四半期報告書-第70期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 10:22
【資料】
PDFをみる
【項目】
38項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結会計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a. 財政状態
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末と比較して24億37百万円(2.4%)増加して、1,030億76百万円となりました。これは主に顧客の需要増加に伴う販売在庫の積み上げにより、商品及び製品が33億6百万円増加したためであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して11億72百万円(7.4%)増加し、169億55百万円となりました。これは主に有形固定資産が91百万円減少した一方で、保有株式の株価の上昇により投資有価証券が14億56百万円増加したためであります。
以上のことから、当第2四半期連結会計期間末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して36億10百万円(3.1%)増加し、1,200億32百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して14億64百万円(3.3%)増加して、453億58百万円となりました。これは主に運転資本の増加に伴い短期借入金が27億円増加したためであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して2億71百万円(1.9%)減少し、142億38百万円となりました。これは主に保有株式の株価の上昇により繰延税金負債が5億5百万円増加した一方で、長期借入金が7億40百万円減少したためであります。
以上のことから、当第2四半期連結会計期間末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して11億92百万円(2.0%)増加し、595億96百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して24億17百万円(4.2%)増加し、604億35百万円となりました。これは主に利益剰余金が21億29百万円、その他有価証券評価差額金が9億85百万円増加したためであります。
b. 経営成績
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、依然として厳しい状況にありましたが、ワクチン接種の加速による経済活動の再開を受け、欧米地域において景気は持ち直しの動きが続いております。一方、感染拡大の抑え込みに成功し、新型コロナウイルス禍から回復を続けてきた中国では、資源価格の上昇による企業収益の悪化や過剰債務問題等により、景気に減速感が出てきております。
我が国経済については、変異型ウイルスの感染拡大により、多くの地域で緊急事態宣言が継続した結果、個人消費や非製造業の収益に大きな影響を及ぼしておりますが、生産や設備投資の増加により、製造業を中心に企業収益は持ち直しの動きが見られております。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、前年度から続くテレワークや巣ごもり消費の拡大により、エレクトロニクス製品への需要が増加する一方で、半導体を始めとする電子部品の世界的な供給不足がより深刻化しております。また、東南アジア地域における感染拡大によるサプライチェーンへの影響により、自動車等の一部の産業においては生産調整を余儀なくされております。
このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、好調な生産や設備投資に加えて、半導体不足の長期化への対応として、需要先の生産在庫の積み上げが進んだことにより、民生・産業機器分野及び車載関連分野向け半導体デバイスや一般部品の販売が大幅に伸長し、対前年同期比で増収となりました。
電子・電気機器事業においては、半導体関連の設備投資の活発化により、プリント基板製造装置や真空機器の販売が増加し、対前年同期比で増収となりました。
工業薬品事業においては、昨年度に新型コロナウイルス感染症の影響により減産を余儀なくされた顧客プラントの稼働回復及び化粧品関連製品の販売伸長により、対前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は914億28百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
損益面につきましては、当第2四半期連結累計期間の連結売上総利益は117億8百万円(同34.7%増)となり、連結販売費及び一般管理費として75億36百万円(同7.0%増)を計上した結果、連結営業利益は41億71百万円(同152.3%増)、連結経常利益は41億55百万円(同173.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28億49百万円(同180.8%増)となりました。
また、1株当たり四半期純利益は140円02銭となり、前年同四半期より90円69銭増加いたしました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
なお、当第2四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
[電子部品事業]
電子部品事業では、テレワークや巣ごもり消費の拡大により、前年度に続きPC・タブレット端末向けIC、コネクタ等一般電子部品が伸長しました。また、前年同四半期に自動車の減産により一時的に販売が減少した車載用途ICについても、その後の生産回復と生産在庫の積み上げにより販売が増加しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は745億34百万円(前年同期比21.3%増)となり、販売増加に伴う利益額の増加及び為替影響による外貨建て輸出取引の収益改善等の要因により、セグメント利益は18億25百万円(同283.7%増)となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器事業では、半導体関連の設備投資の活発化により、プリント基板製造装置や真空機器の販売が好調に推移しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は102億80百万円(前年同期比22.2%増)となり、収益性が高い自社ブランドのプリント基板製造装置の販売伸長により、セグメント利益は12億86百万円(同110.8%増)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品事業では、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響を受けて減産を余儀なくされた顧客プラントの稼働回復及び化粧品関連製品の販売伸長により、対前年同期比で増収となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は63億44百万円(前年同期比15.9%増)となり、高収益の化粧品関連製品の販売伸長により、セグメント利益は9億38百万円(同96.5%増)となりました。
[その他の事業]
その他の事業では、当社の業務・物流管理全般の受託事業と太陽光発電事業を行っております。当第2四半期連結累計期間の売上高は6億14百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は1億52百万円(同2.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは7億41百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは2億43百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは3億38百万円の収入、現金及び現金同等物に係る換算差額が62百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して8億98百万円増加し、当第2四半期末は187億65百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、業績動向に加えて、取引状況によって変動する売上債権、棚卸資産及び仕入債務等の運転資本にも影響を受けます。当第2四半期連結累計期間においては、棚卸資産の増加額33億46百万円、売上債権の増加額18億10百万円等の支出要因がありましたが、税金等調整前四半期純利益41億55百万円、仕入債務の増加額8億5百万円等の収入要因により、営業活動によるキャッシュ・フローは7億41百万円の収入となりました。なお、前年同四半期には売上債権の減少額等により15億27百万円の収入となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当第2四半期連結累計期間においては、有形固定資産の取得による支出1億65百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは2億43百万円の支出となりました。なお、前年同四半期には有形及び無形固定資産の取得による支出等により、1億36百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動として、当社グループの営業活動に必要な資金は主に金融機関からの借入による調達を行っております。また、2021年4月より開始している中期経営計画「Change & Co-Create 2024」では、株主への還元方針として、配当と自己株式の取得による「総還元性向100%」を目標としております。当第2四半期連結累計期間においては、自己株式の取得による支出7億68百万円、配当金の支払額7億20百万円、長期借入金の返済による支出19億40百万円等の支出要因がありましたが、短期借入による収入(純)24億円、長期借入による収入15億円等の収入要因により、財務活動によるキャッシュ・フローは3億38百万円の収入となりました。なお、前年同四半期には、長期借入による収入等により、8億66百万円の収入となっておりました。
③半導体不足の当社グループへの影響
新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークや巣ごもり消費の拡大により、車載用途を始めとして通信・民生・産業機器など多くの分野において世界的な半導体不足が深刻化しております。当社グループにおいても、前連結会計年度第4四半期(2021年1月~3月)より顧客企業からの発注量が急増し、仕入先からの供給量を大幅に上回る状況が続いております。
当社グループでは、取引先との納期調整を図りながらサプライチェーンの確保に尽力しておりますが、原材料価格の高騰による製品の値上げ、需給の逼迫によるリードタイムの長期化、及び顧客企業における生産計画の変更等、市場動向の変化が今後の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、80百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。