四半期報告書-第61期第3四半期(令和4年3月1日-令和4年5月31日)
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間(2021年9月1日~2022年5月31日)の連結業績は、売上収益が1兆7,651億円(前年同期比3.9%増)、営業利益が2,710億円(同19.0%増)と、増収、大幅な増益となりました。金融収益・費用は、ネットで781億円のプラスとなりました。これは、5月末の為替レートが1ドル128.2円と、期初の1ドル109.9円に対し約18円の円安となったことで、外貨建金融資産の換算による為替差益などを778億円計上したためです。この結果、税引前四半期利益は3,492億円(同42.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2,378億円(同57.1%増)となりました。円安が進んだことで、円ベースの業績は押し上げられましたが、為替の影響を除いても、9カ月累計で過去最高の利益を達成しました。
当社グループは、グローバルNo.1ブランドになることをめざし、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを強化しています。地球への負荷が低減され、健康で安全な労働環境の中で、LifeWear(究極の普段着)を生産・販売することに取り組んでいることに加え、さまざまな社会的課題の解決に努めています。また、事業の成長の柱として、Eコマース事業、海外ユニクロ事業、ジーユー事業の拡大に注力しています。Eコマース事業は、店舗と一体で本業と捉え、お客様のほしい商品をいつでもどこでもお買い求めいただける仕組みづくりや、情報発信を加速しています。すでに店舗とEコマースが融合したサービスや、在庫の一元管理などの改革が進んでいます。
海外ユニクロ事業では、各国・各エリアで出店を加速すると同時に、世界主要都市にグローバル旗艦店、大型店を出店することで、LifeWearのコンセプトの浸透を図っています。ジーユー事業は、「ファッションと低価格」のポジションを強化し、国内市場を中心に事業の拡大をめざします。
[国内ユニクロ事業]
国内ユニクロ事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は6,409億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は1,190億円(同0.4%減)と、減収減益となりました。上期は、前年同期の業績のハードルが高かったことに加え、売れ筋商品に欠品が発生し機会ロスが生じたことから、大幅な減収減益となりましたが、当第3四半期連結会計期間3カ月間は、売上収益は前年同期比8.7%増、営業利益は同76.2%増と、好調な業績となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大が収束し、外出ニーズが高まったことで、感動ジャケット・感動パンツやブラウスの販売が好調だったことに加え、ゴールデンウィーク商戦、ユニクロ感謝祭での販売が好調で、3カ月間の既存店売上高は同7.8%の増収となりました。売上総利益率は、値引き販売を抑制し値引率が改善したことなどにより、同3.9ポイント改善しました。また、売上高販管費率は、人件費や物流費を中心にオペレーションの効率化を進めたことで、同1.4ポイント改善しました。
[海外ユニクロ事業]
海外ユニクロ事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は8,412億円(前年同期比13.7%増)、営業利益は1,327億円(同35.8%増)と、大幅な増収増益となりました。円安が進んだことで、売上、営業利益とも押し上げられていますが、現地通貨ベースでも過去最高の業績と好調でした。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益となったことによります。グレーターチャイナは、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制による影響を受け、大幅な減収減益となりました。
当第3四半期連結会計期間3カ月間も引き続き、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)の業績が好調でした。地域別の業績(現地通貨ベース)については、グレーターチャイナは大幅な減収減益となりました。3月から5月にかけて、上海を中心に最大で169店舗が臨時休業するなど、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制により、売上が落ち込みました。ただし、6月は規制が緩和されたことで売上は増収と、業績は回復傾向にあります。その他アジア・オセアニア地区は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の緩和により、外出ニーズが回復したことで、大幅な増収増益となりました。特に、マレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポールが好調でした。北米は、大幅な増収、黒字へ転換しました。Tシャツやタンクトップ、ショートパンツなどのコア商品が北米のお客様に高く支持されていることで、好調な業績が継続しています。欧州(ロシアを除く)は、LifeWearのコンセプトが浸透し、顧客層が広がったことに加え、観光客需要が盛り上がったことも追い風となり、大幅な増収、黒字へ転換しました。
[ジーユー事業]
ジーユー事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は1,905億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は178億円(同26.7%減)と、減収、大幅な減益となりました。減収となった要因は、生産や物流の遅延の影響を受け、キャンペーン商品をタイムリーに投入することができず、販売機会ロスが生じたことによります。
当第3四半期連結会計期間3カ月間も若干の減収、前年並みの営業利益となりました。トレンド商品として人気が高いカラースラックスやスウェットTシャツなどの販売が好調でしたが、商品の遅延の影響を受け、売上を十分に拡大できませんでした。売上総利益率は、前年同期比1.5ポイント改善しました。これは、値引き販売を抑制したことに加え、生産や物流の遅延により、キャンペーン商品がタイムリーに投入できず、計画通りに販促できなかった影響によります。また、売上高販管費率は、店舗スタッフを戦略的に増やしサービスの向上を図っているため、同0.8ポイント上昇しました。
[グローバルブランド事業]
グローバルブランド事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は900億円(前年同期比11.8%増)、営業利益は7億円の黒字(前年同期は89億円の赤字)と、大幅な増収、黒字に転換しました。当第3四半期連結会計期間3カ月間では、セオリー事業は、増収減益となりました。これは主に、上海のロックダウンにより、中国大陸を中心としたアジア事業が減収減益となったことによります。プラステ事業は、ブラウスやパンツ、ワンピースなどの販売が好調でしたが、生産や物流の遅延の影響を受け、欠品が生じたことで、売上を十分に拡大することができず、売上はほぼ前年並み、営業利益は若干の増益となりました。コントワー・デ・コトニエ事業は、増収、赤字幅は大幅に縮小しました。不採算店舗の閉店を中心とした事業構造改革を進めたことで販管費比率が大幅に改善したことによります。
[サステナビリティ(持続可能性)]
ファーストリテイリングは、あらゆる人の生活を豊かにする「究極の普段着」というLifeWearの考え方を進化させ、品質やデザイン、価格だけでなく、環境・人・社会の観点を含むあらゆる「よい服」の定義に応える服づくりを進めています。ファーストリテイリンググループ全体で、LifeWearのコンセプトにもとづき、サステナビリティと事業の成長を両立する新たなビジネスモデルへの転換を推進しています。6つの重点領域(マテリアリティ)は、「商品と販売を通じた新たな価値創造」「サプライチェーンの人権・労働環境の尊重」「環境への配慮」「コミュニティとの共存・共栄」「従業員の幸せ」「正しい経営」から構成されています。当第3四半期連結会計期間における主な活動内容は以下の通りです。
■「サプライチェーンの人権・労働環境」
継続的にサプライチェーンの透明性を高める取り組みを進めています。2022年3月には、生産パートナー工場のリスト(継続予定工場を含む)を更新し、ホームページで開示しました。また、当社と継続的に取引を行っている素材工場や、加工工程(洗いやプリントなど)を委託している工場のリストも公開しました。
■「環境への配慮」
地域の水環境の課題解決をめざし、水の汚染防止と低減、使用量の削減などにも努めています。2021年に水リスク評価を実施した結果を踏まえ、2022年6月、水供給リスクが高い地域や水使用量の多い工場を中心に、水消費量の上位80%を占める縫製・素材工場に対し、取引先ごとに目標を設定し、2025年年末までに、各工場の単位当たり水使用量の10%削減(2020年比)をめざす目標を発表しました。
■「コミュニティとの共存・共栄」
ファーストリテイリングは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの要請を受け、ウクライナおよび周辺地域で緊急人道支援のために、1,000万米ドル(約11億5千万円)の寄付を行いました。これに加え、ユニクロのヒートテック毛布やヒートテックインナーなどの衣料品約10万点ならびに、国内のユニクロ店舗で回収したリサイクル衣料のうち防寒着など約10万点の寄贈をしています。また、EUのユニクロにおいても、現地NGOを通じ、ユニクロの商品や店舗で回収した防寒着を含むリサイクル衣料の支援や、店頭・オンラインでの募金活動を始めています。さらに、ドイツやオランダのユニクロでは、ウクライナ難民の雇用プログラムも開始しました。
■「従業員の幸せ」
全管理職における女性比率50%の達成に向け、女性活躍推進の取り組みを進めています。女性従業員がより能力を発揮できる環境を実現することを目的として、2022年3月、ファーストリテイリング国内本部従業員を対象に女性の健康を知るためのセッションを2回開催しました。男性・女性従業員約250名以上が参加し、女性特有の健康問題や不妊治療について理解を深めました。
②財政状態
資産は、前連結会計年度末に比べ3,495億円増加し、2兆8,595億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加1,911億円、売掛金及びその他の短期債権の増加347億円、その他の短期金融資産の増加389億円、棚卸資産の減少431億円、デリバティブ金融資産の増加1,178億円、有形固定資産の増加216億円、繰延税金資産の減少250億円等によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ215億円増加し、1兆3,692億円となりました。これは主として、買掛金及びその他の短期債務の増加52億円、その他の短期金融負債の増加107億円、未払法人所得税の増加248億円、長期金融負債の減少499億円、リース負債の増加155億円、引当金の増加63億円、繰延税金負債の増加113億円等によるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ3,280億円増加し、1兆4,903億円となりました。これは主として、利益剰余金の増加1,847億円、その他の資本の構成要素の増加1,366億円等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、1,911億円増加し、1兆3,689億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は3,386億円(前年同期は3,672億円の資金の獲得)となりました。これは主として、税引前四半期利益3,492億円、減価償却費及びその他の償却費1,345億円、棚卸資産の減少額678億円等の資金増加要因、為替差益778億円、法人税等の支払額814億円等の資金減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、907億円(前年同期は657億円の資金の使用)となりました。これは主として、定期預金の純増額283億円、有形固定資産の取得による支出428億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,748億円(前年同期は2,627億円の資金の使用)となりました。これは主として、配当金の支払額530億円、リース負債の返済による支出987億円等によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
① 国内子会社
② 在外子会社
また、当第3四半期連結会計期間末における重要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。
① 国内子会社
該当事項はありません。
② 在外子会社
該当事項はありません。
①経営成績
当第3四半期連結累計期間(2021年9月1日~2022年5月31日)の連結業績は、売上収益が1兆7,651億円(前年同期比3.9%増)、営業利益が2,710億円(同19.0%増)と、増収、大幅な増益となりました。金融収益・費用は、ネットで781億円のプラスとなりました。これは、5月末の為替レートが1ドル128.2円と、期初の1ドル109.9円に対し約18円の円安となったことで、外貨建金融資産の換算による為替差益などを778億円計上したためです。この結果、税引前四半期利益は3,492億円(同42.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2,378億円(同57.1%増)となりました。円安が進んだことで、円ベースの業績は押し上げられましたが、為替の影響を除いても、9カ月累計で過去最高の利益を達成しました。
当社グループは、グローバルNo.1ブランドになることをめざし、事業の拡大とサステナビリティの取り組みを強化しています。地球への負荷が低減され、健康で安全な労働環境の中で、LifeWear(究極の普段着)を生産・販売することに取り組んでいることに加え、さまざまな社会的課題の解決に努めています。また、事業の成長の柱として、Eコマース事業、海外ユニクロ事業、ジーユー事業の拡大に注力しています。Eコマース事業は、店舗と一体で本業と捉え、お客様のほしい商品をいつでもどこでもお買い求めいただける仕組みづくりや、情報発信を加速しています。すでに店舗とEコマースが融合したサービスや、在庫の一元管理などの改革が進んでいます。
海外ユニクロ事業では、各国・各エリアで出店を加速すると同時に、世界主要都市にグローバル旗艦店、大型店を出店することで、LifeWearのコンセプトの浸透を図っています。ジーユー事業は、「ファッションと低価格」のポジションを強化し、国内市場を中心に事業の拡大をめざします。
[国内ユニクロ事業]
国内ユニクロ事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は6,409億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は1,190億円(同0.4%減)と、減収減益となりました。上期は、前年同期の業績のハードルが高かったことに加え、売れ筋商品に欠品が発生し機会ロスが生じたことから、大幅な減収減益となりましたが、当第3四半期連結会計期間3カ月間は、売上収益は前年同期比8.7%増、営業利益は同76.2%増と、好調な業績となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大が収束し、外出ニーズが高まったことで、感動ジャケット・感動パンツやブラウスの販売が好調だったことに加え、ゴールデンウィーク商戦、ユニクロ感謝祭での販売が好調で、3カ月間の既存店売上高は同7.8%の増収となりました。売上総利益率は、値引き販売を抑制し値引率が改善したことなどにより、同3.9ポイント改善しました。また、売上高販管費率は、人件費や物流費を中心にオペレーションの効率化を進めたことで、同1.4ポイント改善しました。
[海外ユニクロ事業]
海外ユニクロ事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は8,412億円(前年同期比13.7%増)、営業利益は1,327億円(同35.8%増)と、大幅な増収増益となりました。円安が進んだことで、売上、営業利益とも押し上げられていますが、現地通貨ベースでも過去最高の業績と好調でした。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益となったことによります。グレーターチャイナは、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制による影響を受け、大幅な減収減益となりました。
当第3四半期連結会計期間3カ月間も引き続き、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)の業績が好調でした。地域別の業績(現地通貨ベース)については、グレーターチャイナは大幅な減収減益となりました。3月から5月にかけて、上海を中心に最大で169店舗が臨時休業するなど、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制により、売上が落ち込みました。ただし、6月は規制が緩和されたことで売上は増収と、業績は回復傾向にあります。その他アジア・オセアニア地区は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の緩和により、外出ニーズが回復したことで、大幅な増収増益となりました。特に、マレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポールが好調でした。北米は、大幅な増収、黒字へ転換しました。Tシャツやタンクトップ、ショートパンツなどのコア商品が北米のお客様に高く支持されていることで、好調な業績が継続しています。欧州(ロシアを除く)は、LifeWearのコンセプトが浸透し、顧客層が広がったことに加え、観光客需要が盛り上がったことも追い風となり、大幅な増収、黒字へ転換しました。
[ジーユー事業]
ジーユー事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は1,905億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は178億円(同26.7%減)と、減収、大幅な減益となりました。減収となった要因は、生産や物流の遅延の影響を受け、キャンペーン商品をタイムリーに投入することができず、販売機会ロスが生じたことによります。
当第3四半期連結会計期間3カ月間も若干の減収、前年並みの営業利益となりました。トレンド商品として人気が高いカラースラックスやスウェットTシャツなどの販売が好調でしたが、商品の遅延の影響を受け、売上を十分に拡大できませんでした。売上総利益率は、前年同期比1.5ポイント改善しました。これは、値引き販売を抑制したことに加え、生産や物流の遅延により、キャンペーン商品がタイムリーに投入できず、計画通りに販促できなかった影響によります。また、売上高販管費率は、店舗スタッフを戦略的に増やしサービスの向上を図っているため、同0.8ポイント上昇しました。
[グローバルブランド事業]
グローバルブランド事業の当第3四半期連結累計期間の売上収益は900億円(前年同期比11.8%増)、営業利益は7億円の黒字(前年同期は89億円の赤字)と、大幅な増収、黒字に転換しました。当第3四半期連結会計期間3カ月間では、セオリー事業は、増収減益となりました。これは主に、上海のロックダウンにより、中国大陸を中心としたアジア事業が減収減益となったことによります。プラステ事業は、ブラウスやパンツ、ワンピースなどの販売が好調でしたが、生産や物流の遅延の影響を受け、欠品が生じたことで、売上を十分に拡大することができず、売上はほぼ前年並み、営業利益は若干の増益となりました。コントワー・デ・コトニエ事業は、増収、赤字幅は大幅に縮小しました。不採算店舗の閉店を中心とした事業構造改革を進めたことで販管費比率が大幅に改善したことによります。
[サステナビリティ(持続可能性)]
ファーストリテイリングは、あらゆる人の生活を豊かにする「究極の普段着」というLifeWearの考え方を進化させ、品質やデザイン、価格だけでなく、環境・人・社会の観点を含むあらゆる「よい服」の定義に応える服づくりを進めています。ファーストリテイリンググループ全体で、LifeWearのコンセプトにもとづき、サステナビリティと事業の成長を両立する新たなビジネスモデルへの転換を推進しています。6つの重点領域(マテリアリティ)は、「商品と販売を通じた新たな価値創造」「サプライチェーンの人権・労働環境の尊重」「環境への配慮」「コミュニティとの共存・共栄」「従業員の幸せ」「正しい経営」から構成されています。当第3四半期連結会計期間における主な活動内容は以下の通りです。
■「サプライチェーンの人権・労働環境」
継続的にサプライチェーンの透明性を高める取り組みを進めています。2022年3月には、生産パートナー工場のリスト(継続予定工場を含む)を更新し、ホームページで開示しました。また、当社と継続的に取引を行っている素材工場や、加工工程(洗いやプリントなど)を委託している工場のリストも公開しました。
■「環境への配慮」
地域の水環境の課題解決をめざし、水の汚染防止と低減、使用量の削減などにも努めています。2021年に水リスク評価を実施した結果を踏まえ、2022年6月、水供給リスクが高い地域や水使用量の多い工場を中心に、水消費量の上位80%を占める縫製・素材工場に対し、取引先ごとに目標を設定し、2025年年末までに、各工場の単位当たり水使用量の10%削減(2020年比)をめざす目標を発表しました。
■「コミュニティとの共存・共栄」
ファーストリテイリングは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの要請を受け、ウクライナおよび周辺地域で緊急人道支援のために、1,000万米ドル(約11億5千万円)の寄付を行いました。これに加え、ユニクロのヒートテック毛布やヒートテックインナーなどの衣料品約10万点ならびに、国内のユニクロ店舗で回収したリサイクル衣料のうち防寒着など約10万点の寄贈をしています。また、EUのユニクロにおいても、現地NGOを通じ、ユニクロの商品や店舗で回収した防寒着を含むリサイクル衣料の支援や、店頭・オンラインでの募金活動を始めています。さらに、ドイツやオランダのユニクロでは、ウクライナ難民の雇用プログラムも開始しました。
■「従業員の幸せ」
全管理職における女性比率50%の達成に向け、女性活躍推進の取り組みを進めています。女性従業員がより能力を発揮できる環境を実現することを目的として、2022年3月、ファーストリテイリング国内本部従業員を対象に女性の健康を知るためのセッションを2回開催しました。男性・女性従業員約250名以上が参加し、女性特有の健康問題や不妊治療について理解を深めました。
②財政状態
資産は、前連結会計年度末に比べ3,495億円増加し、2兆8,595億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加1,911億円、売掛金及びその他の短期債権の増加347億円、その他の短期金融資産の増加389億円、棚卸資産の減少431億円、デリバティブ金融資産の増加1,178億円、有形固定資産の増加216億円、繰延税金資産の減少250億円等によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ215億円増加し、1兆3,692億円となりました。これは主として、買掛金及びその他の短期債務の増加52億円、その他の短期金融負債の増加107億円、未払法人所得税の増加248億円、長期金融負債の減少499億円、リース負債の増加155億円、引当金の増加63億円、繰延税金負債の増加113億円等によるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ3,280億円増加し、1兆4,903億円となりました。これは主として、利益剰余金の増加1,847億円、その他の資本の構成要素の増加1,366億円等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、1,911億円増加し、1兆3,689億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は3,386億円(前年同期は3,672億円の資金の獲得)となりました。これは主として、税引前四半期利益3,492億円、減価償却費及びその他の償却費1,345億円、棚卸資産の減少額678億円等の資金増加要因、為替差益778億円、法人税等の支払額814億円等の資金減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、907億円(前年同期は657億円の資金の使用)となりました。これは主として、定期預金の純増額283億円、有形固定資産の取得による支出428億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,748億円(前年同期は2,627億円の資金の使用)となりました。これは主として、配当金の支払額530億円、リース負債の返済による支出987億円等によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
① 国内子会社
会社名 | 設備内容 | 事業所名 | 所在地 | 完成年月 |
株式会社ユニクロ | 国内ユニクロ倉庫 | 神戸DC倉庫 | 日本 兵庫 | 2021年9月 |
株式会社ユニクロ | 国内ユニクロ倉庫 | 茨木DC倉庫 | 日本 大阪 | 2021年11月 |
株式会社ユニクロ | 国内ユニクロ倉庫 | 流山DC倉庫 | 日本 千葉 | 2022年4月 |
② 在外子会社
会社名 | 設備内容 | 事業所名 | 所在地 | 完成年月 |
UNIQLO EUROPE LIMITED | 海外ユニクロ店舗 | UNIQLO Rivoli | フランス パリ | 2021年9月 |
UNIQLO TAIWAN LTD. | 海外ユニクロ店舗 | UNIQLO Taipei | 台湾 台北 | 2021年10月 |
迅銷(中国)商貿有限公司 | 海外ユニクロ店舗 | UNIQLO 北京三里屯 | 中国 北京 | 2021年11月 |
LLC UNIQLO (RUS) | 海外ユニクロ店舗 | UNIQLO Moscow | ロシア モスクワ | 2021年12月 |
UNIQLO EUROPE LIMITED | 海外ユニクロ店舗 | UNIQLO Regent Street | 英国 ロンドン | 2022年4月 |
また、当第3四半期連結会計期間末における重要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。
① 国内子会社
該当事項はありません。
② 在外子会社
該当事項はありません。