有価証券報告書-第68期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して252億45百万円(35.1%)増加し、971億46百万円となりました。これは主に新型コロナウイルス感染拡大の備えとして手元流動性の確保を図り、現金及び預金が71億28百万円増加したこと、並びに車載用途ICの販売拡大等により、受取手形及び売掛金が44億38百万円、商品及び製品が109億66百万円、それぞれ増加したことによります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して9億35百万円(5.9%)減少し、149億89百万円となりました。これは当連結会計年度より一部の海外子会社においてIFRS16号「リース」を適用したことにより、有形固定資産の「その他」が4億77百万円増加(IFRS16号適用の影響による増加額は5億63百万円)した一方で、保有株式の売却やコロナショックによる株価の下落等により、投資有価証券が12億57百万円減少したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して243億9百万円(27.7%)増加し、1,121億35百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して134億34百万円(43.8%)増加し、440億85百万円となりました。これは主に運転資本の増加と手元流動性の確保のために短期借入金が131億86百万円増加したことによります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して114億99百万円(452.7%)増加し、140億39百万円となりました。これは主に長期的な資金需要を見込んで長期借入金が117億30百万円増加したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して249億33百万円(75.1%)増加し、581億24百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して6億24百万円(1.1%)減少し、540億11百万円となりました。これは主に利益剰余金が2億6百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が5億25百万円、為替換算調整勘定が3億18百万円、それぞれ減少したためであります。
b. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は米国が底堅い景気拡大を続けた一方、米中貿易摩擦の長期化により中国経済が減速し、欧州でも英EU離脱に向けた動きなどから不安定な状況が続きました。さらに今年に入り新型コロナウイルスの感染が世界に拡大し、世界経済に深刻な影響を与える結果となりました。一部では徐々に経済活動再開の動きも見られますが、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
一方、国内経済においても堅調な企業収益や雇用の環境の改善等により緩やかな回復が続いていたものの、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し甚大な影響が懸念されております。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、5G設備に関連する国内通信機器分野が好調に推移いたしました。自動車分野ではADAS(先進運転支援システム)関連は堅調を維持したものの、自動車販売台数の減少から総じて需要は低迷いたしました。また、中国市場における設備投資の減退により産業機器分野も低調な推移となりました。
このような状況のもと、当社グループは2016年度期初に策定した5ヶ年の中期経営計画『E & C+2020』の定量目標(2021年3月期:連結売上高1,800億円、連結営業利益70億円、ROE8%以上)の達成を目指し、各事業でバランスよい成長に向けて事業規模の拡大を図ってまいりました。電子部品事業においては、活発な5G関連投資を背景に通信関連部品が好調に推移し、加えて自動車関連部品の新規商流獲得もあり大きく増収となりましたが、電子・電気機器事業においては、米中貿易摩擦の激化や商流の変更などにより、前期堅調であったスマートフォン製造関連機器や真空関連機器の低迷により減収となりました。
また工業薬品事業においては、国内市場の縮小が避けられない環境下で海外市場に活路を見出すべく、東アジア地域に加えてASEAN地域でも積極的な事業展開を図り、石油精製・石油化学プラント向けプロセス添加剤や化粧品向け吸水性バイオポリマーが順調に推移して、増収となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は1,531億82百万円(前年同期比9.3%増)と過去最高を計上しました。
損益面につきましては、増収要因が利益率の低い商品群であった一方で高収益商品群が伸び悩んだことにより粗利益率が低下したこと、並びに新型コロナウイルスの影響による今後の企業活動や販売動向等を勘案して、たな卸資産に対して収益性の低下に基づいた簿価の切下げ等を行ったことから、連結売上総利益は174億65百万円(同6.4%減)となり、連結販売費及び一般管理費として150億50百万円(同0.2%増)を計上した結果、連結営業利益は24億14百万円(同33.7%減)、連結経常利益は21億39百万円(同40.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億39百万円(同41.8%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は70円04銭となり、前連結会計年度より48円59銭減少いたしました。
総資産経常利益率は2.1%と前連結会計年度に比べて2.0ポイント下がり、自己資本当期純利益率は2.7%と前連結会計年度に比べて1.9ポイント下がりました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
[電子部品事業]
電子部品分野では国内通信向けの光関連部品が好調に推移し、海外ではスマートフォン向け電子部品も伸長しました。また、半導体デバイスでは車載用途ICの新規商流獲得もあり、当連結会計年度の売上高は1,237億8百万円(前年同期比14.9%増)となりましたが、増収要因が利益率の低い商品群であった一方で中国地域における家電製品、自動車向けコネクタ等の販売低迷により収益性が悪化し、また、たな卸資産に対する収益性の低下に基づいた簿価の切下げ等を行った結果、セグメント利益は5億76百万円(同56.7%減)となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器分野では国内通信インフラ関連は需要の拡大がみられましたが、米中貿易摩擦の激化と商流の変更により中国地域における冷却装置の販売が低迷しました。また、自社ブランド商品群については、プリント基板用コンタクト露光装置はスマートフォン向けの需要が後退し、代わりに期待していたICパッケージ基板用ステッパー装置は性能評価作業の遅延により計画通りに立ち上がりませんでした。
その結果、当連結会計年度の売上高は182億86百万円(前年同期比15.1%減)となり、売上高の減少に加えて、たな卸資産に対する収益性の低下に基づいた簿価の切下げ等により、セグメント利益は9億円(同36.5%減)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品分野ではデジタル媒体の普及による世界的な抄紙需要の減少が続く紙・パルプ分野では苦戦が続きましたが、石油化学分野では重合禁止剤や触媒の販売が堅調に推移し、化粧品分野においても子会社の販売する化粧品基剤が好調を維持しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は111億60百万円(前年同期比2.5%増)となりましたが、人件費の上昇に伴う製造コストや輸送コストの増加等により、セグメント利益は8億38百万円(同10.1%減)となりました。
[その他の事業]
当社の業務・物流管理全般の受託と保険会社の代理店を主たる業務としております。当連結会計年度の売上高は7億20百万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益は21百万円(同26.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは162億88百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは16百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは235億47百万円の収入、現金及び現金同等物に係る換算差額が1億14百万円の減少となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して71億28百万円増加し、当連結会計年度末は147億36百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
車載向け電子部品事業の拡大に伴い、BCP(事業継続計画)の一環として当社グループが保有するたな卸資産は年々増加傾向にあります。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益21億46百万円、減価償却費8億25百万円等がありましたが、たな卸資産の増加額111億36百万円、売上債権の増加額51億52百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは162億88百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度にはたな卸資産の増加額29億87百万円等により11億98百万円の支出となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、投資有価証券の売却による収入5億49百万円等がありましたが、有形固定資産の取得による支出3億90百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは16百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には有形固定資産の取得による支出3億85百万円等により、1億52百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
事業拡大に伴う資金需要の増加に対して、主に有利子負債による調達を行っております。当連結会計年度においては、配当金の支払額12億33百万円等がありましたが、短期借入金による収入(純)108億円、長期借入金による収入155億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは235億47百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には長期借入金の返済による支出9億91百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは6億99百万円の支出となっておりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.2018年、2019年、2020年のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。
③新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の当社グループの生産、受注及び販売活動への影響は軽微でしたが、利益面では取引先の生産計画や設備投資計画の変更、及び商談の遅延等が一定期間にわたり継続するものと仮定して、たな卸資産に対して収益性の低下に基づいた簿価の切下げを行っております。
また、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への影響がさらに長期化、深刻化した場合、翌連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引を相殺消去しております。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループでは、2016年度期初に策定した5ヶ年の中期経営計画『E & C+2020』の定量目標(2021年3月期:連結売上高1,800億円、連結営業利益70億円、ROE8%以上)の達成を目指し、売上高の成長性維持と収益の安定性確保の双方の実現に向けて、事業別販売戦略の強化、新規事業開発の加速化、海外事業の強化等の課題に取り組んでおります。
これらの経営方針のもと、電子部品事業においては、車載分野などの成長市場に向けた商材の拡充を進めるとともに、電子・電気機器事業や工業薬品事業においては、高付加価値の自社ブランド商品や自社製品の拡販に注力しております。また、海外事業については、アジアでは、それぞれの地域の成長分野に特化した商品戦略を展開し、欧米では、顧客のグローバル化に対応したサポート体制の整備を進めております。
これらの取り組みにより、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比較して130億58百万円(9.3%)増加し、1,531億82百万円と過去最高を計上しました。これは電子部品事業において国内通信向けの光関連部品や海外のスマートフォン向け電子部品が伸長したことに加え、車載用途ICの新規商流の獲得もあり、同セグメントの売上高が160億40百万円増加したことによります。
売上総利益は、前連結会計年度と比較して12億1百万円(6.4%)減少し、174億65百万円となりました。これは売上高の増加要因が利益率の低い商品群であった一方で、高収益商品群が伸び悩んだことにより粗利益率が低下したこと、並びに新型コロナウイルスの影響による今後の企業活動や販売動向等を勘案して、たな卸資産に対して収益性の低下に基づいた簿価の切下げを行い、10億20百万円を売上原価として計上したことによります。また、売上総利益率は11.4%となり、前連結会計年度より1.9ポイント減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して26百万円(0.2%)増加し、150億50百万円となりました。これは主に、当連結会計年度より一部の海外子会社においてIFRS16号「リース」を適用したことにより、減価償却費が1億52百万円増加した一方で、当第4四半期における新型コロナウイルスの感染拡大により、旅費交通費が95百万円減少したことによります。
営業利益は、売上総利益の減少により、前連結会計年度と比較して12億28百万円(33.7%)減少し、24億14百万円となりました。
営業外収益は、受取配当金1億36百万円を計上したことにより、前連結会計年度より11百万円減少して2億91百万円となり、営業外費用は、為替差損3億65百万円を計上したことにより、前連結会計年度より2億1百万円増加して5億65百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して14億41百万円(40.2%)減少し、21億39百万円となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益1億8百万円を計上したことにより、前連結会計年度より12百万円増加して1億21百万円となり、特別損失は、投資有価証券評価損1億6百万円を計上したことにより、前連結会計年度より29百万円減少して1億15百万円となりました。
法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税9億53百万円を計上したことにより、前連結会計年度より3億65百万円減少して7億6百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して10億34百万円(41.8%)減少し、14億39百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びにたな卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本、及び投資等に対する資金を安定的に確保するために、金融機関からの借入によって調達しております。
当連結会計年度末におけるたな卸資産は前連結会計年度末と比較して110億7百万円(43.3%)増加し、364億10百万円となっておりますが、これは商流の変更に伴い旧代理店から移管された商品があったことに加えて、一部の商品について正規価格で調達し、正規価格よりも低い価格で販売した後に仕入先へ値引き申請をする取引形態となっていることに起因しております。また、売上債権は前連結会計年度末と比較して48億92百万円(13.2%)増加し、420億25百万円となっておりますが、これは新規商権の立ち上げが当連結会計年度の第3四半期初だったものの、回収は第4四半期後半から始まったことによります。
これらの新規商権の立ち上げに伴い増加した運転資本を補い、さらに新型コロナウイルス感染拡大への備えとして手元流動性の確保を図った結果、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して252億98百万円(301.6%)増加し、336億86百万円となっております。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して71億28百万円(93.7%)増加し、147億36百万円となり、手元流動性比率は約1.15ヶ月となっております。
当社グループの中長期的な成長のための内部留保については、新規事業開発におけるM&A投資や商権獲得のための事業投資の他に、工業薬品事業における生産設備投資や研究開発投資、更には全社的な経営革新のためのIT投資などに優先的に充当してまいります。
株主還元の充実につきましては、連結配当性30%~50%という目標レンジを設定しており、1株当たり年間50円配当(連結配当性向71.4%)を実施いたしました。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して252億45百万円(35.1%)増加し、971億46百万円となりました。これは主に新型コロナウイルス感染拡大の備えとして手元流動性の確保を図り、現金及び預金が71億28百万円増加したこと、並びに車載用途ICの販売拡大等により、受取手形及び売掛金が44億38百万円、商品及び製品が109億66百万円、それぞれ増加したことによります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して9億35百万円(5.9%)減少し、149億89百万円となりました。これは当連結会計年度より一部の海外子会社においてIFRS16号「リース」を適用したことにより、有形固定資産の「その他」が4億77百万円増加(IFRS16号適用の影響による増加額は5億63百万円)した一方で、保有株式の売却やコロナショックによる株価の下落等により、投資有価証券が12億57百万円減少したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して243億9百万円(27.7%)増加し、1,121億35百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して134億34百万円(43.8%)増加し、440億85百万円となりました。これは主に運転資本の増加と手元流動性の確保のために短期借入金が131億86百万円増加したことによります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して114億99百万円(452.7%)増加し、140億39百万円となりました。これは主に長期的な資金需要を見込んで長期借入金が117億30百万円増加したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して249億33百万円(75.1%)増加し、581億24百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して6億24百万円(1.1%)減少し、540億11百万円となりました。これは主に利益剰余金が2億6百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が5億25百万円、為替換算調整勘定が3億18百万円、それぞれ減少したためであります。
b. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は米国が底堅い景気拡大を続けた一方、米中貿易摩擦の長期化により中国経済が減速し、欧州でも英EU離脱に向けた動きなどから不安定な状況が続きました。さらに今年に入り新型コロナウイルスの感染が世界に拡大し、世界経済に深刻な影響を与える結果となりました。一部では徐々に経済活動再開の動きも見られますが、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
一方、国内経済においても堅調な企業収益や雇用の環境の改善等により緩やかな回復が続いていたものの、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し甚大な影響が懸念されております。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、5G設備に関連する国内通信機器分野が好調に推移いたしました。自動車分野ではADAS(先進運転支援システム)関連は堅調を維持したものの、自動車販売台数の減少から総じて需要は低迷いたしました。また、中国市場における設備投資の減退により産業機器分野も低調な推移となりました。
このような状況のもと、当社グループは2016年度期初に策定した5ヶ年の中期経営計画『E & C+2020』の定量目標(2021年3月期:連結売上高1,800億円、連結営業利益70億円、ROE8%以上)の達成を目指し、各事業でバランスよい成長に向けて事業規模の拡大を図ってまいりました。電子部品事業においては、活発な5G関連投資を背景に通信関連部品が好調に推移し、加えて自動車関連部品の新規商流獲得もあり大きく増収となりましたが、電子・電気機器事業においては、米中貿易摩擦の激化や商流の変更などにより、前期堅調であったスマートフォン製造関連機器や真空関連機器の低迷により減収となりました。
また工業薬品事業においては、国内市場の縮小が避けられない環境下で海外市場に活路を見出すべく、東アジア地域に加えてASEAN地域でも積極的な事業展開を図り、石油精製・石油化学プラント向けプロセス添加剤や化粧品向け吸水性バイオポリマーが順調に推移して、増収となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は1,531億82百万円(前年同期比9.3%増)と過去最高を計上しました。
損益面につきましては、増収要因が利益率の低い商品群であった一方で高収益商品群が伸び悩んだことにより粗利益率が低下したこと、並びに新型コロナウイルスの影響による今後の企業活動や販売動向等を勘案して、たな卸資産に対して収益性の低下に基づいた簿価の切下げ等を行ったことから、連結売上総利益は174億65百万円(同6.4%減)となり、連結販売費及び一般管理費として150億50百万円(同0.2%増)を計上した結果、連結営業利益は24億14百万円(同33.7%減)、連結経常利益は21億39百万円(同40.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億39百万円(同41.8%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は70円04銭となり、前連結会計年度より48円59銭減少いたしました。
総資産経常利益率は2.1%と前連結会計年度に比べて2.0ポイント下がり、自己資本当期純利益率は2.7%と前連結会計年度に比べて1.9ポイント下がりました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
[電子部品事業]
電子部品分野では国内通信向けの光関連部品が好調に推移し、海外ではスマートフォン向け電子部品も伸長しました。また、半導体デバイスでは車載用途ICの新規商流獲得もあり、当連結会計年度の売上高は1,237億8百万円(前年同期比14.9%増)となりましたが、増収要因が利益率の低い商品群であった一方で中国地域における家電製品、自動車向けコネクタ等の販売低迷により収益性が悪化し、また、たな卸資産に対する収益性の低下に基づいた簿価の切下げ等を行った結果、セグメント利益は5億76百万円(同56.7%減)となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器分野では国内通信インフラ関連は需要の拡大がみられましたが、米中貿易摩擦の激化と商流の変更により中国地域における冷却装置の販売が低迷しました。また、自社ブランド商品群については、プリント基板用コンタクト露光装置はスマートフォン向けの需要が後退し、代わりに期待していたICパッケージ基板用ステッパー装置は性能評価作業の遅延により計画通りに立ち上がりませんでした。
その結果、当連結会計年度の売上高は182億86百万円(前年同期比15.1%減)となり、売上高の減少に加えて、たな卸資産に対する収益性の低下に基づいた簿価の切下げ等により、セグメント利益は9億円(同36.5%減)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品分野ではデジタル媒体の普及による世界的な抄紙需要の減少が続く紙・パルプ分野では苦戦が続きましたが、石油化学分野では重合禁止剤や触媒の販売が堅調に推移し、化粧品分野においても子会社の販売する化粧品基剤が好調を維持しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は111億60百万円(前年同期比2.5%増)となりましたが、人件費の上昇に伴う製造コストや輸送コストの増加等により、セグメント利益は8億38百万円(同10.1%減)となりました。
[その他の事業]
当社の業務・物流管理全般の受託と保険会社の代理店を主たる業務としております。当連結会計年度の売上高は7億20百万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益は21百万円(同26.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは162億88百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは16百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは235億47百万円の収入、現金及び現金同等物に係る換算差額が1億14百万円の減少となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して71億28百万円増加し、当連結会計年度末は147億36百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
車載向け電子部品事業の拡大に伴い、BCP(事業継続計画)の一環として当社グループが保有するたな卸資産は年々増加傾向にあります。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益21億46百万円、減価償却費8億25百万円等がありましたが、たな卸資産の増加額111億36百万円、売上債権の増加額51億52百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは162億88百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度にはたな卸資産の増加額29億87百万円等により11億98百万円の支出となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、投資有価証券の売却による収入5億49百万円等がありましたが、有形固定資産の取得による支出3億90百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは16百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には有形固定資産の取得による支出3億85百万円等により、1億52百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
事業拡大に伴う資金需要の増加に対して、主に有利子負債による調達を行っております。当連結会計年度においては、配当金の支払額12億33百万円等がありましたが、短期借入金による収入(純)108億円、長期借入金による収入155億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは235億47百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には長期借入金の返済による支出9億91百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは6億99百万円の支出となっておりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
| 自己資本比率 | 66.5% | 67.4% | 63.2% | 62.2% | 48.2% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 28.3% | 28.8% | 38.4% | 27.5% | 17.7% |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率 | 233.5% | 143.6% | - | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 34.5倍 | 60.5倍 | - | - | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.2018年、2019年、2020年のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。
③新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の当社グループの生産、受注及び販売活動への影響は軽微でしたが、利益面では取引先の生産計画や設備投資計画の変更、及び商談の遅延等が一定期間にわたり継続するものと仮定して、たな卸資産に対して収益性の低下に基づいた簿価の切下げを行っております。
また、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への影響がさらに長期化、深刻化した場合、翌連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (2019年4月1日から 2020年3月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 (百万円) | 1,024 | 99.0 |
| 工業薬品事業 (百万円) | 6,455 | 104.9 |
| 合計 (百万円) | 7,479 | 104.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (2019年4月1日から 2020年3月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 (百万円) | 125,769 | 125.7 |
| 電子・電気機器事業 (百万円) | 11,615 | 78.6 |
| 工業薬品事業 (百万円) | 7,714 | 101.5 |
| 合計 (百万円) | 145,099 | 118.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引を相殺消去しております。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 前年同期比(%) | 受注残高 | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業(百万円) | 131,454 | 117.5 | 44,191 | 121.3 |
| 電子・電気機器事業(百万円) | 17,889 | 85.7 | 5,966 | 93.8 |
| 工業薬品事業(百万円) | 10,965 | 98.9 | 799 | 80.4 |
| その他の事業(百万円) | 720 | 104.7 | - | - |
| 合計 | 161,029 | 111.4 | 50,957 | 116.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (2019年4月1日から 2020年3月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 (百万円) | 123,708 | 114.9 |
| 電子・電気機器事業 (百万円) | 18,286 | 84.9 |
| 工業薬品事業 (百万円) | 11,160 | 102.5 |
| その他の事業 (百万円) | 720 | 104.7 |
| 合計 (百万円) | 153,182 | 109.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループでは、2016年度期初に策定した5ヶ年の中期経営計画『E & C+2020』の定量目標(2021年3月期:連結売上高1,800億円、連結営業利益70億円、ROE8%以上)の達成を目指し、売上高の成長性維持と収益の安定性確保の双方の実現に向けて、事業別販売戦略の強化、新規事業開発の加速化、海外事業の強化等の課題に取り組んでおります。
これらの経営方針のもと、電子部品事業においては、車載分野などの成長市場に向けた商材の拡充を進めるとともに、電子・電気機器事業や工業薬品事業においては、高付加価値の自社ブランド商品や自社製品の拡販に注力しております。また、海外事業については、アジアでは、それぞれの地域の成長分野に特化した商品戦略を展開し、欧米では、顧客のグローバル化に対応したサポート体制の整備を進めております。
これらの取り組みにより、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比較して130億58百万円(9.3%)増加し、1,531億82百万円と過去最高を計上しました。これは電子部品事業において国内通信向けの光関連部品や海外のスマートフォン向け電子部品が伸長したことに加え、車載用途ICの新規商流の獲得もあり、同セグメントの売上高が160億40百万円増加したことによります。
売上総利益は、前連結会計年度と比較して12億1百万円(6.4%)減少し、174億65百万円となりました。これは売上高の増加要因が利益率の低い商品群であった一方で、高収益商品群が伸び悩んだことにより粗利益率が低下したこと、並びに新型コロナウイルスの影響による今後の企業活動や販売動向等を勘案して、たな卸資産に対して収益性の低下に基づいた簿価の切下げを行い、10億20百万円を売上原価として計上したことによります。また、売上総利益率は11.4%となり、前連結会計年度より1.9ポイント減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して26百万円(0.2%)増加し、150億50百万円となりました。これは主に、当連結会計年度より一部の海外子会社においてIFRS16号「リース」を適用したことにより、減価償却費が1億52百万円増加した一方で、当第4四半期における新型コロナウイルスの感染拡大により、旅費交通費が95百万円減少したことによります。
営業利益は、売上総利益の減少により、前連結会計年度と比較して12億28百万円(33.7%)減少し、24億14百万円となりました。
営業外収益は、受取配当金1億36百万円を計上したことにより、前連結会計年度より11百万円減少して2億91百万円となり、営業外費用は、為替差損3億65百万円を計上したことにより、前連結会計年度より2億1百万円増加して5億65百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して14億41百万円(40.2%)減少し、21億39百万円となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益1億8百万円を計上したことにより、前連結会計年度より12百万円増加して1億21百万円となり、特別損失は、投資有価証券評価損1億6百万円を計上したことにより、前連結会計年度より29百万円減少して1億15百万円となりました。
法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税9億53百万円を計上したことにより、前連結会計年度より3億65百万円減少して7億6百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して10億34百万円(41.8%)減少し、14億39百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びにたな卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本、及び投資等に対する資金を安定的に確保するために、金融機関からの借入によって調達しております。
当連結会計年度末におけるたな卸資産は前連結会計年度末と比較して110億7百万円(43.3%)増加し、364億10百万円となっておりますが、これは商流の変更に伴い旧代理店から移管された商品があったことに加えて、一部の商品について正規価格で調達し、正規価格よりも低い価格で販売した後に仕入先へ値引き申請をする取引形態となっていることに起因しております。また、売上債権は前連結会計年度末と比較して48億92百万円(13.2%)増加し、420億25百万円となっておりますが、これは新規商権の立ち上げが当連結会計年度の第3四半期初だったものの、回収は第4四半期後半から始まったことによります。
これらの新規商権の立ち上げに伴い増加した運転資本を補い、さらに新型コロナウイルス感染拡大への備えとして手元流動性の確保を図った結果、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して252億98百万円(301.6%)増加し、336億86百万円となっております。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して71億28百万円(93.7%)増加し、147億36百万円となり、手元流動性比率は約1.15ヶ月となっております。
当社グループの中長期的な成長のための内部留保については、新規事業開発におけるM&A投資や商権獲得のための事業投資の他に、工業薬品事業における生産設備投資や研究開発投資、更には全社的な経営革新のためのIT投資などに優先的に充当してまいります。
株主還元の充実につきましては、連結配当性30%~50%という目標レンジを設定しており、1株当たり年間50円配当(連結配当性向71.4%)を実施いたしました。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。