四半期報告書-第18期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/12 12:21
【資料】
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【項目】
33項目
(1) 経営成績
当社グループでは、2019年5月に策定した「19-21中期経営計画 さらなる成長への挑戦 ~健康とともに、地域とともに~」(以下「19-21中計」という。)に掲げたグループ経営方針「グループ連携体制の構築」「事業モデルの変革」「地域の人々の健康への貢献」「さらなる生産性の向上」「人づくり」に引き続き取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の流行が続くなか、当社グループでは、生命関連商品を取り扱う社会インフラとしての使命を果たすべく、感染拡大防止の対策を行うとともに、お取引先様および当社グループ従業員の安全を確保しながら医薬品等の安定供給に努めてまいりました。
当社は、2020年6月、医療関連事業(調剤薬局事業)における基盤強化およびガバナンス強化を目的として、連結子会社のアポロメディカルホールディングス株式会社(本社:東京都豊島区、以下「アポロメディカル」という。)の株式を追加取得し、完全子会社化いたしました。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高1兆2,951億26百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益78億58百万円(同65.7%減)、経常利益135億59百万円(同50.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益110億97百万円(同38.8%減)となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等卸売事業におきましては、2019年10月と2020年4月の二度の薬価改定および新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関における患者様の外来受診抑制や手術件数の減少等の影響により市場は縮小しており、厳しい事業環境で推移いたしました。また、お得意先様を取り巻く経済状況の悪化に伴い納入価格交渉が厳しくなっていることや、価格競争が激しくなっていることも当社グループの業績に影響を及ぼしております。このようななか、当社グループでは、緊急事態宣言下においてはお得意先様への営業活動を原則自粛し、緊急事態宣言解除後においても感染予防に十分配慮しながら医薬品の安定供給を最優先に事業活動を行ってまいりました。
当社グループは、医療用医薬品NO.1卸※として勝ち続けるために「19-21中計」の重点施策として掲げた「MS機能のさらなる進化」「スペシャリティ商品への注力」「グループ物流の高度化、効率化と標準化」に引き続き取り組んでおります。
「グループ物流の高度化、効率化と標準化」への取り組みとして、2020年7月、連結子会社のアルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アルフレッサ」という。)は、ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区)の連結子会社であるヤマトロジスティクス株式会社(本社:東京都中央区)と、医療用医薬品、一般用医薬品、医療機器、医療材料および診断薬等の「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向けた業務提携契約を締結いたしました。これにより、ヘルスケア商品の配送業務効率化および配送能力増強を目指してまいります。
また、2020年9月、連結子会社の東北アルフレッサ株式会社(本社:福島県郡山市、以下「東北アルフレッサ」という。)は、南東北エリアにおける最新鋭の物流拠点として「郡山物流センター」を稼働いたしました。同センターはGDPガイドラインに準拠し、約2万7千品目の豊富な在庫を有するほか、免震構造の採用や72時間稼働の非常用発電機の設置、建物屋上のヘリポートの設置等により、大規模災害時でも安定的な医薬品供給が可能なだけではなく、営業エリアを超えた緊急対応も可能となっております。東北アルフレッサでは同センターを東北地方における物流の中核拠点として活用することで、今後も地域医療に貢献してまいります。
さらに、当第2四半期連結累計期間において、アルフレッサが事業領域の拡大を視野に入れたベンチャー企業への投資として、再生医療等製品の開発および開発製造受託を行うファーマバイオ株式会社(本社:愛知県名古屋市)、日本発の遺伝子治療技術の研究開発および治療薬の開発、製造などを行う株式会社遺伝子治療研究所(本社:神奈川県川崎市)ならびにオンライン診療システムを医療機関へ提供する株式会社インテグリティ・ヘルスケア(本社:東京都中央区)へ出資いたしました。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の業績は、前述の二度の薬価改定、新型コロナウイルス感染拡大の影響および価格競争の激化等により、売上高1兆1,356億54百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益59億73百万円(同70.3%減)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高74億94百万円(同4.0%減)を含んでおります。
※ 出典:「2020最新オール・データ&ランキング」 卸グループ別医療用医薬品事業シェア(株式会社ドラッグマガジン)
② セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業におきましては、「トータルヘルスケア・マーチャンダイジング・ホールセラー」を推進し、新たな付加価値による差別化と創造性を持つオンリーワン卸を目指し、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安定的かつ持続的な事業基盤の確立」「消費者視点に立った商品提案」「専売メーカー・専売商品の取り組み強化」「将来に向けた投資」「各事業セグメントとの連携強化」に引き続き取り組んでおります。
連結子会社のアルフレッサ ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区)は、2020年9月、同社の完全子会社である株式会社茂木薬品商会(本社:東京都中央区)を吸収合併することを決議いたしました。今後は両社の経営資源を有効かつ効率的に活用して、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の業績は、新型コロナウイルス感染拡大によるインバウンド需要の大幅な減少の一方で、感染予防関連商品の売上増加および物流を起点とした全社改革の推進によるコスト管理や利益管理の徹底等により、売上高1,341億22百万円(前年同期比3.2%減)、営業利益17億13百万円(同25.5%増)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高3億14百万円(同20.5%減)を含んでおります。
③ 医薬品等製造事業
医薬品等製造事業におきましては、グループシナジーの強化とさらなる規模拡大を推進するため、「19-21中計」の重点施策として掲げた「安心・安全・誠実なモノづくりの推進」「グループニーズに沿った製品の拡充」「製造受託・医薬品原薬事業の拡大」「海外事業の拡充」に引き続き取り組んでおります。
「グループニーズに沿った製品の拡充」の取り組みとしては、連結子会社のアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区)において潰瘍性大腸炎の病態把握の補助として製造販売承認を取得し、2019年10月に販売を開始したカルプロテクチンキット「ネスコート® Cp オート」が、2020年5月1日付で保険適用されました。本製品により、従来よりも大腸内視鏡検査の回数を減らし、患者様の身体的な負担だけでなく経済的な負担軽減が期待され、本保険適用を機に、医療機関での潰瘍性大腸炎の診断および治療に貢献できるよう、本製品のさらなる普及に努めてまいります。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の業績は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関等の外来受診抑制や手術件数の減少による自社製品の売上減少および医療機関等への営業活動の自粛等の影響により、売上高204億76百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益73百万円(同92.1%減)となりました。
なお、売上高には、セグメント間の内部売上高39億23百万円(同25.1%減)を含んでおります。
④ 医療関連事業
医療関連事業におきましては、「19-21中計」の重点施策として掲げた「機能に応じた店舗の再編」「収益改善を目指した効率化・高度化」「多機能化による地域社会への貢献」「各事業セグメントとの連携強化」を引き続き推進する一方、前連結会計年度に発覚した調剤報酬請求に係る不適切行為の再発防止策を徹底するため、新たな管理ソフトウェアの導入および適正な人員配置等の対策を講じました。
連結子会社のアポロメディカルおよび株式会社日本アポック(本社:埼玉県川越市)ならびに当社の完全子会社で調剤薬局事業を運営する株式会社中日ファーマシー(本社:愛知県名古屋市)は、2020年10月、アポロメディカルを存続会社とする吸収合併に基本合意いたしました。この3社が経営統合することで、経営資源の最適配分を行い、これまで以上にコンプライアンスへの取り組みを強化するとともに顧客視点に立った新たな価値の創造を行える調剤薬局を目指してまいります。
当セグメントの当第2四半期連結累計期間の業績は、薬価改定および新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関の外来受診抑制等の影響により、売上高166億4百万円(前年同期比6.6%減)、営業損失2億94百万円(前年同期は営業利益1億90百万円)となりました。
(2) 財政状態
① 資産の部
資産は、前連結会計年度末と比較して152億75百万円減少し、1兆3,363億43百万円となりました。
流動資産は、337億11百万円減少し、1兆7億円となりました。これは主として、「商品及び製品」が24億16百万円増加した一方で、「現金及び預金」が351億44百万円減少したことによるものです。
固定資産は、184億36百万円増加し、3,356億43百万円となりました。これは主として、物流センター等の設備投資などに伴い有形固定資産が61億16百万円増加および保有株式の時価上昇等に伴い「投資有価証券」が131億80百万円増加したことによるものです。
② 負債の部
負債は、前連結会計年度末と比較して280億67百万円減少し、8,486億53百万円となりました。
流動負債は、294億82百万円減少し、8,074億96百万円となりました。これは主として、「支払手形及び買掛金」が214億13百万円、「未払法人税等」が37億64百万円、「賞与引当金」が15億58百万円および未払金等の「その他」が26億35百万円減少したことによるものです。
固定負債は、14億15百万円増加し、411億57百万円となりました。これは主として、繰延税金負債等の「その他」が19億78百万円増加した一方で、「退職給付に係る負債」が4億42百万円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
純資産は、前連結会計年度末と比較して127億91百万円増加し、4,876億90百万円となりました。
これは主として、「利益剰余金」が58億5百万円増加および保有株式の時価上昇等に伴い「その他有価証券評価差額金」が83億61百万円増加した一方で、アポロメディカルを完全子会社化したことにより「非支配株主持分」が9億70百万円減少および「資本剰余金」が2億98百万円減少したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、352億94百万円減少(前年同期は496億26百万円の減少)し、1,739億70百万円となりました。当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、前第2四半期連結累計期間と比較して以下のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、減少した資金は175億14百万円(前年同期は316億94百万円の減少)となりました。これは主として、「税金等調整前四半期純利益」161億68百万円および「減価償却費」55億24百万円の計上があった一方で、法人税等の支払および運転資本の影響等により、前年同期に比べてキャッシュ・アウト・フローは141億80百万円減少しております。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、減少した資金は102億29百万円(前年同期は116億83百万円の減少)となりました。これは主として、物流センター建設等の物流設備投資および製造事業強化のための製造設備投資を中心とした有形固定資産の取得支出102億99百万円ならびに事業領域の拡大を視野に入れたベンチャー企業への出資等による投資有価証券の取得支出16億67百万円があった一方で、保有株式の縮減を目的とした投資有価証券の売却収入30億99百万円があったことによるものであり、前年同期と比べてキャッシュ・アウト・フローは14億54百万円減少しております。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、減少した資金は77億29百万円(前年同期は62億41百万円の減少)となりました。これは主として、利益還元の充実を図るため、前期に比べ2億11百万円増配となる52億91百万円の剰余金の配当を実施したことおよびアポロメディカルを完全子会社化したことによる子会社株式の取得支出12億65百万円によるものであり、前年同期に比べてキャッシュ・アウト・フローは14億88百万円増加しております。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響については「第4 経理の状況 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は6億59百万円(前年同期比6.8%減)であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。