有価証券報告書-第37期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、2020年度中におきましては新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言解除による経済活動の再開により、全体として景気の持ち直しが見られたものの、本年1月に緊急事態宣言が再発出され、今なお、変異ウイルスにより世界的な感染拡大は続いており、当面の間、回復には時間がかる状況となっております。
このような状況の下、当社グループでは、2020年5月7日付「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等の影響による売上高減少の可能性の発生に関するお知らせ」に記載のとおり、2020年4月、5月の2か月間、主力事業の版画の展示販売会の開催中止、ホットヨガ事業・フィットネス事業の店舗の休業を余儀なくされ、大きく売上高(版画等販売事業は契約高)の減少となりました。その後、緊急事態宣言(休業要請)が解除された後は、感染防止対策を徹底した上で、各事業とも営業を再開しております。
基幹の「アート関連事業」におきましては、従前と比較しましても、より多くのお客様に催事会場にお越しいただいており、徐々に回復してきております。その結果、当期の版画等販売事業は契約高は、前期を10%程度上回ることができました。当社といたしましては、感染防止対策を徹底した上で、「絵のある豊かな生活(くらし)」によって、一人でも多くのお客様に夢や希望を感じていただけるよう積極的な営業展開を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本全体に閉塞感漂う中、アートに込められた力により「癒し、希望、元気」といったメッセージを一人でも多くの方に広めてまいります。
「健康産業事業」におきましては、ホットヨガ事業・フィットネス事業とも、2020年4月、5月において休会会員が多く発生し、その後の会員数は弱めの推移となっております。今後も引き続き、感染防止対策を徹底した上で、休会会員の復会・退会防止・新規会員の獲得を行い、地域の皆様の「心と身体の健康」に寄与してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23,026百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,098百万円減少いたしました。これは主に、売掛金が599百万円、商品及び製品が274百万円増加したものの、現金及び預金が2,001百万円減少したことによるものであります。売掛金の増加の要因は、クレジット事業の顧客の取扱高増加によるものであります。固定資産は4,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ797百万円増加しました。これは主に、リース資産が161百万円、建物及び構築物が87百万円減少したものの、投資有価証券が1,198百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は27,789百万円となり、前連結会計年度末に比べ301百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は12,375百万円となり、前連結会計年度末に比べ124百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が704百万円減少したものの、絵画等販売事業の契約高が増加したことにより前受金が495百万円、未払法人税等が236百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,053百万円となり、前連結会計年度末に比べ840百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が625百万円、リース債務が155百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は14,428百万円となり、前連結会計年度末に比べ716百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は13,361百万円となり、前連結会計年度末に比べ415百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が586百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は48.1%(前連結会計年度末は46.1%)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等の影響により、売上高は7,886百万円(前期比10.1%減)、営業利益は1,569百万円(前期比21.3%減)、経常利益は1,603百万円(前期比10.8%減)となりました。また、ホットヨガ事業の店舗閉鎖等による減損損失の計上、新型コロナウイルス感染症に関連する損失の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は586百万円(同49.4%減)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
[アート関連事業]
スタンダードアート部門におきましては、より多くの新たなお客様に絵を飾っていただくために、週末を中心に全国各地のショッピングセンターやイベントホールにおいて展示販売会を開催してまいりました。
デビッド・ウィラードソンをはじめとするディズニーアーティストの展示会「ドリーム・アート・ワールド」を積極的に開催することにより、より多くの新規顧客の獲得に繋げることができました。また、既存のお客様には、引き続き、クリスチャン・リース・ラッセンを中心としたアーティスト来場展や原画展、大型優待催事「ジャパン・アート・エキスポ」を開催し、アートをコレクションする喜びを感じていただくための演出を様々な角度から行い、販売を行いました。
イラスト系アート部門におきましては、店舗販売に加え、新アーティスト企画や大型催事「ジャパンイラストレーターズフェスティバル」、「神絵祭」を定期的に開催することで、新規顧客の獲得に繋げてまいりました。 友の会(スタンダードアート部門)、メンバーシップ(イラスト系アート部門)の会員イベントにおいては、アーティストを招いたファン交流の場を多数用意し、会員顧客の満足度向上に努めてまいりました。
デジタルアート部門におきましては、「待受アートパラダイス」等の主要3サイトを中心としたスマートフォン展開や、スマートフォンアプリの配信、コンテンツの他社サイトへの貸出し等、当社が提携する多彩なアーティストのコンテンツの強みを生かした展開を進めてまいりました。
出版部門におきましては、引き続き多数のイラスト系アーティストとの提携を実現しました。イラスト系グッズ販売におきましては、グッズ専門店やグッズ通販サイトの運営を強化し、人気イラストレーターのタペストリー販売を中心に展開している「軸中心派」による大型イベント「軸中心祭」や期間限定催事においても売場スペースを設け、積極的に売上の拡大に努めてまいりました。
当社グループの主力事業である絵画等販売事業におきましては、2020年4月、5月において、主力の版画等の展示販売会の開催中止を余儀なくされ、大きく売上減少(前年同2か月に対して450百万円程度の契約高の減少。前期比約78%減)(注)の影響を受けましたが、緊急事態宣言(休業要請)が解除された後は、感染防止対策を徹底したうえで、営業を再開してまいりました。以降、従前と比較しましても、より多くのお客様に催事会場にお越しいただいており、当期の版画等販売事業は契約高は、前期を10%程度上回ることができました。
しかしながら、緊急事態宣言の解除後、徐々に営業が回復したものの、発送基準であるアート関連事業の売上高は5,158百万円(前期比4.6%減)となり、営業利益は656百万円(前期比32.7%減)となりました。
(注)版画等の販売の売上計上基準は発送を基準としております。版画等の展示販売会においてご契約いただき、その後数カ月から1年にかけて、発送をすることにより売上高を計上しております。そのため、契約高は前年より増加したものの、発送基準である売上高は減少となりました。
[金融サービス事業]
子会社『株式会社ダブルラック』におきましては、当社をはじめその他一般加盟店の顧客を中心に販売代金等の割賦販売あっせん業務(以下、クレジット事業といいます)を行ってまいりました。
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等により、当社及び一般加盟店の営業に影響がでたことにより、クレジット事業の新規の立替高は前期に対して708百万円程度の減少(前期比約10%減)となっております。(注)
(注)割賦あっせん収益(売上高)は、クレジットの分割回数(最長60か月)にわたって計上されます。よって、新規立替高の減少の影響は、同期間の売上高の減少に影響いたします。
その結果、金融サービス事業の売上高は1,349百万円(前期比2.1%増)となり、営業利益は902百万円(前期比3.6%増)となりました。
[健康産業事業]
子会社『TSCホリスティック株式会社』におきまして、千葉県柏市にフィットネスクラブ「カルナ フィットネス&スパ 柏」を運営し、引き続き、ホスピタリティ精神を大切にした質の高いサービスの提供及び新規会員獲得数アップと既存会員の退会防止、客単価の上昇に主眼をおいた営業活動を推し進めてまいりました。
また、溶岩石を用いた女性専用のホットヨガスタジオ「アミーダ」「サントーシャ」を東京、千葉、神奈川を中心に全国に36店舗(2021年3月末現在)、及びヨガスクール「アミーダヨガアカデミー」を運営し、「心と体の美」をテーマにヨガを提供してまいりました。
ホットヨガ事業・フィットネス事業におきましては、2020年4月、5月においては、店舗の休業を余儀なくされ、大きく売上減少の影響を受けました。緊急事態宣言(休業要請)が解除された後は、感染防止対策を徹底したうえで、営業を再開してまいりましたが、その後の会員数は弱めの推移となっており、前期末の会員数に対し約31%減少しております。
その結果、健康産業事業の売上高は1,391百万円(前期比32.4%減)となり、営業損失は50百万円(前期は81百万円の営業利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,001百万円減少し、3,519百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,256百万円(前連結会計年度は602百万円の使用)となりました。
これは主に売上債権の増加599百万円、たな卸資産の増加288百万円等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益1,090百万円の計上、減損損失の計上497百万円、前受金の増加495百万円等の増加要因があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,116百万円(前連結会計年度は231百万円の使用)となりました。
これは主に投資有価証券の売却による収入2,213百万円等の増加要因があったものの、投資有価証券の取得による支出3,160百万円、有形固定資産の取得による支出186百万円等の減少要因があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,153百万円(前連結会計年度は448百万円の獲得)となりました。
これは主に長期借入金の返済による支出1,316百万円、短期借入金の純減額704百万円等の減少要因があったことによります。
③仕入、契約及び販売の状況
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.アート関連事業における商品仕入実績は、次のとおりであります。
(注) その他には、上記以外の技法の版画等が含まれております。
b.契約状況
当連結会計年度の契約状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金融サービス事業の契約高は、割賦あっせん契約に係る会員手数料であります。
2.アート関連事業における契約状況は次のとおりであります。
(注) その他には、上記以外の技法の版画等が含まれております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.アート関連事業における販売実績は、次のとおりであります。
イ 販売形態別販売実績
(注) 自社企画催事には、友の会会費収入が含まれており、その他にはデジタルアート部門及び出版部門、美術品の売上が含まれております。
ロ 品目別販売実績
(注) その他には、上記以外の技法の版画等が含まれております。
ハ 地域別販売実績
(注) デジタルアート部門及び出版部門の売上、友の会会費収入、美術品の売上は地域別の売上把握が困難なため、その他に含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品等の購入、販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、当社をはじめその他一般加盟店の顧客を中心に販売代金等の割賦販売あっせん業務に係る資金です。
また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。
なお、運転資金及び投資資金の調達については、自己資金又は銀行借入、リースで賄う方針であります。
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行4行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、2020年度中におきましては新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言解除による経済活動の再開により、全体として景気の持ち直しが見られたものの、本年1月に緊急事態宣言が再発出され、今なお、変異ウイルスにより世界的な感染拡大は続いており、当面の間、回復には時間がかる状況となっております。
このような状況の下、当社グループでは、2020年5月7日付「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等の影響による売上高減少の可能性の発生に関するお知らせ」に記載のとおり、2020年4月、5月の2か月間、主力事業の版画の展示販売会の開催中止、ホットヨガ事業・フィットネス事業の店舗の休業を余儀なくされ、大きく売上高(版画等販売事業は契約高)の減少となりました。その後、緊急事態宣言(休業要請)が解除された後は、感染防止対策を徹底した上で、各事業とも営業を再開しております。
基幹の「アート関連事業」におきましては、従前と比較しましても、より多くのお客様に催事会場にお越しいただいており、徐々に回復してきております。その結果、当期の版画等販売事業は契約高は、前期を10%程度上回ることができました。当社といたしましては、感染防止対策を徹底した上で、「絵のある豊かな生活(くらし)」によって、一人でも多くのお客様に夢や希望を感じていただけるよう積極的な営業展開を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本全体に閉塞感漂う中、アートに込められた力により「癒し、希望、元気」といったメッセージを一人でも多くの方に広めてまいります。
「健康産業事業」におきましては、ホットヨガ事業・フィットネス事業とも、2020年4月、5月において休会会員が多く発生し、その後の会員数は弱めの推移となっております。今後も引き続き、感染防止対策を徹底した上で、休会会員の復会・退会防止・新規会員の獲得を行い、地域の皆様の「心と身体の健康」に寄与してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23,026百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,098百万円減少いたしました。これは主に、売掛金が599百万円、商品及び製品が274百万円増加したものの、現金及び預金が2,001百万円減少したことによるものであります。売掛金の増加の要因は、クレジット事業の顧客の取扱高増加によるものであります。固定資産は4,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ797百万円増加しました。これは主に、リース資産が161百万円、建物及び構築物が87百万円減少したものの、投資有価証券が1,198百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は27,789百万円となり、前連結会計年度末に比べ301百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は12,375百万円となり、前連結会計年度末に比べ124百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が704百万円減少したものの、絵画等販売事業の契約高が増加したことにより前受金が495百万円、未払法人税等が236百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,053百万円となり、前連結会計年度末に比べ840百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が625百万円、リース債務が155百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は14,428百万円となり、前連結会計年度末に比べ716百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は13,361百万円となり、前連結会計年度末に比べ415百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益が586百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は48.1%(前連結会計年度末は46.1%)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等の影響により、売上高は7,886百万円(前期比10.1%減)、営業利益は1,569百万円(前期比21.3%減)、経常利益は1,603百万円(前期比10.8%減)となりました。また、ホットヨガ事業の店舗閉鎖等による減損損失の計上、新型コロナウイルス感染症に関連する損失の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は586百万円(同49.4%減)となりました。
セグメント業績は次のとおりであります。
[アート関連事業]
スタンダードアート部門におきましては、より多くの新たなお客様に絵を飾っていただくために、週末を中心に全国各地のショッピングセンターやイベントホールにおいて展示販売会を開催してまいりました。
デビッド・ウィラードソンをはじめとするディズニーアーティストの展示会「ドリーム・アート・ワールド」を積極的に開催することにより、より多くの新規顧客の獲得に繋げることができました。また、既存のお客様には、引き続き、クリスチャン・リース・ラッセンを中心としたアーティスト来場展や原画展、大型優待催事「ジャパン・アート・エキスポ」を開催し、アートをコレクションする喜びを感じていただくための演出を様々な角度から行い、販売を行いました。
イラスト系アート部門におきましては、店舗販売に加え、新アーティスト企画や大型催事「ジャパンイラストレーターズフェスティバル」、「神絵祭」を定期的に開催することで、新規顧客の獲得に繋げてまいりました。 友の会
デジタルアート部門におきましては、「待受アートパラダイス」等の主要3サイトを中心としたスマートフォン展開や、スマートフォンアプリの配信、コンテンツの他社サイトへの貸出し等、当社が提携する多彩なアーティストのコンテンツの強みを生かした展開を進めてまいりました。
出版部門におきましては、引き続き多数のイラスト系アーティストとの提携を実現しました。イラスト系グッズ販売におきましては、グッズ専門店やグッズ通販サイトの運営を強化し、人気イラストレーターのタペストリー販売を中心に展開している「軸中心派」による大型イベント「軸中心祭」や期間限定催事においても売場スペースを設け、積極的に売上の拡大に努めてまいりました。
当社グループの主力事業である絵画等販売事業におきましては、2020年4月、5月において、主力の版画等の展示販売会の開催中止を余儀なくされ、大きく売上減少(前年同2か月に対して450百万円程度の契約高の減少。前期比約78%減)(注)の影響を受けましたが、緊急事態宣言(休業要請)が解除された後は、感染防止対策を徹底したうえで、営業を再開してまいりました。以降、従前と比較しましても、より多くのお客様に催事会場にお越しいただいており、当期の版画等販売事業は契約高は、前期を10%程度上回ることができました。
しかしながら、緊急事態宣言の解除後、徐々に営業が回復したものの、発送基準であるアート関連事業の売上高は5,158百万円(前期比4.6%減)となり、営業利益は656百万円(前期比32.7%減)となりました。
(注)版画等の販売の売上計上基準は発送を基準としております。版画等の展示販売会においてご契約いただき、その後数カ月から1年にかけて、発送をすることにより売上高を計上しております。そのため、契約高は前年より増加したものの、発送基準である売上高は減少となりました。
[金融サービス事業]
子会社『株式会社ダブルラック』におきましては、当社をはじめその他一般加盟店の顧客を中心に販売代金等の割賦販売あっせん業務(以下、クレジット事業といいます)を行ってまいりました。
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等により、当社及び一般加盟店の営業に影響がでたことにより、クレジット事業の新規の立替高は前期に対して708百万円程度の減少(前期比約10%減)となっております。(注)
(注)割賦あっせん収益(売上高)は、クレジットの分割回数(最長60か月)にわたって計上されます。よって、新規立替高の減少の影響は、同期間の売上高の減少に影響いたします。
その結果、金融サービス事業の売上高は1,349百万円(前期比2.1%増)となり、営業利益は902百万円(前期比3.6%増)となりました。
[健康産業事業]
子会社『TSCホリスティック株式会社』におきまして、千葉県柏市にフィットネスクラブ「カルナ フィットネス&スパ 柏」を運営し、引き続き、ホスピタリティ精神を大切にした質の高いサービスの提供及び新規会員獲得数アップと既存会員の退会防止、客単価の上昇に主眼をおいた営業活動を推し進めてまいりました。
また、溶岩石を用いた女性専用のホットヨガスタジオ「アミーダ」「サントーシャ」を東京、千葉、神奈川を中心に全国に36店舗(2021年3月末現在)、及びヨガスクール「アミーダヨガアカデミー」を運営し、「心と体の美」をテーマにヨガを提供してまいりました。
ホットヨガ事業・フィットネス事業におきましては、2020年4月、5月においては、店舗の休業を余儀なくされ、大きく売上減少の影響を受けました。緊急事態宣言(休業要請)が解除された後は、感染防止対策を徹底したうえで、営業を再開してまいりましたが、その後の会員数は弱めの推移となっており、前期末の会員数に対し約31%減少しております。
その結果、健康産業事業の売上高は1,391百万円(前期比32.4%減)となり、営業損失は50百万円(前期は81百万円の営業利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,001百万円減少し、3,519百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,256百万円(前連結会計年度は602百万円の使用)となりました。
これは主に売上債権の増加599百万円、たな卸資産の増加288百万円等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益1,090百万円の計上、減損損失の計上497百万円、前受金の増加495百万円等の増加要因があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,116百万円(前連結会計年度は231百万円の使用)となりました。
これは主に投資有価証券の売却による収入2,213百万円等の増加要因があったものの、投資有価証券の取得による支出3,160百万円、有形固定資産の取得による支出186百万円等の減少要因があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,153百万円(前連結会計年度は448百万円の獲得)となりました。
これは主に長期借入金の返済による支出1,316百万円、短期借入金の純減額704百万円等の減少要因があったことによります。
③仕入、契約及び販売の状況
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
アート関連事業(千円) | 1,758,483 | 103.0 |
健康産業事業(千円) | 28,545 | 47.3 |
合計(千円) | 1,787,029 | 101.1 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.アート関連事業における商品仕入実績は、次のとおりであります。
区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
シルクスクリーン(千円) | 14,140 | 137.2 |
ミックスドメディア(千円) | 288,989 | 94.7 |
リトグラフ(千円) | 1,194 | 106.2 |
油彩画等(千円) | 35,158 | 59.5 |
ジクレ(アイリス)(千円) | 100,435 | 154.3 |
美術品(千円) | 692,617 | 116.7 |
デジタルアート(千円) | 7,366 | 109.3 |
出版(千円) | 266,121 | 102.7 |
友の会等(千円) | 64,649 | 102.5 |
その他(千円) | 287,810 | 83.8 |
合計(千円) | 1,758,483 | 103.0 |
(注) その他には、上記以外の技法の版画等が含まれております。
b.契約状況
当連結会計年度の契約状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
契約高(千円) | 前年同期比(%) | 契約残高(千円) | 前年同期比(%) | |
アート関連事業 | 5,714,202 | 106.5 | 2,396,658 | 130.1 |
金融サービス事業 | 1,367,554 | 89.5 | 3,274,280 | 105.2 |
健康産業事業 | 1,391,820 | 67.6 | - | - |
消去又は全社 | △14,466 | 88.3 | - | - |
合計 | 8,459,112 | 94.7 | 5,670,938 | 114.5 |
(注)1.金融サービス事業の契約高は、割賦あっせん契約に係る会員手数料であります。
2.アート関連事業における契約状況は次のとおりであります。
区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
契約高(千円) | 前年同期比(%) | 契約残高(千円) | 前年同期比(%) | |
シルクスクリーン | 103,427 | 134.9 | 29,232 | 163.0 |
ミックスドメディア | 2,454,154 | 99.2 | 729,949 | 129.4 |
リトグラフ | 19,422 | 114.8 | 5,480 | 91.4 |
油彩画等 | 266,780 | 82.6 | 300,351 | 109.4 |
ジクレ(アイリス) | 566,319 | 140.7 | 203,118 | 136.5 |
美術品 | 59,244 | 96.2 | - | - |
デジタルアート | 20,706 | 85.4 | - | - |
出版 | 321,201 | 76.3 | - | - |
友の会等 | 395,027 | 110.1 | - | - |
その他 | 1,507,916 | 125.2 | 1,128,526 | 135.9 |
合計 | 5,714,202 | 106.6 | 2,396,658 | 130.1 |
(注) その他には、上記以外の技法の版画等が含まれております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
アート関連事業(千円) | 5,158,894 | 95.4 |
金融サービス事業(千円) | 1,349,777 | 102.1 |
健康産業事業(千円) | 1,391,820 | 67.6 |
消去又は全社(千円) | △14,466 | 88.3 |
合計(千円) | 7,886,026 | 89.9 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.アート関連事業における販売実績は、次のとおりであります。
イ 販売形態別販売実績
区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
店舗(千円) | 770,435 | 78.8 |
自社企画催事(千円) | 3,655,909 | 105.1 |
異業種提携催事(千円) | 296,167 | 74.5 |
その他(千円) | 436,382 | 78.8 |
合計(千円) | 5,158,894 | 95.4 |
(注) 自社企画催事には、友の会会費収入が含まれており、その他にはデジタルアート部門及び出版部門、美術品の売上が含まれております。
ロ 品目別販売実績
区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
シルクスクリーン(千円) | 92,134 | 118.5 |
ミックスドメディア(千円) | 2,288,240 | 93.9 |
リトグラフ(千円) | 19,938 | 128.1 |
油彩画等(千円) | 240,907 | 89.3 |
ジクレ(アイリス)(千円) | 511,967 | 146.2 |
デジタルアート(千円) | 20,706 | 85.4 |
出版(千円) | 321,201 | 76.3 |
友の会等(千円) | 395,027 | 110.1 |
その他(千円) | 1,268,770 | 87.5 |
合計(千円) | 5,158,894 | 95.4 |
(注) その他には、上記以外の技法の版画等が含まれております。
ハ 地域別販売実績
区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
北海道・東北地区(千円) | 273,674 | 89.0 |
関東地区(千円) | 1,777,525 | 95.4 |
中部・北陸地区(千円) | 831,487 | 97.9 |
近畿地区(千円) | 948,631 | 97.8 |
中国・四国地区(千円) | 220,679 | 105.3 |
九州地区(千円) | 276,995 | 91.7 |
その他(千円) | 829,900 | 91.8 |
合計(千円) | 5,158,894 | 95.4 |
(注) デジタルアート部門及び出版部門の売上、友の会会費収入、美術品の売上は地域別の売上把握が困難なため、その他に含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品等の購入、販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、当社をはじめその他一般加盟店の顧客を中心に販売代金等の割賦販売あっせん業務に係る資金です。
また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。
なお、運転資金及び投資資金の調達については、自己資金又は銀行借入、リースで賄う方針であります。
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行4行と当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。