有価証券報告書-第68期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/27 15:00
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161項目
文中における将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社グループは、経営ビジョンに「先進エレクトロニクスで人と社会とテクノロジーをつなぐエンジニアリングソリューションパートナー」を掲げ、2025年3月期から2027年3月期の3か年を対象とする中期経営計画「Make New Value 2026」を推進しております。
中期経営計画の下、得意領域であるモビリティやものづくり領域に加え、ロジスティクス・ロボティクス等の隣接業界や、デジタル活用によるエネルギーやスマートシティ等のメガトレンド領域における課題に対し、社内外でのビジネスイノベーション活動を通じて最適なソリューションを創造・提供し、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を目指しております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、主要ユーザーである自動車関連企業において完成車の生産調整や、中国市況の停滞等に伴う産業機器関連企業の在庫調整の動きがみられたほか、急激な為替変動等、不透明な状況が続きました。
このような環境下において、当社グループは、中期経営計画に基づく構造変革と事業基盤の確立に向けて、半導
体・電子部品及び受託ビジネスの顧客拡大による事業機会発掘の取組や、新規事業の確立及び強化を目的とした
M&Aの実行、また人的投資及びシステム投資等の成長投資を活発化させました。
この結果、当連結会計年度の売上高は2,587億42百万円(前期比14.9%増)、営業利益は71億12百万円(前期比7.8%減)、経常利益は62億10百万円(前期比14.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億99百万円(前期比16.3%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(デバイス事業)
デバイス事業では、電子制御が進む自動車向けシステムLSI等の半導体や電子部品の販売及び技術支援、組込システムのPoC(概念実証)開発支援や組込ソフトウエアを中心とした受託開発事業を行っております。
当連結会計年度におきましては、車両生産調整の影響を受け半導体や電子部品の需要が伸び悩んだものの、新たな商流の獲得や円安による増収効果等により、デバイス事業の売上高は2,263億19百万円(前期比15.4%増)となりました。一方で、前期に発生したスポット利益の反動減や、人的投資等の成長投資や商流移管に伴う移管補償金の増加等により、営業利益は56億88百万円(前期比0.3%増)と前期並みとなりました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業では、業務コンサルティングやIoTソリューション提供及びITプラットフォーム構築提
案、IT機器や計測機器及び組込機器の販売に加え、FAシステムや特殊計測システムの設計・製造・販売及び産業用コンピュータの開発・製造・販売を行っております。
当連結会計年度におきましては、産業機器関連企業を主要顧客に持つ組込ソリューション領域において顧客の在庫調整の動きに影響を受けつつも、製造設備増強等の需要を取り込んだFAエンジニアリング領域の売上増加が牽引し、ソリューション事業の売上高は324億23百万円(前期比11.7%増)となりました。一方で、新しい領域の製造ライン構築で一時的なコスト増となる案件の受注があったことや、人的投資や自社製品の次世代機開発の成長投資等により、営業利益は14億23百万円(前期比30.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ9億88百万円減少し135億34百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が59億22百万円と前年同期と比べ13億12百万円(△18.1%)の減益となったことや仕入債務の減少により、支出が66億83百万円(前年同期は51億34百万円の収入)となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、BELLADATI PTE.LTD.を連結子会社化したことによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が29億47百万円あったため、36億85百万円と前年同期と比べ支出が30億5百万円(△442.2%)の増加となりました。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増加額が38億1百万円(前年同期は12億5百万円の純減少額)、長期借入による収入が112億円と前年同期と比べ85億50百万円(322.6%)の増加となったことにより、収入が90億14百万円(前年同期は11億85百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
デバイス事業2,952+5.3
ソリューション事業9,114+1.7
12,066+2.6

(注)金額は、販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)棚卸資産残高
(百万円)
前期比(%)
デバイス事業215,781+16.646,341+18.5
ソリューション事業24,033+12.94,810-13.5
239,814+16.351,151+14.5

(注)金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度において受注残高が著しく減少しております。
これは主に、デバイス事業において、前連結会計年度は新たな商流の獲得に伴う一時的な受注残高の増加があったことによるものであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
デバイス事業212,867+4.415,950-45.8
ソリューション事業33,019+10.011,168+5.6
245,886+5.127,118-32.2

d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
デバイス事業226,319+15.4
ソリューション事業32,423+11.7
258,742+14.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社デンソー107,80247.9110,18642.6

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ335億92百万円増加し2,587億42百万円となり、過去最高となりました。
主要顧客である自動車関連企業において完成車の生産調整や中国市場の停滞に伴う産業機器関連企業の在庫調整といった逆風がありつつも、当社グループは成長市場に向けた技術力を活かした提案活動を継続してまいりました。加えて、半導体・電子部品及び受託ビジネスにおける顧客基盤の拡大の取組の中で新たな商流を獲得したことや、自動車関連顧客の堅調な生産活動および設備投資需要に支えられたことが、売上高の大幅な増加に寄与いたしました。
(デバイス事業)
デバイス事業におきましては、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ301億92百万円増加し、2,263億19百万円となりました。
当連結会計年度において、当社グループの主要顧客である自動車関連企業では一時的な生産調整の局面がありましたが、新たな商流の獲得や円安による増収効果、並びに採用品の新規立ち上げや車種展開による増加もあり、売上高は大きく増加いたしました。
今後も、顧客及び仕入先との緊密な情報共有を通じてサプライチェーンの安定維持に努めるとともに、半導体・電子部品の供給体制強化及び受託ビジネスの拡大を図ってまいります。さらに、車載・電装領域における知見を活かした高品質な技術サポートを通じて、顧客課題に寄り添ったサービス提案及び提供領域の拡大を推進し、持続的な事業成長を目指してまいります。
(ソリューション事業)
ソリューション事業におきましては、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ33億99百万円増加し、324億23百万円となりました。
当連結会計年度において、中国市況停滞の影響による産業機器市場の受注調整により、組込領域の売上は伸び悩みましたが、自動車の電動化を背景とした設備投資需要や、製造現場の自動化・効率化を目的としたIT投資需要を的確に捉えたことにより、FA領域およびIT領域の売上が堅調に推移いたしました。
引き続き、データ収集・価値化を軸としたデータプラットフォーム事業を第4の柱として育成し、IT、組込、FAの強みを融合させた新たなビジネスモデルの確立を目指します。これにより、新市場の開拓および高付加価値事業の拡大を推進し、さらなる成長を図ってまいります。
b.売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ322億28百万円増加し2,373億75百万円となりました。これは、デバイス事業及びソリューション事業において売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
また、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ19億62百万円増加し142億55百万円となりました。
業容拡大による人員体制の強化により人件費が増加したほか、IT・DXの推進に関連するシステム費用の増加など、成長に向けた戦略的な支出を積極的に実施いたしました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ5億99百万円減少し71億12百万円となりました。
c.営業外収益、営業外費用、経常利益
営業外収益は、受取補償金が41百万円増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1億8百万円増加し1億98百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度において機動的かつ安定的な資金調達枠確保のための支払手数料を計上したことや、当連結会計年度において為替の変動が当社グループの外貨建て取引に対し不利な状況であったため為替差損が5億69百万円増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5億21百万円増加し11億円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ10億11百万円減少し62億10百万円となりました。
d.特別利益
特別利益は、当連結会計年度において固定資産売却益が1億25百万円発生したものの、前連結会計年度において輸送事故による補償金の受取が1億64百万円発生したこと等により、前連結会計年度に比べ21百万円減少し1億49百万円となりました。
e.特別損失
特別損失は、投資有価証券評価損を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ2億79百万円増加し4億36百万円となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ13億12百万円減少し59億22百万円となりました。
税効果会計適用後の法人税等負担額は、主に課税所得の減少の影響によって前連結会計年度に比べ5億98百万円減少し21億68百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ7億21百万円減少し36億99百万円となりました。
②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.資産
資産合計は、前連結会計年度末に比べて104億55百万円増加し1,301億61百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて67億51百万円増加し1,183億23百万円となりました。これは主に、売上
債権回転率の改善への取り組み等を行ったことにより売上債権(受取手形、売掛金、契約資産及び電子記録債権)が11億37百万円減少した一方で、自動車関連企業の需要拡大等により商品及び製品が69億15百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて37億3百万円増加し118億37百万円となりました。これは主に、のれんが25億78百万円発生したこと等によるものであります。
b.負債
負債合計は、前連結会計年度末に比べて78億38百万円増加し771億83百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて26億84百万円増加し477億95百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が45億79百万円、電子記録債務が11億83百万円減少した一方で短期借入金が38億1百万円、その他のうち返金負債が24億63百万円、1年内返済予定の長期借入金21億50百万円が増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて51億53百万円増加し293億87百万円となりました。これは主に、長期借入金が50億73百万円増加したこと等によるものであります。
c.純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて26億17百万円増加し529億78百万円となりました。
この結果、自己資本比率は39.0%(前連結会計年度末は40.3%)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フロー状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。投資活動に関する資金需要としては、業容拡大に伴う事業所設備や社内システム等の設備投資等であります。
必要な資金については、内部資金のほか、調達コストと財務体質とのバランスを勘案しながら、借入金、売掛債権の流動化による調達に加え、資本増強等を組み合わせて調達しております。
また、不測の事態に備え、機動的かつ安定的な資金調達枠の確保のため、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
株主還元につきましては、財務の健全性等を総合的に勘案しながら、業績に裏付けられた成果の配分を基本方針として実施しており、連結配当性向30%~40%を目途としております。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標である中期経営計画の目標値の達成状況は以下のとおりであります。
2024年3月期
(実績)
2025年3月期
(実績)
2026年3月期
(予想)
2027年3月期
(目標値)
売上高2,251億円2,587億円2,700億円3,000億円
営業利益77億円71億円75億円110億円
ROE9.9%7.5%-11.0%以上
配当性向40.3%49.8%46.1%30%~40%

2025年3月期から2027年3月期までの3か年を対象とする中期経営計画「Make New Value 2026」を策定しております。本計画における重要な経営指標として、2027年3月期において、売上高3,000億円、営業利益110億円、 ROE11.0%以上の達成を目標として掲げております。
また、2025年3月期~2027年3月期の配当政策につきましては、連結配当性向30%~40%を目途とし、連結純資産配当率も勘案したうえで、安定配当をベースに業績に応じた利益配当を行うこととしております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」にて記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.収益の認識基準
当社グループの売上高は、履行義務を充足した時点で収益を認識しております。また、保守等のサービス業務のうち履行義務が一定期間にわたり充足されるものについては、サービス提供期間にわたり定額でまたは進捗度に応じて収益を認識しております。
b.棚卸資産の評価基準
当社グループは、将来における需要や市場状況等に基づき、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には収益性の低下があるものとし売価評価減を、棚卸資産の保有日数に応じて一定金額まで帳簿価額を切り下げる滞留評価減や将来の販売可能性の見積りに基づく個別評価減を計上しております。
c.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
d.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候が見られる資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
e.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

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