有価証券報告書-第62期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況及び分析
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の経営成績は、売上収益が2,362億65百万円(前期比5.4%減)、コア営業利益が130億73百万円(同19.9%減)、営業利益が123億14百万円(同16.9%減)、税引前当期利益が114億1百万円(同16.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は80億38百万円(同12.6%減)と減収減益になりました。
当連結会計年度は、第2四半期連結累計期間までは増収増益基調で推移していたものの、下半期においては2019年10月の消費税増税以降、消費抑制傾向が全般的に継続したことに加え、自然災害による店舗休業や記録的な暖冬に伴う冬物重衣料の低調も加わり、主にブランド事業での販売苦戦が続いたうえ、2020年2月後半以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響による来店客数の落ち込みが追い討ちをかけました。
特に、2020年3月以降の外出自粛要請で一段と厳しさを増したことから、店舗売上が大きく減少したこと、さらには、催事等の延期・中止で期末の在庫消化にも多大な影響を及ぼしました。こうした環境下、期中より経費削減に努めたことや、プラットフォーム事業の底堅い推移により、2月までは前年並みの収益を維持しておりましたが、3月の想定以上の売上減少となった結果、第4四半期連結会計期間の収益は大幅未達となりました。
当社グループでは、中期的な基本方針として、より多様なブランド、ファッションの楽しさ、価値あるモノを、デジタル技術を活用したプラットフォームやサービスにより、ロス・ムダなくお客様に届けることで持続可能な産業世界を追求する、新たな「ワールド・ファッション・エコシステム」の構築に全速力で取り組むことを掲げています。当連結会計年度は、その実現に向けたトランスフォーメーション(変革)の最終年と位置づけ、次期以降の収益成長に備え、デジタルソリューション及びファッションテック分野のM&Aに代表される先行投資を推進しました。
具体的には、2019年4月にオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・Original Inc.を子会社化し、オンラインカスタムシャツのポートフォリオ拡充並びにサイジング・テクノロジーを活用したカスタマイゼーション・プラットフォーム拡充をしました。6月には、子会社の㈱ワールドインベストメントネットワークを通じて、雑貨アイテムの「靴」のポートフォリオの拡充と、将来的な「靴」のカスタマイゼーション事業の展開を目的とし、神戸レザークロス㈱を子会社化しました。8月には動産のプロフェッショナル・ファームの㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンとの合弁により、新業態となるオフプライスストアの展開を目的に持分法適用関連会社 ㈱アンドブリッジを設立し、9月に1号店を埼玉県西大宮に、2020年3月に神奈川県相模原市に2号店をオープンしました。さらに11月には、高級ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルシェアサービスを行うラクサス・テクノロジーズ㈱を子会社化しました。
また、引き続き、当社グループが培ってきたプラットフォーム(ファッション産業の共通基盤)を外部企業へオープン化する外販にも注力しています。
このようにワールドグループは、ファッション業界の環境が大きく変化する中で、次代を見据え、ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へと進化を図っています。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの事業区分を「ブランド事業」、「デジタル事業」、「プラットフォーム事業」及び「共通部門」という3事業・1部門に変更いたしました。この報告セグメントの変更のポイントや詳細な内容は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(a)ブランド事業
ブランド事業においては、ブランドポートフォリオ戦略を機動的に修正し、ブランド事業セグメント全体最適の視点で成長性と収益性のバランスを図っています。
百貨店を中心に展開するミドルアッパーブランドは、ブランドらしさや強みを明確に打ち出し、差別化された付加価値の高い商品開発に継続して取り組んでいます。ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドにおいては、在庫コントロールの改善を重要テーマと位置づけ、プロパー中心の企画及び販売に注力しています。ライフスタイルブランドは季節ごとのモチベーションを生活雑貨で提案し、お客様の支持拡大に努めています。一方、投資グループにおいては、プラットフォームやシステムの導入によるシナジー効果の追求をテーマに掲げ、開発・改革ブランドが引き続き構造改革の推進に取り組み、また、M&Aブランドでは、「靴」のバリューチェーンの大半を自社でカバーする神戸レザークロス㈱や質の高い革小物を提供する㈱ヒロフが連結加入することで、グループ全体の事業ポートフォリオの拡充に努めてまいりました。
個別ブランドでは、月ごとのトレンドキーワードを取り込み商品開発の精度を上げた「オペークドットクリップ」、季節ごとのモチベーションを生活雑貨で提案した「ワンズテラス」のほか、女性向け下着の「リサマリ」等が堅調に推移しました。
この結果、ブランド事業の経営成績については、第2四半期連結累計期間までは増収増益基調で推移していたものの、下半期には消費増税以降の反動や記録的な暖冬に加え、新型コロナウイルスの影響で大きく店舗販売が減少し、ブランド事業の業績は、売上収益が2,191億73百万円(前年同期比4.9%減)(うち外部収益は2,145億74百万円(前年同期比4.6%減))、コア営業利益(セグメント利益)が73億15百万円(前年同期比21.3%減)と減収減益になりました。
(b)デジタル事業
デジタル事業については、「B2Bソリューション」と「B2Cネオエコノミー」から成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、当社グループにおける重点投資の領域と位置付けております。
「B2Bソリューション」においては、Eコマースの運営受託、物流サービスの提供を含むデジタルソリューションの開発・提供を行っております。
Eコマースの運営受託では、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営を受託しており、ブランド事業の直営店舗との相互送客(O2O)強化に取り組みました。また、㈱ファッションウォーカーにおいては、ファッションECモール「ファッションウォーカー」の運営と他社公式ECサイトの運営受託サービスの二本柱に加えて、新たに日本のファッションアイテムを海外消費者に販売する越境ECサイト「FASBEE」のリリースにも取り組みました。デジタルソリューションでは、自社の物流インフラの改善・提供や基幹システムの刷新・展開に限らず、㈱ファッション・コ・ラボが営業窓口として他社に向けた基幹システムやCRM(顧客管理)システム等の新たなビジネスソリューションの提供などの業容拡大にも注力しております。
また、「B2Cネオエコノミー」においては、従来とは異なる新たなビジネスモデル開発を目指し、「シェアリング」や「ダイレクト」「カスタマイズ」といったキーワードで新規の事業開発へ本格的に取り組んでおります。デジタル事業と親和性の高いユーズドセレクトショップ「ラグタグ」を展開する㈱ティンパンアレイを中核企業として着々と事業基盤を拡充したほか、今期新たに連結加入したオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・Original Inc.も、キャラクターを活用したIP(知的財産)ビジネス強化、海外展開の拡大といった価値創造の活動を本格化しております。また、ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルサービスを通じシェアリングエコノミーの浸透を牽引するラクサス・テクノロジーズ㈱も連結加入いたしました。
デジタル事業の経営成績においては、Eコマース事業で販売競争の激化によるポイント値引き等の増加や配送費の高騰による影響を受けたほか、デジタルソリューションに不可欠なシステム投資やB2Cネオエコノミー分野でのM&Aも活用した開発投資が先行投資として利益を圧迫したこともあり、売上収益が250億19百万円(前年同期比1.8%増)(うち外部収益は103億98百万円(前年同期比1.0%増))ながら、コア営業利益(セグメント利益)は4億46百万円の赤字(前年同期は5億16百万円の利益)と増収減益になりました。
(c)プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みの外部企業へのオープン化を推進し、業界の枠組みを超えた新たな事業領域の拡大に取り組んでいます。
生産プラットフォームの㈱ワールドプロダクションパートナーズは、自ら商社機能を発揮して直接貿易に取り組み、製造子会社群の生産性改善を指導・支援するほか、他社アパレルの商品開発及び製造(OEM・ODM事業)も強化しております。また、販売プラットフォームの㈱ワールドストアパートナーズは、全国を網羅する支店及び営業所できめ細やかな販売支援体制を整えており、最近では他業種小売業の運営受託も拡大しております。空間設計プラットフォームの㈱ワールドスペースソリューションズは、引き続きアパレル以外の業界にも営業活動を広げて、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供を着実に拡大しております。
プラットフォーム事業の経営成績については、主に販売プラットフォームにおいて、大型ストアブランド「フラクサス」の終息に伴う外部販売の減少に加えて、在庫効率改善や販売系業務改善の推進にかかわる内部販売の減少があったものの、空間創造プラットフォームの外部販売拡大や全てのプラットフォーム運営企業で継続的な経費低減により、売上収益が1,060億97百万円(前年同期比7.3%減)(うち外部収益は111億37百万円(前年同期比24.0%減))、コア営業利益(セグメント利益)が20億89百万円(前年同期比23.2%増)と減収増益になりました。
(d)共通部門
事業セグメントに属さない共通部門においては、子会社からの配当や経営指導料等を収入として計上する一方、それによりホールディングスのコーポレートスタッフ等の費用を賄うことを基本的な収益構造としておりますが、子会社からの配当は予めセグメント利益から除いております。
共通部門は、「グループ企画本部」、「グループ支援本部」、「グループ人事本部」に加えて、グループの商品鮮度向上とソフト開発を推進する「クリエイティブ・マネジメント・センター」、グループブランディングを推進する「グループコミュニケーション推進室」や各事業のノウハウ・仕組みを横断的に外部企業へのオープン化に向けて推進する「プラットフォーム事業推進室」などで成り立っています。
ホールディングスは重点分野への集中投資という自らの役割を果たすため、ホールディングスのスタッフ等の実費を上回る経営指導料等を子会社より回収しております。しかしながら、グループ内事業会社から受け取る売上連動の経営指導料の減少により、売上収益89億57百万円(前年同期比3.6%減)(うち外部収益1億56百万円(前年同期比230.4%増))、コア営業利益(セグメント利益)が41億24百万円(前年同期比6.7%減)と減収減益になりました。
<サステナビリティ(持続可能性)への取り組みについて>当社グループは、「ワールドグループ環境方針」を制定し、環境活動を企業経営における重要課題の一つと位置付けております。そして、供給過剰構造に苦しむファッション産業全体のロスを低減することが、SDGs(持続可能な開発目標)、すなわちサステナビリティある社会の実現に貢献し、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みであると考えています。
当社では、2009年から取り組む「ワールドエコロモキャンペーン」において、リユース・リサイクルを通じて洋服の価値を最後まで生かすことを目的に、自社製品だけでなく広く他社製品も対象にし、これまでに累計1,425万5,943点をお引取りしました。また、キャンペーンを通じて得た収益金は、次代を担う子どもたちに役立てるために、寄付することで社会に還元しております。
また、「無駄なモノを作らない」新たなビジネスモデルの確立に向けて、当社グループのB2Cネオエコノミーの事業領域にて事業開発に挑戦しております。具体的には、米国Original Inc.(オリジナル社)のオンラインカスタムシャツブランド「Original Stitch」を通じ、受注生産による製品在庫レスのモデル確立を目指しております。
さらには、ファッション業界全体の商品ロスの再循環モデルを構築すべく、㈱ティンパンアレイがユーズドセレクトショップ「ラグタグ」で高感度なリユース品を買取り販売する循環モデルを確立するほか、「ラグタグ」のノウハウも活かしたオフプライスストア業態「アンドブリッジ」の開発、会員の保有するバッグの循環も含めたブランドバッグのシェアリングを可能とするサブスクリプション型レンタルサービスを展開するラクサス・テクノロジーズ㈱などもあり、産業全体における余剰在庫や商品廃棄課題の解消に貢献する事業開発を進めております。
その他にも、店舗への納品時の輸送効率を改善することで環境保全への対応につなげる取り組みとして、企業の垣根を越えた共同配送を実施しており、ネットワークの拡大に取り組んでいます。
②財政状態の状況及び分析
当社グループの財政状態の状況及びその要因につき、次のとおり分析しております。
(資産)
資産合計は2,619億31百万円と前連結会計年度末に比べて483億85百万円増加しました。
この増加の主な要因は、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、使用権資産が約481億円と大きく増えたほか、Original INC.(米国)及びラクサス・テクノロジーズ㈱の新規連結子会社化によるのれん(それぞれ約20億円と約35億円)やシステム投資に伴いソフトウェア(約32億円)を資産計上したことで無形資産が約84億円増加した一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により3月の売上収益の落ち込みによる売上債権及びその他の債権が約85億円減少したことによるものです。
(負債)
負債は1,786億68百万円と前連結会計年度末に比べて432億43百万円増加しました。
この主な要因は、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、リース負債が約508億円と大きく増えたほか、借入金が約34億円増加した一方、仕入債務及びその他の債務が約61億円、その他の金融負債が約71億円それぞれ減少したことによるものです。
(資本合計)
資本合計は832億63百万円と前連結会計年度末に比べて51億41百万円増加しました。
この主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益を80億38百万円計上した一方で、IFRS第16号「リース」を適用したことに伴う期首利益剰余金9億50百万円の減少に加えて、配当金の支払い25億97百万円を実施したことによるものです。
(在庫)
当社グループではブランド事業が売上収益の大半を占めておりますが、ブランド事業におけるアパレルブランドの事業特性から、売上債権と棚卸資産の合計から仕入債務を差し引いた運転資本のコントロール、とりわけ棚卸資産(在庫)の抑制を重視しております。
当連結会計年度末の運転資本は211億16百万円と前連結会計年度末に比べて37億43百万円の減少となりました。また、当連結会計年度末の棚卸資産は252億96百万円と前連結会計年度末に比べて26億41百万円の増加となりました。ブランド事業においては、事業環境に応じた仕入、消化コントロールを推進しており、2019年秋冬シーズンまでの商材については、適切な水準まで在庫消化を進められたものの、今シーズンの2020年春夏商材について新型コロナウイルスの感染拡大の影響により売上収益が低調にとどまったこと、M&A等の新規加入の影響があったことが主な要因であります。
(D/Eレシオ)
当社グループは、資本合計に対する有利子負債の割合であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)を財務体質の健全化の指標としており、中期的にD/Eレシオ0.5倍を目指しております。
当連結会計年度末の有利子負債は、短期借入金の増加により、781億17百万円と前連結会計年度末より33億93百万円増加しましたが、当連結会計年度末のD/Eレシオは0.94倍と1倍を下回り、前連結会計年度末の0.96倍から改善いたしました。
(ROA)
当社グループでは、売上収益に対する利益の割合だけではなく、資産(負債及び資本合計)に対する利益の割合も資産効率の観点で重視しており、総資産に対するコア営業利益の割合であるROA(コア営業利益ベース)を収益性の指標としております。
新規連結子会社や新規持分法適用関連会社への投資による無形資産の増加のほか、当連結会計年度においてはIFRS第16号「リース」を適用したことで使用権資産を計上した結果、分母となる当連結会計年度末の総資産は、2,619億31百万円と前連結会計年度末に比べて483億85百万円増加しました。反対に、分子のコア営業利益については、第2四半期連結累計期間までは増益基調で推移していたものの、2019年10月の消費税増税による駆け込み需要の反動減や、暖冬に伴う冬物重衣料の販売苦戦、また2020年2月後半以降の新型コロナウイルスの影響も受け、130億73百万円(前期比19.9%減)となりました。
その結果、当連結会計年度末のROA(コア営業利益ベース)は5.5%(前期比2.3ポイント減)と大きく悪化しました。
③キャッシュ・フローの状況及び分析
当社グループの各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につき、次のとおり分析しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
268億89百万円の収入(前年同期比143億93百万円 収入増)となりました。
この主な要因は、税引前当期利益が21億95百万円減少したものの、IFRS第16号「リース」の適用による減価償却費及び償却費の増加129億43百万円、及び法人所得税の支払額の減少に伴う支出の減少27億6百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
79億41百万円の支出(前年同期比92億78百万円 支出減)となりました。
この主な要因は、前連結会計年度において、投資有価証券の取得による支出11億15百万円、㈱ナルミヤ・インターナショナル株式の取得による支出37億5百万円、Original INC.(米国)の株式取得のためにエスクロー預託金22億18百万円を計上したことに対して、当連結会計年度では、神戸レザークロス㈱及びOriginal INC.(米国)の株式取得時において12億60百万円の子会社の取得による収入があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
182億35百万円の支出(前年同期比216億87百万円 支出増)となりました。
この主な要因は、前連結会計年度に、借入金を132億56百万円、その他の有利子負債を162億43百万円、それぞれ返済したことによる支出があったものの、上場による資金調達に伴う収入(406億94百万円)を計上した一方、当連結会計年度においては、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の返済による支出が134億96百万円、配当金の支払が25億90百万円、それぞれ増加していることによります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より6億51百万円増加して、202億42百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、主に非アパレルブランドの拡充やバリューチェーン補強を目的としたM&Aの推進、そしてデジタル軸における新たなサービスや全業務領域のシステム刷新に伴う開発投資を推進しており、計画通りに進捗しております。なお、これらの財源は、手許資金を充当いたします。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
3 IFRS調整は、為替予約における調整金額を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
販路別売上状況
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、「受注実績」につきましては、該当事項はありません。
(参考)
当社グループのEC化率は以下のとおりであります。
(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、前記「2 事業等のリスク」に記載のとおり、経済情勢の変化、消費者の嗜好の変化、在庫管理、出店・閉店、仕入価格その他費用の増加等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場環境等に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、消費者や市場のニーズに適時適切に対応していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。
②経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営成績等の状況に関する分析・検討内容につきましては、前記「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況及び分析
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の経営成績は、売上収益が2,362億65百万円(前期比5.4%減)、コア営業利益が130億73百万円(同19.9%減)、営業利益が123億14百万円(同16.9%減)、税引前当期利益が114億1百万円(同16.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は80億38百万円(同12.6%減)と減収減益になりました。
当連結会計年度は、第2四半期連結累計期間までは増収増益基調で推移していたものの、下半期においては2019年10月の消費税増税以降、消費抑制傾向が全般的に継続したことに加え、自然災害による店舗休業や記録的な暖冬に伴う冬物重衣料の低調も加わり、主にブランド事業での販売苦戦が続いたうえ、2020年2月後半以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響による来店客数の落ち込みが追い討ちをかけました。
特に、2020年3月以降の外出自粛要請で一段と厳しさを増したことから、店舗売上が大きく減少したこと、さらには、催事等の延期・中止で期末の在庫消化にも多大な影響を及ぼしました。こうした環境下、期中より経費削減に努めたことや、プラットフォーム事業の底堅い推移により、2月までは前年並みの収益を維持しておりましたが、3月の想定以上の売上減少となった結果、第4四半期連結会計期間の収益は大幅未達となりました。
当社グループでは、中期的な基本方針として、より多様なブランド、ファッションの楽しさ、価値あるモノを、デジタル技術を活用したプラットフォームやサービスにより、ロス・ムダなくお客様に届けることで持続可能な産業世界を追求する、新たな「ワールド・ファッション・エコシステム」の構築に全速力で取り組むことを掲げています。当連結会計年度は、その実現に向けたトランスフォーメーション(変革)の最終年と位置づけ、次期以降の収益成長に備え、デジタルソリューション及びファッションテック分野のM&Aに代表される先行投資を推進しました。
具体的には、2019年4月にオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・Original Inc.を子会社化し、オンラインカスタムシャツのポートフォリオ拡充並びにサイジング・テクノロジーを活用したカスタマイゼーション・プラットフォーム拡充をしました。6月には、子会社の㈱ワールドインベストメントネットワークを通じて、雑貨アイテムの「靴」のポートフォリオの拡充と、将来的な「靴」のカスタマイゼーション事業の展開を目的とし、神戸レザークロス㈱を子会社化しました。8月には動産のプロフェッショナル・ファームの㈱ゴードン・ブラザーズ・ジャパンとの合弁により、新業態となるオフプライスストアの展開を目的に持分法適用関連会社 ㈱アンドブリッジを設立し、9月に1号店を埼玉県西大宮に、2020年3月に神奈川県相模原市に2号店をオープンしました。さらに11月には、高級ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルシェアサービスを行うラクサス・テクノロジーズ㈱を子会社化しました。
また、引き続き、当社グループが培ってきたプラットフォーム(ファッション産業の共通基盤)を外部企業へオープン化する外販にも注力しています。
このようにワールドグループは、ファッション業界の環境が大きく変化する中で、次代を見据え、ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へと進化を図っています。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの事業区分を「ブランド事業」、「デジタル事業」、「プラットフォーム事業」及び「共通部門」という3事業・1部門に変更いたしました。この報告セグメントの変更のポイントや詳細な内容は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(a)ブランド事業
ブランド事業においては、ブランドポートフォリオ戦略を機動的に修正し、ブランド事業セグメント全体最適の視点で成長性と収益性のバランスを図っています。
百貨店を中心に展開するミドルアッパーブランドは、ブランドらしさや強みを明確に打ち出し、差別化された付加価値の高い商品開発に継続して取り組んでいます。ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドにおいては、在庫コントロールの改善を重要テーマと位置づけ、プロパー中心の企画及び販売に注力しています。ライフスタイルブランドは季節ごとのモチベーションを生活雑貨で提案し、お客様の支持拡大に努めています。一方、投資グループにおいては、プラットフォームやシステムの導入によるシナジー効果の追求をテーマに掲げ、開発・改革ブランドが引き続き構造改革の推進に取り組み、また、M&Aブランドでは、「靴」のバリューチェーンの大半を自社でカバーする神戸レザークロス㈱や質の高い革小物を提供する㈱ヒロフが連結加入することで、グループ全体の事業ポートフォリオの拡充に努めてまいりました。
個別ブランドでは、月ごとのトレンドキーワードを取り込み商品開発の精度を上げた「オペークドットクリップ」、季節ごとのモチベーションを生活雑貨で提案した「ワンズテラス」のほか、女性向け下着の「リサマリ」等が堅調に推移しました。
この結果、ブランド事業の経営成績については、第2四半期連結累計期間までは増収増益基調で推移していたものの、下半期には消費増税以降の反動や記録的な暖冬に加え、新型コロナウイルスの影響で大きく店舗販売が減少し、ブランド事業の業績は、売上収益が2,191億73百万円(前年同期比4.9%減)(うち外部収益は2,145億74百万円(前年同期比4.6%減))、コア営業利益(セグメント利益)が73億15百万円(前年同期比21.3%減)と減収減益になりました。
(b)デジタル事業
デジタル事業については、「B2Bソリューション」と「B2Cネオエコノミー」から成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、当社グループにおける重点投資の領域と位置付けております。
「B2Bソリューション」においては、Eコマースの運営受託、物流サービスの提供を含むデジタルソリューションの開発・提供を行っております。
Eコマースの運営受託では、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営を受託しており、ブランド事業の直営店舗との相互送客(O2O)強化に取り組みました。また、㈱ファッションウォーカーにおいては、ファッションECモール「ファッションウォーカー」の運営と他社公式ECサイトの運営受託サービスの二本柱に加えて、新たに日本のファッションアイテムを海外消費者に販売する越境ECサイト「FASBEE」のリリースにも取り組みました。デジタルソリューションでは、自社の物流インフラの改善・提供や基幹システムの刷新・展開に限らず、㈱ファッション・コ・ラボが営業窓口として他社に向けた基幹システムやCRM(顧客管理)システム等の新たなビジネスソリューションの提供などの業容拡大にも注力しております。
また、「B2Cネオエコノミー」においては、従来とは異なる新たなビジネスモデル開発を目指し、「シェアリング」や「ダイレクト」「カスタマイズ」といったキーワードで新規の事業開発へ本格的に取り組んでおります。デジタル事業と親和性の高いユーズドセレクトショップ「ラグタグ」を展開する㈱ティンパンアレイを中核企業として着々と事業基盤を拡充したほか、今期新たに連結加入したオンラインカスタムシャツブランド「オリジナルスティッチ」を運営する米国・Original Inc.も、キャラクターを活用したIP(知的財産)ビジネス強化、海外展開の拡大といった価値創造の活動を本格化しております。また、ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルサービスを通じシェアリングエコノミーの浸透を牽引するラクサス・テクノロジーズ㈱も連結加入いたしました。
デジタル事業の経営成績においては、Eコマース事業で販売競争の激化によるポイント値引き等の増加や配送費の高騰による影響を受けたほか、デジタルソリューションに不可欠なシステム投資やB2Cネオエコノミー分野でのM&Aも活用した開発投資が先行投資として利益を圧迫したこともあり、売上収益が250億19百万円(前年同期比1.8%増)(うち外部収益は103億98百万円(前年同期比1.0%増))ながら、コア営業利益(セグメント利益)は4億46百万円の赤字(前年同期は5億16百万円の利益)と増収減益になりました。
(c)プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、ワールドグループが培ってきた様々なノウハウと仕組みの外部企業へのオープン化を推進し、業界の枠組みを超えた新たな事業領域の拡大に取り組んでいます。
生産プラットフォームの㈱ワールドプロダクションパートナーズは、自ら商社機能を発揮して直接貿易に取り組み、製造子会社群の生産性改善を指導・支援するほか、他社アパレルの商品開発及び製造(OEM・ODM事業)も強化しております。また、販売プラットフォームの㈱ワールドストアパートナーズは、全国を網羅する支店及び営業所できめ細やかな販売支援体制を整えており、最近では他業種小売業の運営受託も拡大しております。空間設計プラットフォームの㈱ワールドスペースソリューションズは、引き続きアパレル以外の業界にも営業活動を広げて、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供を着実に拡大しております。
プラットフォーム事業の経営成績については、主に販売プラットフォームにおいて、大型ストアブランド「フラクサス」の終息に伴う外部販売の減少に加えて、在庫効率改善や販売系業務改善の推進にかかわる内部販売の減少があったものの、空間創造プラットフォームの外部販売拡大や全てのプラットフォーム運営企業で継続的な経費低減により、売上収益が1,060億97百万円(前年同期比7.3%減)(うち外部収益は111億37百万円(前年同期比24.0%減))、コア営業利益(セグメント利益)が20億89百万円(前年同期比23.2%増)と減収増益になりました。
(d)共通部門
事業セグメントに属さない共通部門においては、子会社からの配当や経営指導料等を収入として計上する一方、それによりホールディングスのコーポレートスタッフ等の費用を賄うことを基本的な収益構造としておりますが、子会社からの配当は予めセグメント利益から除いております。
共通部門は、「グループ企画本部」、「グループ支援本部」、「グループ人事本部」に加えて、グループの商品鮮度向上とソフト開発を推進する「クリエイティブ・マネジメント・センター」、グループブランディングを推進する「グループコミュニケーション推進室」や各事業のノウハウ・仕組みを横断的に外部企業へのオープン化に向けて推進する「プラットフォーム事業推進室」などで成り立っています。
ホールディングスは重点分野への集中投資という自らの役割を果たすため、ホールディングスのスタッフ等の実費を上回る経営指導料等を子会社より回収しております。しかしながら、グループ内事業会社から受け取る売上連動の経営指導料の減少により、売上収益89億57百万円(前年同期比3.6%減)(うち外部収益1億56百万円(前年同期比230.4%増))、コア営業利益(セグメント利益)が41億24百万円(前年同期比6.7%減)と減収減益になりました。
<サステナビリティ(持続可能性)への取り組みについて>当社グループは、「ワールドグループ環境方針」を制定し、環境活動を企業経営における重要課題の一つと位置付けております。そして、供給過剰構造に苦しむファッション産業全体のロスを低減することが、SDGs(持続可能な開発目標)、すなわちサステナビリティある社会の実現に貢献し、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みであると考えています。
当社では、2009年から取り組む「ワールドエコロモキャンペーン」において、リユース・リサイクルを通じて洋服の価値を最後まで生かすことを目的に、自社製品だけでなく広く他社製品も対象にし、これまでに累計1,425万5,943点をお引取りしました。また、キャンペーンを通じて得た収益金は、次代を担う子どもたちに役立てるために、寄付することで社会に還元しております。
また、「無駄なモノを作らない」新たなビジネスモデルの確立に向けて、当社グループのB2Cネオエコノミーの事業領域にて事業開発に挑戦しております。具体的には、米国Original Inc.(オリジナル社)のオンラインカスタムシャツブランド「Original Stitch」を通じ、受注生産による製品在庫レスのモデル確立を目指しております。
さらには、ファッション業界全体の商品ロスの再循環モデルを構築すべく、㈱ティンパンアレイがユーズドセレクトショップ「ラグタグ」で高感度なリユース品を買取り販売する循環モデルを確立するほか、「ラグタグ」のノウハウも活かしたオフプライスストア業態「アンドブリッジ」の開発、会員の保有するバッグの循環も含めたブランドバッグのシェアリングを可能とするサブスクリプション型レンタルサービスを展開するラクサス・テクノロジーズ㈱などもあり、産業全体における余剰在庫や商品廃棄課題の解消に貢献する事業開発を進めております。
その他にも、店舗への納品時の輸送効率を改善することで環境保全への対応につなげる取り組みとして、企業の垣根を越えた共同配送を実施しており、ネットワークの拡大に取り組んでいます。
②財政状態の状況及び分析
当社グループの財政状態の状況及びその要因につき、次のとおり分析しております。
(資産)
資産合計は2,619億31百万円と前連結会計年度末に比べて483億85百万円増加しました。
この増加の主な要因は、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、使用権資産が約481億円と大きく増えたほか、Original INC.(米国)及びラクサス・テクノロジーズ㈱の新規連結子会社化によるのれん(それぞれ約20億円と約35億円)やシステム投資に伴いソフトウェア(約32億円)を資産計上したことで無形資産が約84億円増加した一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により3月の売上収益の落ち込みによる売上債権及びその他の債権が約85億円減少したことによるものです。
(負債)
負債は1,786億68百万円と前連結会計年度末に比べて432億43百万円増加しました。
この主な要因は、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用したことで、リース負債が約508億円と大きく増えたほか、借入金が約34億円増加した一方、仕入債務及びその他の債務が約61億円、その他の金融負債が約71億円それぞれ減少したことによるものです。
(資本合計)
資本合計は832億63百万円と前連結会計年度末に比べて51億41百万円増加しました。
この主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益を80億38百万円計上した一方で、IFRS第16号「リース」を適用したことに伴う期首利益剰余金9億50百万円の減少に加えて、配当金の支払い25億97百万円を実施したことによるものです。
(在庫)
当社グループではブランド事業が売上収益の大半を占めておりますが、ブランド事業におけるアパレルブランドの事業特性から、売上債権と棚卸資産の合計から仕入債務を差し引いた運転資本のコントロール、とりわけ棚卸資産(在庫)の抑制を重視しております。
当連結会計年度末の運転資本は211億16百万円と前連結会計年度末に比べて37億43百万円の減少となりました。また、当連結会計年度末の棚卸資産は252億96百万円と前連結会計年度末に比べて26億41百万円の増加となりました。ブランド事業においては、事業環境に応じた仕入、消化コントロールを推進しており、2019年秋冬シーズンまでの商材については、適切な水準まで在庫消化を進められたものの、今シーズンの2020年春夏商材について新型コロナウイルスの感染拡大の影響により売上収益が低調にとどまったこと、M&A等の新規加入の影響があったことが主な要因であります。
(D/Eレシオ)
当社グループは、資本合計に対する有利子負債の割合であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)を財務体質の健全化の指標としており、中期的にD/Eレシオ0.5倍を目指しております。
当連結会計年度末の有利子負債は、短期借入金の増加により、781億17百万円と前連結会計年度末より33億93百万円増加しましたが、当連結会計年度末のD/Eレシオは0.94倍と1倍を下回り、前連結会計年度末の0.96倍から改善いたしました。
(ROA)
当社グループでは、売上収益に対する利益の割合だけではなく、資産(負債及び資本合計)に対する利益の割合も資産効率の観点で重視しており、総資産に対するコア営業利益の割合であるROA(コア営業利益ベース)を収益性の指標としております。
新規連結子会社や新規持分法適用関連会社への投資による無形資産の増加のほか、当連結会計年度においてはIFRS第16号「リース」を適用したことで使用権資産を計上した結果、分母となる当連結会計年度末の総資産は、2,619億31百万円と前連結会計年度末に比べて483億85百万円増加しました。反対に、分子のコア営業利益については、第2四半期連結累計期間までは増益基調で推移していたものの、2019年10月の消費税増税による駆け込み需要の反動減や、暖冬に伴う冬物重衣料の販売苦戦、また2020年2月後半以降の新型コロナウイルスの影響も受け、130億73百万円(前期比19.9%減)となりました。
その結果、当連結会計年度末のROA(コア営業利益ベース)は5.5%(前期比2.3ポイント減)と大きく悪化しました。
③キャッシュ・フローの状況及び分析
当社グループの各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につき、次のとおり分析しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
268億89百万円の収入(前年同期比143億93百万円 収入増)となりました。
この主な要因は、税引前当期利益が21億95百万円減少したものの、IFRS第16号「リース」の適用による減価償却費及び償却費の増加129億43百万円、及び法人所得税の支払額の減少に伴う支出の減少27億6百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
79億41百万円の支出(前年同期比92億78百万円 支出減)となりました。
この主な要因は、前連結会計年度において、投資有価証券の取得による支出11億15百万円、㈱ナルミヤ・インターナショナル株式の取得による支出37億5百万円、Original INC.(米国)の株式取得のためにエスクロー預託金22億18百万円を計上したことに対して、当連結会計年度では、神戸レザークロス㈱及びOriginal INC.(米国)の株式取得時において12億60百万円の子会社の取得による収入があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
182億35百万円の支出(前年同期比216億87百万円 支出増)となりました。
この主な要因は、前連結会計年度に、借入金を132億56百万円、その他の有利子負債を162億43百万円、それぞれ返済したことによる支出があったものの、上場による資金調達に伴う収入(406億94百万円)を計上した一方、当連結会計年度においては、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の返済による支出が134億96百万円、配当金の支払が25億90百万円、それぞれ増加していることによります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より6億51百万円増加して、202億42百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、主に非アパレルブランドの拡充やバリューチェーン補強を目的としたM&Aの推進、そしてデジタル軸における新たなサービスや全業務領域のシステム刷新に伴う開発投資を推進しており、計画通りに進捗しております。なお、これらの財源は、手許資金を充当いたします。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ブランド事業 | 75 | - |
| プラットフォーム事業 | 5,597 | △14.6 |
| 合計 | 5,672 | △13.4 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ブランド事業 | 99,484 | △3.8 |
| デジタル事業 | 3,169 | 7.7 |
| プラットフォーム事業 | 84,959 | △5.5 |
| 小計 | 187,613 | △4.3 |
| IFRS調整(注)3 | 106 | △51.2 |
| 合計 | 187,719 | 4.4 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
3 IFRS調整は、為替予約における調整金額を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
販路別売上状況
| セグメント | 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| ブランド事業 | ミドルアッパー | 63,172 | △9.4 | |
| ミドルロワー | 87,616 | △5.9 | ||
| 卸 | 4,332 | △10.2 | ||
| 国内アパレルブランド | 155,120 | △7.5 | ||
| 国内ライフスタイルブランド | 25,074 | △1.4 | ||
| 海外 | 1,296 | △52.6 | ||
| 開発・改革ブランド | 13,654 | △9.8 | ||
| M&Aブランド | 19,430 | 39.4 | ||
| 投資 | 33,084 | 13.8 | ||
| 小計 | 214,574 | △4.6 | ||
| デジタル事業 | Eコマース | 2,884 | △12.9 | |
| デジタルソリューション | 1,432 | △1.9 | ||
| B2Bソリューション | 4,316 | △9.5 | ||
| B2Cネオエコノミー | 6,082 | 10.0 | ||
| 小計 | 10,398 | 1.0 | ||
| プラット フォーム事業 | 生産プラットフォーム | 3,513 | △20.6 | |
| 販売プラットフォーム | 6,368 | △32.8 | ||
| シェアードサービスプラットフォーム | 61 | △29.4 | ||
| ライフスタイルプラットフォーム(空間創造) | 1,196 | 77.6 | ||
| 小計 | 11,137 | △24.0 | ||
| 共通部門 | 156 | 230.4 | ||
| 売上収益 | 236,265 | △5.4 | ||
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、「受注実績」につきましては、該当事項はありません。
(参考)
当社グループのEC化率は以下のとおりであります。
| EC化率 | 金額(百万円) | % | 前年同期差 | ||||
|
| 14.12 | +1.10 |
(注)EC化率とは商品の取扱高を分母にし、そのうちECの取扱高を分子にしたものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、前記「2 事業等のリスク」に記載のとおり、経済情勢の変化、消費者の嗜好の変化、在庫管理、出店・閉店、仕入価格その他費用の増加等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場環境等に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、消費者や市場のニーズに適時適切に対応していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。
②経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営成績等の状況に関する分析・検討内容につきましては、前記「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。