四半期報告書-第17期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/14 12:55
【資料】
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【項目】
33項目
(1) 経営成績
当社グループでは、今年度新たに「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」(以下「19-21中計」という。)を策定し、グループ経営方針に掲げた「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2兆628億54百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益345億44百万円(同5.5%減)、経常利益415億44百万円(同6.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益279億95百万円(同18.9%減)となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品市場におきましては、抗悪性腫瘍薬の需要拡大等の影響により、市場は3.7%の成長となりました(クレコンリサーチ&コンサルティング株式会社推定)。
当社グループでは、厚生労働省より公表され2018年4月からスタートしました「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の遵守を重点課題として、「経済合理性に立った取引の推進」「単品単価契約の推進」「早期妥結の推進」に引き続き取り組んでおります。
あわせて、当社グループは医療用医薬品NO.1卸※として勝ち続けるために「19-21中計」の重点施策として掲げた「MS機能のさらなる進化」「スペシャリティ商品への注力」「グループ物流の高度化、効率化と標準化」に取り組んでおります。
「スペシャリティ商品への注力」としては、連結子会社のアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アルフレッサ」という。)が2019年10月にスペシャリティ製品事業の推進体制を構築するため「スペシャリティ事業推進部」を新設し、グループ会社であるエス・エム・ディ株式会社(本社:東京都千代田区)と一体となって一元流通の積極的な展開を図っております。
「グループ物流の高度化」への取り組みとしては、アルフレッサが2019年7月に静岡物流センター(仮称)(所在地:静岡県藤枝市)の建築に着工いたしました。同センターは、2021年5月稼働予定で静岡県における物流の中核拠点として、厳格な温度管理等が可能な高機能物流センターとなる予定です。
また、アルフレッサは2019年9月にヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区)と「調剤薬局向け在宅医療支援サービス」を共同開発いたしました。
さらに、アルフレッサは2019年9月に乳房用超音波画像診断装置の開発を目指すベンチャー企業である株式会社Lily MedTech(本社:東京都文京区)へ出資いたしました。同社が手掛ける本装置は現在の乳がん検診の課題を解決する医療機器として期待されています。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1兆8,184億72百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益306億65百万円(同7.3%減)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高118億26百万円(同2.5%減)を含んでおります。
※ 出典:「2019最新オール・データ&ランキング」 卸グループ別医療用医薬品事業シェア(株式会社ドラッグマガジン)
② セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指し、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安定的かつ持続的な事業基盤の確立」「消費者視点に立った商品提案」「専売メーカー・専売商品の取り組み強化」「将来に向けた投資」「各事業セグメントとの連携強化」に取り組んでおります。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、インバウンド需要の減少ならびに人手不足による人件費・物流費の高騰および改正消費税法施行に伴うシステム改修などによるコスト増により、売上高2,048億57百万円(前年同期比0.7%増)、営業利益18億76百万円(同10.3%減)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高5億64百万円(同56.2%減)を含んでおります。
③ 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「グループニーズに沿った製品の拡充」「製造受託・医薬品原薬事業の拡大」「海外事業の拡充」に取り組んでおります。
「グループニーズに沿った製品の拡充」の取り組みとしては、連結子会社のアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区)が2019年6月5日付で、潰瘍性大腸炎の病態把握の補助に使用されるカルプロテクチンキット「ネスコート® Cp オート」の体外診断用医薬品としての製造販売承認を取得いたしました。
また、アルフレッサ ファーマ株式会社は2019年6月27日付で放射線治療用吸収性組織スペーサ「ネスキープ®」を新発売いたしました。悪性腫瘍の治療のために行われる放射線治療の中でも粒子線を用いた治療が近年注目されていますが、本製品を使用することでより多くの治療機会を提供できるものと考えております。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、第一三共株式会社(本社:東京都中央区)および同社の子会社である第一三共エスファ株式会社(本社:東京都中央区)から承継した長期収載品の売上増大等により、売上高336億67百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益14億86百万円(同47.8%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高85億71百万円(同30.9%増)を含んでおります。
④ 医療関連事業
医療関連事業におきましては、収益改善を目指した効率化と環境変化に対応した機能強化を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「機能に応じた店舗の再編」「収益改善を目指した効率化・高度化」「多機能化による地域社会への貢献」「各事業セグメントとの連携強化」に取り組んでおります。
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、調剤報酬加算の獲得増加等の影響により、売上高268億20百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益2億64百万円(同87.5%増)となりました。
(2) 財政状態
① 資産の部
資産は、前連結会計年度末と比較して802億6百万円増加し、1兆4,221億71百万円となりました。
流動資産は、598億65百万円増加し、1兆966億50百万円となりました。これは主として、増収に伴い「受取手形及び売掛金」が520億34百万円増加ならびに「商品及び製品」が287億16百万円増加した一方で、「現金及び預金」が264億95百万円減少したことによるものです。
固定資産は、203億40百万円増加し、3,255億20百万円となりました。これは主として、物流センター等への設備投資に伴い有形固定資産が75億16百万円増加ならびに株価の上昇に伴い「投資有価証券」が155億80百万円増加した一方で、「のれん」等の無形固定資産が17億17百万円減少したことによるものです。
② 負債の部
負債は、前連結会計年度末と比較して519億67百万円増加し、9,518億50百万円となりました。
流動負債は、527億83百万円増加し、9,126億94百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が613億33百万円増加した一方で、「未払法人税等」が37億66百万円減少ならびに「賞与引当金」が42億46百万円減少したことによるものです。
固定負債は、8億16百万円減少し、391億55百万円となりました。これは主として、「長期借入金」が2億52百万円減少ならびに「退職給付に係る負債」が5億91百万円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
純資産は、前連結会計年度末と比較して282億38百万円増加し、4,703億20百万円となりました。
これは主として、「利益剰余金」が173億39百万円増加ならびに株価の上昇に伴い「その他有価証券評価差額金」が111億74百万円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は10億46百万円(前年同期比16.8%増)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。