有価証券報告書-第62期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や企業収益の改善などにより緩やかな回復基調となりました。一方、海外経済は、米中の貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などが世界経済に波及し、先行きは不透明な状況となっております。
このような環境のもと、当社グループの主要ユーザーである自動車関連企業では、自動車生産において日本国内では前期並みに推移し、海外では地域的にまだら模様ながら総じて堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、総力をあげて売上高の伸長に努めるとともに、継続的なコスト抑制を推進し、収益の維持に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,190億21百万円(前期比6.0%増)となり、営業利益は43億19百万円(前期比19.0%増)、経常利益は42億75百万円(前期比19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6百万円(前期比10.4%増)となり、連結の売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも過去最高を更新いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの利益の算定方法を変更したことに伴い、セグメント利益の前連結会計年度との比較ができないことから、前期比増減は記載しておりません。
a.デバイス事業
デバイス事業におきましては、電子制御が進む自動車向けシステムLSIなどの半導体や電子部品の販売及び技術支援、組込システムのPoC(概念実証)開発支援や受託開発事業を行っております。
当連結会計年度におきましては、自動車生産台数が比較的堅調に推移したことや、電動車両、先進運転支援システム搭載車両、またコックピット向け等の各納入部品において需要増加の結果、デバイス事業の売上高は、956億92百万円(前期比4.0%増)、営業利益は28億70百万円となりました。
b.ソリューション事業
ソリューション事業におきましては、IT機器、計測機器及び組込機器の販売からITプラットフォーム基盤構築及びIoTシステムの提案に加え、FAシステムや特殊計測システムの設計・製造・販売及び産業用コンピュータの開発・製造・販売を行っております。
当連結会計年度におきましては、主要顧客企業の情報化投資需要や設備投資需要を的確に捉えた営業活動を展開するとともに、IoT分野への積極的な提案活動を実施した結果、IT分野、組込分野が堅調に推移し、ソリューション事業の売上高は233億28百万円(前期比15.0%増)と大幅な増収となり、営業利益は14億49百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ9億68百万円増加し75億8百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、獲得した資金は4億19百万円(前連結会計年度は18億29百万円の使用)となりました。
これは主に、売上債権の増加額25億76百万円及びたな卸資産の増加額14億75百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益42億56百万円があったためであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、使用した資金は4億30百万円(前連結会計年度は1億25百万円の獲得)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出2億円、有形固定資産の取得による支出1億57百万円及び無形固定資産の取得による支出1億47百万円があったためであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、獲得した資金は10億37百万円(前連結会計年度比18億円34百万円の減少)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額10億46百万円、長期借入金の返済による支出9億93百万円及び配当金の支払額9億7百万円がありましたが、長期借入れによる収入11億円、新株予約権の行使による株式の発行による収入8億79百万円及び非支配株主からの払込による収入20億9百万円があったためであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。これらの連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主にたな卸資産及び貸倒引当金であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高及び売上総利益
当社グループは、新たなテクノロジーの創出や変化のスピードが非常に速いエレクトロニクス分野において得意先のビジネスパートナーとしてグローバルでのワンストップソリューションを提供することを付加価値として事業展開を図っております。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ67億72百万円増加し1,190億21百万円となりました。
デバイス事業はオートモーティブ分野に集中して顧客ニーズの深耕を図り、ソリューション事業では、IT、組込及び計測分野のソリューションを柔軟に組み合わせながら継続的な提案活動を行いました。
その結果、デバイス事業において、自動車関連ユーザーにおける先進運転システム搭載車種及び生産台数の増加に伴う需要増加により売上高が増加しました。またソリューション事業において、IT分野及び組込分野のソリューション販売が堅調に推移したことが売上高の増加要因となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ54億59百万円増加し1,068億25百万円となりました。その結果として売上総利益は前連結会計年度に比べ13億13百万円増加し121億96百万円となり、売上総利益率は0.5ポイント改善して10.2%となりました。当社グループの事業におきましては、ソリューション事業の利益率がデバイス事業と比較して高い傾向があります。当連結会計年度はソリューション事業の需要伸張が売上総利益率の改善に寄与いたしました。
b.営業利益
販売費及び一般管理費は、業容の拡大に伴う輸送費用の増加や、人的投資を積極的に行った結果として人件費が増加しました。その一方でシステム化による業務効率化や外部資源の有効活用など状況に応じた継続的なコスト削減策を推進した結果、前連結会計年度に比べ6億25百万円増加の78億76百万円となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6億88百万円増加し43億19百万円となりました。
c.経常利益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ13百万円減少し82百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ14百万円減少し1億26百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ6億88百万円増加し42億75百万円となりました。
d.特別利益
特別利益は、前連結会計年度に比べ4百万円減少し3百万円となりました。
e.特別損失
特別損失は、前連結会計年度に比べ19百万円増加し22百万円となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ6億65百万円増加し42億56百万円となりました。
税効果会計適用後の法人税等負担額は、主に課税所得の増加の影響によって前連結会計年度に比べ3億82百万円増加し14億33百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2億65百万円増加し28億6百万円となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しておりますように、当社グループは、特定の仕入先・販売先に対する仕入高・売上高の割合がそれぞれ高いことから、主要な仕入先での部品や資材の供給不足、状況変化等により予期せぬ調達難が生じ、商品の確保ができずに得意先への販売が滞った場合や、主要な得意先である自動車関連業界において自動車生産台数の大きな落ち込みが発生した場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
④当連結会計年度の財政状態の分析
a.資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べて54億91百万円増加し631億79百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて51億57百万円増加し580億17百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が24億50百万円及び商品及び製品が13億9百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3億33百万円増加し51億62百万円となりました。
b.負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べて9億21百万円増加し297億30百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて6億94百万円増加し252億30百万円となりました。これは主に、短期借入金が10億46百万円減少しましたが、未払法人税等が10億10百万円、支払手形及び買掛金が1億42百万円及び電子記録債務が2億44百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて2億27百万円増加し44億99百万円となりました。これは主に、長期借入金が1億円及び退職給付に係る負債が1億5百万円増加したことによるものであります。
c.純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて45億69百万円増加し334億49百万円となりました。
この結果、自己資本比率は49.7%(前連結会計年度末は50.1%)となりました。
⑤目標とする経営指標の達成・進捗状況
当社グループは、「2018年度中期経営計画」のもと、中期経営ビジョンである「先進エレクトロニクスのワンストップソリューション・グローバルサプライヤー」の実現のために各種施策を確実に推進し、数値目標として2021年3月期に連結売上高1,300億円、連結営業利益43億円、ROE8.5%を掲げております。
当連結会計年度における連結売上高は1,190億21百万円、連結営業利益は43億19百万円、ROE9.3%であり、引き続き目標の達成に向け邁進していく所存であります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、必要な運転資金及び投資資金を、調達コストと財務体質とのバランスを勘案しながら、借入金、売掛債権の流動化による調達に加え、資本増強等を組み合わせて調達しております。
また、機動的かつ安定的な資金調達枠確保のため、取引銀行3行と合計40億円のコミットメントライン契約を締結しております(当連結会計年度末の借入未実行残高40億円)。
当連結会計年度においては、売上増加に伴う運転資金の需要に対して、前連結会計年度に発行した新株予約権の権利行使による調達8億90百万円、当社の子会社である萩原エレクトロニクス株式会社において第三者割当によるA種優先株式の発行による調達20億円を実施しました。これにより、借入金の一部を返済したため、有利子負債は9億39百万円減少となっております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や企業収益の改善などにより緩やかな回復基調となりました。一方、海外経済は、米中の貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などが世界経済に波及し、先行きは不透明な状況となっております。
このような環境のもと、当社グループの主要ユーザーである自動車関連企業では、自動車生産において日本国内では前期並みに推移し、海外では地域的にまだら模様ながら総じて堅調に推移しました。
当社グループにおきましては、総力をあげて売上高の伸長に努めるとともに、継続的なコスト抑制を推進し、収益の維持に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,190億21百万円(前期比6.0%増)となり、営業利益は43億19百万円(前期比19.0%増)、経常利益は42億75百万円(前期比19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6百万円(前期比10.4%増)となり、連結の売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも過去最高を更新いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの利益の算定方法を変更したことに伴い、セグメント利益の前連結会計年度との比較ができないことから、前期比増減は記載しておりません。
a.デバイス事業
デバイス事業におきましては、電子制御が進む自動車向けシステムLSIなどの半導体や電子部品の販売及び技術支援、組込システムのPoC(概念実証)開発支援や受託開発事業を行っております。
当連結会計年度におきましては、自動車生産台数が比較的堅調に推移したことや、電動車両、先進運転支援システム搭載車両、またコックピット向け等の各納入部品において需要増加の結果、デバイス事業の売上高は、956億92百万円(前期比4.0%増)、営業利益は28億70百万円となりました。
b.ソリューション事業
ソリューション事業におきましては、IT機器、計測機器及び組込機器の販売からITプラットフォーム基盤構築及びIoTシステムの提案に加え、FAシステムや特殊計測システムの設計・製造・販売及び産業用コンピュータの開発・製造・販売を行っております。
当連結会計年度におきましては、主要顧客企業の情報化投資需要や設備投資需要を的確に捉えた営業活動を展開するとともに、IoT分野への積極的な提案活動を実施した結果、IT分野、組込分野が堅調に推移し、ソリューション事業の売上高は233億28百万円(前期比15.0%増)と大幅な増収となり、営業利益は14億49百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ9億68百万円増加し75億8百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、獲得した資金は4億19百万円(前連結会計年度は18億29百万円の使用)となりました。
これは主に、売上債権の増加額25億76百万円及びたな卸資産の増加額14億75百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益42億56百万円があったためであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、使用した資金は4億30百万円(前連結会計年度は1億25百万円の獲得)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出2億円、有形固定資産の取得による支出1億57百万円及び無形固定資産の取得による支出1億47百万円があったためであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、獲得した資金は10億37百万円(前連結会計年度比18億円34百万円の減少)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額10億46百万円、長期借入金の返済による支出9億93百万円及び配当金の支払額9億7百万円がありましたが、長期借入れによる収入11億円、新株予約権の行使による株式の発行による収入8億79百万円及び非支配株主からの払込による収入20億9百万円があったためであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
デバイス事業 | 2,848 | +24.9 |
ソリューション事業 | 5,301 | +15.0 |
計 | 8,149 | +18.3 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
デバイス事業 | 85,014 | +1.9 |
ソリューション事業 | 16,173 | +0.1 |
計 | 101,188 | +1.6 |
(注)1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
デバイス事業 | 96,013 | +3.8 | 3,539 | +10.0 |
ソリューション事業 | 23,189 | +5.7 | 3,550 | △3.8 |
計 | 119,203 | +4.2 | 7,090 | +2.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
デバイス事業 | 95,692 | +4.0 |
ソリューション事業 | 23,328 | +15.0 |
計 | 119,021 | +6.0 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
株式会社デンソー | 63,388 | 56.5 | 66,954 | 56.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。これらの連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主にたな卸資産及び貸倒引当金であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高及び売上総利益
当社グループは、新たなテクノロジーの創出や変化のスピードが非常に速いエレクトロニクス分野において得意先のビジネスパートナーとしてグローバルでのワンストップソリューションを提供することを付加価値として事業展開を図っております。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ67億72百万円増加し1,190億21百万円となりました。
デバイス事業はオートモーティブ分野に集中して顧客ニーズの深耕を図り、ソリューション事業では、IT、組込及び計測分野のソリューションを柔軟に組み合わせながら継続的な提案活動を行いました。
その結果、デバイス事業において、自動車関連ユーザーにおける先進運転システム搭載車種及び生産台数の増加に伴う需要増加により売上高が増加しました。またソリューション事業において、IT分野及び組込分野のソリューション販売が堅調に推移したことが売上高の増加要因となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ54億59百万円増加し1,068億25百万円となりました。その結果として売上総利益は前連結会計年度に比べ13億13百万円増加し121億96百万円となり、売上総利益率は0.5ポイント改善して10.2%となりました。当社グループの事業におきましては、ソリューション事業の利益率がデバイス事業と比較して高い傾向があります。当連結会計年度はソリューション事業の需要伸張が売上総利益率の改善に寄与いたしました。
b.営業利益
販売費及び一般管理費は、業容の拡大に伴う輸送費用の増加や、人的投資を積極的に行った結果として人件費が増加しました。その一方でシステム化による業務効率化や外部資源の有効活用など状況に応じた継続的なコスト削減策を推進した結果、前連結会計年度に比べ6億25百万円増加の78億76百万円となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6億88百万円増加し43億19百万円となりました。
c.経常利益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ13百万円減少し82百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ14百万円減少し1億26百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ6億88百万円増加し42億75百万円となりました。
d.特別利益
特別利益は、前連結会計年度に比べ4百万円減少し3百万円となりました。
e.特別損失
特別損失は、前連結会計年度に比べ19百万円増加し22百万円となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ6億65百万円増加し42億56百万円となりました。
税効果会計適用後の法人税等負担額は、主に課税所得の増加の影響によって前連結会計年度に比べ3億82百万円増加し14億33百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2億65百万円増加し28億6百万円となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しておりますように、当社グループは、特定の仕入先・販売先に対する仕入高・売上高の割合がそれぞれ高いことから、主要な仕入先での部品や資材の供給不足、状況変化等により予期せぬ調達難が生じ、商品の確保ができずに得意先への販売が滞った場合や、主要な得意先である自動車関連業界において自動車生産台数の大きな落ち込みが発生した場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
④当連結会計年度の財政状態の分析
a.資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べて54億91百万円増加し631億79百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて51億57百万円増加し580億17百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が24億50百万円及び商品及び製品が13億9百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3億33百万円増加し51億62百万円となりました。
b.負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べて9億21百万円増加し297億30百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて6億94百万円増加し252億30百万円となりました。これは主に、短期借入金が10億46百万円減少しましたが、未払法人税等が10億10百万円、支払手形及び買掛金が1億42百万円及び電子記録債務が2億44百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて2億27百万円増加し44億99百万円となりました。これは主に、長期借入金が1億円及び退職給付に係る負債が1億5百万円増加したことによるものであります。
c.純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて45億69百万円増加し334億49百万円となりました。
この結果、自己資本比率は49.7%(前連結会計年度末は50.1%)となりました。
⑤目標とする経営指標の達成・進捗状況
当社グループは、「2018年度中期経営計画」のもと、中期経営ビジョンである「先進エレクトロニクスのワンストップソリューション・グローバルサプライヤー」の実現のために各種施策を確実に推進し、数値目標として2021年3月期に連結売上高1,300億円、連結営業利益43億円、ROE8.5%を掲げております。
当連結会計年度における連結売上高は1,190億21百万円、連結営業利益は43億19百万円、ROE9.3%であり、引き続き目標の達成に向け邁進していく所存であります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、必要な運転資金及び投資資金を、調達コストと財務体質とのバランスを勘案しながら、借入金、売掛債権の流動化による調達に加え、資本増強等を組み合わせて調達しております。
また、機動的かつ安定的な資金調達枠確保のため、取引銀行3行と合計40億円のコミットメントライン契約を締結しております(当連結会計年度末の借入未実行残高40億円)。
当連結会計年度においては、売上増加に伴う運転資金の需要に対して、前連結会計年度に発行した新株予約権の権利行使による調達8億90百万円、当社の子会社である萩原エレクトロニクス株式会社において第三者割当によるA種優先株式の発行による調達20億円を実施しました。これにより、借入金の一部を返済したため、有利子負債は9億39百万円減少となっております。