)、税引前四半期利益が162億93百万円(同14.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は118億62百万円(同30.0%増)となりました。
売上収益は、10月の消費税増税以降、全般に消費抑制傾向が継続していることに加え、自然災害による店舗休業や、記録的な暖冬の影響により重衣料を中心に販売が振るいませんでした。また、重要課題である成長性に対しては、ブランド事業の原点回帰としてブランディング、CRM、デジタルプロモーションなどを推進しており、一部に成功事例は出てきているものの、全体としてはまだまだ取り組み途上であるため当第3四半期連結会計期間においてはブランド事業が苦戦となりました。一方、徹底した生販コントロール、経費低減に継続的に取り組み、当第3四半期連結累計期間においては、コア営業利益の増益を確保しました。加えて、神戸レザークロス㈱の連結加入による負ののれん発生益なども寄与し、利益面においては、売上総利益を除き全ての利益段階で増益となりました。
当社グループでは、中期的な基本方針として、より多様なブランド、ファッションの楽しさ、価値あるモノを、デジタル技術を活用したプラットフォームやサービスにより、ロス・ムダなくお客様に届けることで持続可能な産業世界を追求する、新たな「ワールド・ファッション・エコ・システム」の構築に全速力で取り組むことを掲げています。当期(2020年3月期)は、その実現に向けたトランスフォーメーション(変革)の最終年と位置づけ、持続的な増益基調を保持しながら、次期以降の更なる収益成長に備え、デジタルおよび親和性の高いM&Aの先行投資を推進しております。
具体的には、4月にオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・オリジナル社を子会社化し、オンライン・カスタムシャツのポートフォリオ拡充と、サイジング・テクノロジーを活用した、カスタマイゼーション・プラットフォームを拡充しました。6月には、子会社の㈱ワールドインベストメントネットワークを通じて、雑貨アイテムの「靴」のポートフォリオの拡充と、将来的な「靴」のカスタマイゼーション事業の展開を目的とし、神戸レザークロス㈱を子会社化しました。8月には当社と動産のプロフェッショナル・ファームの㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンとの合弁により、新業態となるオフプライスストアの展開を目的に持分法適用関連会社 ㈱アンドブリッジを設立し、9月に1号店を埼玉県西大宮にオープンしました。さらに11月には、高級ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルシェアサービスを行うラクサス・テクノロジーズ㈱を子会社化いたしました。
また、引き続き、当社グループが培ってきたプラットフォーム(ファッション産業の共通基盤)を外部企業へオープン化する外販にも注力しております。このようにワールドグループは、ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へと更なる進化を図っています。
なお、当社では、2019年3月期の決算短信にてご案内のとおり、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの事業区分を「ブランド事業」、「デジタル事業」、「プラットフォーム事業」及び「共通部門」という3事業・1部門に変更いたしました。この報告セグメントの変更のポイントや詳細な内容は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 7.事業セグメント」に記載の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
① ブランド事業
ブランド事業においては、ブランドポートフォリオ戦略を機動的に修正し、ブランド事業セグメント全体最適の視点で成長性と収益性のバランスを図っています。
百貨店を中心に展開するミドルアッパーブランドは、ブランドらしさや強みを明確に打ち出し、差別化された付加価値の高い商品開発に継続して取り組んでいます。ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドにおいては、前期は在庫コントロールに課題を残しましたが、当期はプロパー中心の企画および販売に注力し在庫効率が良化しました。ライフスタイルブランドは生活雑貨の提案がお客様の支持を得たことで堅調に推移しました。一方、投資グループにおいては、プラットフォームやシステムの導入によるシナジー効果の追求をテーマに掲げ、開発・改革ブランドでは引き続き構造改革の推進に取り組み、また、M&Aブランドでは、神戸レザークロス㈱や㈱ヒロフの連結加入により増益に寄与しました。
個別ブランドでは、月ごとのトレンドキーワードを取り込み商品開発の精度を上げた「オペークドットクリップ」、季節ごとのモチベーションを生活雑貨の商品として提案した「ワンズテラス」や、女性向け下着の「リサマリ」等が堅調に推移しました。
この結果、気温変動の影響を受けにくい生活雑貨ブランド等は堅調に推移したものの、消費税増税以降の反動やアパレル系ブランドの冬物商戦が苦戦したことに加え、成長性課題への取り組みが途上であることから、ブランド事業の業績は、売上収益が1,696億81百万円(前年同期比1.2%減)(うち外部収益は1,662億81百万円(前年同期比0.8%減))、コア営業利益(セグメント利益)が103億73百万円(前年同期比10.0%増)と減収増益になりました。
② デジタル事業
デジタル事業については、「B2Bソリューション」と「B2Cネオエコノミー」から成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、当社グループにおける重点投資の領域と位置付けております。
「B2Bソリューション」においては、Eコマースの運営受託とデジタルソリューションを行っております。
Eコマースの運営受託では、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営を受託しており、ブランド事業の直営店舗との相互送客(O2O)強化に取り組みました。また、㈱ファッション・コ・ラボにおいては、ファッションECモール「ファッションウォーカー」の運営と他社公式ECサイトの運営受託サービスの二本柱に加えて、新たに日本のファッションアイテムを海外消費者に販売する越境ECサイト「FASBEE」のリリースにも取り組みました。デジタルソリューションでは、自社の物流コスト抑制の取組みや基幹システムの刷新に限らず、他社に向けた基幹システムやCRM(顧客管理)システム等の新たなソリューション提供などの業容拡大にも注力しております。
また、「B2Cネオエコノミー」においては、「シェアリング」や「カスタマイズ」といったキーワードで新規の事業開発に本格的に取り組んでおります。デジタル事業と親和性の高いユーズドセレクトショップ「ラグタグ」を展開する㈱ティンパンアレイが中核企業として着々と事業基盤を拡充したほか、今期新たにグループ連結加入したオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・オリジナル社なども、キャラクターを活用したIP(知的財産)ビジネス強化、海外展開の拡大といった価値創造の活動を本格化しております。
デジタル事業の業績においては、Eコマース事業で販売競争の激化によるポイント値引き等の増加や配送費の高騰による影響を受けたほか、デジタルソリューションに不可欠なシステム投資やB2Cネオエコノミー分野でのM&Aも活用した開発投資が先行投資として利益を圧迫したこともあり、売上収益が184億88百万円(前年同期比0.8%増)(うち外部収益は76億59百万円(前年同期比1.3%減))、コア営業利益(セグメント利益)が18百万円の赤字(前年同期比6億39百万円減)と増収減益になりました。
③ プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みを活用したプラットフォームの外部企業へのオープン化を推進し、業界の枠組みを超えた新たな事業領域の拡大に取り組んでいます。
生産プラットフォームの㈱ワールドプロダクションパートナーズは、自ら商社機能を発揮して直接貿易に取り組み、製造子会社群の生産性改善を指導・支援するほか、他社アパレルの商品開発及び製造(OEM・ODM事業)も強化しております。また、販売プラットフォームの㈱ワールドストアパートナーズは、全国を網羅する支店及び営業所できめ細やかな販売支援体制を整えており、最近では他業種小売業の運営受託案件も拡大しております。空間創造プラットフォームの㈱ワールドスペースソリューションズは、引き続きアパレル以外の業界にも営業活動を広げて、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供を着実に拡大しております。
プラットフォーム事業の業績については、主に販売プラットフォームにおいて、大型ストアブランド「フラクサス」の終息に伴う外部販売の減少に加えて、在庫効率改善や販売系業務改善推進に伴う生産および販売プラットフォームの内部販売の減少もあったものの、空間創造プラットフォームの外部販売拡大や継続的な経費低減にも取り組み、売上収益が819億24百万円(前年同期比6.4%減)(うち外部収益は84億57百万円(前年同期比21.1%減))、コア営業利益(セグメント利益)が22億13百万円(前年同期比16.2%増)と減収増益になりました。
④ 共通部門
事業セグメントに属さない共通部門においては、子会社からの配当や経営指導料等を収入として計上する一方、それでホールディングスのコーポレートスタッフ等の費用を賄うことを基本的な収益構造としておりますが、子会社からの配当は予めセグメント利益から除いております。
共通部門は、「グループ人事本部」、「グループ企画本部」、「グループ支援本部」の3本部に加えて、グループブランディングを推進する「クリエイティブ・マネジメント・センター」や各事業のノウハウ・仕組みを外部企業へのオープン化に向けて推進する「プラットフォーム事業推進室」などで成り立っています。
ホールディングスは重点分野への集中投資という自らの役割を果たすため、子会社からホールディングスのスタッフ等の実費を上回る経営指導料等を回収しております。新規M&A会社の参入や各種料率の見直しにより、グループ会社に対する業務委託費が増加したこと、自社物流に備えて人材確保を行った結果、売上収益68億55百万円(前年同期比1.5%減)(うち外部収益1億5百万円(前年同期比172.2%増))、コア営業利益(セグメント利益)が32億75百万円(前年同期比11.7%減)と減収減益になりました。
<サステナビリティ(持続可能性)への取り組みについて>当社グループは、「ワールドグループ環境方針」を制定し、環境活動を企業経営における重要課題のひとつと位置づけ、ファッション産業全体のロスを低減することが、SDGs(持続可能な開発目標)、すなわちサステナビリティある社会の実現に貢献し、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みであると考えています。具体的には、2009年から取り組む衣料品リサイクル「ワールドエコロモキャンペーン」では、リユース・リサイクルを通じて洋服の価値を最後まで生かすことを目的に、自社製品だけでなく広く他社製品も対象にし、これまでに累計1,425万5,943点をお引取りしています。キャンペーンを通じて得た収益金は、次代を担う子どもたちに役立てるために寄付することで社会に還元しています。また、他メーカーとの共同配送でファッション業界の物流効率化にも着手し、輸送効率を改善することで、環境保全にも取り組んでいます。
近年、商品廃棄の課題に社会的な関心が高まる中、新たに開発したオフプライスストア業態「アンドブリッジ」では、日本のファッション産業の余剰在庫解消の一助となるオープン・プラットフォームとして、持続可能な社会の実現を目指しています。
(2)財政状態の分析
(資産)
資産合計は2,656億41百万円と前連結会計年度末に比べて520億95百万円増加しました。
この増加の主な要因は、第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、使用権資産が約360億円と大きく増えたほか、Original INC.(米国)及びラクサス・テクノロジーズ㈱の新規連結子会社化によるのれん(それぞれ約24億円と約35億円)やシステム投資に伴うソフトウェア(約23億円)を資産計上したことで無形資産が約83億円、商品在庫の構成が、商品単価がより高い秋冬商材を中心とした内容に、次シーズンの春夏商材の入荷も加わっていることで棚卸資産が約57億円、それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
負債は1,786億41百万円と前連結会計年度末に比べて432億16百万円増加しました。
この主な要因は、第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、リース負債が約378億円増加したこと、及び仕入債務及びその他の債務が約29億円増加したことによるものです。
(資本)
資本合計は870億円と前連結会計年度末に比べて88億79百万円増加しました。
この主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益を118億62百万円計上した一方で、IFRS第16号「リース」を適用したことに伴う期首利益剰余金9億50百万円の減少、配当金の支払い25億97百万円を実施したことによるものです。
(D/Eレシオ)
当社グループは、資本合計に対する有利子負債の割合であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)を財務体質の健全化の指標としており、中期的にD/Eレシオ0.5倍を目指しております。
当第3四半期連結会計期間末の有利子負債は、借入金の返済により、744億5百万円と前連結会計年度末より3億19百万円減少しました。一方、資本は、利益剰余金の増加を背景に、870億円と前連結会計年度末に比べて88億79百万円増加しました。
その結果、当第3四半期連結会計期間末のD/Eレシオは0.86倍と1倍を下回り、前連結会計年度末の0.96倍から改善いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
244億16百万円の収入(前年同期比156億47百万円 収入増)となりました。
この主な要因は、税引前四半期利益が20億56百万円増加したことに加え、IFRS第16号「リース」の適用による減価償却費及び償却費の増加96億10百万円、及び法人所得税の支払額又は還付額の減少に伴う支出の減少20億38百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
70億77百万円の支出(前年同期比36億41百万円 支出減)となりました。
この主な要因は、前第3四半期連結累計期間においては、㈱CAMPFIREに対して5億円、㈱ナルミヤ・インターナショナルへ15億79百万円それぞれ出資したことにより支出を計上したことに反して、当第3四半期連結累計期間では、神戸レザークロス㈱及びOriginal INC.(米国)の株式取得時において12億60百万円の収入があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
174億25百万円の支出(前年同期比196億97百万円 支出増)となりました。
この主な要因は、前第3四半期連結累計期間に、短期借入金を137億27百万円、その他の有利子負債を162億43百万円、それぞれ返済したことによる支出があったものの、上場による資金調達に伴う収入(406億94百万円)を計上した一方、当第3四半期連結累計期間においては、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の返済による支出が99億58百万円、配当金の支払が25億86百万円、それぞれ増加していることによります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末より1億20百万円減少して194億71百万円となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性に係る情報について、前連結会計年度の有価証券報告書「資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載した内容から重要な変更はありません。
(5)販売実績
当第3四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。
以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
| セグメント | 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| ブランド事業 | ミドルアッパー | 48,285 | △4.4 | |
| ミドルロワー | 69,256 | △1.5 | ||
| 卸 | 3,009 | △12.6 | ||
| 国内アパレルブランド | 120,550 | △3.0 | ||
| 国内ライフスタイルブランド | 19,348 | 0.5 | ||
| 海外 | 1,006 | △52.8 | ||
| 開発・改革ブランド | 10,586 | △9.5 | ||
| M&Aブランド | 14,791 | 43.0 | ||
| 投資 | 25,377 | 15.2 | ||
| 小計 | 166,281 | △0.8 | ||
| デジタル事業 | Eコマース | 2,287 | △12.5 | |
| デジタルソリューション | 1,001 | △5.3 | ||
| B2Bソリューション | 3,288 | △10.4 | ||
| B2Cネオエコノミー | 4,371 | 6.8 | ||
| 小計 | 7,659 | △1.3 | ||
| プラット フォーム事業 | 生産プラットフォーム | 2,846 | △9.2 | |
| 販売プラットフォーム | 4,739 | △33.3 | ||
| シェアードサービスプラットフォーム | 47 | △37.3 | ||
| ライフスタイルプラットフォーム(空間創造) | 825 | 105.6 | ||
| 小計 | 8,457 | △21.1 | ||
| 共通部門 | 105 | 172.2 | ||
| 売上収益 | 182,502 | △2.0 | ||
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考)
当社グループのEC化率は以下のとおりであります。
| EC化率 | 金額(百万円) | % | 前年同期差 | ||||
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| 13.16 | +0.35 |
(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。