有価証券報告書-第45期(2023/05/01-2024/04/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する各種制限の解除及び政府による各種政策の効果並びに雇用・所得環境の改善により、経済活動の緩やかな回復が続いております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化による原材料価格及び資源価格の高止まり、為替相場の円安傾向の長期化及び世界的な金融引締め、並びに中国経済の先行き不透明感に伴う海外景気の下振れが我が国の景気の下押し圧力となっております。
外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類相当より5類感染症へ移行後初めての制限のない歓送迎会シーズンとなり、数十人規模の団体客が増加するなど外食需要の高まりや価格改定の効果により、業績は概ね好調に推移いたしました。また、入国制限の緩和以降、インバウンド消費が引き続き好調となっております。一方で、コロナ禍を契機としたライフスタイルの変化がもたらした深夜時間帯における飲食需要の減退、慢性的な人手不足、また、それらの要因による企業倒産の増加等、非常に厳しい状況が続く中、物価上昇に伴う賃金上昇の好循環を成し遂げるべく賃上げを打ち出す動きが活発化しつつあります。
当社グループにおきましては、コロナ禍において落ち込んだ業績回復を目指して、引き続き各事業部門の組織運営力の強化及びDX推進による管理業務の合理化による生産性向上に努めるとともに、セントラルキッチンの製造機器の更新や新規導入及び生産管理の精度向上による収益力の向上に尽力しております。また、物価上昇の影響を考慮し当社グループにおいても賃上げを実施いたしました。
環境問題への取り組み及び社会貢献の一環として、京都、久留米及び佐野の3ヶ所のセントラルキッチンにバイオコンポスターを導入し、セントラルキッチンから排出される食品残渣の廃棄量削減を継続しております。食品残渣より発酵分解された生成物を基にした堆肥を生産者に提供し栽培した農作物については、規格外品も含めた全量を当社が生産者より直接買い取るリサイクルシステムの運用を継続しております。今シーズンは、水稲、白菜、大根が店舗へ食材として供給されました。今後は、作付けする農作物の量や種類及び地域の拡大に向けた準備を進めております。
また、北海道においては豆腐用大豆「ゆきぴりか」の生産者との交流を図り全量買い取りを前提とした契約栽培を継続し原料の安定確保に努めております。
脱炭素社会に向けた取り組みとして、物流センターから冷蔵及び冷凍の食材を店舗に配送する際に使用する資材を保冷効果に優れたリサイクルコンテナと再利用可能な保冷材に切り替え、CO2及び経費の削減を継続しております。
リブランディングの取り組みといたしまして、営業・製造・企画などグループ内の様々な部門や職種の中から選抜した中堅社員からなるリブランディングプロジェクトを発足し、企業イメージ及び企業価値の向上に着手し、取り組みを継続しております。この取り組みの一環として、お子様のハレの日にご来店いただいたお客様に思い出を形として残していただくため、絵本作家わらべきみか氏のデザインによるオリジナルフォトフレームを作成し、記念写真と合わせてプレゼントするサービスを一部の飲食店舗において開始いたしました。
オリジナルフォトフレームの素材は、「有機廃棄される備蓄米」や「食べられなくなったお米(非食用米)」を配合して製造された紙を使用することで、フードロス削減の活動支援を行っております。
また、「うめのあぷり」から外食事業及びテイクアウト事業の各ブランドの情報発信を行い、お客様による当社グループの業態を超えた回遊性を高めるべくアプリの内容充実を進め、顧客接点強化に注力しております。
さらに、株主様及び取引先様との接点の強化にも取り組んでおります。
株主様との接点につきましては、商品・サービス・経営等に対するご意見をいただくことを目的とした外食事業及びテイクアウト事業における試食会、京都セントラルキッチンの見学会を継続してまいります。
取引先様との接点につきましては、相互発展を目指した協力及び親睦と交流を図ることを目的として、「梅の花グループ共栄会」を発足いたしました。
出退店につきましては、3店舗出店及び7店舗退店し、当連結会計年度の店舗数は、279店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は298億16百万円(前期比108.6%)となり、営業利益は8億19百万円(前期は営業利益89百万円)、経常利益は7億39百万円(前期は経常利益14百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億20百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4億40百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。
(外食事業)
外食事業におきましては、4年ぶりに新型コロナウイルス感染症による行動制限のない歓送迎会シーズンやインバウンド需要が引き続き好調なこともあり、売上高の回復傾向が継続しております。
「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、季節の食材を使用した懐石等のメニューや季節ごとのテイクアウト商品の販売強化を行い、引き続きお客様満足度の向上と売上確保に努めております。一部店舗においては、店内改装を実施しお客様の快適性及び従業員の作業環境の改善を行いました。また、「うめのあぷり」の会員様を対象とした試食会の継続実施に加えて店舗にてお食事をされたお客様を対象に、料理に関するアンケートを実施、お客様の声を商品開発に反映する等、顧客との接点を増やすことに取り組んでおります。また、メニュー価格の改定を行い、原価率の改善等に取り組み営業利益の確保に努めております。
「和食鍋処 すし半」につきましては、お酒が飲める逸品料理や幅広い世代をターゲットとしたメニューへリニューアルいたしました。また、LINEを活用したクーポン発行、近隣企業へのDM発送など集客に努めるとともにメニュー価格を改定したことにより客数・客単価ともに前期を上回っております。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、横浜日本大通り店を2023年10月に豊洲直送の新鮮魚介類を中心にお得に楽しめる居酒屋「魚がイチバン 横浜日本大通り店」としてリニューアルオープンし、好調に推移しております。また、さくら水産朝霞台北口店に続きさくら水産イオン新浦安店及び海鮮処魚さま光が丘店にて「まぐろの解体ショー」を行い、集客と認知度向上に引き続き努めております。
「熊本あか牛 しゃぶしゃぶ 甲梅」につきましては、インバウンドの効果が継続して好調なことにより前期の売上高を大きく上回っております。
各業態において取り組んでまいりましたメニューのリニューアル、顧客接点強化による認知度及び来店客数の増加、店舗管理体制の強化並びにコスト削減により、前期のセグメント利益より7億11百万円の改善となりました。
以上の結果、外食事業の売上高は169億99百万円(前期比111.6%)、セグメント利益9億31百万円(前期はセグメント利益2億19百万円)となりました。
店舗数につきましては、梅の花は1店舗退店し71店舗、すし半は9店舗、さくら水産は2店舗退店し20店舗、その他店舗は18店舗、外食事業の全店舗数は118店舗であります。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症移行後、外出機会の増加に伴い引き続き業績は回復傾向にあります。
梅の花・古市庵ブランドともに節分やひな祭りなどの各種イベント商品の販売が引き続き好調なことにより売上は堅調に推移いたしました。
前期に引き続き、梅の花・古市庵ブランドともに商品の価格改定を実施し原材料価格高騰に対応するとともに、店舗における効率的な商品製造や人員配置などの指導、並びに廃棄及び値引き等のロス抑制による原価率改善等、収益改善により前期のセグメント利益より78百万円の改善となりました。また、株主様に加えて一般のお客様を対象とした公開試食会を開催し、顧客との接点を増やすことに努めております。
以上の結果、テイクアウト事業の売上高は105億41百万円(前期比101.0%)、セグメント利益7億61百万円(前期はセグメント利益6億83百万円)となりました。
店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は2店舗出店及び4店舗退店し104店舗、梅の花テイクアウト店は1店舗出店し52店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は161店舗となりました。
(外販事業)
外販事業におきましては、「古市庵」の冷凍なみはや寿司、「湯葉と豆腐の店 梅の花」の人気商品、冷凍カキフライなど味の定評と独自性を活かし販路の拡大に努めております。
「通販本舗 梅あそび」につきましては、楽天市場等、他社の通販サイトへの出品の強化に加えて、WEB広告の継続による顧客へのアプローチに努めております。
以上の結果、外販事業の売上高は22億54百万円(前期比127.5%)、セグメント損失84百万円(前期はセグメント損失77百万円)となりました。
なお、株式会社丸平商店につきましては、2023年8月1日に当社へ吸収合併をいたしました。
(その他)
当社グループが所有する土地・建物等、有効活用を目的としたストック事業を進めており、大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件を建設し、賃貸事業を開始しております。
その他の売上高は21百万円(前期比137.9%)、セグメント損失1百万円(前期はセグメント損失1百万円)となりました。
当連結会計年度末における資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ1億94百万円減少し、251億10百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億33百万円及び流動資産その他が5億32百万円増加し、現金及び預金が8億98百万円及び投資有価証券が6億38百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ10億32百万円減少し、217億30百万円となりました。これは主に、借入金の総額が7億11百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ8億38百万円増加し、33億79百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益10億20百万円の計上、並びに普通株式及びA種優先株式の配当等により資本剰余金が1億62百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して、3億77百万円減少し、29億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は6億90百万円(前期は9億56百万円の収入)となりました。
前期に比べ2億65百万円収入が減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益が14億99百万円増加し、棚卸資産の増減額が5億23百万円、仕入債務の増減額が45百万円、助成金の受取額が5億85百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1億32百万円(前期は8億44百万円の支出)となりました。
前期に比べ7億11百万円支出が減少した主な要因は、投資有価証券の売却による収入が7億11百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は9億34百万円(前期は29億49百万円の支出)となりました。
前期に比べ20億14百万円支出が減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が20億20百万円、長期借入れによる収入が2億29百万円増加し、長期借入金の返済による支出が1億26百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.当連結会計年度において、外販事業の生産実績に著しい変動がありました。その内容等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、外販事業の販売実績に著しい変動がありました。その内容等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
④ 地域別販売実績
(注)福岡県には、ギフト商品等の通信販売を含んでおります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
四半期会計期間別セグメント別売上高及び売上高前年比(売上高は外部顧客売上高)
(単位:百万円、%)
(外食事業)
第1四半期及び第2四半期は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことにより、売上高は前年実績を大幅に上回りました。第3四半期及び第4四半期は、4年ぶりに新型コロナウイルス感染症による制限のない年末年始や歓送迎会及びインバウンド需要の回復により前年実績を上回る結果となりました。
(テイクアウト事業)
当期は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行後、外出機会の増加により百貨店等への来店客数の回復が見られたことにより売上高は前年実績を上回りました。
(外販事業)
当期は、新規取引先の拡大や既存取引先へのセントラルキッチンの既存製品の販売量増加や、冷凍惣菜等の新商品開発による取扱品目の増加並びに量販店向けに販売強化を行い、前年実績を上回りました。
(その他)
当期は、当社グループが所有する土地・建物等、有効活用を目的としたストック事業を開始いたしました。
b.営業利益
四半期会計期間別セグメント営業利益及び前年増減額
(単位:百万円)
(外食事業)
セグメント利益の確保のため、コスト削減に取り組むとともに賃上げや原材料及び資源価格の上昇に対応するため各業態で販売価格の改定を実施いたしました。
第4四半期は、2025年4月期に計画していた店舗改装の一部を前倒ししたことにより前期より18百万円減少いたしました。
(テイクアウト事業)
セグメント利益の確保のため、適正なシフト管理、店舗内製造の強化と製造量の調整によるロスの削減による売上原価率の改善、売上高に対する販売管理費比率の低減等に努めるとともに、価格改定を実施し人件費上昇や原材料価格高騰の対応を行いました。
また、百貨店への来客数が増加したことや季節イベント等の各種企画商品の販売が好調なことにより、売上高が前年を上回ったことで、セグメント利益は増益となりました。
(外販事業)
新しい試みとして冷凍おせちの製造を受託する等、既存商品の販売強化を行うとともに、冷凍寿司等の冷凍商品の販売強化を目的に、量販店等の新規取引先を開拓したことで売上高が前年実績を上回りましたが、仕入れ原材料の価格の上昇により、セグメント損失は84百万円となりました。
(その他)
当社の保有する土地や建物等の資産を有効活用するため、第4四半期より大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件及びトランクルームを建設し、ストック事業を開始いたしました。建設に係る一時費用を計上したことにより、セグメント損失となりました。
(全社費用)
各セグメントに帰属しない全社費用については、コスト削減や業務の効率化及び生産性の向上により前年より729百万円の改善となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益3億76百万円を特別利益に計上したことにより、10億20百万円となりました。
d.財政状態
(単位:百万円)
資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ1億94百万円減少し、251億10百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億33百万円及び流動資産その他が5億32百万円増加し、現金及び預金が8億98百万円及び投資有価証券が6億38百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ10億32百万円減少し、217億30百万円となりました。これは主に、借入金の総額が7億11百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ8億38百万円増加し、33億79百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益10億20百万円の計上、並びに普通株式及びA種優先株式の配当等により資本剰余金が1億62百万円減少したことによるものであります。
なお、経営成績及び財政状態の検討課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2.2020年4月期及び2021年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用を短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。
また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROE、自己資本比率、PBR、株価を重視しております。
また、当社グループは、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては、目標としていた5%を達成しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。
減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額又は使用価値により測定しております。使用価値は、当社グループに要求される資本コストを考慮した割引率による割引後の将来キャッシュ・フローの合計額としております。
減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や会社により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5.減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1億7百万円を計上いたしました。
b. 資産除去債務
当社グループは、主に店舗用の不動産賃借に係る契約に規定された原状回復義務に基づく原状回復費用の見込額を使用見込期間で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。使用見込期間は該当資産の耐用年数を基準に決定しており、割引率は、当該期間における国債利回りを使用しております。
原状回復費用の見込額は、過年度の原状回復費用の実績から異常値を除いた平均値又は退店の意思決定を行った店舗については、個別の見積額を使用しております。
過年度の原状回復費用の平均値について、将来の実績値と大きく乖離する場合は、資産除去債務の履行差額の計上又は資産除去債務の追加計上により翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社はグループ通算制度を適用しており、法人税に係る部分についてはグループ通算制度を適用するグループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する各種制限の解除及び政府による各種政策の効果並びに雇用・所得環境の改善により、経済活動の緩やかな回復が続いております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化による原材料価格及び資源価格の高止まり、為替相場の円安傾向の長期化及び世界的な金融引締め、並びに中国経済の先行き不透明感に伴う海外景気の下振れが我が国の景気の下押し圧力となっております。
外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類相当より5類感染症へ移行後初めての制限のない歓送迎会シーズンとなり、数十人規模の団体客が増加するなど外食需要の高まりや価格改定の効果により、業績は概ね好調に推移いたしました。また、入国制限の緩和以降、インバウンド消費が引き続き好調となっております。一方で、コロナ禍を契機としたライフスタイルの変化がもたらした深夜時間帯における飲食需要の減退、慢性的な人手不足、また、それらの要因による企業倒産の増加等、非常に厳しい状況が続く中、物価上昇に伴う賃金上昇の好循環を成し遂げるべく賃上げを打ち出す動きが活発化しつつあります。
当社グループにおきましては、コロナ禍において落ち込んだ業績回復を目指して、引き続き各事業部門の組織運営力の強化及びDX推進による管理業務の合理化による生産性向上に努めるとともに、セントラルキッチンの製造機器の更新や新規導入及び生産管理の精度向上による収益力の向上に尽力しております。また、物価上昇の影響を考慮し当社グループにおいても賃上げを実施いたしました。
環境問題への取り組み及び社会貢献の一環として、京都、久留米及び佐野の3ヶ所のセントラルキッチンにバイオコンポスターを導入し、セントラルキッチンから排出される食品残渣の廃棄量削減を継続しております。食品残渣より発酵分解された生成物を基にした堆肥を生産者に提供し栽培した農作物については、規格外品も含めた全量を当社が生産者より直接買い取るリサイクルシステムの運用を継続しております。今シーズンは、水稲、白菜、大根が店舗へ食材として供給されました。今後は、作付けする農作物の量や種類及び地域の拡大に向けた準備を進めております。
また、北海道においては豆腐用大豆「ゆきぴりか」の生産者との交流を図り全量買い取りを前提とした契約栽培を継続し原料の安定確保に努めております。
脱炭素社会に向けた取り組みとして、物流センターから冷蔵及び冷凍の食材を店舗に配送する際に使用する資材を保冷効果に優れたリサイクルコンテナと再利用可能な保冷材に切り替え、CO2及び経費の削減を継続しております。
リブランディングの取り組みといたしまして、営業・製造・企画などグループ内の様々な部門や職種の中から選抜した中堅社員からなるリブランディングプロジェクトを発足し、企業イメージ及び企業価値の向上に着手し、取り組みを継続しております。この取り組みの一環として、お子様のハレの日にご来店いただいたお客様に思い出を形として残していただくため、絵本作家わらべきみか氏のデザインによるオリジナルフォトフレームを作成し、記念写真と合わせてプレゼントするサービスを一部の飲食店舗において開始いたしました。
オリジナルフォトフレームの素材は、「有機廃棄される備蓄米」や「食べられなくなったお米(非食用米)」を配合して製造された紙を使用することで、フードロス削減の活動支援を行っております。
また、「うめのあぷり」から外食事業及びテイクアウト事業の各ブランドの情報発信を行い、お客様による当社グループの業態を超えた回遊性を高めるべくアプリの内容充実を進め、顧客接点強化に注力しております。
さらに、株主様及び取引先様との接点の強化にも取り組んでおります。
株主様との接点につきましては、商品・サービス・経営等に対するご意見をいただくことを目的とした外食事業及びテイクアウト事業における試食会、京都セントラルキッチンの見学会を継続してまいります。
取引先様との接点につきましては、相互発展を目指した協力及び親睦と交流を図ることを目的として、「梅の花グループ共栄会」を発足いたしました。
出退店につきましては、3店舗出店及び7店舗退店し、当連結会計年度の店舗数は、279店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は298億16百万円(前期比108.6%)となり、営業利益は8億19百万円(前期は営業利益89百万円)、経常利益は7億39百万円(前期は経常利益14百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億20百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4億40百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。
(外食事業)
外食事業におきましては、4年ぶりに新型コロナウイルス感染症による行動制限のない歓送迎会シーズンやインバウンド需要が引き続き好調なこともあり、売上高の回復傾向が継続しております。
「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、季節の食材を使用した懐石等のメニューや季節ごとのテイクアウト商品の販売強化を行い、引き続きお客様満足度の向上と売上確保に努めております。一部店舗においては、店内改装を実施しお客様の快適性及び従業員の作業環境の改善を行いました。また、「うめのあぷり」の会員様を対象とした試食会の継続実施に加えて店舗にてお食事をされたお客様を対象に、料理に関するアンケートを実施、お客様の声を商品開発に反映する等、顧客との接点を増やすことに取り組んでおります。また、メニュー価格の改定を行い、原価率の改善等に取り組み営業利益の確保に努めております。
「和食鍋処 すし半」につきましては、お酒が飲める逸品料理や幅広い世代をターゲットとしたメニューへリニューアルいたしました。また、LINEを活用したクーポン発行、近隣企業へのDM発送など集客に努めるとともにメニュー価格を改定したことにより客数・客単価ともに前期を上回っております。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、横浜日本大通り店を2023年10月に豊洲直送の新鮮魚介類を中心にお得に楽しめる居酒屋「魚がイチバン 横浜日本大通り店」としてリニューアルオープンし、好調に推移しております。また、さくら水産朝霞台北口店に続きさくら水産イオン新浦安店及び海鮮処魚さま光が丘店にて「まぐろの解体ショー」を行い、集客と認知度向上に引き続き努めております。
「熊本あか牛 しゃぶしゃぶ 甲梅」につきましては、インバウンドの効果が継続して好調なことにより前期の売上高を大きく上回っております。
各業態において取り組んでまいりましたメニューのリニューアル、顧客接点強化による認知度及び来店客数の増加、店舗管理体制の強化並びにコスト削減により、前期のセグメント利益より7億11百万円の改善となりました。
以上の結果、外食事業の売上高は169億99百万円(前期比111.6%)、セグメント利益9億31百万円(前期はセグメント利益2億19百万円)となりました。
店舗数につきましては、梅の花は1店舗退店し71店舗、すし半は9店舗、さくら水産は2店舗退店し20店舗、その他店舗は18店舗、外食事業の全店舗数は118店舗であります。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症移行後、外出機会の増加に伴い引き続き業績は回復傾向にあります。
梅の花・古市庵ブランドともに節分やひな祭りなどの各種イベント商品の販売が引き続き好調なことにより売上は堅調に推移いたしました。
前期に引き続き、梅の花・古市庵ブランドともに商品の価格改定を実施し原材料価格高騰に対応するとともに、店舗における効率的な商品製造や人員配置などの指導、並びに廃棄及び値引き等のロス抑制による原価率改善等、収益改善により前期のセグメント利益より78百万円の改善となりました。また、株主様に加えて一般のお客様を対象とした公開試食会を開催し、顧客との接点を増やすことに努めております。
以上の結果、テイクアウト事業の売上高は105億41百万円(前期比101.0%)、セグメント利益7億61百万円(前期はセグメント利益6億83百万円)となりました。
店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は2店舗出店及び4店舗退店し104店舗、梅の花テイクアウト店は1店舗出店し52店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は161店舗となりました。
(外販事業)
外販事業におきましては、「古市庵」の冷凍なみはや寿司、「湯葉と豆腐の店 梅の花」の人気商品、冷凍カキフライなど味の定評と独自性を活かし販路の拡大に努めております。
「通販本舗 梅あそび」につきましては、楽天市場等、他社の通販サイトへの出品の強化に加えて、WEB広告の継続による顧客へのアプローチに努めております。
以上の結果、外販事業の売上高は22億54百万円(前期比127.5%)、セグメント損失84百万円(前期はセグメント損失77百万円)となりました。
なお、株式会社丸平商店につきましては、2023年8月1日に当社へ吸収合併をいたしました。
(その他)
当社グループが所有する土地・建物等、有効活用を目的としたストック事業を進めており、大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件を建設し、賃貸事業を開始しております。
その他の売上高は21百万円(前期比137.9%)、セグメント損失1百万円(前期はセグメント損失1百万円)となりました。
当連結会計年度末における資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ1億94百万円減少し、251億10百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億33百万円及び流動資産その他が5億32百万円増加し、現金及び預金が8億98百万円及び投資有価証券が6億38百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ10億32百万円減少し、217億30百万円となりました。これは主に、借入金の総額が7億11百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ8億38百万円増加し、33億79百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益10億20百万円の計上、並びに普通株式及びA種優先株式の配当等により資本剰余金が1億62百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して、3億77百万円減少し、29億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は6億90百万円(前期は9億56百万円の収入)となりました。
前期に比べ2億65百万円収入が減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益が14億99百万円増加し、棚卸資産の増減額が5億23百万円、仕入債務の増減額が45百万円、助成金の受取額が5億85百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1億32百万円(前期は8億44百万円の支出)となりました。
前期に比べ7億11百万円支出が減少した主な要因は、投資有価証券の売却による収入が7億11百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は9億34百万円(前期は29億49百万円の支出)となりました。
前期に比べ20億14百万円支出が減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が20億20百万円、長期借入れによる収入が2億29百万円増加し、長期借入金の返済による支出が1億26百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
外食事業 | 1,613,643 | 110.5 |
テイクアウト事業 | 1,917,624 | 105.1 |
外販事業 | 2,584,306 | 139.4 |
その他 | - | - |
合計 | 6,115,574 | 119.0 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.当連結会計年度において、外販事業の生産実績に著しい変動がありました。その内容等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
外食事業 | 16,999,328 | 111.6 |
テイクアウト事業 | 10,541,219 | 101.0 |
外販事業 | 2,254,918 | 127.5 |
その他 | 21,403 | 137.9 |
合計 | 29,816,869 | 108.6 |
(注)1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、外販事業の販売実績に著しい変動がありました。その内容等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
④ 地域別販売実績
地域別 | 売上高(千円) | 構成比(%) | 前期比(%) |
福岡県 | 3,757,804 | 12.6 | 107.9 |
佐賀県 | 740,924 | 2.5 | 101.9 |
長崎県 | 409,168 | 1.4 | 114.9 |
熊本県 | 300,656 | 1.0 | 103.6 |
大分県 | 336,247 | 1.1 | 103.3 |
鹿児島県 | 350,785 | 1.2 | 120.8 |
宮崎県 | 34,210 | 0.1 | 96.4 |
愛媛県 | 285,786 | 1.0 | 103.2 |
山口県 | 1,372,778 | 4.6 | 109.3 |
広島県 | 641,201 | 2.2 | 101.5 |
岡山県 | 372,427 | 1.2 | 101.3 |
兵庫県 | 1,552,126 | 5.2 | 107.6 |
大阪府 | 4,862,154 | 16.3 | 110.8 |
和歌山県 | 73,120 | 0.2 | 100.8 |
奈良県 | 328,038 | 1.1 | 101.6 |
京都府 | 814,684 | 2.7 | 113.0 |
滋賀県 | 249,472 | 0.8 | 106.5 |
三重県 | 113,251 | 0.4 | 97.4 |
岐阜県 | 153,689 | 0.5 | 106.2 |
愛知県 | 1,124,969 | 3.8 | 106.7 |
静岡県 | 360,461 | 1.2 | 100.9 |
福井県 | 62,889 | 0.2 | 113.3 |
石川県 | 343,170 | 1.2 | 100.7 |
富山県 | 294,549 | 1.0 | 96.8 |
新潟県 | 145,866 | 0.5 | 104.8 |
東京都 | 5,498,513 | 18.4 | 113.2 |
神奈川県 | 2,359,119 | 7.9 | 104.0 |
千葉県 | 1,137,107 | 3.8 | 108.9 |
埼玉県 | 912,248 | 3.1 | 117.3 |
群馬県 | 28,012 | 0.1 | 94.1 |
茨城県 | 201,397 | 0.7 | 106.4 |
福島県 | 157,454 | 0.5 | 110.9 |
宮城県 | 304,514 | 1.0 | 100.8 |
北海道 | 138,082 | 0.5 | 120.0 |
合計 | 29,816,869 | 100.0 | 108.6 |
(注)福岡県には、ギフト商品等の通信販売を含んでおります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
四半期会計期間別セグメント別売上高及び売上高前年比(売上高は外部顧客売上高)
(単位:百万円、%)
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 通期 | ||
外食事業 | 売上高 | 3,997 | 4,017 | 4,781 | 4,201 | 16,999 |
前年比 | 113.8 | 115.8 | 111.7 | 105.9 | 111.6 | |
テイクアウト事業 | 売上高 | 2,531 | 2,503 | 2,854 | 2,651 | 10,541 |
前年比 | 103.8 | 103.0 | 98.8 | 98.9 | 101.0 | |
外販事業 | 売上高 | 371 | 640 | 724 | 518 | 2,254 |
前年比 | 131.7 | 126.1 | 135.5 | 116.9 | 127.5 | |
その他 | 売上高 | 4 | 4 | 5 | 6 | 21 |
前年比 | 151.5 | 112.4 | 123.3 | 170.0 | 137.9 | |
連結売上高 | 売上高 | 6,904 | 7,166 | 8,366 | 7,379 | 29,816 |
前年比 | 110.7 | 111.8 | 108.5 | 104.0 | 108.6 |
(外食事業)
第1四半期及び第2四半期は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことにより、売上高は前年実績を大幅に上回りました。第3四半期及び第4四半期は、4年ぶりに新型コロナウイルス感染症による制限のない年末年始や歓送迎会及びインバウンド需要の回復により前年実績を上回る結果となりました。
(テイクアウト事業)
当期は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行後、外出機会の増加により百貨店等への来店客数の回復が見られたことにより売上高は前年実績を上回りました。
(外販事業)
当期は、新規取引先の拡大や既存取引先へのセントラルキッチンの既存製品の販売量増加や、冷凍惣菜等の新商品開発による取扱品目の増加並びに量販店向けに販売強化を行い、前年実績を上回りました。
(その他)
当期は、当社グループが所有する土地・建物等、有効活用を目的としたストック事業を開始いたしました。
b.営業利益
四半期会計期間別セグメント営業利益及び前年増減額
(単位:百万円)
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 通期 | ||
外食事業 | セグメント利益 | 153 | 48 | 538 | 190 | 931 |
前年増減 | +241 | +235 | +254 | △18 | +711 | |
テイクアウト事業 | セグメント利益 | 159 | 143 | 268 | 190 | 761 |
前年増減 | +43 | +46 | +10 | △21 | +78 | |
外販事業 | セグメント利益 | △33 | △37 | 7 | △21 | △84 |
前年増減 | +10 | △22 | △5 | +9 | △7 | |
その他 | セグメント利益 | 0 | 0 | 1 | △4 | △1 |
前年増減 | +1 | +0 | +0 | △2 | +0 | |
連結営業利益 | セグメント利益 | 74 | △30 | 617 | 159 | 819 |
前年増減 | +227 | +216 | +199 | +86 | +729 |
(外食事業)
セグメント利益の確保のため、コスト削減に取り組むとともに賃上げや原材料及び資源価格の上昇に対応するため各業態で販売価格の改定を実施いたしました。
第4四半期は、2025年4月期に計画していた店舗改装の一部を前倒ししたことにより前期より18百万円減少いたしました。
(テイクアウト事業)
セグメント利益の確保のため、適正なシフト管理、店舗内製造の強化と製造量の調整によるロスの削減による売上原価率の改善、売上高に対する販売管理費比率の低減等に努めるとともに、価格改定を実施し人件費上昇や原材料価格高騰の対応を行いました。
また、百貨店への来客数が増加したことや季節イベント等の各種企画商品の販売が好調なことにより、売上高が前年を上回ったことで、セグメント利益は増益となりました。
(外販事業)
新しい試みとして冷凍おせちの製造を受託する等、既存商品の販売強化を行うとともに、冷凍寿司等の冷凍商品の販売強化を目的に、量販店等の新規取引先を開拓したことで売上高が前年実績を上回りましたが、仕入れ原材料の価格の上昇により、セグメント損失は84百万円となりました。
(その他)
当社の保有する土地や建物等の資産を有効活用するため、第4四半期より大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件及びトランクルームを建設し、ストック事業を開始いたしました。建設に係る一時費用を計上したことにより、セグメント損失となりました。
(全社費用)
各セグメントに帰属しない全社費用については、コスト削減や業務の効率化及び生産性の向上により前年より729百万円の改善となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益3億76百万円を特別利益に計上したことにより、10億20百万円となりました。
d.財政状態
(単位:百万円)
当期末 | 前期増減 | 主な増減内容 | |
資産合計 | 25,110 | △194 | 現金及び預金 |
負債合計 | 21,730 | △1,032 | 借入金の返済 |
純資産 | 3,379 | 838 | 親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び資本剰余金の減少 |
資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ1億94百万円減少し、251億10百万円となりました。これは主に、棚卸資産が8億33百万円及び流動資産その他が5億32百万円増加し、現金及び預金が8億98百万円及び投資有価証券が6億38百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ10億32百万円減少し、217億30百万円となりました。これは主に、借入金の総額が7億11百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ8億38百万円増加し、33億79百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益10億20百万円の計上、並びに普通株式及びA種優先株式の配当等により資本剰余金が1億62百万円減少したことによるものであります。
なお、経営成績及び財政状態の検討課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
2020年4月期 | 2021年4月期 | 2022年4月期 | 2023年4月期 | 2024年4月期 | |
自己資本比率(%) | 11.0 | 3.6 | 10.4 | 9.9 | 13.4 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | - | 55.8 | 18.6 | 24.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | - | 4.4 | 12.5 | 9.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2.2020年4月期及び2021年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用を短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。
また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROE、自己資本比率、PBR、株価を重視しております。
また、当社グループは、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては、目標としていた5%を達成しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。
減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額又は使用価値により測定しております。使用価値は、当社グループに要求される資本コストを考慮した割引率による割引後の将来キャッシュ・フローの合計額としております。
減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や会社により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5.減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1億7百万円を計上いたしました。
b. 資産除去債務
当社グループは、主に店舗用の不動産賃借に係る契約に規定された原状回復義務に基づく原状回復費用の見込額を使用見込期間で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。使用見込期間は該当資産の耐用年数を基準に決定しており、割引率は、当該期間における国債利回りを使用しております。
原状回復費用の見込額は、過年度の原状回復費用の実績から異常値を除いた平均値又は退店の意思決定を行った店舗については、個別の見積額を使用しております。
過年度の原状回復費用の平均値について、将来の実績値と大きく乖離する場合は、資産除去債務の履行差額の計上又は資産除去債務の追加計上により翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社はグループ通算制度を適用しており、法人税に係る部分についてはグループ通算制度を適用するグループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。