有価証券報告書-第69期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して34億92百万円(3.6%)増加し、1,006億38百万円となりました。これは主に現金及び預金が31億30百万円増加したこと、及び半導体需要の急激な増加による電子部品の販売伸長に伴い、受取手形及び売掛金が24億54百万円増加した一方で、商品及び製品が45億11百万円減少したためであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して7億94百万円(5.3%)増加し、157億83百万円となりました。これは主に有形固定資産が4億91百万円減少した一方で、保有株式の株価の上昇により投資有価証券が12億20百万円増加したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して42億86百万円(3.8%)増加し、1,164億22百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して1億90百万円(0.4%)減少し、438億94百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が8億94百万円、未払法人税等が7億36百万円、賞与引当金が4億13百万円増加した一方で、運転資本の圧縮により短期借入金が46億39百万円減少したためであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して4億70百万円(3.3%)増加し、145億9百万円となりました。これは主に長期借入金が4億45百万円増加したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して2億79百万円(0.5%)増加し、584億3百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して40億6百万円(7.4%)増加し、580億18百万円となりました。これは主に利益剰余金が21億38百万円、その他有価証券評価差額金が8億93百万円、為替換算調整勘定が7億24百万円増加したためであります。
b. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により各国において社会経済活動が抑制されるなど、大変厳しい状況にありました。景気は、年度後半より米国や中国などの地域では持ち直しておりますが、欧州地域においては、変異ウイルスによる感染の再拡大の影響により、経済活動の抑制を再び余儀なくされました。
我が国経済については、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益に厳しさが続く中、年度後半からの輸出や生産活動の回復により持ち直しの動きが見られましたが、繰り返される感染拡大の波により景気の先行きに対する不透明感が強まりました。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、テレワークや巣ごもり消費の拡大によるPC、サーバー、ゲーム機などの需要増加、さらに高速通信規格「5G」の商用化により、主に半導体などの電子部品の需要が拡大する一方で、米国における記録的な寒波による大規模停電や日本国内における半導体メーカーの火災の影響などにより需給が逼迫し、世界中で半導体不足が深刻化しました。
このような状況のもと、当社グループでは従業員の雇用維持とサプライチェーンの確保を最優先とするとともに、手元流動性の確保や収益性及び資本効率の改善等の課題に取り組んでまいりました。
電子部品事業においては、PC・タブレット端末向けICや5G関連の光部品の販売が伸長し、車載用途ICも前年度後半から取引を開始した新規商流の通年寄与などにより販売が増加し、対前年同期比で増収となりました。
電子・電気機器事業においては、化合物半導体製造装置は販売代理店権解消の影響により減少しましたが、半導体関連の設備投資の活発化により真空機器やプリント基板製造装置が好調に推移し、対前年同期比で増収となりました。
工業薬品事業においては、化粧品基剤の販売が伸長し、水処理薬品等も堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により石油・石油化学分野と紙・パルプ分野向け製品、及び商品の販売が減少し、対前年同期比で減収となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は1,654億13百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
損益面につきましては、連結売上総利益は186億61百万円(同6.8%増)となり、連結販売費及び一般管理費として148億55百万円(同1.3%減)を計上した結果、連結営業利益は38億6百万円(同57.6%増)、連結経常利益は36億3百万円(同68.4%増)、特別利益として投資有価証券売却益8億3百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は30億64百万円(同112.9%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は148円91銭となり、前連結会計年度より78円87銭増加いたしました。
収益性及び資本効率に係る各指標につきましては、当連結会計年度における売上高営業利益率は2.3%(前連結会計年度は1.6%)、総資産経常利益率は3.2%(同2.1%)、自己資本当期純利益率は5.5%(同2.7%)となりました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
[電子部品事業]
電子部品事業では、テレワークや巣ごもり消費の拡大によりPC・タブレット端末向けICやコネクタ等一般電子部品が伸長し、5G関連の光部品の販売も堅調に推移しました。また、車載用途ICについても、前年度後半から取引を開始した新規商流の通年寄与などにより販売が増加しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,353億90百万円(前年同期比9.4%増)となり、海外子会社の収益性の改善や出張旅費等の経費減少によりセグメント利益は11億21百万円(同94.4%増)となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器事業では、化合物半導体製造装置は販売代理店権解消の影響により減少しましたが、半導体関連の設備投資の活発化により真空機器やプリント基板製造装置が好調に推移し、5G関連や海底ケーブル等の通信インフラ向け光製品も伸長しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は190億29百万円(前年同期比4.1%増)となり、前述の商品群の販売等による収益性の改善により、セグメント利益は17億70百万円(同96.7%増)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品事業では、化粧品基剤の販売が伸長し、水処理薬品等も堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、石油・石油化学産業における燃料油や紙・パルプ産業における印刷・情報用紙などの需要が減少し、これらの生産に関連する製品及び商品の販売が減少しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は109億62百万円(前年同期比1.8%減)となりましたが、収益性の高い化粧品基剤の販売伸長と出張旅費等の経費減少により、セグメント利益は8億90百万円(同6.3%増)となりました。
[その他の事業]
当社の業務・物流管理全般の受託と保険会社の代理店を主たる業務としております。当連結会計年度の売上高は7億53百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は19百万円(同6.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは74億18百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは6億1百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは52億80百万円の支出、現金及び現金同等物に係る換算差額が3億90百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して31億30百万円増加し、当連結会計年度末は178億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
エレクトロニクス関連の商社事業を展開する当社グループでは、市況や事業動向により売上債権やたな卸資産等の運転資本が増減し、営業キャッシュ・フローが変動いたします。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益43億98百万円、半導体需要の急激な増加による電子部品の販売伸長に伴うたな卸資産の減少額44億31百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは74億18百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には車載用途ICの新規商流の開始に伴うたな卸資産の増加額111億36百万円等により162億88百万円の支出となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出1億73百万円等がありましたが、政策保有株式の縮減方針に基づく投資有価証券の売却による収入8億51百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは6億1百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には有形固定資産の取得による支出3億90百万円等により、16百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
運転資本の増減による営業キャッシュ・フローの変動に対して、主に有利子負債による調整を行っております。当連結会計年度においては、長期借入による収入50億円等がありましたが、短期借入金の返済による支出(純)55億円、長期借入金の返済による支出36億94百万円、配当金の支払額9億25百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは52億80百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には短期借入による収入(純)108億円、長期借入による収入155億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは235億47百万円の収入となっておりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.2018年、2019年、2020年のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。
③新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響については、本章「①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
また、今後の見通しにつきましても、これまでの状況から当社グループへの直接的な影響は軽微とみておりますが、ワクチン接種等の対策が進んでいる国や地域においては新規感染者数が減少している一方で、変異ウイルスにより感染が再拡大している国や地域もあることから、新型コロナウイルス感染症が収束するまでは引き続き状況を注視しながら対応する必要があると考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の間接的な影響により世界中で半導体不足が深刻化しております。当社グループでは、顧客企業の生産計画を基に、仕入先企業の生産のリードタイムを勘案して適切に発注しておりますが、原材料価格の高騰による値上げ、需給の逼迫によるリードタイムの長期化及び顧客企業の生産計画の変更等、市場動向の変化が翌連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引を相殺消去しております。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループでは、2016年度期初に策定した5ヶ年の中期経営計画『E & C+2020』の定量目標(2021年3月期:連結売上高1,800億円、連結営業利益70億円、ROE8%以上)の達成を目指し、売上高の成長性維持と収益の安定性確保の双方の実現に向けて、事業別販売戦略の強化、新規事業開発の加速化、海外事業の強化等の課題に取り組んでまいりました。
これらの経営方針のもと、電子部品事業においては、車載分野などの成長市場に向けた商材の拡充を進めるとともに、電子・電気機器事業や工業薬品事業においては、高付加価値の自社ブランド商品や自社製品の拡販に注力してまいりました。また、海外事業については、アジアでは、それぞれの地域の成長分野に特化した商品戦略を展開し、欧米では、顧客のグローバル化に対応したサポート体制の整備を進めてまいりました。
これらの取り組みにより、当連結会計年度の売上高は中期経営計画最終年度の目標値の1,800億円には未達となったものの、前連結会計年度と比較して122億31百万円(8.0%)増加し、1,654億13百万円と過去最高を計上しました。これは主に、電子部品事業において、テレワークや巣ごもり消費の拡大によりPC・タブレット端末向けICやコネクタ等一般電子部品が伸長したことに加え、前連結会計年度後半から取引を開始した車載用途ICの新規商流の通年寄与により、同セグメントの売上高が116億82百万円増加したためであります。
売上総利益は、前連結会計年度と比較して11億96百万円(6.8%)増加し、186億61百万円となりました。これは主に、電子部品事業の売上高の増加に伴うものですが、電子・電気機器事業における真空機器やプリント基板製造装置、及び工業薬品事業における化粧品基剤等、収益性が高い商製品群の伸長も増加の一因となっております。また、売上総利益率は11.3%となり、前連結会計年度より0.1ポイント減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して1億95百万円(1.3%)減少し、148億55百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う活動制限により旅費交通費が4億77百万円減少したことによります。
営業利益は、前述の売上総利益の増加と販売費及び一般管理費の減少により、前連結会計年度と比較して13億92百万円(57.6%)増加し、38億6百万円となりましたが、中期経営計画最終年度の目標値の70億円には大幅な未達となりました。これは「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりですが、主に電子部品事業における収益性の悪化と電子・電子機器事業及び工業薬品事業における成長性の低下によるものと認識しております。
営業外収益は、受取配当金92百万円を計上したことにより、前連結会計年度より47百万円減少して2億44百万円となり、営業外費用は、為替差損2億26百万円を計上したことにより、前連結会計年度より1億18百万円減少して4億47百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して14億64百万円(68.4%)増加し、36億3百万円となりました。
特別利益は、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益8億3百万円を計上したことにより8億3百万円となり、特別損失は、非上場株式の減損処理による投資有価証券評価損3百万円を計上したこと等により9百万円となりました。
法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税15億40百万円を計上したこと等により、13億33百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して16億25百万円(112.9%)増加し、30億64百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びにたな卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本及び投資等に充当する資金は、主に内部留保と金融機関からの借入によって調達しております。
当連結会計年度末におけるたな卸資産は前連結会計年度末と比較して42億31百万円(11.6%)減少し、321億79百万円となりました。これは半導体需要の急激な増加による電子部品の販売伸長に伴い、商品及び製品が45億11百万円減少したためであります。また、売上債権は前連結会計年度末と比較して19億53百万円(4.6%)増加し、439億78百万円となりましたが、これも主に電子部品の販売伸長に伴う増加であります。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して43億26百万円(12.8%)減少し、293億60百万円となりました。これは主に、たな卸資産の減少に伴う運転資本の圧縮によるものです。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して31億30百万円(21.2%)増加し、178億67百万円となり、手元流動性比率は約1.3ヶ月となりました。これは新型コロナウイルス感染症への備えとして手元流動性の確保を図ったことによるものです。
内部留保につきましては、M&A等戦略的投資や事業効率化投資などの中長期的な成長や高い投資効率が期待できる投資などに優先的に充当してまいりますが、2021年4月30日公表の新中期経営計画「Change & Co-Create 2024」においては、資本効率の改善を事業上及び財務上の重要課題と位置づけ、「総還元性向100%」を目標とした株主還元を実施することを基本方針としております。
配当につきましては、引き続き安定配当を基本方針とし、1株当たり年間60円の配当(連結配当性向40.3%)を実施しております。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して34億92百万円(3.6%)増加し、1,006億38百万円となりました。これは主に現金及び預金が31億30百万円増加したこと、及び半導体需要の急激な増加による電子部品の販売伸長に伴い、受取手形及び売掛金が24億54百万円増加した一方で、商品及び製品が45億11百万円減少したためであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して7億94百万円(5.3%)増加し、157億83百万円となりました。これは主に有形固定資産が4億91百万円減少した一方で、保有株式の株価の上昇により投資有価証券が12億20百万円増加したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して42億86百万円(3.8%)増加し、1,164億22百万円となりました。
負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して1億90百万円(0.4%)減少し、438億94百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が8億94百万円、未払法人税等が7億36百万円、賞与引当金が4億13百万円増加した一方で、運転資本の圧縮により短期借入金が46億39百万円減少したためであります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して4億70百万円(3.3%)増加し、145億9百万円となりました。これは主に長期借入金が4億45百万円増加したためであります。
以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して2億79百万円(0.5%)増加し、584億3百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して40億6百万円(7.4%)増加し、580億18百万円となりました。これは主に利益剰余金が21億38百万円、その他有価証券評価差額金が8億93百万円、為替換算調整勘定が7億24百万円増加したためであります。
b. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により各国において社会経済活動が抑制されるなど、大変厳しい状況にありました。景気は、年度後半より米国や中国などの地域では持ち直しておりますが、欧州地域においては、変異ウイルスによる感染の再拡大の影響により、経済活動の抑制を再び余儀なくされました。
我が国経済については、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益に厳しさが続く中、年度後半からの輸出や生産活動の回復により持ち直しの動きが見られましたが、繰り返される感染拡大の波により景気の先行きに対する不透明感が強まりました。
当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、テレワークや巣ごもり消費の拡大によるPC、サーバー、ゲーム機などの需要増加、さらに高速通信規格「5G」の商用化により、主に半導体などの電子部品の需要が拡大する一方で、米国における記録的な寒波による大規模停電や日本国内における半導体メーカーの火災の影響などにより需給が逼迫し、世界中で半導体不足が深刻化しました。
このような状況のもと、当社グループでは従業員の雇用維持とサプライチェーンの確保を最優先とするとともに、手元流動性の確保や収益性及び資本効率の改善等の課題に取り組んでまいりました。
電子部品事業においては、PC・タブレット端末向けICや5G関連の光部品の販売が伸長し、車載用途ICも前年度後半から取引を開始した新規商流の通年寄与などにより販売が増加し、対前年同期比で増収となりました。
電子・電気機器事業においては、化合物半導体製造装置は販売代理店権解消の影響により減少しましたが、半導体関連の設備投資の活発化により真空機器やプリント基板製造装置が好調に推移し、対前年同期比で増収となりました。
工業薬品事業においては、化粧品基剤の販売が伸長し、水処理薬品等も堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により石油・石油化学分野と紙・パルプ分野向け製品、及び商品の販売が減少し、対前年同期比で減収となりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は1,654億13百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
損益面につきましては、連結売上総利益は186億61百万円(同6.8%増)となり、連結販売費及び一般管理費として148億55百万円(同1.3%減)を計上した結果、連結営業利益は38億6百万円(同57.6%増)、連結経常利益は36億3百万円(同68.4%増)、特別利益として投資有価証券売却益8億3百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は30億64百万円(同112.9%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は148円91銭となり、前連結会計年度より78円87銭増加いたしました。
収益性及び資本効率に係る各指標につきましては、当連結会計年度における売上高営業利益率は2.3%(前連結会計年度は1.6%)、総資産経常利益率は3.2%(同2.1%)、自己資本当期純利益率は5.5%(同2.7%)となりました。
報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。
[電子部品事業]
電子部品事業では、テレワークや巣ごもり消費の拡大によりPC・タブレット端末向けICやコネクタ等一般電子部品が伸長し、5G関連の光部品の販売も堅調に推移しました。また、車載用途ICについても、前年度後半から取引を開始した新規商流の通年寄与などにより販売が増加しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,353億90百万円(前年同期比9.4%増)となり、海外子会社の収益性の改善や出張旅費等の経費減少によりセグメント利益は11億21百万円(同94.4%増)となりました。
[電子・電気機器事業]
電子・電気機器事業では、化合物半導体製造装置は販売代理店権解消の影響により減少しましたが、半導体関連の設備投資の活発化により真空機器やプリント基板製造装置が好調に推移し、5G関連や海底ケーブル等の通信インフラ向け光製品も伸長しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は190億29百万円(前年同期比4.1%増)となり、前述の商品群の販売等による収益性の改善により、セグメント利益は17億70百万円(同96.7%増)となりました。
[工業薬品事業]
工業薬品事業では、化粧品基剤の販売が伸長し、水処理薬品等も堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、石油・石油化学産業における燃料油や紙・パルプ産業における印刷・情報用紙などの需要が減少し、これらの生産に関連する製品及び商品の販売が減少しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は109億62百万円(前年同期比1.8%減)となりましたが、収益性の高い化粧品基剤の販売伸長と出張旅費等の経費減少により、セグメント利益は8億90百万円(同6.3%増)となりました。
[その他の事業]
当社の業務・物流管理全般の受託と保険会社の代理店を主たる業務としております。当連結会計年度の売上高は7億53百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は19百万円(同6.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは74億18百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは6億1百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは52億80百万円の支出、現金及び現金同等物に係る換算差額が3億90百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して31億30百万円増加し、当連結会計年度末は178億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
エレクトロニクス関連の商社事業を展開する当社グループでは、市況や事業動向により売上債権やたな卸資産等の運転資本が増減し、営業キャッシュ・フローが変動いたします。当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益43億98百万円、半導体需要の急激な増加による電子部品の販売伸長に伴うたな卸資産の減少額44億31百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは74億18百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には車載用途ICの新規商流の開始に伴うたな卸資産の増加額111億36百万円等により162億88百万円の支出となっておりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動として、主に新規事業に係る投資や工業薬品事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出を行っております。当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出1億73百万円等がありましたが、政策保有株式の縮減方針に基づく投資有価証券の売却による収入8億51百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは6億1百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には有形固定資産の取得による支出3億90百万円等により、16百万円の支出となっておりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
運転資本の増減による営業キャッシュ・フローの変動に対して、主に有利子負債による調整を行っております。当連結会計年度においては、長期借入による収入50億円等がありましたが、短期借入金の返済による支出(純)55億円、長期借入金の返済による支出36億94百万円、配当金の支払額9億25百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは52億80百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には短期借入による収入(純)108億円、長期借入による収入155億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは235億47百万円の収入となっておりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
| 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
| 自己資本比率 | 67.4% | 63.2% | 62.2% | 48.2% | 49.8% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 28.8% | 38.4% | 27.5% | 17.7% | 22.6% |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率 | 143.6% | - | - | - | 395.7% |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 60.5倍 | - | - | - | 46.4倍 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.2018年、2019年、2020年のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。
③新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響については、本章「①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績」に記載のとおりであります。
また、今後の見通しにつきましても、これまでの状況から当社グループへの直接的な影響は軽微とみておりますが、ワクチン接種等の対策が進んでいる国や地域においては新規感染者数が減少している一方で、変異ウイルスにより感染が再拡大している国や地域もあることから、新型コロナウイルス感染症が収束するまでは引き続き状況を注視しながら対応する必要があると考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の間接的な影響により世界中で半導体不足が深刻化しております。当社グループでは、顧客企業の生産計画を基に、仕入先企業の生産のリードタイムを勘案して適切に発注しておりますが、原材料価格の高騰による値上げ、需給の逼迫によるリードタイムの長期化及び顧客企業の生産計画の変更等、市場動向の変化が翌連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (2020年4月1日から 2021年3月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 (百万円) | 1,120 | 109.3 |
| 工業薬品事業 (百万円) | 6,837 | 105.9 |
| 合計 (百万円) | 7,958 | 106.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (2020年4月1日から 2021年3月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 (百万円) | 120,387 | 95.7 |
| 電子・電気機器事業 (百万円) | 12,388 | 106.7 |
| 工業薬品事業 (百万円) | 7,228 | 93.7 |
| 合計 (百万円) | 140,004 | 96.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引を相殺消去しております。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 前年同期比(%) | 受注残高 | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業(百万円) | 145,853 | 111.0 | 54,654 | 123.7 |
| 電子・電気機器事業(百万円) | 21,291 | 119.0 | 8,228 | 137.9 |
| 工業薬品事業(百万円) | 11,188 | 102.0 | 1,026 | 128.3 |
| その他の事業(百万円) | 753 | 104.6 | - | - |
| 合計 | 179,086 | 111.2 | 63,909 | 125.4 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (2020年4月1日から 2021年3月31日まで) | 前年同期比(%) |
| 電子部品事業 (百万円) | 135,390 | 109.4 |
| 電子・電気機器事業 (百万円) | 19,029 | 104.1 |
| 工業薬品事業 (百万円) | 10,962 | 98.2 |
| その他の事業 (百万円) | 753 | 104.6 |
| 合計 (百万円) | 166,135 | 108.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント内の内部取引については、消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (2019年4月1日から 2020年3月31日まで) | 当連結会計年度 (2020年4月1日から 2021年3月31日まで) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社デンソー | 12,334 | 8.0 | 18,126 | 10.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループでは、2016年度期初に策定した5ヶ年の中期経営計画『E & C+2020』の定量目標(2021年3月期:連結売上高1,800億円、連結営業利益70億円、ROE8%以上)の達成を目指し、売上高の成長性維持と収益の安定性確保の双方の実現に向けて、事業別販売戦略の強化、新規事業開発の加速化、海外事業の強化等の課題に取り組んでまいりました。
これらの経営方針のもと、電子部品事業においては、車載分野などの成長市場に向けた商材の拡充を進めるとともに、電子・電気機器事業や工業薬品事業においては、高付加価値の自社ブランド商品や自社製品の拡販に注力してまいりました。また、海外事業については、アジアでは、それぞれの地域の成長分野に特化した商品戦略を展開し、欧米では、顧客のグローバル化に対応したサポート体制の整備を進めてまいりました。
これらの取り組みにより、当連結会計年度の売上高は中期経営計画最終年度の目標値の1,800億円には未達となったものの、前連結会計年度と比較して122億31百万円(8.0%)増加し、1,654億13百万円と過去最高を計上しました。これは主に、電子部品事業において、テレワークや巣ごもり消費の拡大によりPC・タブレット端末向けICやコネクタ等一般電子部品が伸長したことに加え、前連結会計年度後半から取引を開始した車載用途ICの新規商流の通年寄与により、同セグメントの売上高が116億82百万円増加したためであります。
売上総利益は、前連結会計年度と比較して11億96百万円(6.8%)増加し、186億61百万円となりました。これは主に、電子部品事業の売上高の増加に伴うものですが、電子・電気機器事業における真空機器やプリント基板製造装置、及び工業薬品事業における化粧品基剤等、収益性が高い商製品群の伸長も増加の一因となっております。また、売上総利益率は11.3%となり、前連結会計年度より0.1ポイント減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して1億95百万円(1.3%)減少し、148億55百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う活動制限により旅費交通費が4億77百万円減少したことによります。
営業利益は、前述の売上総利益の増加と販売費及び一般管理費の減少により、前連結会計年度と比較して13億92百万円(57.6%)増加し、38億6百万円となりましたが、中期経営計画最終年度の目標値の70億円には大幅な未達となりました。これは「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりですが、主に電子部品事業における収益性の悪化と電子・電子機器事業及び工業薬品事業における成長性の低下によるものと認識しております。
営業外収益は、受取配当金92百万円を計上したことにより、前連結会計年度より47百万円減少して2億44百万円となり、営業外費用は、為替差損2億26百万円を計上したことにより、前連結会計年度より1億18百万円減少して4億47百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して14億64百万円(68.4%)増加し、36億3百万円となりました。
特別利益は、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益8億3百万円を計上したことにより8億3百万円となり、特別損失は、非上場株式の減損処理による投資有価証券評価損3百万円を計上したこと等により9百万円となりました。
法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税15億40百万円を計上したこと等により、13億33百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して16億25百万円(112.9%)増加し、30億64百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びにたな卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業の工業薬品事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本及び投資等に充当する資金は、主に内部留保と金融機関からの借入によって調達しております。
当連結会計年度末におけるたな卸資産は前連結会計年度末と比較して42億31百万円(11.6%)減少し、321億79百万円となりました。これは半導体需要の急激な増加による電子部品の販売伸長に伴い、商品及び製品が45億11百万円減少したためであります。また、売上債権は前連結会計年度末と比較して19億53百万円(4.6%)増加し、439億78百万円となりましたが、これも主に電子部品の販売伸長に伴う増加であります。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して43億26百万円(12.8%)減少し、293億60百万円となりました。これは主に、たな卸資産の減少に伴う運転資本の圧縮によるものです。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末と比較して31億30百万円(21.2%)増加し、178億67百万円となり、手元流動性比率は約1.3ヶ月となりました。これは新型コロナウイルス感染症への備えとして手元流動性の確保を図ったことによるものです。
内部留保につきましては、M&A等戦略的投資や事業効率化投資などの中長期的な成長や高い投資効率が期待できる投資などに優先的に充当してまいりますが、2021年4月30日公表の新中期経営計画「Change & Co-Create 2024」においては、資本効率の改善を事業上及び財務上の重要課題と位置づけ、「総還元性向100%」を目標とした株主還元を実施することを基本方針としております。
配当につきましては、引き続き安定配当を基本方針とし、1株当たり年間60円の配当(連結配当性向40.3%)を実施しております。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。