四半期報告書-第61期第2四半期(令和3年12月1日-令和4年2月28日)

【提出】
2022/04/14 15:02
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【項目】
42項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間(2021年9月1日~2022年2月28日)の連結業績は、売上収益が1兆2,189億円(前年同期比1.3%増)、営業利益が1,892億円(同12.7%増)と、増収、大幅な増益となりました。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州のユニクロ事業が好調で、業績が拡大したためです。国内、グレーターチャイナのユニクロ事業、ジーユー事業は減収減益となりました。売上総利益率は前年同期比で1.7ポイント改善し、51.6%となりました。売上高販管費率は同1.0ポイント上昇し、36.0%となりました。また、期初に比べ円安となったことで、金融収益・費用は、外貨建て資産などの換算による為替差益など、ネットで232億円のプラスを計上しました。この結果、税引前四半期利益は2,125億円(同24.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,468億円(同38.7%増)となりました。グローバルで収益の柱が多様化したことで、第2四半期連結累計期間では過去最高の業績となりました。
当社グループは、グローバルNo.1ブランドになることをめざし、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを一体で強化しています。地球への負荷が低減され、健康で安全な労働環境の中で、LifeWear(究極の普段着)を生産・販売することに取り組んでいることに加え、さまざまな社会的課題の解決に努めています。また、事業の成長の柱として、Eコマース事業、海外ユニクロ事業、ジーユー事業の拡大に注力しています。Eコマース事業は、店舗と一体で本業と捉え、お客様のほしい商品をいつでもどこでもお買い求めいただける仕組みづくりや、情報発信を加速しています。すでに店舗とEコマースが融合したサービスや、在庫の一元管理などの改革が進んでいます。
海外ユニクロ事業では、各国・各エリアで出店を加速すると同時に、世界主要都市にグローバル旗艦店、大型店を出店することで、LifeWearのコンセプトの浸透を図っています。ジーユー事業は、「ファッションと低価格」のポジションを強化し、国内市場を中心に事業の拡大をめざします。
[国内ユニクロ事業]
国内ユニクロ事業の当第2四半期連結累計期間の売上収益は4,425億円(前年同期比10.2%減)、営業利益は809億円(同17.3%減)と、大幅な減収減益となりました。既存店売上高は9.0%減となりました。これは、前年同期はラウンジウェアなど在宅需要にマッチした商品やエアリズムマスクの販売が好調だったことで、ハードルが高かったことに加え、冬物の売れ筋商品に欠品が発生し、機会ロスが生じたことによります。Eコマース売上高は724億円(同1.9%減)と、若干の減収となりましたが、2年前比では約4割増収と順調に拡大しています。売上総利益率は、値引き販売を抑制し値引率が改善したことなどにより、同0.9ポイント改善しました。売上高販管費率は、減収に伴い同2.6ポイント上昇しました。
[海外ユニクロ事業]
海外ユニクロ事業の当第2四半期連結累計期間の売上収益は5,932億円(前年同期比13.7%増)、営業利益は1,003億円(同49.7%増)と、大幅な増収増益となりました。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州が大幅な増収増益となったことによります。海外ユニクロ事業に占める、北米、欧州の営業利益の構成比は約20%と、グレーターチャイナの約55%に次ぐ収益の柱となりつつあります。
地域別では、中国大陸は減収、大幅な減益となりました。これは、新型コロナウイルス感染症に伴う厳しい規制が引き続き実施されていることで、アパレルへの購買意欲が低下した影響によります。香港、台湾、韓国は増収増益となりました。その他アジア・オセアニア地区は大幅な増収増益となりました。なかでも、マレーシアとインドネシアは、行動規制が緩和されたこと、デジタルや店舗でのマーケティングを強化し集客できたことで、好調な業績となりました。北米は、大幅な増収、黒字へ転換しました。ブランディングの強化のための情報発信とコア商品のマーケティングに注力したことで、売上が拡大しました。また、値引き販売の抑制や経費構造改革により、売上総利益率、売上高販管費率も大幅に改善しました。欧州は、新規のお客様へのマーケティングを強化し顧客層が広がったことに加え、売れ筋の冬物コア商品について十分な在庫を確保して商売ができたことで、大幅な増収増益を達成することができました。
グローバルで出店も強化しています。2021年9月にはパリに「ユニクロ リヴォリ店」、同年11月に北京に、北京初のグローバル旗艦店「ユニクロ 北京三里屯店」をオープンしました。2022年4月には、ロンドンに「ユニクロ リージェントストリート店」をオープンします。大都市の最高の立地から、世界に向けて、ブランドを発信していきます。
[ジーユー事業]
ジーユー事業の当第2四半期連結累計期間の売上収益は1,228億円(前年同期比7.4%減)、営業利益は93億円(同40.9%減)と、減収、大幅な減益となりました。減収となった要因は、シーズン初めに気温が高く推移し、秋物販売が苦戦したこと、冬物のニットやボトムスなどのコア商品の販売は好調だったものの、生産や物流の遅延の影響で売れ筋商品をタイムリーに投入することができず機会ロスが生じたことによります。売上総利益率は、原材料や輸送費の高騰の影響を受け、原価率が上昇したことで、同0.4ポイント低下しました。売上高販管費率は同3.6ポイント上昇しましたが、これは主に、Eコマースの拡大に向けて西日本に自動化倉庫を稼働したことで一時的に物流費が増加したこと、ブランディングのためにマーケティングを強化したことによります。
[グローバルブランド事業]
グローバルブランド事業の当第2四半期連結累計期間の売上収益589億円(前年同期比8.1%増)、営業利益は10億円の黒字(前年同期は81億円の赤字)と、増収、黒字に転換しました。セオリー事業は、大幅な増収増益となりました。これは主に米国事業の業績が回復し、黒字に転換したことによります。プラステ事業は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受けたこと、集客につながる商品やニュース発信ができなかったことで、減収、赤字幅は拡大しました。コントワー・デ・コトニエ事業は、増収、赤字幅は大幅に縮小しました。フランスにおいて、新型コロナウイルス感染症による影響が大きかった前年同期に比べて客数が回復したことに加え、不採算店舗の閉店を中心とした事業構造改革を進めたことで経費効率が改善したことによります。
[サステナビリティ(持続可能性)]
「服のチカラを、社会のチカラに。」というステートメントのもと、服のビジネスを通じたサステナビリティ活動を推進しています。6つの重点領域(マテリアリティ)は、「商品と販売を通じた新たな価値創造」「サプライチェーンの人権・労働環境の尊重」「環境への配慮」「コミュニティとの共存・共栄」「従業員の幸せ」「正しい経営」から構成されています。今期の主な活動内容は以下のとおりです。
■「サプライチェーンの人権・労働環境の尊重」:
2021年12月、サプライチェーンで働く人々のより豊かで安定した暮らしの実現に向けて、最低賃金の保障だけではなく、生活賃金(衣住食などの基本的なニーズを満たし、相応の社会生活が営める賃金水準)の実現に向けた目標や取り組みを公表しました。詳しくは弊社ウェブサイトをご覧ください。(https://www.fastretailing.com/jp/about/frway/pdf/LivingWageCommitment_jp.pdf)
■「環境への配慮」:
環境情報開示のプラットフォームを提供する国際的な非営利団体CDPにより、「CDP 2021 サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に2年連続で選定されました。「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」は、企業が気候変動課題に対してどのように効果的にサプライヤーと協働しているかを評価する「サプライヤー・エンゲージメント評価」における最高評価で、全世界で2021年に調査対象となった企業の上位8%が選定されています。ファーストリテイリングは、気候変動対応を事業戦略に組み込み、サプライチェーンで温室効果ガス排出量の削減を進めており、こうした取り組みが評価されたものです。(https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/news/2202161500.html)
■「コミュニティとの共存・共栄」:
"届けよう、服のチカラ"プロジェクトが、経済産業省「第11回キャリア教育アワード大企業の部」の最優秀賞である経済産業大臣賞、および文部科学省「第9回 青少年の体験活動推進企業表彰」審査委員会優秀賞 を合わせて受賞しました。"届けよう、服のチカラ"プロジェクトは、ファーストリテイリングが、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と取り組む、小・中・高校生対象の参加型学習プログラムで、今年10周年を迎えます。2021年度には625校、約73,000人の児童・生徒が参加しました。(https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/news/2202281500.html)
また、UNHCRからの要請を受け、ウクライナおよび周辺地域で緊急人道支援に当たるUNHCRに対し、1,000万米ドル(約11億5千万円)の寄付を決定しました。この寄付金は、避難所の設置や救援物資の配布、子どもたちの心のケアなど、人々の命と安全を守るための緊急性の高い支援に充てられます。併せて、ユニクロのヒートテック毛布、ヒートテックインナー、エアリズムマスクなどの衣料品計10万点ならびに、国内のユニクロ店舗で回収したリサイクル衣料のうち防寒着など10万点を、UNHCRのニーズに応じてポーランドなどに避難してきた難民に提供します。(https://www.fastretailing.com/jp/ir/news/2203101800.html)
■「正しい経営(ガバナンス)」:迅速で透明性のある経営を実現するために、各委員会ではオープンで活発な議論を行っています。指名報酬アドバイザリー委員会では、委員会の透明性、独立性をさらに高めるために、委員の構成を変更しました。委員長は取締役会で選任された社外取締役が務め、全ての独立社外取締役及び一部の独立社外監査役が委員として参加します。また、当社の企業理念、精神は成長の源泉であり、これを受け継ぐことが重要と考え、代表取締役も委員として参加しています。また、人権委員会では、生産パートナーの労働環境モニタリングや工場ホットラインの結果を踏まえ、今後の人権尊重の取り組みのアクションプランについての議論を重ねています。
②財政状態
資産は、前連結会計年度末に比べ1,316億円増加し、2兆6,415億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加1,197億円、その他の短期金融資産の増加391億円、棚卸資産の減少445億円、デリバティブ金融資産の増加199億円、有形固定資産の増加78億円、使用権資産の減少133億円、繰延税金資産の減少54億円等によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ279億円減少し、1兆3,197億円となりました。これは主として、買掛金及びその他の短期債務の減少120億円、その他の短期金融負債の増加489億円、デリバティブ金融負債の減少23億円、未払法人所得税の増加91億円、その他の流動負債の減少79億円、長期金融負債の減少498億円、リース負債の減少145億円、引当金の増加19億円等によるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ1,595億円増加し、1兆3,218億円となりました。これは主として、利益剰余金の増加1,223億円、その他の資本の構成要素の増加327億円等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,197億円増加し、1兆2,974億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で獲得した資金は2,646億円(前年同期は3,521億円の資金の獲得)となりました。これは主として、税引前四半期利益2,125億円、減価償却費及びその他の償却費882億円、棚卸資産の減少額501億円等の資金増加要因、法人税等の支払額554億円、為替差益235億円等の資金減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は、742億円(前年同期は410億円の資金の使用)となりました。これは主として、定期預金の純増額354億円、有形固定資産の取得による支出269億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は、1,080億円(前年同期は2,013億円の資金の使用)となりました。これは主として、リース負債の返済による支出669億円、配当金の支払額244億円等によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)主要な設備
当第2四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
① 国内子会社
会社名設備内容事業所名所在地完成年月
株式会社ユニクロ国内ユニクロ倉庫神戸DC倉庫日本
兵庫
2021年9月
株式会社ユニクロ国内ユニクロ倉庫茨木DC倉庫日本
大阪
2021年11月

② 在外子会社
会社名設備内容事業所名所在地完成年月
UNIQLO EUROPE LIMITED海外ユニクロ店舗UNIQLO Rivoliフランス
パリ
2021年9月
UNIQLO TAIWAN LTD.海外ユニクロ店舗UNIQLO Taipei台湾
台北
2021年10月
迅銷(中国)商貿有限公司海外ユニクロ店舗UNIQLO 北京三里屯中国
北京
2021年11月
LLC UNIQLO (RUS)海外ユニクロ店舗UNIQLO Moscowロシア
モスクワ
2021年12月

また、当第2四半期連結会計期間末における重要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。
① 国内子会社
会社名設備内容事業所名所在地完成年月
株式会社ユニクロ国内ユニクロ倉庫流山DC倉庫日本
千葉
2022年4月

② 在外子会社
会社名設備内容事業所名所在地完成年月
UNIQLO EUROPE LIMITED海外ユニクロ店舗UNIQLO Regent Street英国
ロンドン
2022年4月